伊与原新のレビュー一覧

  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    小説新潮で読んだこのシリーズがきっかけで伊与原作品を読むようになりました。全部読んだことあるけど、また読んでも面白かった。

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    2015年08月23日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    NHKでドラマ化された『宙わたる教室』の続編。さまざまな事情を抱えた生徒たちが通う定時制高校に、進学校から一人の少女が転校してくる。少女が目指したのは、廃部となった「定時制科学部」の復活だった。なかなか集まらない仲間たちも、やがてそれぞれの傷や迷いを抱えながら輪に加わっていく。そして廃棄食品をエネルギーにして飛ぶロケット作りに挑む。失敗や挫折に何度も向き合いながら試行錯誤する、そのひたむきな姿がまぶしい。読み終えたあと、元気をもらえる一冊です。

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    2026年10月11日
  • オオルリ流星群

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    物語のスタートからゴールまで、後半は区間快速の如し。始めと終わりで加速度が全く違う作品だった。凄く良く考えられた作品で、最後まで、そうだったのか、とか、ここでそれが重なる訳やね、などと思いながら読んだ。
    最後振り返って思うこととして、いい構成だが登場人物一人一人を描写するエピソードが不足か。はじめまどろっこしく感じる一因かもしれない。たまたま私にハマらなかっただけかもしれないが、中年の登場人物なりにあと1〜2割魅力が増えると、ぐっと物語が締まって印象も良くなるかもなー、と思った。
    45歳の私にはドンピシャな、人生の後半に向けた自分探しと不安、人生の意味について考えた作品だった。そして無性に星を見たくなった。

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    2026年10月11日
  • 藍を継ぐ海

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    直木賞受賞作。「宙わたる教室」が秀作だったのでこちらも拝読。珠玉の短編集だった。この作家さんは、どの作品も人間への讃歌、自然への敬愛に満ちていて、読んでいて心地よい。理系作家だからこその切り口が随所にあり、勉強にもなる。

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    2026年10月09日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    ネタバレ

    『宙わたる教室』の6年後を描いた続編。前作で輝かしい実績を残した東新宿高校定時制科学部が、岳人たちの卒業後には廃部していたことに驚きながら、佐那の行動を追いかけた。今回の科学部のメンバーも個性豊かで、頼りにしていた藤竹先生がいない中でも、科学部を支援してくれる百瀬教頭や岳人たちOB・OGなどが協力してくれて、微笑ましい。テンポが良い分、前作よりも明るいが、面倒ごとは省略しているように感じたのと、ゴールが想像できているため少し物足りなさがあった。

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    2026年10月08日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    高校の地学部といえば、伊与原氏の鉄板ネタか。今回は宮沢賢治へのオマージュと言うべき作品だった。素人の集まりからの地学部と言いながら、天文、地学、土木などの専門的な話がてんこ盛りになるのはお決まりコース。それを宮沢賢治と花巻というお話のベースがあるから、もうついていくのもやっとだけど、これが楽しかった。
    銀河鉄道の夜も一応は読んだことがあるはず。しかしこんな奥深いストーリーがあったとは。また何バージョンもあったのではという説、この辺りはミステリー作家の心をくすぐるようなネタだったのかもしれない。
    ラストに解き明かされる謎の数々。深澤が持っていたノート、銀河鉄道の夜の別稿、姿を消した七夏の行方。純粋な推理小説ということでもないから、謎解きの楽しみみたいなことは不要。高校生たちの話はまたその先に続いていくでいい。
    花巻、盛岡、小岩井、鱒沢。名前は知っていても行ったことがあるのは出張での盛岡くらい。地学部の巡検のようなことは無理にしても、夢を追いかけるような旅はしてみたくなった。

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    2026年10月04日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    「宙わたる教室」の続編。時が経って、宇宙、物理大好きの、飯星紗奈、あだ名はナサコ。が昔あった科学部を再び立ち上げようと奮闘する。個性溢れるメンバーが集まり、廃棄野菜を燃料にするペットボトルロケットを飛ばそうとする。かつての生徒たちはOB、OGの協力も得て物語は進む。多少ベタで出来過ぎ感はあるが、宇宙わたる教室の締めとして、ハッピーで良いのでは、と思った。

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    2026年10月04日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    いい話の集まり! 特に天王寺ハイエイタスという話はかなり良い! 短編は淡々とした雰囲気で書かれる感じが好きなので、ピッタリでした。

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    2026年10月04日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    これぞ伊与原先生という内容。ペールブルードットとか宇宙的な話ももちろん多いんだけど、傷ついた人たちの再生ストーリーが読ませる!

