伊与原新のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ謎の設定が弱いのだけども、キャラが生き生きしていて序盤は引き込まれるように読んだ。
が、中盤以降、ちょっと弛んでいる感じで辛い。
また、ミステリ、謎の要素が少し薄く、知りたいという面では訴求力になっていない。
2010年の時点で衰退した日本を想定して書いているのだけど、日本が先進国の地位から転落しているにもかかわらず、日本の国籍、パスポートが価値をもっていたり、未来の設定にザラツキを感じた。3等国になったらななったで、もっと徹底的に惨めな日本国を書いて欲しかった。
ひとりの人間の中にもうひとつの人格を作るというアイデアはSFではよくあるもので、電子技術、バイオ科学などで説明できる設定を作ること -
Posted by ブクログ
読書録「博物館のファントム」4
著者 伊与原新
出版 集英社文庫
p54より引用
“ 現代の自然科学において、「博物学」と
いう学問分野はもう存在しない。もちろん、
「博物学科」を設置している大学もない。あ
らゆる自然物の収集と分類を目指した博物学
は、自然科学の発展とともに、動物学、植物
学、地質学などの分野に解体されてしまった。
学問の細分化は、現在もますます進む方向に
ある。森羅万象に精通した「博物学者」など、
今や歴史上の存在でしかない。”
目次より抜粋引用
“呪いのルビーと鉱物少年
ベラドンナの沈黙
送りオオカミと剥製師
マラケシュから来た化石売り
死神に愛された甲虫” -
Posted by ブクログ
気象が謎の解決のキーになる日常の謎もの
金欠探偵の右田と気象予報士の蝶子は子供の頃の同級生
職業は探偵だけど、謎の探偵役は気象予報士の方
ってか、子供の頃のエピソード要るか?
不機嫌キャラの気象予報士ってのは面白い
不本意ながらテレビに出させられているらしい
そんでもって、風場吹けば桶屋が儲かるかのように一見意味不明な予言をする「蝶子のバタフライ効果」
リアルにそんな気象予報士がいたら面白そう
依頼が少ない故に依頼を断らないというか断れない探偵
依頼者の事情を含めて引き受けるというのもなかなかよい
だからこそ変な依頼で裏の事情があるんだけどね
キーホルダーを拾ってくれた人を探して欲 -
Posted by ブクログ
宮内さん目当てで購入し、やっぱり「空蜘蛛」が一番好みだったし、この短さの中で、物語と人物描写のみならず細かな部分(音楽や服装等々)も「抜かりなし」で満足。
影響されて、しばらくパッサカリアばかり聴いてしまった。
アンソロジーゆえ、他4人の、今まで読んだことがないラノベ系作家さんの作品に触れられたことも良かった。失礼ながら、どなたも存じ上げなかったし、好みはあるものの、購入して損はなかった。(アンソロジー集は、半分以上の作品を気に入らないと、失敗したと思う)
他作品では、椹野さんの軽めの探偵ものが特に気に入った。舞台がイギリスなのも好み。貴族探偵エドワードシリーズを読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
“猿橋賞”
毎年 自然科学分野で優れた業績をあげた女性研究者に贈られる賞。
ニュースで“猿橋賞”のことを聞くたびに 受賞された女性研究者の方をすごいと思い、女性として誇らしく思っていました。
しかし 肝心の“猿橋勝子”のことは まったく知りませんでした。
伊与原新の「翠雨の人」に “猿橋勝子”が描かれていることを知って 手にとりました。
大正9年生まれの猿橋にとって 理科系の大学に入り、気象研究所で地球化学の研究をすることだけでも その頃の女性にとっては 未知の道を歩む、開拓することだったろう。
理科系の著者によって 猿橋女史が 日本学術会議の初の女性会員になり “猿橋賞”を設立する -
Posted by ブクログ
女性科学者の先駆け、猿橋勝子の生涯について。
恥ずかしながら、私は日本の第一線で活躍する女性科学者を表彰する「猿橋賞」すら知りませんでした。
勝子は大正九年生まれ。当時の女性は家庭を支える事が当たり前で、学問、特に理系の分野では女性の活躍が難しい上、戦前、戦後の日本人の研究者の立場は世界的にも低い。
そんな中、真摯に科学と向き合い、アメリカの水爆実験による放射能汚染の実態究明に取組む姿に胸を打たれます。
また、戦争の悲惨さや、水爆実験による放射能汚染等、詳しく説明されていて、今の人類の幸福と平和は先人達の功績のおかげなんだと改めて感じさせていただきました。