山口恵以子のレビュー一覧
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山口恵以子さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
いつも立ち寄る本屋さんの文庫本コーナーで物色していると、『ゆうれい居酒屋』というタイトルが目に飛び込んできました。
直ぐに手に取って、裏面のあらすじに目を通すと、
”ちょっと不思議でしみじみ温かい居酒屋物語”とあり、これは「ちょっと面白そうだな」と思い、次に最初の数ページを読んだところで、これは「読まねば!」とレジに向かいました。
読む前の期待を裏切られることなく楽しいひとときを過ごさせていただき、(裏面のあらすじどおり)しみじみ温かい気持ちになりました。
人気シリーズなのでしょう、現時点で『ゆうれい居酒屋4』まで刊行されているようです。
次回、本屋さんに立ち寄った際には『ゆうれい居酒屋2』を持ってレジに向かっていることでしょう。 -
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ネタバレ新小岩駅前ルミエール商店街にある米屋。
米屋って名前だけれど、居酒屋。
そして、居酒屋は居酒屋でも、実在していない居酒屋。
このシリーズの好きなところは、さらっと読めて、ほっこりするところ。
少々、こじつけっぽいところも否めないが、そこまで気にはならない。
今回、読んでいて、今更気づいたこと。
単に幽霊のやっている居酒屋に、悩める人が行ったってわけではなく、その居酒屋の中は、時空が捩れているよなーと。
だって、そこで話したことを30年後の子供が親から聞いてるんだもん。
だから、実際は、居酒屋を発見した時代にタイムスリップしているってことよね。
今更ながら面白い設定だなー。。
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Posted by ブクログ
そこは商店街の裏通り。現在では整骨院になっている土地は、かつて米屋という居酒屋があった場所だ。
今から30年前に女将が亡くなり店も人手に渡って久しくなるが、今でも夕方になり悩みを抱えた人が通りかかると、米屋は忽然と現れるという。そして、悩める人は誘われるように暖簾をくぐる。
さて今夜、女将の心づくしの酒とアテに邂逅する客の抱える屈託とは …… 。
東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。『ゆうれい居酒屋』シリーズ3作目。
◇
誰かに呼ばれた気がして、秋穂は目が覚めた。どうやらうたたねしていたらしい。仏壇の前に座った秋穂は、さっきまで夢でおしゃべりしていた夫に手を合わせた。さあ開店の準備だ。
軒先に暖簾を上げると、さっそく常連客が戸を開けて入ってきた。皮切りは沓掛音二郎と水ノ江時彦だ。 ( 実は2人とも冥界の住人だが本人たちにその自覚はない。)
午後9時に店から客が引けた。いつもの夜よりも少し早いが、もう看板にしようかと秋穂が迷っていると、喪服姿の中年男が入ってきた。
男は長い金髪を三つ編みにして肩に垂らしており、生え際には剃り込みを入れている。おまけに夜だというのにサングラスをかけている。怪しげな一見客に息を呑んだ秋穂だったが……。
( 第1話「イワシは33回転」) ※全5話。
* * * * *
今回は各話ともオープニングは秋穂と正美のやり取り ( もちろん秋穂の夢 ) で、亡き夫である正美の為人が少しずつわかる展開になっています。2人は子どもはいないものの、仲睦まじい夫婦だったのがよくわかります。
さて3作目も5話構成。いずれも心温まるお話でしたが、気に入ったのは第3話の「新小岩のリル」です。
堅実に生きるふみえと消費文化に毒された美貴。そのスタンスの違いが米屋では際立っています。分をわきまえるのか分を超えるのか。
米屋が秋穂1人で切り盛りできるだけのアテしか出さないことを考えれば、ふみえと美貴のどちらが落ち着ける店なのかははっきりしています。そこのところの描写がおもしろかった。
ところで、我が家のネコも完全室内飼いなのですが、ふとしたはずみで外に出たことが何回かありました。ただ出てみたものの室内とはすべてが違うためか、足がすくんでその場で固まってしまったので楽に保護できました。
それでも念の為に、爪研ぎを使って家へのルートを示す方法は覚えておこうと思いました。
長く飼っているとネコもかけがえのない家族だというのは実感しています。
