伊与原新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の名前は見たことあるな〜と思ったら、以前別の本を読んで京大の科学者!(実際は東大、間違えて覚えてた)と驚いた人。
でも本の内容はいつものごとく知らないまま読み出しました。
日本の女性科学者の先駆けという猿橋勝子さんの生涯が書かれていた。
大正生まれの女性が理系の専門学校(今で言う大学)しかも新設校に進むというのは異例を通り越して異様だったのではと思う。
許した親もすごい。
戦後、核実験の海水への影響の分析方法をめぐり、単身渡米してアメリカと実験対決。
詳細はもちろんフィクションだが、史実らしい。
後年は女性科学者を対象とした「猿橋賞」を創設したり様々な要職に就いたが、女性の地位向上のためもあったのではということ。
もっと知られていい話だと思った。
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Posted by ブクログ
伊与原新さん、5冊目。少し昔の本だが、どなたかのレビューで見かけて「読みたい」に入れていた。
「東北地方太平洋沖地震」の経験と反省の上に独自の津波監視システムの構築に取り組む人たちの物語。
先月だけでも震度5強の地震が長野県北部、三陸沖、十勝地方南部と三つ続き、この連休中には私の住む地域でも震度3の地震があったばかり。
震度3とは言え結構長い間揺れたのには肝を冷やしたこともあり、たまたま予約の順番が回ってきたものとはいえ、タイムリーで臨場感を持って読めた。
この本を読めば、地震や津波の観測・予知のために膨大な費用と頭脳がかけられていることがよく分かる。そして、それでもなかなか正確な予知に辿り着かないことも。
そうした地震研究の現状が丁寧に語られる前半、学界で異端視されるリーダーのもとに集まる個性的で組織になじめないメンバーとはよくある設定だが、それほどメンバー集めの妙もなく、集まったメンバーにもあまり魅力を感じないこともあって、いつ面白くなるのかいなといった展開。
東北地方太平洋沖地震を話題に、前兆すべりを検出することで巨大地震の予知につなげようとしてきた地震学関係者に大きな衝撃を与えたとか、それまでは津波警報を何度はずそうが不確かなシミュレーションにひたすら頼り続けてきたとか、古地震学という地層や地形に残された過去の地震や津波の痕跡を探し出し将来の災害軽減に役立て行こうとする研究分野に光があたったとか、興味をそそられるところは多々あったが、物語の運びとしてはいささかの生硬さを感じたところ。
後半、“ウミツバメ”が形になってきてからは、プロジェクトのメンバーだけでなくすべての登場人物がそれぞれの立場で地震から命を守ろうとする境地が見えてきて、ベタな展開なりに面白みが出てくる。
終盤、明神新島の火山活動に備えた準備や噴火後の津波予知の成否を巡って描かれる緊迫感がなかなかで、それに関わる海保の測量船の乗員の心情や土佐・宇佐漁港の漁師の心意気にも打たれるところがあった。
早く“ウミツバメ”のようなシステムが実用化され列島を取り巻く海に網羅される日が来ることを願いたい。 -
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実家の薬局を継いだものの四十五歳を過ぎ 漠然とした不安を抱えて日々を送っていた久志。
東京の制作会社を辞め 司法試験に向けて勉強をしている修。
なんとなく教員を続けている千佳。
高3の文化祭で巨大空き缶タペストリーを作ったメンバーだ。
ある日 メンバーの一人でブレーンでもあった慧子が国立天文台を辞めて地元に帰ってきた。個人で天文台を建てるといい その計画に久志たち三人は協力を申し出る。
久し振りに集まるが その場にいない
メンバー、恵介と梅ちゃんのことが彼らの間に影を落とす──。
本来 研究とは孤独な作業だと思う。
でも 私が読んだ伊予原さんの作品は、ひとつの研究テーマがあって それに携わる独りの研究者がいて その研究者が仲間を得て その仲間からまた外側に段々と波及していき、最後に大勢の人の感動を生む。
といった内容が多い。
研究という 一見、人の感情とはかけ離れたものが 感動に繋がっていくという作りが面白い。正直、若干 パターン化されてるなぁ とも思うのだけれど、読後の爽やかさと文章のうまさで ついつい読んでしまう。
今回は高校三年生の濃密な一時を共に過ごした 今は四十五歳の男女たちの話。 あの時知り得なかったことが時を経て明らかになっていく……。
梅ちゃんという存在が良かった。
迷いのない人間なんていない。
後悔を知らない人間なんていない。
そう思った。
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文系の私には言葉が難しく、途中挫折しそうになり、前半を読んでる途中で長期のブレイク。
が、再び読み始めてから後半は、難しい言葉はサラッと読んでもおもしろく、特に「四〇二号室のプロフェスール」は、途中ブレイクを入れた時には思いもよらなかった展開で、最後まで読んで良かった!と思えた。
「虹のソノリティ」の、色覚や共感覚についての話は、たまたま仕事で関わってちょっと知ってる分野だったこともあり、おもしろかった。
チェシャ猫の話は、興味深かった。何を根拠に何を信じるか。人それぞれに判断基準があって、思考は他人に侵されるものではない。
のだけれども、さて、何が正しいのか。
私のようにリケジョじゃない人にも楽しめるので、読んでみてほしい。 -
Posted by ブクログ
コンタミとは(コンタミネーション、Contamination)、汚染。
特に科学実験等の場における不純物や異物の混入を指す。
ということで、これはこの物語全体に流れるテーマです。
謎解きミステリーであり、人間ドラマであり、コメディであり、重いテーマあり、もちろん科学的な要素もあり、盛りだくさんだけど読みやすい!
科学エンタメ小説(違ってたらごめんなさい)という感じで、とても楽しめました。
途中、ときどき挟まる「ある患者のブログ」が切ない。
もし重病にかかった人が周りにいたら(今のところいないです)、真剣にその人の気持ちに寄り添ってあげたいなと思います。