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    2026年10月04日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    悩みをを抱え行き詰まった時、ふとした出会いから前向きになれたり、方向転換できたり。

    そんなお話6遍を、月、雪の結晶、星々、山などの自然のモチーフと絡められ、どれもこれもとても美しく感じられました。

    空とか海とかの大自然を前にすると、自分の悩みがとてもちっぽけなものに思えてくる事がありますが、それを体現出来る小説、という感じ。
    美しい景色が広がりました。

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    2026年10月03日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    ネタバレ

    宙わたる教室の続編
    今回も登場人物が皆魅力的で気持ちが良い
    そして各章のタイトルが秀逸!
    理系小説ならではの難しい説明もあったけれど、物語の展開と文体に溢れる優しさに引き込まれてぐいぐい読んだ
    「ロケットの打ち上げがなぜこれほどまでに人の心を動かすか」グッと来たなぁ〜
    先日完結した宇宙兄弟の一場面を思い出したりした
    科学部はこれからもきっと続いていくだろう
    また新しい科学部のメンバーに会えたら良いな
    懐かしいジャミロクワイの曲を聞き返しながら♪

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    2026年10月02日
  • 藍を継ぐ海

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    どの話もいい!
    狼犬ダイアリー、好き!
    狼と犬を交配したウルフドッグ見てみたいと思った。
    題名にもなっている藍を継ぐ海は、ウミガメの話。
    ウミガメの話なんだけど、最後に、さわさんが、カメはここに戻らなくてもいい、自分の好きなところで暮らしたらいいという言葉が響いた。
    カメもそうだし、私たちもそう、自分が暮らしやすいところで暮らしたらいい。
    このかたの話は、話の内容も好きだが、指針になるような言葉や表現があって読むたびに、なるほどーと思わされる!

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    2026年10月02日
  • 宙わたる教室

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    【物語の向こうにも、宇宙のような果てしない世界が広がっている。】

    最近私のなかで秘かに
    マイブームとなっている伊与原新さん。
    本作も見事に科学と文学が融合していて、とても面白い化学反応を起こした物語だった。

    物語は定時制高校に通う年齢も育った環境も違う、今の感覚でいうと「多様性」に溢れた生徒たちが通っている。
    みんな今のままじゃいけない、何かを変えたい、掴みたいと藻掻いている。
    そんな生徒たちにとって、藤竹先生はまさに人生のターニングポイント。
    学生のときに、こんな人たらしのような先生に出会えていたら、もっと理科を好きになってたかも。

    藤竹先生の語る「火星の青い夕焼け」
    「火星のクレーター」「オポチュニティの轍」
    もう気になってしまい画像をポチりまくり。
    どの写真も映画のワンシーンみたいに綺麗で幻想的な世界に大興奮!

    何を隠そう私も岳人と同じように幼い頃、図鑑が好きで良くにらめっこしてワクワクしていた口だ。
    理数系ダメダメな私であったが、この本を読んでいるうちは、まるで自分が定時制高校の科学部の一員にでもなったかのような錯覚に陥り、忘れていた「学ぶ楽しさ」をすっかり追体験させられてしまったのだ。

    作中での「オポチュニティの轍」は、どこか「孤独でかわいそう!」という感じだが、私はちょっと違う。あいつはあいつで、まだ誰も見たことのない世界を一番乗りで見物できて、案外ノリノリで冒険を楽しんでいたんじゃないだろうか、と。科学部員の岳人たちのように……。

    ふと、読書も学ぶことが多いからやめられないのかもしれないと思った。
    物語も宇宙のような果てしない世界が広がっているから。
    「私の中では君たちが最優秀賞」
    藤竹先生あなたもね!

