伊与原新のレビュー一覧

  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    花巻農芸高校という、宮沢賢治が教えた学校をモデルにした物語。深澤という転校生はなぜ花巻に来たのか、主人公壮太の幼なじみ、七夏を知っているのか、地学部に入って何がしたいのか。

    高校生にしては宮沢賢治や地学に知識がありすぎる三井寺や文緒という脇役に助けられながら謎解きが始まる。七夏はどこかに行ってしまい、壮太は怪我で鹿踊りのレギュラーからハズれ、才能ある他の部員の存在に怯える。自分には鹿踊りしかないのか、花巻に残るという選択肢しかないのか。そんな中、イーハトーブとはどこか、銀河鉄道の夜の舞台はどこか、地学部3人の巡見の旅が始まる。

    個人的には三井寺部長が、伊与原作品での舞台回し役である博学オタ

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    2025年11月22日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    第二回目伊与原さんブームということで、こちらの本。短編集で、人生に迷える人+行きすがりの理系(の特定の分野に詳しい人)という設定がもはや安定。まだ初期の本を読んでいないが、後書きでの逢坂さんとの対談を読むと当初は理系知識の謎解きトリックミステリー派だったということで、まあそれはネタ作りに疲れそうだなあと思ったので、この程度の軽いトリックが読んでいる側にも負担がなくてありがたい。

    一番よかったのはエイリアン食堂(だったか)で、読者からに反応もよいとのことに納得。つくばで食堂を営む父娘のもとに訪れる、非正規雇用?の学者さん。彼女が持っているルーペ(それを持っている限り自分の立ち位置を確認できる)

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    2025年11月22日
  • 翠雨の人

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    日本女性科学者の草分け的存在・猿橋勝子さんの
    伝記を読んでいるような気分。
    戦争が日常と隣り合わせで描かれていて、改めて「平和」や「科学」というものに考えや思いを巡らせる読書でもありました。

    アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」の分析など、女性が科学の世界で生きることが難しい時代に、放射能汚染の研究をされていた猿橋さん。
    今の暮らしがあるのは、こうして様々な分野で活躍する科学者がいてこそなんだろうな……。

    疑問を解き明かしたり、暮らしを豊かにするはずの科学技術が、誰かを苦しめるために使われるなんて悲しいし愚行としか言いようがない。
    今も当たり前の日常に歓喜する人々の描写には、ハッとさ

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    2025年11月22日
  • 宙わたる教室

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    伊予原さんならではのテーマの青春小説。青春小説って言っても全世代に刺さる内容だと思う。
    読破後に爽やかな気持ちになれるのがが良い。

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    2025年11月22日
  • 宙わたる教室

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    ドラマが好評だったと聞いて読んでみました。
    理系の頭をもたない私には想像しにくい記述もありましたが、面白かった。
    そしてそれがただのフィクションではなく、本当にあった話をフィクションに仕立てたとありびっくりしました。
    定時制高校に通う様々な年代、環境の生徒たちが起こした奇跡の物語。
    定時制の勉強でさえ落ちこぼれていた彼らが日本物理学会で認められたこと。
    宇宙開発にまで貢献する事になったこと。
    一人の教師、一人一人の学生では起こし得なかった奇跡はどんな科学変化で生まれたのか?
    勉強とは何か、学ぶとは何か、本質的なことを考えさせられました。

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    2025年11月21日
  • 藍を継ぐ海

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    直木賞受賞、短編五編
    萩焼、狼犬、原爆遺物、隕石、アカウミガメ
    それぞれ失われゆくはかないモノにまつわる人を描いている。
    地球衛星科学専攻という著者の背景を見てテーマについては納得。そこに人に対する温かな眼差しと信頼が加わり、心地よい。

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    2025年11月20日
  • 翠雨の人

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    読み応えある一冊!分析法とか少々難しいところもあったけど全く嫌悪感なく読めた。こうした面から科学をみれたらもうちょっとたのしめたのかな。

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    2025年11月19日
  • 翠雨の人

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    猿橋勝子さんをこのお話を読んで初めて知りました。女性が科学者として戦中戦後を生きていくのは、とても大変な時代に、その先駆者として生きてこられた姿は素晴らしいなと思いました。三宅博士との出会いが猿橋さんの人生に与えたものは大きかったんだろうなと思います。良き師に出会える大切さを改めて感じました。

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    2025年11月18日
  • オオルリ流星群

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    最後のあたりからは涙がとまりませんでした。
    誰かの行動がいずれ全く知らないひとたちにも繋がり拡がっていく。それとともに自分の気持ちも前向きになる。何歳になってもいつでも、それはできる、叶うもの。

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    2025年11月17日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    エイリアンの食堂は何度でも読み返したい。
    読んでいく中で次の展開が予想できず、ミステリーのような面白さがあった。

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    2025年11月16日
  • 宙わたる教室

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    『自分の好き』を突き詰めていくのに一生懸命な、先生や生徒たちの行動がとても励みになった。

    登場人物一人一人の背景や感情が細かく描写されています。

    環境は大事だけど、誰でも本気を出せば主役になれることが感じられる作品。

    最後は感動しました。

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    2025年11月15日
  • 宙わたる教室

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    素敵な話でした!
    元になった高校があるとのことでしたが、それぞれの人間模様も含めて面白い!是非、ドラマも見てみたい!

