山口恵以子のレビュー一覧
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『ゆうれい居酒屋』シリーズ第4弾!
本書も、第1弾~第3弾までと同様に、とても楽しませてもらいました。
とりわけ、第二話と第三話は心に染みるいいお話でした。
このシリーズの良さの一つは、”短編であること”に間違いはないと思いますが、第二話や第三話のような秀抜な作品(勿論、第1弾~第3弾にもありました)になると、もっと内容を膨らませ、深堀して、(このシリーズとは別になりますが)長編に仕上げてほしいという我儘なお願いをしたくなります。
また、第五話にも触れておく必要があります。
このシリーズのもう一つの良さに、”パターン化”がありますが、第五話での「終わり方」が今までのパターンとは異なります。(「あとがき」でも言及されています)
私としては、今までの「終わり方」が大好きだったので、少し肩透かしを食らった感は否めなかったものの、決して残念と思うほどではなく、良作であることに変わりはありません。
さて、次は第5弾となりますが、残念ながら6月の刊行まで待たねばならないようですので、山口さんの別シリーズである『婚活食堂』に手を伸ばしたいと思います。 -
Posted by ブクログ
山口恵以子さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
いつも立ち寄る本屋さんの文庫本コーナーで物色していると、『ゆうれい居酒屋』というタイトルが目に飛び込んできました。
直ぐに手に取って、裏面のあらすじに目を通すと、
”ちょっと不思議でしみじみ温かい居酒屋物語”とあり、これは「ちょっと面白そうだな」と思い、次に最初の数ページを読んだところで、これは「読まねば!」とレジに向かいました。
読む前の期待を裏切られることなく楽しいひとときを過ごさせていただき、(裏面のあらすじどおり)しみじみ温かい気持ちになりました。
人気シリーズなのでしょう、現時点で『ゆうれい居酒屋4』まで刊行されているようです。
次回、本屋さんに立ち寄った際には『ゆうれい居酒屋2』を持ってレジに向かっていることでしょう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新小岩駅前ルミエール商店街にある米屋。
米屋って名前だけれど、居酒屋。
そして、居酒屋は居酒屋でも、実在していない居酒屋。
このシリーズの好きなところは、さらっと読めて、ほっこりするところ。
少々、こじつけっぽいところも否めないが、そこまで気にはならない。
今回、読んでいて、今更気づいたこと。
単に幽霊のやっている居酒屋に、悩める人が行ったってわけではなく、その居酒屋の中は、時空が捩れているよなーと。
だって、そこで話したことを30年後の子供が親から聞いてるんだもん。
だから、実際は、居酒屋を発見した時代にタイムスリップしているってことよね。
今更ながら面白い設定だなー。。
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Posted by ブクログ
そこは商店街の裏通り。現在では整骨院になっている土地は、かつて米屋という居酒屋があった場所だ。
今から30年前に女将が亡くなり店も人手に渡って久しくなるが、今でも夕方になり悩みを抱えた人が通りかかると、米屋は忽然と現れるという。そして、悩める人は誘われるように暖簾をくぐる。
さて今夜、女将の心づくしの酒とアテに邂逅する客の抱える屈託とは …… 。
東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。『ゆうれい居酒屋』シリーズ3作目。
◇
誰かに呼ばれた気がして、秋穂は目が覚めた。どうやらうたたねしていたらしい。仏壇の前に座った秋穂は、さっきまで夢でおしゃべりしていた夫に手を合わせた。さあ開店の準備だ。
軒先に暖簾を上げると、さっそく常連客が戸を開けて入ってきた。皮切りは沓掛音二郎と水ノ江時彦だ。 ( 実は2人とも冥界の住人だが本人たちにその自覚はない。)
午後9時に店から客が引けた。いつもの夜よりも少し早いが、もう看板にしようかと秋穂が迷っていると、喪服姿の中年男が入ってきた。
男は長い金髪を三つ編みにして肩に垂らしており、生え際には剃り込みを入れている。おまけに夜だというのにサングラスをかけている。怪しげな一見客に息を呑んだ秋穂だったが……。
( 第1話「イワシは33回転」) ※全5話。
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今回は各話ともオープニングは秋穂と正美のやり取り ( もちろん秋穂の夢 ) で、亡き夫である正美の為人が少しずつわかる展開になっています。2人は子どもはいないものの、仲睦まじい夫婦だったのがよくわかります。
さて3作目も5話構成。いずれも心温まるお話でしたが、気に入ったのは第3話の「新小岩のリル」です。
堅実に生きるふみえと消費文化に毒された美貴。そのスタンスの違いが米屋では際立っています。分をわきまえるのか分を超えるのか。
米屋が秋穂1人で切り盛りできるだけのアテしか出さないことを考えれば、ふみえと美貴のどちらが落ち着ける店なのかははっきりしています。そこのところの描写がおもしろかった。
ところで、我が家のネコも完全室内飼いなのですが、ふとしたはずみで外に出たことが何回かありました。ただ出てみたものの室内とはすべてが違うためか、足がすくんでその場で固まってしまったので楽に保護できました。
それでも念の為に、爪研ぎを使って家へのルートを示す方法は覚えておこうと思いました。
長く飼っているとネコもかけがえのない家族だというのは実感しています。
今年で15歳の我が家の老猫。動きもゆったりしてきています。これからも仲よく暮らして、いざその日がきたらきちんと看取ってやりたいと思います。
本シリーズを通して描かれるのが「昭和は遠くなりにけり」という思いですが、それでも山口恵以子さんを育てた昭和の人情が、今でも変わらず人々に安心と元気をもたらしていく展開にうれしさを感じてしまいます。
そんなことを思って読み終えました。
「魔法のタレ」はさっそく作ってみます。甘エビがスーパーに並ぶときが楽しみです。