伊与原新のレビュー一覧

  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    いろんなお話の短編集。作者は、悩みのある人物を描くのが特徴的だと思う。

    玻璃を拾うより、「単細胞の珪藻が美しいガラスをまとっているように、人間もまた多かれ少なかれ、見栄え良く繕った殻と、それに不釣り合いな中身をか抱えている。それがむしろ、ありのままの姿ではないのか。」

    人間が愛おしくなる1言。自分はこのままで良いんだと、
    周りの人にも優しくなれる言葉。

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    2025年08月14日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    前半ちょっと主人公たちがめんどくさいなと、イマイチ入りきれなかったが、巡検が始まってから面白くなった。この春にイギリス海岸行ったし、なんか嬉しい。銀河鉄道の夜、ちゃんと読んだことあるやろか?

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    2025年08月14日
  • 東大に名探偵はいない

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    伊与原新さんの作品が掲載されているとのことで拝読。

    なんだかんだ学歴社会の世の中において、東大という看板はやはり魅力的ですね。

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    2025年08月13日
  • ルカの方舟

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     科学系は苦手だが、著者の作品は知的好奇心を刺激され、読み進めるのが楽しい。専門外の一般人向けにわかりやすく且つ面白く書かれており、その手腕はお見事。今作は火星の隕石に纏わる物語。ミステリーなのでもちろん人が死ぬのだが、舞台が大学研究室が多く、主人公が刑事ではないので牧歌的な雰囲気。犯行予告やら大事な隕石が方舟の形に変形させられるやら、なかなか一昔前のミステリーっぽいことをする犯人が好き。ロマンを感じることはほぼない私が、珍しく心動かされワクワクした。

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    2025年08月12日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    辛くてもどん底でも、風は吹いていく。
    優しい風でほんの少し明るくなれる一冊。

    自分の中の眼鏡をかけて見ないようにしよう。


    何かが実ると信じること。
    今は伝わらなくても、いつかその意味を感じ取れればいい。

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    2025年08月12日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    この夏、ハマってしまった伊与原新さん(*´︶`*)
    6冊目になりました。(本屋さんに行っては買い足していて、最新刊も含めあと5冊積んでいます。幸せです。(*´ω`*))

    こちらの作品は、新潮文庫nexからの出版になりますので、若い方にお薦めしたいですね。高校生の夏休みこの本に出会えたら、記憶に残る読書体験になると思います。ぜひぜひ、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も側に置いて、愉しまれてください。(読書好きの中学生や小学校高学年の方にもおすすめしたいですね。(*´︶`*))

    タイトルの『青ノ果テ』、
    サブタイトルの『花巻農芸高校地学部の夏』。
    ーわたし、今回は童話の世界じゃなくて、賢治先生が見て

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    2025年08月11日
  • ブルーネス

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    もちろんシステムとか用語とか全く分からなく難しかったけど、自分のやりたい、貫きたいなど突き詰めるひとたちはやはり尊敬するし、見ていてワクワクする。
    はぐれものも必要ですよね。組織にとらわれてばかりでは生み出せないから。

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    2025年08月10日
  • オオルリ流星群

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    ネタバレ

    青春はいつだって取り戻せるし、年を重ねてからも夢中になれることだってできる!
    青春時代を共にした仲間と天文台を作るなんて、なんてロマンのあることだろうなと思いました。
    青春時代のお互いに知らなかったことが明らかになったり、現在抱えている問題から1歩先に進むことができたり、前向きになれるような物語でした。

    最後の方にFMラジオで流した松任谷由実の「ジャコビに彗星の日」を実際に聞いてみたら、歌詞の中にもFMラジオが出てきたりと、物語に共通するワードが出てきて、、、良いクライマックスになったと思います。

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    2025年08月09日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    5作が収録された短編集。中でも表題作の「8月の銀の雪」と「アルノーと檸檬」が心に突き刺さりました。今の自分自身と状況がよく似ていたり、単純に内容に興味関心があったりと印象深いものでした。全体を通して情報量が多く、自分の知らない世界を垣間見えたような気がします。