今年で15歳の我が家の老猫。動きもゆったりしてきています。これからも仲よく暮らして、いざその日がきたらきちんと看取ってやりたいと思います。
本シリーズを通して描かれるのが「昭和は遠くなりにけり」という思いですが、それでも山口恵以子さんを育てた昭和の人情が、今でも変わらず人々に安心と元気をもたらしていく展開にうれしさを感じてしまいます。
そんなことを思って読み終えました。
「魔法のタレ」はさっそく作ってみます。甘エビがスーパーに並ぶときが楽しみです。 -
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元・人気占い師の玉坂恵が1人で切り盛りするおでん屋「めぐみ食堂」を舞台にした婚活ヒューマンファンタジー。本巻はシリーズ9作目で、5話からなる連作短編集。
◇
5月のある日、口開けの客として暖簾をくぐって入ってきたのは、織部杏奈と麻生瑠央の2人。2人の華やかな出で立ちの理由を恵が尋ねたところ、友人の愛茉が結婚式を挙げたその帰りだという。
彼女たちは元々4人グループで、かつてはイケメン実業家の藤原海斗を巡って鞘当てをした関係でもある。けれど外見や経済力だけに囚われずに、自分に合った愛し方ができる相手と出会い結ばれていく彼女たちを見て、心から祝福する恵だった。
翌週の金曜日、沢口秀が友人2人を連れて来店した。どちらも美人だが、気の強そうな方は薬剤師の二本松楓、柔らかな雰囲気の方は介護士の山添ありさであると秀が紹介してくれた。
聞けば、ありさには10年のつきあいになる恋人がいるのだが未だに結婚の話が出てこないという。秀と楓はそれを心配して、恵に鑑てもらおうとめぐみ食堂にありさを連れてきたとのことだった。話を聞いた恵は……。( 第1話「一皿目 縁は異なもの鯵なもの」) 全5話。
* * * * *
本巻での中心になるのは介護士の山添ありさの婚活です。
大学の先輩でTV局ディレクターの桐ヶ谷壮太と10年間交際してきたありさですが、未だにプロポーズされていません。
ありさから水を向けても桐ヶ谷は煮えきらない返事しか返さない状態が続いているといいます。そんな不誠実なモラトリアム男との関係をどうするかが、作品を通して描かれます。
桐ヶ谷は、超イケメンというわけでも男らしくグイグイ引っ張っていくというタイプでもないのですが、細やかな気遣いで意外によくモテる男性です。
そんな男性がTV局というハデな世界に身をおいていると……。
介護という地味な世界で堅実に仕事をこなすありさとは、どうしてもズレが生じていくものなのでしょうか。
32歳になったありさの決断は ⁉
桐ヶ谷に引きずられるだけだったありさの成長と自立を描く一方で、2つの淡い恋も挿入されます。
その1つが、福祉事業家の名高が恵に一目惚れした挙げ句、正式にプロポーズしてきたという出来事です。
育ちがよく真面目で誠実そうな名高に恵もまんざらでない様子ですが、結婚したらめぐみ食堂は閉じてほしいという名高の希望に恵は……。
もう1つは、恵の後盾にもなっている真行寺の想いです。
かつて真行寺の恋人だった朝香椿が銀座のクラブを閉め博多に帰ってしまいます。
椿のクラブは客筋もよく盛況だったのですが、コロナ禍でかなりのダメージを受けていたため見切りをつけて郷里に帰ったということでした。
別れて久しいはずの2人。ですが、椿が遠く離れたことで真行寺の気持ちに変化があったようで……。
個人的には恵と真行寺の「おとなの恋」を期待しているので、 ( ともに自分の気持ちに気づいていない状態だと見ているのですが ) 早く自身の心を見つめ直してくれないものかと密かに思っています。
さて本巻では、さらにもうひと組、恋に発展しそうな常連さんの男女 ( この2人の恋はなかなかおもしろそうです ) も登場しているので、続編が楽しみでなりません。 -
Posted by ブクログ
内容(ブックデータベースより)
めぐみ食堂にライバル店現る!?
近所に開店した居酒屋「ゑんむすび」には、恵の占い師時代の同僚が関わっていて――。
心もお腹も幸せになる人情グルメ小説シリーズ最新刊。
四谷のしんみち通りにある「めぐみ食堂」は、元人気占い師の女将・恵が切り盛りするおでん居酒屋だ。
初来店した大学生の鷲見毅は、めぐみ食堂が婚活のパワースポットだと知り、父親の敦を連れてくる。
一方、近所にオープンした「占い居酒屋 ゑんむすび」のタロット占い師は、恵の若い頃の知り合いで……。
鯛のあら炊き、菜の花とハマグリのクリーム煮、塩レバーなど、新メニューも満載の人気シリーズ第8弾!
令和5年12月4日~6日