伊与原新のレビュー一覧

  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    気象が謎の解決のキーになる日常の謎もの
    金欠探偵の右田と気象予報士の蝶子は子供の頃の同級生
    職業は探偵だけど、謎の探偵役は気象予報士の方
    ってか、子供の頃のエピソード要るか?


    不機嫌キャラの気象予報士ってのは面白い
    不本意ながらテレビに出させられているらしい

    そんでもって、風場吹けば桶屋が儲かるかのように一見意味不明な予言をする「蝶子のバタフライ効果」
    リアルにそんな気象予報士がいたら面白そう


    依頼が少ない故に依頼を断らないというか断れない探偵
    依頼者の事情を含めて引き受けるというのもなかなかよい
    だからこそ変な依頼で裏の事情があるんだけどね

    キーホルダーを拾ってくれた人を探して欲しいとか
    50年以上前の火災の原因は落雷だったのか確認したいとか
    運び屋をしろとか
    盗まれたバイオリンを探して欲しいとか
    花見の場所取りをして欲しいとか


    落雷の件に関しては実に人情的でよい
    バイオリンの依頼は明らかに本人が関与してるのがあからさまなんだけど、友達が云々というのがミスリードになって引っかかって惑わされる


    桜に関してはソメイヨシノはオオシマザクラとコマツオトメの交配とかって書かれてあるけど
    遺伝子解析の結果、実際はコマツオトメはエドヒガンの近縁というだけなのがわかってるからこれはウソですね
    でもまぁソメイヨシに似てて開花が早いというのは正しいのでストーリー的には問題ないんだけどね


    個人的に、春は過ごしやすくて好きなんだけど、人によってはかえって気鬱になるというのもなんとなくわかる
    「春って――希望の押し売りみたいだから」という作中の言葉が将にそれかな



    あと、気象予報士のプライドと言うか、職業倫理はちゃんと守らなきゃダメでしょ
    ある意味で人の行動を左右してしまうんだからさー


    「天気は、誰もえこひいきしない」という言葉は結構好き

    天気がどうだっていいってのも、石原良純が「そんなに天気知りたい?」って言ってるのに通じるものがあるな

    雨のときは雨をそのまま愉しめばいいんだよな~ と「日々是好日」を読んでから思えるようになったからか雨がそんなに嫌ではないからなぁ

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    2020年04月14日
  • 梟のシエスタ

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    某Y大を思い浮かべた。大学の校舎の雰囲気は、母校。移転のため、もうないけど。国立大なんて似たりよったりかも。ちょっと懐かしい。梟の講義、受けたいな。おもしろそう。

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    2015年10月03日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    タイトルと表紙のイメージほどミステリアスなわけではないですが、日常の謎系の話をうまいこと天気に絡めていて、なかなか楽しめました。

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    2015年08月08日
  • 名探偵だって恋をする

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    宮内さん目当てで購入し、やっぱり「空蜘蛛」が一番好みだったし、この短さの中で、物語と人物描写のみならず細かな部分(音楽や服装等々)も「抜かりなし」で満足。
    影響されて、しばらくパッサカリアばかり聴いてしまった。

    アンソロジーゆえ、他4人の、今まで読んだことがないラノベ系作家さんの作品に触れられたことも良かった。失礼ながら、どなたも存じ上げなかったし、好みはあるものの、購入して損はなかった。(アンソロジー集は、半分以上の作品を気に入らないと、失敗したと思う)

    他作品では、椹野さんの軽めの探偵ものが特に気に入った。舞台がイギリスなのも好み。貴族探偵エドワードシリーズを読みたくなった。

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    2014年06月28日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    宙わたる教室の続編。コズミックガールと銘打っているだけあって、彼女が主体となって物語をひっぱっていく。最初は押しが強くて苦手なキャラクターだったが、いつしか全力で応援していたが、高校生の部活という枠を超えて様々な人達が力を貸すくだりはちょっとだけ出来すぎかなと。
    藤竹先生の出番が少なくったのはとても残念だけど、前作に出てきた人達が要所要所で盛り上げてくれたのが嬉しかった。個人的には理くんの奥ゆかしさが胸にぐったきた。

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    2026年10月12日
  • コズミック・ガール 宙わたる教室

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    少し登場人物が多すぎてごちゃごちゃした感じが残念でした
    誰目線で描かれているシーンか分かりにくい部分が多かったです

