山口恵以子のレビュー一覧

  • ゆうれい居酒屋

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     東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。5話からなる連作短編集。『ゆうれい居酒屋』シリーズ第1作。
              ◇
     米屋(よねや) は下町の商店街にあるごく普通の居酒屋さん。店を1人で切り盛りするのはごく普通の女将さん。出てくるアテはモツ煮込みなどのごく普通の小料理。常連客は商店街のごく普通の人たち。
     ただ1つ違っていたのは、女将も店も常連客もこの世のものならぬ存在だったのです。

          * * * * *

     そんなラノベ風のコメディのような初期設定なのですが、そうならなかったのは、作者ならではの仕掛けの賜物でした。

     女将の秋穂がうたたねから覚めて米屋が開店すると常連客がぼちぼち来店してきます。ここまでは冥界での話です。なぜなら現在では秋穂も常連客も故人となっているし米屋はすでに取り壊され整骨院に変わっているからです。

     ただし人生の岐路で苦悩する人が商店街を訪れると米屋は忽然と姿を現し、苦悩の人は惹きつけられるように暖簾を潜る。
     つまり冥界の扉を現世から開けられるのは一見客となった悩める人だけなのです。

     だから、秋穂のカウンセリングによって心が晴れた人たちが再訪しようとしても、もう米屋は顕現しません。

     その設定のうまさに感心しました。

     あとは山口さんの真骨頂です。
     人情話はしっかり読ませるのにくどくはなく、秋穂によって供される「ざっかけない」アテも実に美味しそうです。

     お約束となった各話のラストシーンも読んでいて楽しいし、最終話の締めくくりなどは読んでいてうれし涙まで浮かんできました。

     ひとつ気になるのは、現世で人助けをしている秋穂や常連客が、自分が死んでいるのを自覚していないところです。もしかして成仏していないのでしょうか。

     いつか続編で、ぜひ「成仏」問題を解決して欲しいと思います。

     『食堂のおばちゃん』シリーズの中で名前だけ登場させる程度で済ますには惜しい作品だと思いました。

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    2023年03月03日
  • 聖夜のおでん 食堂のおばちゃん⑫

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    メンバーチェンジがあった食堂のメニューは、だいぶ目新しいものが増えてきた。常連さんたちの味の許容範囲が広いというか好奇心が旺盛というか。自分なら馴染みの店のメニューにいきなり変わったものが増えてきたら躊躇するなぁ…などど考えたり。
    結婚観やジェンダーに関しては古い考えの人がまだまだいること、現実を理解をしようと努力はしていてもなかなか納得できない人、スムーズに受け入れられる人など様々。皆が歩み寄れたら理想だけど、そうならないのが世の中、という気もする。

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    2023年02月19日
  • 婚活食堂 5

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    女将におすすめされたAI婚活を仲介に、もともとお嬢様大学のオケ頭1/4である杏奈と優しそうで感じの良いのほほんとした一流出版勤務の織部さん
    真逆の2人が今度は結ばれた。これが今回面白かった。

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    2023年02月18日
  • スパイシーな鯛 ゆうれい居酒屋2

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    このシリーズ本当に好きです
    毎回同じ展開なんです ほぼ それがいいんです
    最後に秋穂にお礼を言いにくる人たちに、おかみさんはゆうれいなんだよ
    と4人で伝えるところも、毎回ほぼ同じフレーズなのも  そこが良いです!!

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    2023年02月11日
  • 婚活食堂 8

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    久しぶりに本を読んだ。長いこと入院していたので、帰ってきてからもなかなか本が読めなかった。読みやすい婚活食堂から読んだけど、やっぱり本場面白い

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    2023年02月10日
  • 婚活食堂 2

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    内容(「BOOK」データベースより)
    もらい火によって全焼するも、ふたたび四谷のしんみち通りで開店したおでん屋「めぐみ食堂」。女将の玉坂恵は元・人気占い師だったがその力を失い、今は“男女の縁”が見えるように。常連客の悩み相談に乗るうちに、結婚相談所や婚活パーティー、マッチングアプリをめぐる思わぬ騒動に巻き込まれて…。あん肝の赤ワイン煮、白菜と鱈のグラタン等の絶品料理も楽しめる、人気シリーズ第2弾。

    令和5年2月8日~10日

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    2023年02月10日
  • スパイシーな鯛 ゆうれい居酒屋2

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    とりあえず新小岩に行きたくなった。
    私にとっても思い出の町。
    第1章からパンチの効いた人情ドラマで良き。
    ワンパターンのやり取りにも慣れたもので多少飛ばして読んだりしたけど一気読みできる作品。

