伊与原新のレビュー一覧
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装丁デザインは、イラストレーターの
草野碧みどりさんの作品。 素敵です、綺麗です。
他に、「月まで三キロ」や「藍を継ぐ海」も
彼女の作品とのこと。
作品の印象とピッタリだと思います。
【八月の銀の雪】
地球の内核と外核の境目にふる鉄の結晶!
なんて!幻想的で綺麗な表現だろうって、
感じました。
現実核は高温と膨大なエネルギーと重力で、
過酷な世界なのに。
誰も見たことはないのだけれど。
【海に還る日】
「大切なのは、この子に何かしてあげることじゃない、
この子には何かが実るって、
信じてあげることなの、」
… ┉┉┉「私はこえをあげて泣いた」
このくだりには、グッと来ました。
大型海洋生物(クジラやイルカ)の神秘も
興味深かったです。(クジラの歌など)
ボイジャーにつまれたクジラの鳴き声は、
いつかどこかで宇宙人に聴かれたときに
解明されるかも?アッサリと。
人間の不可解さは、相変わらず
解明されないのに。
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東日本大震災での津波被害を受けて、津波監視システムの開発に奔走する科学者たちの話。
自分も地震村の一員で奇遇にも津波監視システムを運用する立場であるので、サイエンスへの想いと防災の思想のぶつかりは痛いほどにわかった。
津波予測の精度は単純で、解析モデルと計算機、そして観測手段によるところが大きい。観測手段には観測機器と伝送路が必要で、これらが最終的に予測精度に効いてくる。地震はどこの断層が割れて起こるかもわからず、結局のところ津波もなかなか推定できない中で、ウミツバメという自在に配置を設計できる観測機器は優れたアイデアだと思う。
ちなみに、ウミツバメには、モデルがあり現在は神戸大学のプロジェクトで進められている模様。
ウミツバメ(ウェーブグライダー)
www.k-obec.kobe-u.ac.jp/topics/topics04/
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ネタバレ女性の人生に選択肢が少なかった時代に、信念を持って自分の好きなものを突き詰めて生き抜きた人生に心動かされた。また、三宅先生をはじめとして素晴らしい方々に恵まれていたのも、彼女自身の科学に対するひたむきな姿勢が他の研究者たちを惹きつけていた証拠なのだと思う。
ビキニ水爆実験の放射能汚染に向き合う姿は、科学者としての使命感と、これ以上被害者を出してはならないという1人の人間としての強い意思を感じた。核兵器を作るのは科学者だが、その脅威から人類を守るのも科学者である、ということを体現しているようだった。
相互検定の結果がフォルサムのチームを上回っていたシーンは、勝子が今まで取り組んできたハードワークが、きちんと分析化学の結果として証明されて清々しかった。
猿橋勝子さんの存在を知ることができて、この本にはとても感謝している。
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定時制高校を舞台に、さまざまな事情を抱えた人たちが化学を通して少しずつ変わっていく姿に引き込まれました。先生の「その気になれば何でもできる」という言葉が一番心に残っています。人は一人では変われなくても、誰かとの出会いや関わりの中で変わっていけること、そして可能性は年齢や環境では決まらないことを感じました。化学のことはわからなくても、実験に夢中になり、時間を忘れて取り組む姿がとても楽しそうで、「夢中になれるものがあるっていいな」と少しうらやましくなりました。読み終えたあと、「何歳からでも挑戦できる」という前向きな気持ちをもらえた一冊でした。
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大学院で博士課程に籍を置いている律は、デンマークへの留学が決まったものの、滞在費用を工面するために、お金持ちの家の令嬢である小学校4年生である理緒の家庭教師をすることになる。(律は地味な女子学生)
この理緒。常にカバンにハンダコテを入れている、リケジョでちょっと変わった女の子。律のことを「教授」と呼び、理緒や律の周りで起こった不思議な出来事を科学的に解明していく科学ミステリー小説。
最初は小学生相手の、近所で起こる噂話の解明などの話だったが、読み進めるうちに、あらゆる現場に赴く2人+運転手の恵人(けいと)の3人。
理緒の家には両親はおらず、律の過去も垣間見え、なんとなく「ん?」と思いながらも、ラストにはそれが明かされる。そこがなかなか良かったー!
科学的なこと、数学的なことが全く分からなくても話は理解できるので、理系じゃない人でも楽しめる1冊。
ちなみに、律が話す理系の理屈は、超文系の私にはさっぱり分かりませんでした。
あとがきから、作家の伊与原さんは女性がもっと理系分野に興味関心をもって欲しいことを望んでいること。そして、理系女子・リケジョを応援していることがよく分かる。 -
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岩手県花巻市の花巻農芸高校(花巻農業高校をモデルにした架空の高校)に東京から転校生、深澤がやってきた。壮多は幼馴染みの七夏(なのか)が深澤と親しくなっていくことに不安と危機感を抱え、怪我により伝統芸能の鹿踊りができなくなったことから、新たに発足した地学部の活動にしばらく身を置くことにする。
でも、七夏の様子がおかしくなり、忽然と花巻の街から消えてしまう。
花巻といえば、宮沢賢治。
地学といえば、宮沢賢治。
青春時代の貴重な夏休みに、宮沢賢治が過ごした岩手県内を周り、鉱物や天文に触れながら過ごす様子が、宮沢賢治ファンにはたまらないだろう。
地図もついてるので、彼らが今どの辺りを移動しているのかも分かる。
宮沢賢治の作品を全く知らない人でも楽しめるだろうが、「銀河鉄道の夜」を知っていたらそれなりに楽しめる。
彼らは高校生なのに、宮沢賢治の作品の分析力や、地学の知識、部活のテーマなどを聞いていると、もはや大学生レベルじゃない!?と思うくらいの会話をしているシーンがあり、宮沢賢治作品を読み直してから、もう一度手に取るのもありかもしれない。
岩手に行きたくなってきた。
そして、夏の夜空を眺めたい。