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    2026年10月10日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    初めて読む作家さんでした。
    月、雪、山、星、自然の魅力をたっぷりに、
    美しいイメージを持ちながらもストーリはちょっと苦しい。思うようにいかない人生を生きてる人たちと、科学や自然をこうやって結びつけて物語にしていくんだな〜〜と新鮮な気持ちで読んでた。
    感涙はちょっと言い過ぎだけども、
    読んでて胸が空く感じ。
    とくに「山を刻む」は、最後気分が爽快になる!
    主人公がどう人生を過ごしてるか気になる。
    短編集なので、ええここからが気になるのに…!ってところで終わってしまうのもちょうど良いのかも。
    「天王寺ハイエイタス」もよかったなー!!

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    2026年10月09日
  • 宙わたる教室

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    定時制という舞台を生かし、年齢や境遇、考え方の違う人たちが科学を通してつながっていくところが良かった。特に、つかみどころがないようで一人ひとりをよく見ている教師の姿に温かさを感じた。一方で、終盤に多様なメンバーが集まったこと自体が最初から意図されたものだと分かると、それまで自然に感じていた偶然の出会いや教室の魅力まで少し作為的に見えてしまった。それでも、それぞれの事情を知っているからこそ、彼らが同じ目標に向かい、努力が認められていく過程には素直には心を動かされた。登場人物を好きになれる、いい小説だった。

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    2026年10月08日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    表題作の八月の銀の雪は、最初は主人公の性格の悪さにイラッとしたが、この著者がそんな嫌な事をするはずがなく、伝えたかったのは"偏見"かと。
    自分も誰かに対して最初からイメージであらかたの性格を勝手に決めつけてしまっている事を反省しました。
    他には「玻璃を拾う」も良かった。人間臭さというか、他人にはキツいが、仲良くなると少しずつ本当の性格が出てくる感じ。
    キャラクターや登場人物でよくあるのは、「明るい性格はいつも明るい」「心配性な人はいつも心配性」というような統一的なものだけど、実際の人間はその時々で結構変わる。それを小説で表しているようだった。これを小説でやると「この登場人物は性格設定がブレている」と思われる可能性があるけど、これこそがよくいる人間ぽさだと思いました。
    いつも通り他の作品もとても素敵で良かったです。

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    2026年10月08日
  • オオルリ流星群

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    大きい物語から小さな物語へ。そして、一人では生きられないから共同体を、という潮流が背景だろうか。
    レームダック化する政権がレガシーの構築を志向するように、中年たちが青春の原体験を再構築しようとする。
    小さな一歩が共同体に接続する物語のプロットそのものを批判するつもりはないけれど、物語としてもう少しうねりがないと読者と物語の摩擦が少なく、予定調和に感じてしまう。

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    2026年10月08日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    伊与原さん三作目。現実も盛り込まれていて、読んだ後ちょっと新しい世界が広がった感じがするのが楽しい。鳩レースのことなんて今まで考えたこともなかった(笑)。作品としては「月まで3キロ」の方が好みだったけれど、久々に、作家名で読んでみようかな、と思う作家さんに出会えた気がする。

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    2026年10月04日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    独特な雰囲気の短編集。
    全編、人間関係と地学を絡めたお話。
    やっぱり地学っておもろいよなーと思った。
    話としてはやはりアンモナイトの探し方が好き。アンモナイト探しにいきたいなと思った。
    人物描写がそこまで深すぎなくてサラッとしてるところが逆に優しい距離感だと思った。
    いろいろあるけど、今日も月が綺麗、みたいな肯定の仕方。

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    2026年10月03日
  • 藍を継ぐ海

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    ネタバレ

    萩焼、ニホンオオカミ、アイヌと隕石など、日本各地の自然と歴史と人間の美しい物語。
    自然と歴史の素晴らしさを感じる一方、人間の浅ましさが目についてしまいました。父の為とはいえ隕石の落下場所を偽ったり(父はそんなこと望んでいない)、大事に育てたとはいえウミガメの卵を掘り返したり。ドン引きです。理解できません。
    良い話だったけど、心震えるほどは感動しなかったな〜。直木賞作品として期待しすぎたかも(^_^;)

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    2026年09月28日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    人生の転機を乗り越えていくタイミングを切り取った短編集。
    就職氷河期やリーマンショックが大きく影響した主人公が出てきて、同世代の自分として変な共感をしてしまった。
    少し前に30ちょっと前くらいの営業さんと話していたら、リーマンショックは学生だったからよく知らないと言われて、衝撃を受けたのを覚えている。あのときは………大変だった………。