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    2023年02月05日
  • トコとミコ

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    英国大使として赴任していた伯爵家のお姫様だったトコこと六苑燈子と、六苑伯爵家に仕える家扶を父に持つミコこと寺井美桜子との二人の90年間の関係を綴った物語だ。
    大使赴任地の英国から帰国した六苑伯爵家の一人娘のトコは、日本語もままならない世間知らずのお姫様そのものだった。
    そんな理由から遊び相手として活発なミコにそのお役が任され、二人は交際しながらお互いに語学をも学び合うこととなる。
    伯爵家の大規模な洋館は、ミコからすると広大なお城のようで、そこに住むトコに憧れと嫉妬心を抱きながら、それ以上に深い友情を育み、異次元のお姫様と明るく活発なトコとのお付き合いの様子が、少女から老齢になるまで描かれる。
    戦後、華族制度の廃止に伴い、六苑伯爵家は没落して行くのだが、ミコは持ち前の積極的な性格を前面に出し、懸命に事業を成功させて六苑伯爵家のために可能な限り援助する。
    トコはミコの支援とアドバイスを受けながら、上流階級で嗜んだ作法や所作を武器に、西洋のエチケットや作法などを日本の女性たちを啓蒙する有名人となり、暮らしでも子供達に恵まれて幸せな家庭を築き、経済的にも豊かな環境を確保していた。
    一方ミコは、事業の拡大に奔走し、いろいろな変遷を経て結婚間近にまでなっていた初恋の暁とも婚約解消をして訣別し、その後は独身を貫いて生きて行く。
    トコは常にミコに対して感謝の念と畏敬の念を抱き続けていたのだが、心から感謝の気持ちをミコに伝える術を知らなかった。
    そんな二人の気持ちのすれ違いが⋯⋯。

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    2023年02月03日
  • スパイシーな鯛 ゆうれい居酒屋2

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    今回も秋穂に救われた人達が明るくなって帰っていく姿にほっこりしました。
    秋穂とお客さんの会話に若干のズレがあるのが、読んでて時代が違うんだと改めて感じました。ジュリアナとかバブルとかって言葉がまさに30年前の会話ですよね。

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    2023年02月01日
  • 婚活食堂 4

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    婚活でがんじがらめになった女性たちを
    過去に有名な占い師をやっていたおでん屋の女将が
    面白おかしく、解きほぐしていく物語

    40歳独身、IT企業で成功したイケメン男性を巡り
    美女4人が恋の火花を散らし合う、
    そんな騒動におでん屋を営む恵が巻き込まれる

    美女4人に囲まれても誰も選ばない彼には
    誰にも話せない真実が、とても面白かった

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    2023年01月19日
  • スパイシーな鯛 ゆうれい居酒屋2

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    昆虫少年のあこがれ/謎の漢方医/煮しめた羽織/
    無理偏にげんこつ/スパイシーな鯛
    あとがき/「ゆうれい居酒屋2」時短レシピ集

    店主も幽霊なら居酒屋も幽霊なのか?何で違和感なく飲食できるんだろう??

    ひょっとしたら、、、ちょっと困っている人には常連さんも座っている過去の居酒屋への通路が開くのかも。
    飲食できてお話もできる!
    財布の現金も当時のお札に変わるとか? まぁ それはないか……

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    2023年01月19日
  • 恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん②

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    すっかりはじめ食堂の虜になっています
    一子さんと孝蔵さんの時代に戻って、2人でお店をしていた頃のお話し

    一子さんが孝蔵さんを大好きな事
    孝蔵さんが一子さんを大切に思っている事
    夫婦の絆を感じる2巻でした。

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    2023年01月17日
  • 婚活食堂 7

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    仲人、婚活応援に積極的になってきたなぁ、小説スタンスが少し変わったのかな?と思った作品。でも楽しく読めました。
    お通し代わりの大皿料理が美味しそうで、作ってみたくなります。缶詰アサリとピーマンのカレー炒め、作ってみよう。

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    2023年01月02日
  • 婚活食堂 7

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    今回も美味しい料理とお酒をごちそうさまでした(^人^)♪今まではアドレスをしつつ、ほんわかと見守るイメージだったけれど、今回はなんだかぐいぐいと押しが強かったような気が…(゜゜;)まぁ終わりよければ全てよし?(^-^;)

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    2022年12月26日
  • ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん④

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    食堂のおばちゃんシリーズ、もう4作目。

    今回は、登場人物たちにとっての変化は、二三の娘要が、勤務先の出版社で歴史小説の大御所先生の担当になったことくらいだろうか。
    万里も料理人としての自信をつけてきて良い感じだし、一子と二三は相変わらず。

