伊与原新のレビュー一覧

  • 藍を継ぐ海

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    賞もとられたので勝手に長編と思っていたら短編集でした。ひとつひとつが「地域」に根付く何かを大切にしていてとても良かった。勿論小説だし、事実とは違うけど、日本の色んなところを、都会ではなくてもっと隅々までゆっくりみていきたいなと感じる本だった。
    しかし1つずつ題材になるものが全く違うんだけど、なんか凄いなぁ。知識量が幅広いんだろうなぁ。小説家の方の力を感じる…。

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    2026年05月16日
  • 翠雨の人

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    地球科学者であり、女性科学者のパイオニアである猿橋勝子の人生をフィクションを混じえて綴った物語

    彼女の事をネットで調べてみると、限りなく現実に沿っているようで伝記に近い小説なのかもしれない

    『何もない空からなぜ雨が落ちてくるの?』
    幼い勝子はそんな疑問を持つような少女だった
    理系女などほとんどいない昭和初期
    キュリー夫人に憧れた彼女は物理に心をときめかせ科学の道へと進んでいく

    戦争が起こり、原爆が落とされ、科学者たちは憤りと使命を胸に、放射能がどのように地球をむしばむものなのか真実を追求する

    男性社会の中、女性が新しい学問を切り開くには困難しかない時代
    たった1人で日本の代表としてアメ

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    2026年05月10日
  • 翠雨の人

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    書店に伊予原先生の直筆ポップがあり、気になって購入した本。毎日のように戦争のニュースが流れる今だからこそ、多くの人に読んでもらいたい。どこまでが事実でどこからがフィクションなのか分からないけど、三宅先生や猿橋先生の科学への想いに熱くなった。この時代の「女性初」というのは本当に大変で苦しかっただろうと、猿橋先生ほどではないが「女性初」を経験してきた私には「勝気な勝子先生」を尊敬するしか無かった。何度も読み返したいし、猿橋先生のことを知りたいので参考文献の本も読みたい。そして、素敵な小説を書いてくださった伊予原先生の別作品も読みたいと思った。

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    2026年05月06日
  • 翠雨の人

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    猿橋賞という名前は聞いたことがあったけど
    猿橋さんがどんな方かはもちろん何も知らず
    でも時代背景が少し前に自分がハマってみてた朝ドラと同じ頃だなと気づいて(朝ドラは法律の話だったが)
    この時代を生きる女性の奮闘、真っ直ぐさにただ羨望の眼差し。すごいな。バイタリティ半端ない。
    自分にこんな強さないな…としゅんとすると共に
    今の私たちの働きやすさとか、男女平等感も彼女たちのような方々のおかげなんだなと感謝

    猿橋さんの生き様がみずみずしく描かれていて
    科学者としての優秀さも、人間としての強さも、ともすればきらびやかなサクセスストーリーになりそうなところを優しい文体で読ませてくれるのがよかった

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    2026年05月06日
  • 翠雨の人

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    小説というよりドキュメンタリーかもしれない。
    猿橋賞という女性科学者に贈られる賞がある。
    猿橋さんは地球科学者だった。
    そのていどの情報しか持ったいなかったが
    猿橋勝子さんの物語に、どんどん引き込まれた。

    前半で描かれる戦前の危うい空気感は
    まさに今と同じものを感じ、うすら寒い感覚になる。

    地球化学者だったのですね。
    雨水の中のSrなどの放射性微量元素の測定方法を確立し、原水爆実験がもたらす海洋汚染の実態を明らかにした。
    アメリカではその測定方法に疑いをもたれたため、きわめて不利な条件下で単身測定審査会に臨み、その正確性を示す。

    一人の人間、女性の生きてきた道にしみじみと尊敬の念を覚えま

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    2026年04月25日
  • オオルリ流星群

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    大事な本。

    悩みを抱える大人たちが(おそらく生きている人は皆そう)何かに心から向き合うことで道が拓けていく。
    心を通わせることの難しさ。人のことを表層だけでわかった気になってはいけない。

    大人の青春譚と言ってしまうと気恥ずかしいが、歳をとっても一生懸命になることの素敵さが沁み入る物語。
    何度でも読み返そう。

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    2026年04月21日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    1番好きと言っても過言ではない本。たしかに宮沢賢治を知っていないと十分に楽しめない節もあるが、あまり知らずに読んだからこそ今まで触れてこなかった分野に興味が持てた。一夏の青春を存分に感じさせてくれる。定期的に読み返したくなる本。

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    2026年04月07日
  • オオルリ流星群

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    大好きな伊与原新さんの理系小説。

    18歳の頃に学園祭で「オオルリ」のタペストリーを作った5人の仲間が、
    45歳になって「天文台」建設で繋がっていく。

    「平場の月」もそうだったけど、高校生の頃と今の自分との同時進行小説は、淡々としながらも切ない。

    18歳のころの自分の思い出とリンクして、ふとした描写に涙が溢れてしまう。

    もちろん、ただ天文マニアの人が読んでも面白い。そんな一粒で2度美味しい、伊与原新さんワールドでした。

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    2026年03月12日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    この本を見つけたのは偶然東小金井の尾花屋という可愛い古本屋さんでした。お嫁さんと孫2人と買い物の途中立ち寄った先で見つけました。あゝ私に見つけて欲しく一番上にさりげなくおかされていたんだね。宮沢賢治は私の中で一番好きかもな作家であり何回でも再読しては又違う想像しては楽しんでいる。
    伊与原新初めて読む作家ですが「青ノ果テ」なんて素敵な言葉!賢治が創る造語はとても綺麗で中でも薤露青は想像力が掻き立てられますね。七夏は絵に描くつもの夜になりかけの空の深い青が中々決まらないと言うと文緒は薤露青ですねとすぐ答える。いったいどんな色なんだろうか?そしてカンパネルラが死なない銀河鉄道の夜を一回読んでみたいも

