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Posted by ブクログ
今シリーズも安定のワンパタ具合が心地よい。女将の生きている世界ではスマホなどのありえないものが登場しても『ヘンな板』持っている人もいるものね的に首を傾げる程度で華麗にスルー。この作品を読み始めた頃、現代と繋がっていることに気づいたら女将も米屋も消滅してしまうんじゃないかと密かに心配していたが、案外大丈夫なようにできているらしい。不思議ではあっても物騒なことはなにも、ない。だからこの物語は心地よいのかもしれない。まあ、不実な客には容赦ない結末が待っていたりもするが、それも人生をやり直すきっかけを与えてくれているのかもしれない。そう考えると米屋の存在はやっぱり優しい。そしてまだまだこのシリーズは続く模様。大変嬉しい。
Posted by ブクログ
そこは商店街の裏通り。現在では整骨院になっている土地は、かつて米屋という居酒屋があった場所だ。
今から30年前に女将が亡くなり店も人手に渡って久しくなるが、今でも夕方になり悩みを抱えた人が通りかかると、米屋は忽然と現れるという。そして、悩める人は誘われるように暖簾をくぐる。
さて今夜、女将の心づくしの酒とアテに邂逅する客の抱える屈託とは …… 。
東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。『ゆうれい居酒屋』シリーズ3作目。
◇
誰かに呼ばれた気がして、秋穂は目が覚めた。どうやらうたたねしていたらしい。仏壇の前に座った秋穂は、さっきまで夢でおしゃべりしていた夫に手を合わせた。さあ開店の準備だ。
軒先に暖簾を上げると、さっそく常連客が戸を開けて入ってきた。皮切りは沓掛音二郎と水ノ江時彦だ。 ( 実は2人とも冥界の住人だが本人たちにその自覚はない。)
午後9時に店から客が引けた。いつもの夜よりも少し早いが、もう看板にしようかと秋穂が迷っていると、喪服姿の中年男が入ってきた。
男は長い金髪を三つ編みにして肩に垂らしており、生え際には剃り込みを入れている。おまけに夜だというのにサングラスをかけている。怪しげな一見客に息を呑んだ秋穂だったが……。
( 第1話「イワシは33回転」) ※全5話。
* * * * *
今回は各話ともオープニングは秋穂と正美のやり取り ( もちろん秋穂の夢 ) で、亡き夫である正美の為人が少しずつわかる展開になっています。2人は子どもはいないものの、仲睦まじい夫婦だったのがよくわかります。
さて3作目も5話構成。いずれも心温まるお話でしたが、気に入ったのは第3話の「新小岩のリル」です。
堅実に生きるふみえと消費文化に毒された美貴。そのスタンスの違いが米屋では際立っています。分をわきまえるのか分を超えるのか。
米屋が秋穂1人で切り盛りできるだけのアテしか出さないことを考えれば、ふみえと美貴のどちらが落ち着ける店なのかははっきりしています。そこのところの描写がおもしろかった。
ところで、我が家のネコも完全室内飼いなのですが、ふとしたはずみで外に出たことが何回かありました。ただ出てみたものの室内とはすべてが違うためか、足がすくんでその場で固まってしまったので楽に保護できました。
それでも念の為に、爪研ぎを使って家へのルートを示す方法は覚えておこうと思いました。
長く飼っているとネコもかけがえのない家族だというのは実感しています。
今年で15歳の我が家の老猫。動きもゆったりしてきています。これからも仲よく暮らして、いざその日がきたらきちんと看取ってやりたいと思います。
本シリーズを通して描かれるのが「昭和は遠くなりにけり」という思いですが、それでも山口恵以子さんを育てた昭和の人情が、今でも変わらず人々に安心と元気をもたらしていく展開にうれしさを感じてしまいます。
そんなことを思って読み終えました。
「魔法のタレ」はさっそく作ってみます。甘エビがスーパーに並ぶときが楽しみです。
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