伊与原新のレビュー一覧

  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    名作というのは長くても最初のページを読み終えるまでには分かるもの。
    この作品はそれよりも早く、きっと三行読み終えるまでには名作と確信したと思う。
    六編の短編はそれぞれ毛色が異なっているにも関わらず、その全てに深く感情を預けることができたように思う。
    こんなに没入できる作品は、そう多くはない。
    タイトル作の「月まで三キロ」は言わずもがな素晴らしい短編。
    それと同じくらい「エイリアンの食堂」も素晴らしかった。
    科学が苦手、馴染みがない人にでも楽しめる作品であることは間違いないし、おすすめの作品は?と聞かれたら、迷わずすすめられる作品。

    「月まで三キロ」の標識があるのは浜松市。
    必ず行こうと思った

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    2026年03月08日
  • 藍を継ぐ海

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    都会の喧騒から離れた様々な土地、歴史や文化を舞台にした短編集。自然科学をベースに物語が構成されており、舞台となる場所も実際に存在する土地であるため、リアリティがあって非常に興味深い。
    どの作品も、人の優しさやゆったりと流れる穏やかな時間、そんな日常の中に潜む謎を楽しめる。個人的には「星隕つ駅逓」が最も心に響いた。先祖の代から大事にしていたものが消えてしまう不安、残したいと思う余りに大切なことを見失ってしまう様に共感を覚えた。
    登場人物たちは決して順風満帆な人生を送っている訳では無いが、ストーリーの中で新たな1歩を踏み出そうとする様子には勇気を貰える。

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    2026年03月08日
  • オオルリ流星群

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    今の年齢でこの本を手にして良かったと素直に思う。特にミッドエイジクライシスの渦中にいるんだなと思うだけで何か安心した。”アツい時”は今からでも遅くない。それが読後の感情です。

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    2026年03月07日
  • 翠雨の人

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    宙わたる教室、藍を継ぐ海の直木賞作家の作品。
    最初は小説家と思っていたが、
    猿橋勝子さん、
    実在の人物、地球科学者。
    1920-2007
    杉並の馬橋で研究をし、
    ビキニ環礁、福竜丸の放射性物質を分析し、
    平塚頼てうの推薦で世界会議で講演し、
    物質の危険性、水爆実験の愚かさを訴え、
    ついにはアメリカに水爆実験中止を決断させる。
    何事も正攻法でこだわる一女性の勝利だ。

    そういう女性科学者がいたことを知らなかった。
    活躍する女性科学者に猿橋賞が贈られているという。
    先駆け。
    それをわかりやすく丁寧に描いている小説。

    私事だが
    研究所が杉並区の馬橋きょうだいのお名前が勝子と英一
    なんか親近感がわく

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    2026年03月06日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    この本を見つけたのは偶然東小金井の尾花屋という可愛い古本屋さんでした。お嫁さんと孫2人と買い物の途中立ち寄った先で見つけました。あゝ私に見つけて欲しく一番上にさりげなくおかされていたんだね。宮沢賢治は私の中で一番好きかもな作家であり何回でも再読しては又違う想像しては楽しんでいる。
    伊与原新初めて読む作家ですが「青ノ果テ」なんて素敵な言葉!賢治が創る造語はとても綺麗で中でも薤露青は想像力が掻き立てられますね。七夏は絵に描くつもの夜になりかけの空の深い青が中々決まらないと言うと文緒は薤露青ですねとすぐ答える。いったいどんな色なんだろうか?そしてカンパネルラが死なない銀河鉄道の夜を一回読んでみたいも

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    2026年03月06日
  • 藍を継ぐ海

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    科学や地学等などの知識が面白く、更に繊細な心を持つ人と人とのさりげない関わり方がとてもいい。
    伊与原新さんの作品の虜になりそうです。

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    2026年03月02日
  • 藍を継ぐ海

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    直木賞、やっと読めました。それなりの雰囲気があって、丁寧に練られた小説で悪くはないと思います。選評も読みましたがほぼ全員一致での受賞も納得です。でも、荻原浩さんの直木賞受賞作を読んだ時も思いましたが、もっと早くに書かれた作品で受賞すべきだったと思いました。初めて伊予原さんの小説を読んだ時の感動が今も忘れられません。

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    2026年03月01日
  • 翠雨の人

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    派手さも華やさもない、勝子の静かな情熱が、丁寧に語られていた。

    前半、読むのをやめなくてよかった。
    途中から熱に当てたれて、一気に読んだ。

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    2026年02月25日
  • 翠雨の人

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    久しぶりに小説を読んだ。
    読んでて怖くなった。
    戦前から戦後へと
    原爆、水爆実験という現実に
    果敢に、地道に、けれどぶれることなく
    挑む科学者の姿勢に心から尊敬の念を持った。
    そして彼らを取り巻く戦前の社会情勢は
    まさに、今と同じなのである。

    ただ単に素晴らしい女性科学者賛辞では
    終わってはいけないと思った。

    私たちに
    科学とは
    歴史とは
    何を学んで行動するべきか教えてくれた。

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    2026年01月31日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    高校生のひと夏、宮沢賢治をモチーフにぎゅうぎゅうにいろんなものが詰まっていて、濃い物語を読む幸せを感じ。