    人生には、自分でどうにかできることと、どうにもできないことが混ざっていて、頑張ってきたことが、どうにもならないことで無に帰されたりもする。
    それこそ少し上の世代の女性は、今とは比べ物にならないほど制約が多くて、いろいろ諦めた人もたくさんいるはず。時代だったから、というのはときに有効なエクスキューズだけれども、それだけですべてを納得できない人もいるだろう。

    それでも、なにかを機に前を向けることはあるというのを描いている。最後の話は、自分のこれからを考えるときにちょっと救いになった気がする。

    私の座右の銘は「運も実力のうち」で、どうにもならないことも降ってくる、それでも、希望を捨てずに済むように実力をつけるよう努力するしかない、という意味も込めている。
    改めてこれを胸に刻む。

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    2026年09月27日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    表紙にある「月まで3キロ」は、あまり自分には良さが感じられなかった。
    好きだったのは「エイリアンの食堂」。子供らしいところが見え隠れするのが好きだった。世界でいちばん小さいものといちばん大きいもの、この関連性がなんだか素敵だなと思った。

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    2026年09月25日
  • 翠雨の人

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    伝記の色が強い小説だったな。
    私は猿橋勝子さんという科学者がいたことを少しも知らなかったので、伊予原さんの小説を通して知ることができてよかった。
    科学者としての功績もだけれど、後進に歩きやすい道を残すという志を持って生きた人なんだな、というのを感じてよかった。

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    2026年09月23日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    ちょっと伊与原新を続けて読んでみる。
    これは日常の謎系のミステリで
    主人公の探偵さんとのやりとりが
    小気味良くておもしろかった。

    テレビで気象コーナーを担当しているが
    定型的な予報が大嫌いな蝶子。
    幼馴染の探偵・右田は調査が行き詰まると
    突破口を求めて彼女のもとを訪れる。
    たとえば、ある年、ある場所に落ちた雷の謎。
    台風がせまる中での怪しい取引。
    盗まれたバイオリンの行方。

    一見、お天気とは関係なさそうなのに
    謎を解く鍵がちゃんとそこにあるのよね。
    「エオルス音」とか「標本木」とか
    気象に関する雑学も楽しかったです。

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    2026年09月23日
  • 翠雨の人

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    猿橋勝子さんという方の伝記風味の小説。
    読みやすかったのだけど、そこまで起伏があるわけではないので、小説として考えるとイマイチ好みではなかった。
    本人の努力も重要だけど、彼女を取り巻く環境はだいぶ恵まれていて、何かを成し遂げるには運も必要なのだと思った。
    理解のある両親、男女平等と考える上司など。
    本当に色々な人が尽力してくれていたことがわかる本だった。

    最初の方で、吉岡彌生の言った言葉に勝子が失望する場面があるが、どうしてそこまでと思ってしまった。その後の人生のほうが理不尽なことを言われる機会なんていくらでもありそうだけど。

    奈良岡のキャラはともわかりやすくて良かった。

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    2026年09月14日
  • オオルリ流星群

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    高校3年の文化祭
    空き缶を集めてオオルリの飛ぶ
    巨大なタペストリーを作った。
    町の薬局を継いだ久志の大切な思い出。
    あのとき、普段は輪に入らない
    孤高の存在だったのに
    力を貸してくれた彗子が戻ってきた。
    それも、この町に
    天文台を作りたいという夢を持って。
    かつての仲間たちは協力を申し出るが…。

    そりゃあ、それぞれいろいろあるわけですよ。
    町に残ったものも、出戻ったものも。
    けど、まだ何かできるんじゃないかって
    その気持ちが少しずつ行動になっていく。
    久志目線だけじゃなく
    教師になってお疲れ気味の千佳目線からも
    ここに“集まれない”仲間のことが語られる。

    そういった人間ドラマもよかったけど
    天文台を作るにはどうするかという部分
    土地探しとか、機材探しとかね…
    そこもとても興味深かったです!

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    2026年09月08日
  • 藍を継ぐ海

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    短編集でした。直木賞をとったとのことで読んでみました。
    感動したけどちょっと期待しすぎていたかも…
    短編集だと自分がいまいち世界観に入り込めないタイプなのでそのせいかな。
    でもいいお話でした。

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    2026年09月08日