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    2026年03月06日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    高校生のひと夏、宮沢賢治をモチーフにぎゅうぎゅうにいろんなものが詰まっていて、濃い物語を読む幸せを感じ。

    青って一体どんな青。気持ちも込みで色もとらえてるんだろうな。

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    2026年01月27日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    科学の話は難しいけど読むうちにどんどん惹き込まれていく。鯨、鳩、珪藻、凧まだまだ知らないことがたくさんあると伊与原さんの作品を読む度に思い知らされる。最後の話が特にこころに響いた。

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    2026年01月24日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    面白かった。磁極反転のことは知っていたが、現代に起こるとしたら、と想像しながら楽しめた。とても勉強になったし、ストーリーものめり込め、あっという間に読んでしまった。伊与原新さんの本、2冊目だったがもっと読んでみたい。

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    2026年01月15日
  • ブルーネス

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    ネタバレ

    とても良かった。一生懸命になれてる気がしない今の自分に刺さる。

    アカデミックの世界だけでなく、日本の企業にしても、今までやってきた分野を惰性で続けてたり、離れる決断ができないでいるケースは多いように感じる。

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    2026年01月13日
  • ルカの方舟

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    ネタバレ

    所謂偏差値的に必要十分な人間、時に実績という名の運機に恵まれる人間だけで上澄みが構成されるように、多分に作為的に足切りされ続け出来上がる狭い世間は、小賢しく人間性の歪んだ我利我利亡者がのさばり、口裏を合わせ、不器用な人間が裏の事情さえ知られずに爪弾きに遭う悪環境の浄化を常とはしない。物語の始まりから終わりまで、国外からの組織的な悪意には触れられない処は多少ナイーブで理想郷的な面もあるのかもしれないけど、日本人社会の生来的な欠陥が描かれてると思いました。百地先生、小日向記者、弥生さん、有里ちゃんに栄光あれ。

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    2026年01月11日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    物語そのものの面白さはもちろん、科学にも興味が出る一冊。
    伊与原さんの作品は初めて読んだけどあったかくてスルスル読めるのにじんわり心に染み入ってくるような、そんな本だった。
    他のシリーズも時間を見つけて読みたいなぁ。

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    2025年12月30日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    序盤はありがちな、高校で部活を作る、のような青春小説のようでなかなか入り込めなかったのですが、地学部の活動が軌道に乗ってきた中盤以降は、自然に引き込まれていきました。
    宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』の舞台にまつわる謎と共に、転校生と仲間たちの隠れた繋がりも明らかになっていく。
    終盤の涙を誘う展開の連続に、読む人は耐えられるでしょうか。

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    2025年12月25日
  • ルカの方舟

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    火星、隕石、生物
    というロマンのなかに、
    告発文、盗用、改ざん、パワハラ、大学の研究者の苦悩
    という生々しさもあり、
    殺人という
    ミステリーが混ざり、
    作者自身が大学の研究者だった経歴があるのでリアリティがあり、
    ともすれば、大学の人間関係のドロドロストーリーになりそうなスレスレのところで、
    スケールもあり、またロマンが帰ってくる。

    あー!こういうまとめになるのか。

    やっぱり伊与原新さんだなぁ。

    好きだなぁと、思った一冊。

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    2025年12月22日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    伊予原さんの本領発揮の本でした。とても面白かったです。こんな地球の一大イベントの時代に当たったらすごいことですね。できれば避けたいですが。少し長めのエピローグも伊予原さんらしいと思いました。

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    2025年12月08日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    花巻農芸高校という、宮沢賢治が教えた学校をモデルにした物語。深澤という転校生はなぜ花巻に来たのか、主人公壮太の幼なじみ、七夏を知っているのか、地学部に入って何がしたいのか。

    高校生にしては宮沢賢治や地学に知識がありすぎる三井寺や文緒という脇役に助けられながら謎解きが始まる。七夏はどこかに行ってしまい、壮太は怪我で鹿踊りのレギュラーからハズれ、才能ある他の部員の存在に怯える。自分には鹿踊りしかないのか、花巻に残るという選択肢しかないのか。そんな中、イーハトーブとはどこか、銀河鉄道の夜の舞台はどこか、地学部3人の巡見の旅が始まる。

    個人的には三井寺部長が、伊与原作品での舞台回し役である博学オタ

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    2025年11月22日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    思いがけず良い本に出会った。主人公たちが抱える静かな絶望、人との出会いによって少しずつ見えてくる希望が美しかった。

    どれも面白かったけど、3作目の伝書鳩のお話は、今まで全く知らなかった鳩の習性に目から鱗でした。鳩は「磁場が見える」なんて。私と同じ街中にいる鳩がそんなSFみたいな世界の中で生きているなんて、なんだか不思議。
    2作目の「クジラたちは人間が想像できないような内向きの精神世界や知性を発達させてるのかもしれない」というのにもときめいた。
    私が悩んだりしてるのは所詮「人間界」の中の常識基準で、もっともっと世界は広いし、奥深いと思うと、なんだかスッとする思い。

    解説にて、「本作は科学とそ

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    2025年11月09日