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    2025年08月05日
  • オオルリ流星群

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    伊与原さんの理系と絡まってくお話が美しかった。

    45歳定年制とか、
    自分たちは「星食」のときを生きているようなものなのかもしれない、
    そう言ったフレーズが好き。

    まだこの年にはなってないけど、こういう大人の青春も素敵だなと思った。

    物語が急に加速したんだけど、大人にこそ読んでもらいたい一冊だった。

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    2025年08月05日
  • ブルーネス

    購入済み

    「地震は予知できないが、津波は予知できる」
    東日本大震災で大きな津波被害を経験したからこその説得力ある小説。

    #タメになる #ドキドキハラハラ

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    2025年08月03日
  • オオルリ流星群

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    高校3年生の文化祭で、有志で作ったオオルリのタペストリー。その主メンバーであった久志、千佳、修、彗子が45歳で再開した。和也と恵介はいないけど。引きこもっている和也がやっているミニFM、言い出しっぺなのに途中で抜けてしまって後に自死を選んだ恵介。個人的な天文台を作りたいという彗子。昔のことを思い出しながら慧子の天文台づくりを手伝う久志、千佳、修たち。やがて、恵介の抜けと自殺の真相が明らかになり、引きこもったままながら和也がミニFMで呼びかけたことによって、旗野市全体が反応してくれたし、慧子が和也に頼んだことも天文台開きの日の流星群の観察に役立って、フィナーレを迎える。

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    2025年07月29日
  • お台場アイランドベイビー

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    なかなかのハードボイルドです。
    今回は出てこないのかな?と思ったところに地震研究の教授登場。
    社会構造の危うさと人の心の繊細さ、人間の優しさと強さ、可能性、理不尽なまでの致し方のない不平等など、日ごろニュースに接するたびに感じてしまう多くのことを物語とともに追体験できてしまいます。

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    2025年07月24日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    面白い。環の目上の人に対する物言いが引っかかるところもあったけれど、短編一つ一つがよい。続編もあれば読みたいと思う。

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    2025年07月23日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    これまでの読書歴に新鮮過ぎるほどの一陣の風・・そんな感覚を抱けた清冽な作品群。
    短編が5話、舞台の主人公、その周辺は多彩ながら科学というリンクで緩く繋がっている。
    文系の私には面白くてよみおえるのがもったいないじかん。

    1話^終活での負の連鎖で心に北風が吹いているような人生の時間。
    東京という土地が良く描かれて空気感、まさに令和。
    そしてベトナム留学生、コンビニ。。
    話の流れが意図的なのかややもすると訥弁的、ぎこちなさを感じさせる向きはそんな都会の温度を伝えんがためなのかもと思えた。

    2話ヒロイン果穂

    辻村さんなどの女性作家の手でテイスティングされたら180度違った趣になりそうな女性。

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    2025年07月22日
  • オオルリ流星群

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    45歳の主人公たちの天文台建設と、18歳の時の思い出とが交差する。豊かな自然、天文台建設作業、天文知識が興味深く、主人公たちは真摯に生きていて、読後感は爽やか。

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    2025年12月07日
  • ブルーネス

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    伊与原新 2冊目

    津波予知に、それぞれの過去と想いを持って、熱く臨むお話。シンプルで分かりやすいストーリーで読みやすいし、読後感も良い。
    こう言うので良いと思う。

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    2025年07月16日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    自然史博物館が舞台で、鉱物、植物、動物、化石、甲虫、人骨と人類の知識がいっぱい詰まったミステリー。「送りオオカミと剥製師」の中のオオカミ犬の話は「愛を継ぐ海」で似た作品があったので既視感を感じつつもやっぱり興味深くて面白く読める。箕作と環のキャラとかけ合いが相性いいのか悪いのか、難しくなりがちな文献の説明も2人の会話などで和み読みやすくしてくれているので知識だけにならず楽しめた。環の言動に若干の幼さは感じるけど、11年前の作品だけど古さを感じることもなかった。事実と架空を交えてリアルでありロマンもある。

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    2025年07月15日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    科学は全然詳しくないし知識もないけど、
    伊与原さんの触れる科学の世界は
    頭の中にすーっと入ってきて
    なんだか心地よく感じる

    地球の中には内核という芯があり、
    日々成長している
    これはきっと人間も同じで
    とっても大事なことなのに
    殺伐とした日常生活の中では
    忘れてしまいがちだ

    物事を表面だけで判断することなく、
    内側の部分にまで耳を澄ませられる
    そんな人に私もなれたらなと
    また私自身の内なる声に耳を傾ける
    そんな時間も大切にしたいと思う

    何かを始める時には
    誰だって真似事から始まる
    そこからどう進んでいくのか
    その自分なりの"過程"が
    きっと大事なことなんだろうな

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    2025年07月09日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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     ひょんなことから自然史博物館で働くことになった片付け魔の分類学者・池之端環と未整理の標本や資料が大量に所蔵された建物『赤煉瓦』に棲みつくファントムこと変人博物学者・箕作類の凸凹コンビが博物館で起こる事件を解決するミステリーで、鉱物、植物、動物、化石、昆虫、人類に関する博物学の蘊蓄が興味深く探偵コンビのキャラも良かった。

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    2025年07月02日