山口恵以子のレビュー一覧
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山口恵以子さんの描写はなぜ美味しさが伝わってくるのだろう。
季節やはじめ食堂で繰り広げられる心温まる出来事がそうさせているのは間違いない。
それだけではない隠し味があるように思うのだ。
真夏の焼きそば
お世辞と坊主の頭はゆった事がない、っていう表現も面白い。ブルドック、シェパードって、ブルドックソースは知っているが・・・
禁断のチーズ和え
イチジクチーズ、食べたい。二三の言語能力も大したものだ。
初めてのハラール
洋風料理が続くが、イスラムでハラームは豚肉やアルコールなど食べられないもの。ハラールはそれ以外で、私の場合は、全ての食材を指す。
過ぎし日のカブラ蒸し
秋刀魚の塩焼きも大好きだ。周りから私の食べた後は綺麗だと言われる。きっと魚が好きだからかもしれない。残るのは頭と骨と尻尾だけになる。
カブラ蒸しと茶碗蒸しは微妙に違う、イヤ別ものだ。でも、カブラ蒸しは、ゆりねや銀杏が入っていると高級料亭に来た気分になる。ここで登場した女子高生は、今後の布石だろうか?
気の強い小鍋立て
気が強いだけでは本当の強さとは言えないと思う。他者への優しさがあって、礼節をわきまえることができ、信念に基づいて行動する人が本当の強い人だと思う。
万里の成長も目に見える。適性もあるのだろうが、どこか危うさもあって心配になる。しかし、万里の成長も隠し味なのかもしれない。 -
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過去の自分の思い出は音楽や書籍とともにあるように、食事や飲み物もともにその時代を彩る。
ローストビーフってお弁当に入れるものではない。我が家では一度だけ入っていたことがある。姉妹は弁当を開けてすぐに蓋をしたが、私は完食した。そして夕方救急車で運ばれた。夏の日の出来事だった。一子や二三と違って、我が家の母は大雑把でその血をみんな引き継いでいる。
複雑なメイの気持ちとそれを弄ぶヤツ、メイにとっては大きな良い経験だと割り切ってほしいと思った。
不倫はそれぞれが幸せになることができるのだろうか?一子の「老いるのではなく大人になりなさい」という説得の仕方が、きっと相手に響く言葉なんだろう。
花見は三原さんのマンションで、桜の花の天幕のあるマンションってステキだなぁ。そしてその美しさに負けないほどの三原さんの思い出に、儚く寂しさを感じた。
今回は1月から5月の季節の物語5話だった。はじめ食堂に集う人たちの温かく、思いやりのある言動がなんとも心地よく目の中に飛び込んできた。
要や万里の成長も美しい文章で描かれている。人もお店も時間とともに変化していくものだ。季節の移り変わりだけでなく、時代の流れも上手く表現された作品だった。
今回もほわほわさせられた。私の時の思い出とともに。山口恵以子さんに感謝だ。 -
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歌はどんな時代でも印象深く心に刻まれる。曲だけでなく歌詞もその時代の思い出と共に生き続けると思うのである。
麻婆茄子とどんな関係が紐付くのかも楽しめる。
二三のはずとふんどしは外れるもんですのよって面白い表現だ。
熊本の太平燕は一時流行し、私は流行の最先端、イヤ中程、すみません、最後方を歩んでいるので、一度だけ食べさせてもらった。ヘルシーでダイエットに向いている。最近はコンビニでもお目にかからない。残念だ。
味噌汁は私も大好きで、日本人に生まれてよかったと感じるものだ。中身によって色んな変化が味わえるのも良い。
辛子レンコンは美味しいからと熊本で大量に買って帰って、家族から叱られた思い出がある。飲食店では食中毒のリスクはつきものであるが、一子の対応が素晴らしい。物語は少し辛い。
私は、モツ煮込みって、特にご飯のお供に口にする。誰がどんな大志を抱くのだろう?
顧客が誰で、何を出すかだけでなく、その店で働く人たちの想いが、すてきな店を作る。食堂に限らず、どんな商売でもコンセプトは大事だと感じた作品だった。 -
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孝蔵と一子のはじめ食堂の駆け出し時代が描かれている。まだ洋食屋の頃だ。そしてタカシも小2だ。孝蔵の人情が溢れ、一子とのコンビが調味料と同じく絶妙な匙加減だ。
ビフテキは、一子がタカシからヒントを得た。洋食とフランス料理の違い、食事と料理の違いも、感覚でわかっても言葉で説明できなかったが、一子の気づきにハッとさせられる。様々な覚悟が交錯する。
もんじゃといえば月島、洋食だろうか?ウルトラって、あのウルトラだと思ったら捻っていた。着地はウルトラE難度並みに美しい。ほっこりさせられた。
グラタンのように熱い時も冷めた時も美味しい人生を送りたいものだ。
ハンバーグ、変身?今度は仮面ライダーか?本当に強い人は威張ったり、言葉で脅したりしない。ハンバーグの変身の例えは決して下手ではなかった。
料理の味はその人の思い出とともに記憶に残る。コンソメスープの優しさが、なんとも気持ちも温めてくれた。
始まりがあれば別れは必ず来る。そして別れはまた、始まりでもある。新しい味を求めて人生をかけるのに、ラーメンは一点集中できる良い選択だと感じた。
それぞれの話題が恋に焦がれ、甘酸っぱい味が伝わってきた。デザートはイチゴに練乳かけて食べたくなった。 -
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『ゆうれい居酒屋』シリーズ第4弾!
本書も、第1弾~第3弾までと同様に、とても楽しませてもらいました。
とりわけ、第二話と第三話は心に染みるいいお話でした。
このシリーズの良さの一つは、”短編であること”に間違いはないと思いますが、第二話や第三話のような秀抜な作品(勿論、第1弾~第3弾にもありました)になると、もっと内容を膨らませ、深堀して、(このシリーズとは別になりますが)長編に仕上げてほしいという我儘なお願いをしたくなります。
また、第五話にも触れておく必要があります。
このシリーズのもう一つの良さに、”パターン化”がありますが、第五話での「終わり方」が今までのパターンとは異なります。(「あとがき」でも言及されています)
私としては、今までの「終わり方」が大好きだったので、少し肩透かしを食らった感は否めなかったものの、決して残念と思うほどではなく、良作であることに変わりはありません。
さて、次は第5弾となりますが、残念ながら6月の刊行まで待たねばならないようですので、山口さんの別シリーズである『婚活食堂』に手を伸ばしたいと思います。