山口恵以子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元・人気占い師の玉坂恵が1人で切り盛りするおでん屋「めぐみ食堂」を舞台にした婚活ヒューマンファンタジー。本巻はシリーズ9作目で、5話からなる連作短編集。
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5月のある日、口開けの客として暖簾をくぐって入ってきたのは、織部杏奈と麻生瑠央の2人。2人の華やかな出で立ちの理由を恵が尋ねたところ、友人の愛茉が結婚式を挙げたその帰りだという。
彼女たちは元々4人グループで、かつてはイケメン実業家の藤原海斗を巡って鞘当てをした関係でもある。けれど外見や経済力だけに囚われずに、自分に合った愛し方ができる相手と出会い結ばれていく彼女たちを見て、心から祝福する恵だった。
翌週の金曜日、沢口秀が友人2人を連れて来店した。どちらも美人だが、気の強そうな方は薬剤師の二本松楓、柔らかな雰囲気の方は介護士の山添ありさであると秀が紹介してくれた。
聞けば、ありさには10年のつきあいになる恋人がいるのだが未だに結婚の話が出てこないという。秀と楓はそれを心配して、恵に鑑てもらおうとめぐみ食堂にありさを連れてきたとのことだった。話を聞いた恵は……。( 第1話「一皿目 縁は異なもの鯵なもの」) 全5話。
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本巻での中心になるのは介護士の山添ありさの婚活です。
大学の先輩でTV局ディレクターの桐ヶ谷壮太と10年間交際してきたありさですが、未だにプロポーズされていません。
ありさから水を向けても桐ヶ谷は煮えきらない返事しか返さない状態が続いているといいます。そんな不誠実なモラトリアム男との関係をどうするかが、作品を通して描かれます。
桐ヶ谷は、超イケメンというわけでも男らしくグイグイ引っ張っていくというタイプでもないのですが、細やかな気遣いで意外によくモテる男性です。
そんな男性がTV局というハデな世界に身をおいていると……。
介護という地味な世界で堅実に仕事をこなすありさとは、どうしてもズレが生じていくものなのでしょうか。
32歳になったありさの決断は ⁉
桐ヶ谷に引きずられるだけだったありさの成長と自立を描く一方で、2つの淡い恋も挿入されます。
その1つが、福祉事業家の名高が恵に一目惚れした挙げ句、正式にプロポーズしてきたという出来事です。
育ちがよく真面目で誠実そうな名高に恵もまんざらでない様子ですが、結婚したらめぐみ食堂は閉じてほしいという名高の希望に恵は……。
もう1つは、恵の後盾にもなっている真行寺の想いです。
かつて真行寺の恋人だった朝香椿が銀座のクラブを閉め博多に帰ってしまいます。
椿のクラブは客筋もよく盛況だったのですが、コロナ禍でかなりのダメージを受けていたため見切りをつけて郷里に帰ったということでした。
別れて久しいはずの2人。ですが、椿が遠く離れたことで真行寺の気持ちに変化があったようで……。
個人的には恵と真行寺の「おとなの恋」を期待しているので、 ( ともに自分の気持ちに気づいていない状態だと見ているのですが ) 早く自身の心を見つめ直してくれないものかと密かに思っています。
さて本巻では、さらにもうひと組、恋に発展しそうな常連さんの男女 ( この2人の恋はなかなかおもしろそうです ) も登場しているので、続編が楽しみでなりません。 -
Posted by ブクログ
内容(ブックデータベースより)
めぐみ食堂にライバル店現る!?
近所に開店した居酒屋「ゑんむすび」には、恵の占い師時代の同僚が関わっていて――。
心もお腹も幸せになる人情グルメ小説シリーズ最新刊。
四谷のしんみち通りにある「めぐみ食堂」は、元人気占い師の女将・恵が切り盛りするおでん居酒屋だ。
初来店した大学生の鷲見毅は、めぐみ食堂が婚活のパワースポットだと知り、父親の敦を連れてくる。
一方、近所にオープンした「占い居酒屋 ゑんむすび」のタロット占い師は、恵の若い頃の知り合いで……。
鯛のあら炊き、菜の花とハマグリのクリーム煮、塩レバーなど、新メニューも満載の人気シリーズ第8弾!
令和5年12月4日~6日 -
Posted by ブクログ
独身・還暦で作家をしながら母の介護をしている山口さんのエッセイ。
介護エッセイかと思いきや自身の身の回りの話やキラキラした芸能活動の話も多め。でも日常の生活の中に介護というずっしりとしたものがある。
認知症の症状がある母のお世話をしながら食堂でバリバリ働いたり、プロットや小説を書くのはとてもとても大変だったでしょう。とてつもない努力家だし、母の愛情からくる覚悟も伝わってきます。
「人間、口から物が食べられる間は大丈夫」と著者は信じているように、日記には母の食べたものが記録されており、ラーメンのスープでも、ショークリームのクリームだけでも、あの時から見たらこれだけ食べれたのだから上出来。「朝はこれだけ食べれた!」とママの回復や衰えに一喜一憂していたのが印象的でした。『辰巳芳子の「さ、めしあがれ。」』の滋養スープは参考にしたいです。