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    2025年11月15日
  • 藍を継ぐ海

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    短編集だが、どの章も緻密な取材をされて、じっくりと作品に向き合われたのだろうと確信できるほど、濃密な物語が綴られていた。
    長崎の話では浦上天主堂が当時の人たちにとってどんな存在であったのか、知ることができた。
    また、北海道にある遠軽を舞台にした物語も、へき地の郵便局や親子の絆が描かれていて、胸が熱くなった。
    そしてタイトル作の藍を継ぐ海は、なんて感動的な話だったことか。
    亀も人間も、好きな所で、気に入った場所で生きればいい、という言葉は、とても重く胸に響いた。

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    2025年11月14日
  • 翠雨の人

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    一部に架空の人物・出来事が含まれているとは言え、ほぼノンフィクションの作品。
    世界大戦前後の話なので、湯川秀樹・仁科芳雄といった有名どころも登場する。
    猿橋勝子さんが生きた時代背景や、人となりがよく描かれている。

    「翠雨」とは新緑の季節、初夏から梅雨にかけて降る雨で、強く降る雨ではなく、大地や葉を優しく濡らす、しっとりとした雨のこと。
    夏の季語としても使われる言葉だそうだ。

    自分の周りには空気しかなくて、その空気は空まで続いている。
    空気しかないはずの空から雨という水が落ちてくる。
    このことが不思議で空を見つめてしまう。
    猿橋勝子さんは、こういう人だから「翠雨の人」

    B29による空襲が民

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    2025年11月14日
  • 宙わたる教室

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    NHKドラマを見てました。
    ドラマも小説も、感動!
    しかも、実際に定時制高校の学生さんがこの小説と同じように活躍した実話にインスピレーションを受けていたとは(あとがきより)。
    事実は小説よりも・・というか、私はうれしく思いました。
    この日本の中に、この本に出てきたように、学ぶことや挑戦することに夢中になっている学生さんがいるということが。

    話も良いんだけど、端々に出てくる言葉も良いんだよね。
    地球、自然、宇宙、生きているもの、まだ見たことのないもの、まだ知らないもの、万事すべてのものごとへの慈しみと、優しさ、愛が感じられる。

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    2025年11月13日
  • 翠雨の人

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    女性科学者猿橋勝子さんの生涯を描いたフィクション
    リズム良く進み「虎に翼」などの朝ドラをイメージしながら時代を切り開く勝子先生にワクワクしながら読む
    最終章、それまでの勝子先生の集大成のような出来事には何度も目頭が熱くなった
    これは女子中高生たちに読んでもらいたい!
    娘たちにも大きくなったら勧めたい1冊
    平塚らいてうのボス感がものすごい

    きっと女性として許せないことや嫌なことが数え切れないほどあったと思うけど、そこには触れずに勝子先生の優秀さや信念をメインに進むのでさわやかな読後感

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    2025年11月13日
  • オオルリ流星群

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    この作品の中心人物たちは、45歳になって人生の折り返し地点に立ち、家族のことや自分のことに関する迷い、これまでの人生を振り返っての後悔など、それぞれが心の中にあるものを同級生の仲間との交流を通して再構築していくお話でした。

    「天体観測」というテーマを通していて、ロマンチックに描かれていたと思います。

    それぞれが前を向いて生きていくためのかけがえのない時間。

    ラストシーンでは涙が出ました。

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    2025年11月13日
  • 藍を継ぐ海

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    どの話も興味深く、読んで気付かされたことや知らなかったことがたくさんあった。特に狼犬ダイアリーはオオカミについて何も無知だったなと、もっと知りたいと興味を惹かれた。

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    2025年11月11日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    思いがけず良い本に出会った。主人公たちが抱える静かな絶望、人との出会いによって少しずつ見えてくる希望が美しかった。

    どれも面白かったけど、3作目の伝書鳩のお話は、今まで全く知らなかった鳩の習性に目から鱗でした。鳩は「磁場が見える」なんて。私と同じ街中にいる鳩がそんなSFみたいな世界の中で生きているなんて、なんだか不思議。
    2作目の「クジラたちは人間が想像できないような内向きの精神世界や知性を発達させてるのかもしれない」というのにもときめいた。
    私が悩んだりしてるのは所詮「人間界」の中の常識基準で、もっともっと世界は広いし、奥深いと思うと、なんだかスッとする思い。

    解説にて、「本作は科学とそ

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    2025年11月09日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    好きです。
    最近、伊予原さんの本ばかり夢中になって読んでいます。
    科学とは縁遠いですが、とっても、その科学とヒトの内面の繋がりを、科学という小難しい部分をヒトに顕しているような。
    わかりやすく、想像しやすく描写されていて、
    わたしにも繋がるものがあるって気づいて。いや、わたしだけではなく、すべての人たちに。
    最後は涙を流しながら読み終えました。

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    2025年11月09日