伊与原新のレビュー一覧
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少子高齢により過疎化が進みつつある日本。その地方にあるさびれて深い自然。それが迫ってくるような気配を感じてしまいました。
萩焼、狼犬、被爆した資料、隕石、海亀。これらをモチーフにして、様々な人間模様が心の細かい動きを捉えながら語られていく。少し普通ではない?かなりオタク的に何かにのめり込んでいる人を中心にして(何を持って普通なのか?と言う難しそうなことはとりあえずおいといて)。どの短編も、読み終わった時に少し寂しい気分になる。
よく伊予原さんの作品は科学?というか理系の作品だと言われることがあります。でも、「月まで・・・」や「宙わたる・・・」でも感じたのですが、科学的な説明はあくまでエッセ -
Posted by ブクログ
名作NHKドラマの原作「宙わたる教室」の著者の直木賞受賞作品。
5編の短編からなる。タイトルは5編目。
テーマは陶器の土、オオカミ、原爆遺品、隕石、そしてウミガメ。
科学者らしいテーマに着目しながら、
人間愛も語る。
やはり秀逸はタイトルの藍を継ぐ海。
海亀の海遊に、島を飛び出した腹違いの姉を重ねる。
中学生の自身の未来を重ねる。
海亀が産卵に上がる島の美しさは、想像できないが、想像したい。
それ以外の登場人物、それぞれこだわりがある。
地質に、土に、犬に、長崎の原爆で破壊された浦上天主堂の像に、
隕石の命名に、、、
大きな宇宙と小さな人間の思い。
なんか、大きくて小さくて、いい。
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Posted by ブクログ
定時制高校の科学部が学会で発表するなんて、あり得ないのでは?と思ったら、実際にあったことを元に作られた話だった。
作者自身が理系の人というだけあって、研究内容がリアルでおもしろかった。
なんといっても、いろいろな環境にいる人が通ってくる定時制高校で、「やりたい」意思を持って集まったわけではない科学部の設定がいい。
部員は、金髪で文字が読めない発達障害を持つ岳人、家族でフィリピン料理の店を切り盛りするアンジェラ、起立性調節障害の病をきっかけに不登校になり定時制高校の保健室で過ごしていた佳純、経営していた町工場を廃業し念願の高校に通う長峰。
4人は、大学で研究をしながら定時制の高校で教師をしてい