『食堂のおばちゃん』シリーズ第1弾!
『ゆうれい居酒屋』シリーズ第1弾を今年の2月に読んでから、すっかり山口恵以子さんの大ファンになりました。それ以来3ヶ月の間に、本書を含めると計10冊読んだことになります。
・『ゆうれい居酒屋』シリーズ第1弾~第4弾
・『婚活食堂』シリーズ第1弾~第4弾
・『バナナケーキの幸福』
さて、本書ですが、
いや~本当に面白かったですね!
読む前から「絶対に面白いだろう」とは思っていましたが、その期待を軽々とクリアしてくれました。
山口さんの「食」を題材とする作品群の魅力といえば、
美味しい料理と魅力溢れる主人公、そこに涙と笑い、時には人生訓までをも盛り込ませ、読者をほっこりさせてくれるところだろうと思いますが、本シリーズは、その元祖(本シリーズがヒットしたのが始まりですよね)ですから、面白くて当然でしたね。
とりわけ第1話と第5話は印象的だったので、少しだけ触れておきます。
第1話『三丁目のカレーライス』
物語の面白さからは少し外れますが、
お客との会話の中で、
「子供の頃食べたカレーが食いたいな。水で溶いたうどん粉でとろみつけたやつ」
「あ、うちもそうでした。子供の頃、母が作ってくれたカレー」
・・・
「今考えりゃ大して美味いはずないんだけど、御馳走だったよなあ、おふくろの作ってくれたカレー」
という場面・文章が出てくるのですが、ちょっと驚きましたね。と同時に懐かしさと嬉しさも感じました。
何故なら、私の母も同じように水で溶いたうどん粉(小麦粉)でとろみをつけていたからです。
但し、当時の私にはとても美味しいとは思えませんでした。水で溶いたうどん粉(小麦粉)でとろみをつけることは、母がとろみをつけたいという目的のためだけにあみ出した(母独自の)調理法だと思っており、そんな余計なことをするから美味しくなくなると,子供の私は母に文句ばかり言って困らせていたという記憶が蘇りました。
ところが、ある時期には(我が家だけではなく)一般的に行われていた調理法だったんですね。
本書を読んで初めて知りました。
(無知とは恐ろしいですね)
第5話『幻のビーフシチュー』
主人公「二三(ふみ)」が当麻という女たらしに熱を上げている娘の「要(かなめ)」に
「よく聞きなさい。愛情っていうのは無理を強いるものなの。やりたくないこと、嫌なこと、辛いことでも、愛する誰かのためにせざるを得ないのが愛というものなの。当麻があんたのためにやりたくないこと、つまり我慢したことある?ないでしょ。あんたが嫌がっても他の女と付き合いも続けてるんでしょ?それは愛情がないからよ。分かった?」
と、きっぱりと言い放つ場面は、娘を想う母として、また人生経験を積んだ同じ女性としてのアドバイスと読みとれます。
ですが、それよりも強く頭に浮かんだのは、山口さんが動画などで仰ってるのを観たことがあるのですが、人が生きていく中で大事にするもの、それは「粋」であるか、ということでした。
山口さんの定義する「粋」とは、自分は辛い思いをしてでも、愛する人が幸せになるために頑張るということだと理解していますので、先の娘への言葉は、まさしく「そのこと」を言っているのだと思いましたね。
何はともあれ、本書を読んだことで、(上記2シリーズに加えて)本シリーズも読み続けていくことになりました。
嬉しい悲鳴ですね!