伊与原新のレビュー一覧
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それぞれに繋がりはない独立した5つの短編集。
地質調査で山口県の見島に訪れた、理学部の助教の歩美。
今までの生活に疲れ、奈良県東吉野で心機一転、フリーのWEBデザイナーとして頑張るまひろ。
空き家に光が見えたとの連絡より、空き家内の大量の原爆資料を発見した長崎県長与町役場の小寺。
火球により隕石が落ちてきたと予想される北海道の白滝。その町で郵便局員として働く信吾。
ウミガメの産卵する浜がある徳島阿須町で祖父と二人暮らしをする中学生の沙月。
それぞれの物語に、ジャンルの違う知識が詰め込まれていてそれが圧巻。
それらの知識が物語の鍵となっていて、著者の知識量があるからこその、物語が展開していく -
Posted by ブクログ
東日本大震災での津波被害を受けて、津波監視システムの開発に奔走する科学者たちの話。
自分も地震村の一員で奇遇にも津波監視システムを運用する立場であるので、サイエンスへの想いと防災の思想のぶつかりは痛いほどにわかった。
津波予測の精度は単純で、解析モデルと計算機、そして観測手段によるところが大きい。観測手段には観測機器と伝送路が必要で、これらが最終的に予測精度に効いてくる。地震はどこの断層が割れて起こるかもわからず、結局のところ津波もなかなか推定できない中で、ウミツバメという自在に配置を設計できる観測機器は優れたアイデアだと思う。
ちなみに、ウミツバメには、モデルがあり現在は神戸大学のプロジェク -
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ネタバレ女性の人生に選択肢が少なかった時代に、信念を持って自分の好きなものを突き詰めて生き抜きた人生に心動かされた。また、三宅先生をはじめとして素晴らしい方々に恵まれていたのも、彼女自身の科学に対するひたむきな姿勢が他の研究者たちを惹きつけていた証拠なのだと思う。
ビキニ水爆実験の放射能汚染に向き合う姿は、科学者としての使命感と、これ以上被害者を出してはならないという1人の人間としての強い意思を感じた。核兵器を作るのは科学者だが、その脅威から人類を守るのも科学者である、ということを体現しているようだった。
相互検定の結果がフォルサムのチームを上回っていたシーンは、勝子が今まで取り組んできたハードワーク -
Posted by ブクログ
定時制高校を舞台に、さまざまな事情を抱えた人たちが化学を通して少しずつ変わっていく姿に引き込まれました。先生の「その気になれば何でもできる」という言葉が一番心に残っています。人は一人では変われなくても、誰かとの出会いや関わりの中で変わっていけること、そして可能性は年齢や環境では決まらないことを感じました。化学のことはわからなくても、実験に夢中になり、時間を忘れて取り組む姿がとても楽しそうで、「夢中になれるものがあるっていいな」と少しうらやましくなりました。読み終えたあと、「何歳からでも挑戦できる」という前向きな気持ちをもらえた一冊でした。