伊与原新のレビュー一覧

  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    素敵な話でした!
    元になった高校があるとのことでしたが、それぞれの人間模様も含めて面白い!是非、ドラマも見てみたい!

    0
    2025年11月15日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    短編集だが、どの章も緻密な取材をされて、じっくりと作品に向き合われたのだろうと確信できるほど、濃密な物語が綴られていた。
    長崎の話では浦上天主堂が当時の人たちにとってどんな存在であったのか、知ることができた。
    また、北海道にある遠軽を舞台にした物語も、へき地の郵便局や親子の絆が描かれていて、胸が熱くなった。
    そしてタイトル作の藍を継ぐ海は、なんて感動的な話だったことか。
    亀も人間も、好きな所で、気に入った場所で生きればいい、という言葉は、とても重く胸に響いた。

    0
    2025年11月14日
  • 翠雨の人

    Posted by ブクログ

    一部に架空の人物・出来事が含まれているとは言え、ほぼノンフィクションの作品。
    世界大戦前後の話なので、湯川秀樹・仁科芳雄といった有名どころも登場する。
    猿橋勝子さんが生きた時代背景や、人となりがよく描かれている。

    「翠雨」とは新緑の季節、初夏から梅雨にかけて降る雨で、強く降る雨ではなく、大地や葉を優しく濡らす、しっとりとした雨のこと。
    夏の季語としても使われる言葉だそうだ。

    自分の周りには空気しかなくて、その空気は空まで続いている。
    空気しかないはずの空から雨という水が落ちてくる。
    このことが不思議で空を見つめてしまう。
    猿橋勝子さんは、こういう人だから「翠雨の人」

    B29による空襲が民

    0
    2025年11月14日
  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    NHKドラマを見てました。
    ドラマも小説も、感動!
    しかも、実際に定時制高校の学生さんがこの小説と同じように活躍した実話にインスピレーションを受けていたとは(あとがきより)。
    事実は小説よりも・・というか、私はうれしく思いました。
    この日本の中に、この本に出てきたように、学ぶことや挑戦することに夢中になっている学生さんがいるということが。

    話も良いんだけど、端々に出てくる言葉も良いんだよね。
    地球、自然、宇宙、生きているもの、まだ見たことのないもの、まだ知らないもの、万事すべてのものごとへの慈しみと、優しさ、愛が感じられる。

    0
    2025年11月13日
  • 翠雨の人

    Posted by ブクログ

    女性科学者猿橋勝子さんの生涯を描いたフィクション
    リズム良く進み「虎に翼」などの朝ドラをイメージしながら時代を切り開く勝子先生にワクワクしながら読む
    最終章、それまでの勝子先生の集大成のような出来事には何度も目頭が熱くなった
    これは女子中高生たちに読んでもらいたい!
    娘たちにも大きくなったら勧めたい1冊
    平塚らいてうのボス感がものすごい

    きっと女性として許せないことや嫌なことが数え切れないほどあったと思うけど、そこには触れずに勝子先生の優秀さや信念をメインに進むのでさわやかな読後感

    0
    2025年11月13日
  • オオルリ流星群

    Posted by ブクログ

    この作品の中心人物たちは、45歳になって人生の折り返し地点に立ち、家族のことや自分のことに関する迷い、これまでの人生を振り返っての後悔など、それぞれが心の中にあるものを同級生の仲間との交流を通して再構築していくお話でした。

    「天体観測」というテーマを通していて、ロマンチックに描かれていたと思います。

    それぞれが前を向いて生きていくためのかけがえのない時間。

    ラストシーンでは涙が出ました。

    0
    2025年11月13日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    どの話も興味深く、読んで気付かされたことや知らなかったことがたくさんあった。特に狼犬ダイアリーはオオカミについて何も無知だったなと、もっと知りたいと興味を惹かれた。

    0
    2025年11月11日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    思いがけず良い本に出会った。主人公たちが抱える静かな絶望、人との出会いによって少しずつ見えてくる希望が美しかった。

    どれも面白かったけど、3作目の伝書鳩のお話は、今まで全く知らなかった鳩の習性に目から鱗でした。鳩は「磁場が見える」なんて。私と同じ街中にいる鳩がそんなSFみたいな世界の中で生きているなんて、なんだか不思議。
    2作目の「クジラたちは人間が想像できないような内向きの精神世界や知性を発達させてるのかもしれない」というのにもときめいた。
    私が悩んだりしてるのは所詮「人間界」の中の常識基準で、もっともっと世界は広いし、奥深いと思うと、なんだかスッとする思い。

    解説にて、「本作は科学とそ

    0
    2025年11月09日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    好きです。
    最近、伊予原さんの本ばかり夢中になって読んでいます。
    科学とは縁遠いですが、とっても、その科学とヒトの内面の繋がりを、科学という小難しい部分をヒトに顕しているような。
    わかりやすく、想像しやすく描写されていて、
    わたしにも繋がるものがあるって気づいて。いや、わたしだけではなく、すべての人たちに。
    最後は涙を流しながら読み終えました。

    0
    2025年11月09日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    史実と物語とミステリーと科学と、あらゆる要素が掛け合わされているからだろうか。読み進める度、新しい世界がどんどん開かれていく。そのことを全身で感じて心が震える感覚を久しぶりに感じた。この人の作品全てを読みたいと思ったのはいつぶりだろうか。また一人、素晴らしい作家に出会えた。

