伊与原新のレビュー一覧
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伊与原新さんの短編は近作の「藍を継ぐ海」の方を先に読んでいた。巻末の対談のご本人の言葉によると、普通の小説を書くことを勧められて書いたのが、表題作の「月まで三キロ」とのこと。日常的に触れることはあまりない専門的な知識が、物語のオマケではなく、ストーリーに無理なく融合されているのが、伊与原作品の特徴であり、強みだと思うのだが、それは初めからだったということのようだ。説明が分からなくて読み飛ばすようなこともなく(分からないことはあるのだけれど飛ばさない)、うるさく感じることなく読めるのはすごいと思う。
今作では月、雪、アンモナイトの化石、海底の堆積物、素粒子物理学、火山の石が取り上げられる。雪の儚 -
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コンタミとは(コンタミネーション、Contamination)、汚染。
特に科学実験等の場における不純物や異物の混入を指す。
ということで、これはこの物語全体に流れるテーマです。
謎解きミステリーであり、人間ドラマであり、コメディであり、重いテーマあり、もちろん科学的な要素もあり、盛りだくさんだけど読みやすい!
科学エンタメ小説(違ってたらごめんなさい)という感じで、とても楽しめました。
途中、ときどき挟まる「ある患者のブログ」が切ない。
もし重病にかかった人が周りにいたら(今のところいないです)、真剣にその人の気持ちに寄り添ってあげたいなと思います。 -
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伊与原新さんの作品は昨年初めて読み、本作『藍を継ぐ海』が『月まで三キロ』『八月の銀の雪』『宙わたる教室』に次いで四冊目となりました。
2026年に入ってからは、これでまだ三冊目です。
昨年のレビューでは「読むペースが落ちたのは初孫が生まれた影響」と書きましたが、今の時期は単純に“雪かき”が原因です。今日はすでに三度雪かきをしました。12月は例年に比べて降雪量が少なかったものの、1月に入ってからは毎日のように降り続いています。もう雪のない場所へ移住したいと思うほどです。
『藍を継ぐ海』は、第172回直木賞を受賞した作品で、五つの短編から構成されています。表題作は、徳島県のウミガメの産卵地 -
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科学者猿橋勝子の一生に魅了された。
これほど、情熱を傾け探求し続けるとは、並大抵ではないし、その真摯な姿勢ゆえに師に出会い、また友や理解者と巡り会うことになったのだろう。女性が学問をすることを許さない親も多い時代に、勝子の応援者となった家族の愛情も感じられ、スクリプスでのフォルサムとの一騎打ちには、勝子の科学者としての矜持をみた。
科学の発展は、人にとってはいい面ばかりではない。だからこそ、多くの人に関心や興味を持ってほしいし、その正しさを見極める力をつけてほしい。そう言われている気がした。
まず、手始めに、この本を読んで、日常に溢れる科学に気づいてほしいと思います。
(最後に余談、、、著者が