    歳の離れた叔父に憧れを抱いている女性に対して、一子が言った言葉が、ちょっと泣けたなぁ。
    歳をとるということは、十年前にできたことができなくなる、五年前にできたことができなくなる、そして昨日できたことができなくなるということだ、と。
    最近、よく考える。60代半ばの私の母、十年後は同じようにいてくれるのだろうか?と。
    歳をとるということ、出来ないことが増えていく。30代の私にとって十年はあっという間だ。60、70代でも、そんな体感時間なんだろうか。あっという間に、以前できていたことができなくなっていく恐怖、不安。それに向き合えるのだろうか。自分自身のことも、親のことも、お世話になった人たちのことも。
    歳をとることについて、改めて考えた言葉だった。

    ゼリー寄せは以前から「作れるなら作りたい!」と思っていたもののひとつ。
    今回登場して、レシピも載っていた。
    なんだか作れそう!
    夏野菜が合うだろうなぁ。
    オクラのさっと茹で、きゅうり、ミニトマトをコンソメスープで洋風に寄せたら、見た目も鮮やかで美味しそう。

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    2022年12月16日
  • 月下上海

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    家柄も見た目も才能も持って生まれた主人公。
    そこに芯の強さ、負けず嫌いも相まってかっこよさ、頼り甲斐を感じた。でも恋愛面では相手に尽くしたり盲目になるのが人間らしい‥
    戦時中の内容であるから仕方ないけれど女性を物として、下のものとする描写が多くて苦しかった。。

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    2022年12月08日
  • ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん④

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    このシリーズを読むと、料理がしたくなります。

    いつもは面倒な食事作りが、ちょっとだけ楽しくなるんですよね〜
    本文にあるような、美味しそうなご飯は作れないけど、新しい料理にチャレンジしたくなります。

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    2022年12月04日
  • 婚活食堂 6

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    今回一番心に残ったのはまいさんのこと。ただ好きっていう気持ちだけじゃずっと一緒にいるのは難しいですよね。自分のことを大切に思ってくれてるってことが感じられないと気持ちが萎えてしまうのでしょうね。

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    2022年12月03日
  • 聖夜のおでん 食堂のおばちゃん⑫

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    姑の一子(いちこ)と嫁の二三(ふみ)が営む「はじめ食堂」の物語、第12弾。
    長らく一緒に働いていた、赤目万里(あかめ ばんり)が料理屋に本格修行に出ることになって「はじめ食堂」を前作で卒業した。
    ちょっと寂しいなと思っていたら、毎日、賄いを食べに来てから出勤ですって!
    賑やかさが失われなくて良かった。
    代わりに入った青木皐(あおき さつき)も、ほぼ勝手知ったるはじめ食堂で、接客はもちろんバッチリ、新しい料理のアイデアも出し始めて、おばちゃん二人の食堂に、また新しい風が吹く。
    美味しい料理がいろいろ出てきて、この作品を読むと、なぜか「食べたい」より「作りたい」が先に立つ。
    毎日晩ごはんを作るのはなかなかに面倒なのだけど、元気とモチベーションをくれるのだ。

    今回は、酒屋の辰波康平と、料理研究家の菊川瑠美のカップルに試練が!!
    人気料理研究家の瑠美にも降りかかる、姑の洗礼(!)
    全然オシャレな感じじゃない。
    しかし、この苦労も瑠美の肥やしになるような気がする。

    第一話 初夏のサラダ祭り
    第二話 鰻で乗り切れ
    第三話 たまごのキノコ
    第四話 うどんと名月
    第五話 聖夜のおでん

    桃田はな、
    最初は、若いのに万里よりずっとしっかりしてる!と感心していたのだけど・・・
    近頃は山下医師にベッタリくっついて、高価な料理や酒を遠慮なく奢ってもらい、周りの人たちに対するあの口のききかた・・・どうも、好感度が下がる。

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    2022年12月02日
  • あの日の親子丼 食堂のおばちゃん⑥

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    続けて読むと、マンネリしそうなので間隔を空けて読むと、忘れてしまった新しい登場人物がいるので、間隔は余り空けずに読むようにしなければと思います。今回は近所にオープンしたパン屋さんとバーの経営者、謎のフードコーディネーターが出てきます。少しずつ話が展開していきますが、読んでいると安心感があるので気づくと一冊を読みきってしまいます。気分転換で読書をしている私にとって山口さんの小説はまさに気分転換になるものです。

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    2022年11月29日