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    2026年10月02日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    困難にぶつかっても前を向いて進み、その先には夢がある。周りには分かってくれる人がいるんだから。
    前作に続き、引き込まれた。
    今まで誰もやったことがないことに挑戦するっていいな。

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    2026年10月01日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    周りを巻き込んで思ったことを実現していくってすごいや。一生懸命だと応援したくなるしね。諦めずに頑張れば、なんとかできるのかも何事も。

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    2026年09月28日
  • 藍を継ぐ海

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    地方に住む人がそれぞれ主人公の短編集。
    それぞれ伊与原さんらしく科学が絡んで、知らなかった世界を教えてくれます。
     私は、「星隕つ駅逓」が一番好きだった。
    北海道が舞台。「駅逓」も知らなかったし、職場で逓送便という他部署に書類を送る時に、使っていたシステム。ずっと逓の字が書けないままに何年もすごしてしまったが、この小説で逓の字が「次々に、伝え送る」という意味があることを知った。

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    2026年09月28日
  • 藍を継ぐ海

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    2024年下半期の、直木賞受賞作品。
    ウミガメに関する話だと知って興味を持ち、Audibleで聴くことにしました。

    5つの短編小説で、構成されています。

    表題作は、中学生の女の子が主人公。
    徳島県の海辺の町で育った彼女は、砂浜に産み付けられたアカウミガメの卵を掘り返し、自分で孵化させようとします。
    その時に外国人と思われる男性と出会ってしまった彼女は、痕跡を十分消すことなく、慌ててその場を立ち去ります。
    そのおかげで、地元で保護活動をしている人たちが、産卵場所の異変に気付いて・・・という始まり。

    長年続けられてきた、ウミガメの保護活動。
    それに反して、浜に戻って来る個体数も、産卵される卵の数も減少の一途をたどり、近年では産卵が無い年も多くなっています。
    いっぽう、年の離れた姉が家を出て、祖父と二人で暮らしている彼女。
    「田舎に取り残されてしまった」という彼女の思いが、大海原に出た後に長い年月を経て、生まれた浜に戻ってくる、ウミガメの生涯と重ね合わせて描かれています。

    5作品それぞれのテーマは、焼き物、オオカミ、原爆、隕石、そしてウミガメ。
    実話が元になっている話もあるようですが、いずれも興味深く読ませていただきました。
    5作品に共通しているのが、離島や山村など、都市部ではない土地が舞台になっている点。
    そしてそれぞれの登場人物が、自らの悩みと向き合う姿が描かれている点でも共通しています。

    過去にいた人物、過去に起こった出来事があって、今の状況がある、現在の自分がいる。
    過去と現在、自分とのつながりに気づけるか、気づけたとしてそれを、どう受け止めるのか。

    ストーリーを楽しめて、考えさせてももらえる。
    さすが、大きな賞を受賞した作品だなと、感じました。
    この作家さんが他に、どのような作品を発表しているのか気になったので、探して読んでいきたいと思います。
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    2026年09月28日
  • お台場アイランドベイビー

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    近い将来。大地震に見舞われた東京。荒廃した街。ますます広がる格差。
    出版されたのは2010年。もうすぐこんな世界になるのかもと、ずっと暗い気持ちで読む。

    もちろん希望もある。しがみつくことで道が開かれることもあるから、私もがんばろう。

    悪いものは悪いと、せめて物語では断罪されてほしい。こんなことを思う2026年の今のほうが暗いのかな。

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    2026年09月27日
  • 藍を継ぐ海

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    夢化けの島、狼犬ダイアリー、祈りの破片、星隕つ駅逓、藍を継ぐ海の5編からなる短編集。
    この人の作品は美しいと思う。それは単なる情景描写だけでなく、主要な登場人物の心情、行為行動が美しいと感じられるからだと思う。そしてそれは、登場人物たちの育ち、生き様から生じる寂しさや悲しさが優しさとなり、背景などと相まって美しい心情、行為になるのではないだろうか。
    とにかく、この5編に描かれている情景は美しく、悲しい。そしてこの5編の主人公も回りの人たちも寂しく優しい。と感じた。
    特に「藍を継ぐ海」は壮大な風景を想像させ、ウミガメの壮絶な生き様は主人公のこれからの人生を連想させてくれる。本当に美しい小説だと思った。

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    2026年09月25日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    高校生活を送る壮多。彼の日常は一人の転校生がくることで一転してしまう。転校生は以前から幼馴染を知っているようなそぶりを見せたかと思うと、幼馴染は突然姿を消す。壮多は転校生と先輩と地学部の活動として宮沢賢治を巡る旅に出ることになる。

    「銀河鉄道の夜」にまつわる文章が多く出てきているので、あらかじめ読んだ方が楽しめるんだろうな、と思ったが、未読でもいち青春物語として楽しめた。高校生ならではの葛藤と青春と、ほんのりミステリーの雰囲気を醸し出す物語。

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    2026年09月25日