    0
    2025年11月09日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルに惹かれて購入!!
    やはり今回も傑作だった…
    登場人物みんなが人生の迷い人で、そんな彼らの迷いを科学の魔法がそっと手助けし、照らしてくれる。

    『月まで3キロ』
    仕事も結婚生活も破綻し、自殺場所を探す男性。そんな男性が出会ったのは、ちょっと変わったタクシー運転手。彼は「月に1番近い場所」まで男性を連れていってくれるそうだが…そこで判明する運転手の壮絶な過去と「月に1番近い場所」の意味を知ったとき、鳥肌が立った。

    『星六花』
    四十路目前で食事会することになった富田。そこで出会った奥平は気象庁に勤務し、天気に詳しい。そんな彼が主催する「首都圏雪結晶プロジェクト」に参加し接するうちに富田は

    0
    2025年11月08日
  • オオルリ流星群

    Posted by ブクログ

    いつだって、誰だって、何歳からだって青春できる。

    見返りを求めず、自分のため仲間のためにみんなで一つのことに向かう姿は、学生であろうと大人であろうとやっぱり輝いていますね。僕はこんな話が好きなんだなと改めて感じた作品でした。
    ぜひ多くの方に読んでほしいなと思います。

    0
    2025年11月08日
  • 翠雨の人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    猿橋勝子って誰。戦時下から昭和後期男尊女卑の時代。キュリー夫人にあこがれ、中央気象台研究部で三宅泰雄教授の指導の下、一人の科学者として自分に何ができるのか、純粋に科学と向き合いそして後進の行く末を案ずる。原爆投下と終戦。終戦から約10年後ビキニ環礁での水爆実験。黒い雨、死の灰。多分に書かれていること以外にもかなりの障害があったと思われるが、猿橋勝子と言う人物を知れてよかった。フィクションとあったが限りなくノンフイクションに近い物語。そのうち、映像作品になっても不思議ではないと思うし、是非とも観てみたい。

    0
    2025年11月04日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    日本各地を舞台に人から人へ何かを継いでいく物語。
    陶芸、狼等各短編のテーマが面白いく、人の描写も優しく見応えがありどの短編も面白く染みた。
    伊与原さんの長編も読んでみよう。

    0
    2025年11月02日
  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    年齢も家庭の事情も多岐にわたる、定時制高校に通う生徒たちが、科学部という場で1つの目標に向かって共に進んでいく。人は対話で理解しあえるんだという前向きなメッセージや、目標に向かって努力することの美しさなどが、まっすぐに描かれていて清々しいです。時々挟み込まれる火星や宇宙の話も魅力的です。

    0
    2025年11月02日
  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    面白い、読みやすい、前向きになれる。
    人に勧めたくなる小説だった。
    「本当の貧困の話をしよう」を読みかけていたところだったから理解できるリアリティがあった。

    困難を乗り越えて希望を抱いて前を向く人を応援したいという気持ちが、みんなどこかにあるんじゃないかと思う。
    ドラマの方はこれから見ます。

    0
    2025年10月30日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    月や石や山などに共通する「時間」という性質を上手く人生の比喩として扱い、それらにまつわる様々な境遇の人間模様を短編ストーリー集として綴ってある。自分の中で大切にしてきたもの、目を背けてたもの、忘れてた熱いものを思い出させてくれた。

    0
    2025年10月26日
  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    昔、夜間学校を舞台にした山田洋次監督の映画を見た。感動して始終涙が止まらなかったが、その時は自分がまだ子どもだったので、それぞれの生徒の事情を深く理解できていなかったと思う。今、大人になって定時制高校を舞台にしたこの宙わたる教室に出会い、改めて様々な個人の事情があり、真っ直ぐに人生を歩む事が難しい人がいる事を深く理解した。遠回りしても、つまづいても、うまくいかなくてもやり遂げる。その先の希望にたどり着いた4人を抱き締めたい。

    0
    2025年10月26日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    山口や北海道など、地域にまつわる歴史が
    多く語られていて、
    この一冊で色んなことが学べてお得だな~
    と贅沢な気分で読ませてもらえました笑

    特に印象的だったのが
    原爆投下後の長崎で
    瓦礫の調査に携わっていた男性のお話です

    人にお願いされたわけでもなく、
    自分の足で"コツコツと"調査を進め
    後世に当時の長崎の記録を残したことに
    渋いカッコよさを感じました。

    このお話のモデルとなった方が、
    広島にある平和記念資料館の運営に関わっていたとのことだったので、実際に資料館の方にも足を運びたいと思います。

    0
    2025年10月26日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    オーディブルで聴きました。しっとりしみじみ良かった。宙わたる教室もすごく良かったけれど、どういう実験をしているのか、ドラマで見るまでイメージできなかったけれど、今回はついていけました。

    どのお話も、なんとなく取っ掛かりにくい状況で、そんなに魅力的でもなさそうな人物から始まるのだけれど、途中からぐっと引き込まれました。表現がきれいで、取材(研究?)の裏付けがしっかりしている感じがして全部いいお話で読後感もさわやか。

    狼犬のお話は、河崎秋子氏のともぐいに出てくるわんこもお利口だったなと思い出した。カメのお話も砂月がけなげで良かった。やはり動物が絡むとほっこりする。(ハッピーエンドがマストだけれ

    0
    2025年10月26日