山口恵以子のレビュー一覧

  • トコとミコ

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    伯爵令嬢の燈子と、使用人の娘の美桜子。二人は戦争の時代から経済激動の時代の中で成長していく、生まれに影響を受けながら。苦しいことも幸せだったこともそれぞれにあっただろう。英国刺繍が二人の絆を影で支えていたような気がした。

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    2021年03月07日
  • トコとミコ

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    伯爵令嬢の燈子と、その遊び相手に選ばれた美桜子。幼い二人の出会いから激動の昭和、時代が移り平成の老年での再会までを描く一作。
    自らの才を存分に発揮するミコと、流れに身を任せるだけのように見えて芯の通ったトコの、似ていないのに二人一緒だとしっくりくる様子がとても微笑ましくもあり、ミコの複雑な心情に共感もできた。
    牛首紬が形を変えてもずっと二人の傍にあった事が印象的。

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    2021年03月03日
  • 真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん⑤

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    食堂のおばちゃんシリーズ第5弾。

    全体的にほっこり。
    大きな変化はないけれど、はじめ食堂が少しずつゆっくり進化。
    少しマンネリ感が出てきただけに、次の作品がどうなるか?楽しみです。

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    2021年02月14日
  • あの日の親子丼 食堂のおばちゃん⑥

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    近頃、旬なものを口にしてないと気づく。はじめ食堂では、季節に応じて、空豆、タラの芽、筍、ハマグリなど旬な食材を使った料理が提供させれ、羨ましい。それが出来るのは、料理人が日々季節感を持ってお客様に喜んでもらいたいと思う気持ちがあるからだろうと勝手に思っている。

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    2026年01月18日
  • 食堂メッシタ

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    メッシタとは酒場という意味。
    若い女性がイタリアに留学。
    修行しながら一流のイタリアン シェフになった物語。
    修行後、自分の理想的なお店を開き、また次のステップへいくまでの間に回想したような構成。
    とにかく美味しそうで、イタリアにゆっくりと訪問したくなる物語。
    私もイタリアは巡ったことがありましたが、中でもローマで食べたボンゴレ ビアンコは最高に美味しかった。
    地域的にはフィレンツェなどの郊外が良かった。
    またゆっくりイタリアへ行ける日が待ち遠しいです。。

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    2020年10月09日
  • さち子のお助けごはん

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    ネタバレ

    老舗料亭の一人娘だったさち子。だが、看板板前だった父が急逝し、店を急に任される事になった婿の伸也は老舗の重圧に耐えかね、離婚届を置いて失踪してしまう。さち子は妊娠五ヶ月でシングルマザーの道を進む事になり…

     中々ハードな人生を送ってきたさち子。家政婦をしていたとあるお宅で、出張料理人をやらないかと提案されて始めたのが大当たり。出てくる料理がどれも依頼人の心に寄り添っていて、美味しそうだしほっこりしました。

     ラスト、元旦那が店を開く事になって家族で食べに行ったのが、あまりにあっさりでビックリしました。割り切れるさち子が凄い。ドンパチを期待した訳ではないけど、ちょっと拍子抜けな所でした。

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    2020年09月28日
  • 毒母ですが、なにか(新潮文庫)

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    母娘関係を扱ったもの、最近多いな。これは昭和の受験戦争を行きぬいた母が、わが娘にもお受験を無理強いし、最強の毒母になる物語。
    最近、毒母ってとても悪者扱いされて、新書とかでは「母を棄てるべし」みたいなのも目にするし、有名人が実は私の母は毒母でしたと告発(?)する例もある。この小説でも、主人公の毒母ぶりは最悪に違いない。しかし毒母ぶりを描いているだけの小説なのになぜか、主人公”りつ子”が”母”でなく、一人の女性であったならば、決して悪い人間ではなく、美貌をそなえ、賢く、自律しており、人に流されず、一生懸命に努力して生きてきた強い女性なので、「なんてヒドイ母親なんだ!」とは思えなくなる。そこが小説の醍醐味かな。
    最後に「毒母ですが、何か」と開き直るところは、題名なんだからそう来ることは分かっていたにもかかわらず、「面白い!」と思った。

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    2020年09月20日
  • さち子のお助けごはん

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    飯山さちこは明治から続く老舗料亭「花菱(はなびし)」の一人娘だった。
    家政婦を経て、今は「出張料理いい山」として、依頼人の自宅に出張して料理を作っている。
    日常の作り置き、パーティー料理、病人のための特別料理など、内容はさまざま。
    依頼人のプライベートにはかかわらないを旨としているが、訪問した先で、料理にまつわる相談事は避けては通れない。
    人は様々な悩みを持ち、ときとしてゾッとすることも、ムッとすることも、ホッとすることも?

    ほとんどが、3~4分で読める掌編なので、「ひと駅で読める美味しいお話」と言ってもいい。
    さち子自身のドラマも挟み、すっきり明るい気持ちになれる最終章によって、短編集だと思っていたものが全体として一つの小説にまとまった感がある。
    料理はやはり作り慣れた人の描写。
    テレビで見る“伝説の家政婦さん”がてきぱき調理している様子が目に浮かびました。

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    2020年08月29日
  • 真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん⑤

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    やっぱり一子と孝蔵の時代の話はいいなぁ。
    2巻を読み返したくなりました。もう手元にないから、買い直そうかな。
    なんで現代の話の方が色あせて感じてしまうんだろう。

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    2020年07月26日
  • さち子のお助けごはん

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    出張料理人として仕事をするさち子さん。依頼人の料理への要望を聞きながら、彼らが抱える悩みにもちょっとした手助けをしていく。おいしい食事と心遣いに気持ちが明るくなる。

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    2020年06月15日
  • 真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん⑤

