山口恵以子のレビュー一覧
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食堂のおばちゃんシリーズ、もう4作目。
今回は、登場人物たちにとっての変化は、二三の娘要が、勤務先の出版社で歴史小説の大御所先生の担当になったことくらいだろうか。
万里も料理人としての自信をつけてきて良い感じだし、一子と二三は相変わらず。
歳の離れた叔父に憧れを抱いている女性に対して、一子が言った言葉が、ちょっと泣けたなぁ。
歳をとるということは、十年前にできたことができなくなる、五年前にできたことができなくなる、そして昨日できたことができなくなるということだ、と。
最近、よく考える。60代半ばの私の母、十年後は同じようにいてくれるのだろうか?と。
歳をとるということ、出来ないことが増えて -
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姑の一子(いちこ)と嫁の二三(ふみ)が営む「はじめ食堂」の物語、第12弾。
長らく一緒に働いていた、赤目万里(あかめ ばんり)が料理屋に本格修行に出ることになって「はじめ食堂」を前作で卒業した。
ちょっと寂しいなと思っていたら、毎日、賄いを食べに来てから出勤ですって!
賑やかさが失われなくて良かった。
代わりに入った青木皐(あおき さつき)も、ほぼ勝手知ったるはじめ食堂で、接客はもちろんバッチリ、新しい料理のアイデアも出し始めて、おばちゃん二人の食堂に、また新しい風が吹く。
美味しい料理がいろいろ出てきて、この作品を読むと、なぜか「食べたい」より「作りたい」が先に立つ。
毎日晩ごはんを作るのは -
Posted by ブクログ
物語の舞台は、19世紀半ばに上海に設定された外国人居留地、即ち租界が舞台となっています。
上海租界では様々な様式のモダンなビル群が並び、最先端の文化を享受することが可能な衛星都市で、ファッションの面でも大胆な最先端モードが発信されていました。
『月下上海』で描かれている上海租界は、当時の雰囲気がとてもリアルに描かれ、まるで私は彼の地の風景を眺めているような感覚を抱いてしまいました。
主人公の八島多江子は財閥の美しい令嬢であり、愛する夫との破局を機に、画家を目指して昭和17年に上海に赴きます。
多江子は持前の美貌と才能に加え、物事に動じない性格が相まって、上海租界で画家としての社会的地位を確立し