山口恵以子のレビュー一覧
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食堂のおばちゃんシリーズ、もう4作目。
今回は、登場人物たちにとっての変化は、二三の娘要が、勤務先の出版社で歴史小説の大御所先生の担当になったことくらいだろうか。
万里も料理人としての自信をつけてきて良い感じだし、一子と二三は相変わらず。
歳の離れた叔父に憧れを抱いている女性に対して、一子が言った言葉が、ちょっと泣けたなぁ。
歳をとるということは、十年前にできたことができなくなる、五年前にできたことができなくなる、そして昨日できたことができなくなるということだ、と。
最近、よく考える。60代半ばの私の母、十年後は同じようにいてくれるのだろうか?と。
歳をとるということ、出来ないことが増えていく。30代の私にとって十年はあっという間だ。60、70代でも、そんな体感時間なんだろうか。あっという間に、以前できていたことができなくなっていく恐怖、不安。それに向き合えるのだろうか。自分自身のことも、親のことも、お世話になった人たちのことも。
歳をとることについて、改めて考えた言葉だった。
ゼリー寄せは以前から「作れるなら作りたい!」と思っていたもののひとつ。
今回登場して、レシピも載っていた。
なんだか作れそう!
夏野菜が合うだろうなぁ。
オクラのさっと茹で、きゅうり、ミニトマトをコンソメスープで洋風に寄せたら、見た目も鮮やかで美味しそう。 -
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姑の一子(いちこ)と嫁の二三(ふみ)が営む「はじめ食堂」の物語、第12弾。
長らく一緒に働いていた、赤目万里(あかめ ばんり)が料理屋に本格修行に出ることになって「はじめ食堂」を前作で卒業した。
ちょっと寂しいなと思っていたら、毎日、賄いを食べに来てから出勤ですって!
賑やかさが失われなくて良かった。
代わりに入った青木皐(あおき さつき)も、ほぼ勝手知ったるはじめ食堂で、接客はもちろんバッチリ、新しい料理のアイデアも出し始めて、おばちゃん二人の食堂に、また新しい風が吹く。
美味しい料理がいろいろ出てきて、この作品を読むと、なぜか「食べたい」より「作りたい」が先に立つ。
毎日晩ごはんを作るのはなかなかに面倒なのだけど、元気とモチベーションをくれるのだ。
今回は、酒屋の辰波康平と、料理研究家の菊川瑠美のカップルに試練が!!
人気料理研究家の瑠美にも降りかかる、姑の洗礼(!)
全然オシャレな感じじゃない。
しかし、この苦労も瑠美の肥やしになるような気がする。
第一話 初夏のサラダ祭り
第二話 鰻で乗り切れ
第三話 たまごのキノコ
第四話 うどんと名月
第五話 聖夜のおでん
桃田はな、
最初は、若いのに万里よりずっとしっかりしてる!と感心していたのだけど・・・
近頃は山下医師にベッタリくっついて、高価な料理や酒を遠慮なく奢ってもらい、周りの人たちに対するあの口のききかた・・・どうも、好感度が下がる。 -
Posted by ブクログ
物語の舞台は、19世紀半ばに上海に設定された外国人居留地、即ち租界が舞台となっています。
上海租界では様々な様式のモダンなビル群が並び、最先端の文化を享受することが可能な衛星都市で、ファッションの面でも大胆な最先端モードが発信されていました。
『月下上海』で描かれている上海租界は、当時の雰囲気がとてもリアルに描かれ、まるで私は彼の地の風景を眺めているような感覚を抱いてしまいました。
主人公の八島多江子は財閥の美しい令嬢であり、愛する夫との破局を機に、画家を目指して昭和17年に上海に赴きます。
多江子は持前の美貌と才能に加え、物事に動じない性格が相まって、上海租界で画家としての社会的地位を確立します。
当然多江子の才と美しさに惹きつけられる男性も登場し、租界を舞台に戦時中の複雑な社会変化の中で、多江子は辛苦を味わう事となります。
圧倒的な男性社会の時代、ましてや海外である上海租界で、多江子は財閥令嬢の立場をフルに利用し、そして男達の視線を一同に集める美貌を武器に、雑多な様相を呈す上海の地で埋没する事なく堂々と生きて行く姿は、まるでハードボイルドな劇画的な女性の雰囲気を醸し出していました。
そんな多江子に、中国人の実力ある実業家に接近して情報を得るようにとのスパイ行為を強要され、波乱の物語が展開する事になります。