伊与原新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
伊与原新の『藍を継ぐ海』を読んだ。
『藍を継ぐ海』は、「夢化けの島」「狼犬ダイアリー」「祈りの破片」「星隕つ駅逓」「藍を継ぐ海」の短編5話で構成されている。
「夢化けの島」は、岩石愛がすごい主人公が、萩焼の土を探す青年に出会う話。
岩石は、私も小学生の頃に一時期集めたことがあった。
父に標本箱を作ってもらい、夏休みの作品として出したことを思い出した。
萩焼も好きだ。
学生の頃、自転車で萩まで行った時にコーヒーカップを買ってきたことがある。
「狼犬ダイアリー」は、絵本になってもおかしくないような話だった。
「祈りの破片」は長崎の原爆を題材にしている。
先日、NHKの『映像の世紀 バタフライエフェクト』で被爆した女性たちのことを放送していたので、その映像と重なった。
「星隕つ駅逓」は隕石の話。
高校の頃、天文学部のサークルにいたので興味深く読んだ。
北海道開拓の過酷な歴史についても聞いたことがあったので、その部分も面白かった。
表題作の「藍を継ぐ海」はウミガメの話。
ウミガメというと、水族館や、きれいな海を泳ぐスキューバダイビングの映像ばかりが浮かんでしまう。
しかし実際には、生まれたウミガメが成長して生き残る確率はとても低い。
そのウミガメの生態と、主人公の女の子の生き方が重ね合わされていて良かった。
どれも短編だが、『鉄道員(ぽっぽや)』が短編から映画になったくらいだから、この5編もそれぞれドラマや映画になってもおかしくない。
そんなことを思いながら読み終えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大きな教授の律(理系大学院生)と小さな教授の理緒(小学生)、2人の「リケジョ」のバディもの。
墓地でカツアゲをする中学生、電波を送るストーカー、野良猫事件、大学内の殺人事件、をカガク的な立場から解決していく。電波を送るとか、気持ち悪かった・・。
ハンダゴテ、FMラジオの電波、ペットボトルのロケット、色覚の話、虹が見える条件など、興味深いエピソードもあって良かった。
個人的には主人公の理緒とビッグママ、ロケットをつくる才田くんのキャラが良いな、と思いました。あとは理緒の家の運転手の恵人。
特に才田くんは、理屈っぽい感じですが、自分の興味にまっすぐなところが良いなと思いました。そこは理緒と同じですね。
恵人と律のささやかなふれ合いの描写も良かった。これからこの2人はどうなるんだろ?って気になった。
あと、理緒の家の住み込みのトキノさんは、理緒のことを「いとはん」と呼んでいましたが、なんでかな?とずっと気になっていました。結局、その理由の描写はなく、今もちょっとモヤモヤしてます(笑)。
最後の章の「四○二号室のプロスフェール」はとても良かった。律が理緒の家庭教師になったいきさつがステキなストーリーで描かれていました。そんな接点があったから、律は家庭教師になったんですねぇ。ご都合主義的ではありますが。
律は、無事に留学に行けることになったのは良かったけど、理緒は寂しそうでした。出会いと別れですね。
この「リケジョ!」のストーリーには、「星の王子さま」と「不思議の国のトムキンス」という本が重要な存在。「星の王子さま」は読んだことがあるのですが、「不思議の国のトムキンス」は知りません。どんな本なのか、とても気になりました。
ハンダゴテを握りしめた理緒は誰よりも勇敢なヒーロー。そしてその理緒を見守る律。2人ともカッコいい「リケジョ」でした。
律が留学から帰ってきて、理緒が成長して本当の意味でのリケジョになったくらいのタイミングでの続編が読みたいな、と思いました。
伊予原作品は初めて読みましたが、面白かったです。別の作品も読んでみようと思いました。