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    食堂のおばちゃんシリーズも第5弾。

    本作もとても暖かな気持ちになりながら読みました。

    第6弾も楽しみ。

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    2020年03月22日
  • 食堂メッシタ

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    ~2019.11.09 
    食堂のおばちゃんシリーズにも登場していた「メッシタ」。どんなお店なのか気になっていた。確かにおいしそうだけど、はじめ食堂ほどの魅力を感じないのはなんでだろう。
    お客さんの描写が少ないからかな。

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    2019年11月30日
  • 工場のおばちゃん あしたの朝子

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    あしたの朝子さんは、食堂のおばちゃんのお母さん。
    姑・小姑はともかく、お舅さんとうまくやっている様子は読んでいて気分がいい。
    戦後の日本が活気づいていく様子が手に取るようにわかった。
    男にばかり都合のいい世の中なのに、元気に生きている朝子や叔母みたいな女性の存在こそが、昭和の日本を支えてきたのだろう。

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    2019年09月04日
  • 食堂メッシタ

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    面白かったんだけど 満希がスーパーマン的に凄すぎて ちょっと引いた感じもある。
    はじめ食堂の洋食版みたいなイメージで読み始めちゃったから 余計かな。

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    2019年05月13日
  • おばちゃん介護道(大和出版) 独身・還暦作家、91歳母を看る

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    ネタバレ

    恵以子さんの「食堂のおばちゃん」シリーズは愛読している。
    出演された“くりいむクイズ”も観ました。
    しかし、その陰で高齢のお母さまを在宅介護されていたとは!

    自分も高齢の母親を持っているので、他の人はどうなのか、ましてや好きな作家さんの一人なので、気になって手に取りました。

    「おばちゃん街道」を読んでいたので、自伝的部分は重なっていましたが、介護のお話は初めて読みました。
    しかし、これは介護の愚痴を書いた本ではありません。

    恵以子さんは、お母さんが大好き。
    それは、お母さん側の、愛される性格にもあるようですが、何といっても一番は「相性がいい」ことが重要らしいです。
    親子でも相性が悪ければ、距離を置いた方が、お互い幸せ。
    それを見極めるのが大切。

    11歳年上のお兄さん(独身)が大黒柱で、実年齢よりも精神肉体ともに若く、ずっと頼りにしてきたお母さん。
    母親が急激に老い、兄も病を得て、恵以子さんは、家族を支える責任の重さとしては一番下の、気楽な立場から、どんどん順番が上がって、トップに立つことになります。
    還暦にして、親離れ、成長の記録と言ってもいいかもしれません。

    介護がだんだん大変になっていくこと、お母さまの老いがどんどん進んでいくこと、でも、恵以子さんは、あの世とこの世に分かれても、ずっと二人三脚で行きたいと書かれています。
    お母さまに捧げる最高の一冊になったのではないかと思います。

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    2019年03月13日
  • 月下上海

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    一万円選書の中の一冊。

    読み始める前は「上海の話かあ。なんか地名とか読めない漢字ばっかとかで、読みにくそう」と思ってましたが、そんな心配ご無用、でした。読めなくたってどうでもよい。話がおもしろい。

    菊池寛が出てきたので、え、八島多江子って実在した人物?と調べたりしてしまいました。

    お金持ちはたとえ戦時中でも優雅なのねえ。東京編が面白かったです。瑠偉よお……。

    ただ、夏のところに潜入するのがあまりにあっさりすぎて、しかもそのエピソードがそんなにこの本の中では重要じゃない感じで、やや拍子抜けでした。

    選書でどうしてこの本を選んでくれたのかなあ?と考えました。私が戦時中の話が好きなことと、あともしかして私が給食のおばちゃんで、著者が食堂のおばちゃんだから?

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    2016年11月20日
  • 月下上海

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    THE女性が描いた女性の物語。
    多江子のプライドも気持ちの変化も行動も割と共感出来たけれど、それは私自身が女性であるからで男性から見たら「?」となる様な気もする。
    戦時下の上海という舞台は魅力的だったけれど、割とあっさり描かれているのでもっと物語に反映させて激動の半生にして欲しかった。
    けれどこの余韻はとても好み。

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    2015年12月26日
  • 手配する女

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    地面師における手配師が主人公の話。
    唯自身は実行の緊迫感や個人への実害のなさ、人助けの感情から完全な悪と感じておらず、読んでいても唯の人間性を否定できない絶妙なバランスで描写されている。
    地面師たちの作品をなぞったようなストーリーで、人間にフォーカスしているので他作品ほどのハラハラ感はなかったが、犯罪の中でも何が悪か?を細分化して考えさせられた。

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    2026年09月26日
  • バナナケーキの幸福 アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ

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    タイトルにつられて。

    全体的に暖かい雰囲気で、さらっと数時間で読めてしまいました。
    人生と同様、楽しいことばかりではなく色々なことが描かれていますが、あまり深入りせず、さらっと流れていくような感じ。

    親子関係がこじれることも、従業員同士のいざこざもなく、ふわっとしたままラストまで。
    心は動かされないけど、乱されない。
    夜に読むには最適かもしれません。

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    2026年09月23日
  • 幸せのカツサンド 食堂のおばちゃん⑯

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    安定の16巻目。最近はこの安定感任せでおざなりな読み方になってしまっていた気がするけど、今回は多くのときにお菓子をかじったりしながら至福のひとときとして読んだ。そんなふうに丁寧に読むとまた楽しさひとしおという感じがする。
    心温かな人たちのコミュニティの何気ない出来事がいとおしい。少しずつ時間がたち、若者が成長している姿もまぶしい。恋愛模様が成熟していく様も美しい。一子さんはじめ高齢の方々は変わらず矍鑠としているのがまたよい。

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    2026年09月23日