    青って一体どんな青。気持ちも込みで色もとらえてるんだろうな。

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    2026年01月27日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    科学の話は難しいけど読むうちにどんどん惹き込まれていく。鯨、鳩、珪藻、凧まだまだ知らないことがたくさんあると伊与原さんの作品を読む度に思い知らされる。最後の話が特にこころに響いた。

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    2026年01月24日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    面白かった。磁極反転のことは知っていたが、現代に起こるとしたら、と想像しながら楽しめた。とても勉強になったし、ストーリーものめり込め、あっという間に読んでしまった。伊与原新さんの本、2冊目だったがもっと読んでみたい。

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    2026年01月15日
  • ブルーネス

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    ネタバレ

    とても良かった。一生懸命になれてる気がしない今の自分に刺さる。

    アカデミックの世界だけでなく、日本の企業にしても、今までやってきた分野を惰性で続けてたり、離れる決断ができないでいるケースは多いように感じる。

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    2026年01月13日
  • ルカの方舟

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    ネタバレ

    所謂偏差値的に必要十分な人間、時に実績という名の運機に恵まれる人間だけで上澄みが構成されるように、多分に作為的に足切りされ続け出来上がる狭い世間は、小賢しく人間性の歪んだ我利我利亡者がのさばり、口裏を合わせ、不器用な人間が裏の事情さえ知られずに爪弾きに遭う悪環境の浄化を常とはしない。物語の始まりから終わりまで、国外からの組織的な悪意には触れられない処は多少ナイーブで理想郷的な面もあるのかもしれないけど、日本人社会の生来的な欠陥が描かれてると思いました。百地先生、小日向記者、弥生さん、有里ちゃんに栄光あれ。

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    2026年01月11日
  • オオルリ流星群

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    大人になった今、
    展望台を作るために
    高校の同級生が再集結する
    大人の青春小説

    『展望台づくりをきっかけに
    何十年越しに明らかになる、
    同級生たちの過去や抱えていた悩み』

    『人生の折り返し地点で、
    このままの生活でもいいのか?
    とつい考えてしまう葛藤』など、

    “目を背けたくなるような苦い現実”を
    “濁すことなく”描かれています。
    こういった普通の青春小説ではなかなか見られない
    描写がすごく好きです


    また、過ぎた青春をただ取り戻そうとするのではなく、
    “あの夏を超えてやろう!と展望台づくりに取り組む姿”にこれが大人の青春小説か!面白いなと感じました

    “大人になった今”だからこそ
    でき

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    2026年01月09日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    物語そのものの面白さはもちろん、科学にも興味が出る一冊。
    伊与原さんの作品は初めて読んだけどあったかくてスルスル読めるのにじんわり心に染み入ってくるような、そんな本だった。
    他のシリーズも時間を見つけて読みたいなぁ。

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    2025年12月30日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    序盤はありがちな、高校で部活を作る、のような青春小説のようでなかなか入り込めなかったのですが、地学部の活動が軌道に乗ってきた中盤以降は、自然に引き込まれていきました。
    宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』の舞台にまつわる謎と共に、転校生と仲間たちの隠れた繋がりも明らかになっていく。
    終盤の涙を誘う展開の連続に、読む人は耐えられるでしょうか。

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    2025年12月25日
  • ルカの方舟

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    火星、隕石、生物
    というロマンのなかに、
    告発文、盗用、改ざん、パワハラ、大学の研究者の苦悩
    という生々しさもあり、
    殺人という
    ミステリーが混ざり、
    作者自身が大学の研究者だった経歴があるのでリアリティがあり、
    ともすれば、大学の人間関係のドロドロストーリーになりそうなスレスレのところで、
    スケールもあり、またロマンが帰ってくる。

    あー!こういうまとめになるのか。

    やっぱり伊与原新さんだなぁ。

    好きだなぁと、思った一冊。

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    2025年12月22日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    伊予原さんの本領発揮の本でした。とても面白かったです。こんな地球の一大イベントの時代に当たったらすごいことですね。できれば避けたいですが。少し長めのエピローグも伊予原さんらしいと思いました。

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    2025年12月08日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    花巻農芸高校という、宮沢賢治が教えた学校をモデルにした物語。深澤という転校生はなぜ花巻に来たのか、主人公壮太の幼なじみ、七夏を知っているのか、地学部に入って何がしたいのか。

    高校生にしては宮沢賢治や地学に知識がありすぎる三井寺や文緒という脇役に助けられながら謎解きが始まる。七夏はどこかに行ってしまい、壮太は怪我で鹿踊りのレギュラーからハズれ、才能ある他の部員の存在に怯える。自分には鹿踊りしかないのか、花巻に残るという選択肢しかないのか。そんな中、イーハトーブとはどこか、銀河鉄道の夜の舞台はどこか、地学部3人の巡見の旅が始まる。

    個人的には三井寺部長が、伊与原作品での舞台回し役である博学オタ

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    2025年11月22日