伊与原新のレビュー一覧

  • オオルリ流星群

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    日帰りで、また1泊ぐらいで遠く離れてしまった学生時代の友達に会いに行きました。
    何十年ぶりなのに、一瞬でその年齢に戻れて。
    いつか、いつかと思っている事に、そっと背中を押してくれる本でした。

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    2025年09月10日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    想像以上によかったー。
    こういうロマンティックな科学のお話好きだわ。
    特に「星六花」と「エイリアンの食堂」と「山を刻む」がよかった。

    どのお話にもある分野の科学者(詳しい人)が出てくるけど、皆んなとても素敵。

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    2025年09月07日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    本を読んでみよう。と思い立ち、初めて購入した作品。

    最初の1冊がこれで良かった。この本のおかげで読書が続いている。

    それぞれの短編が、過去に何かしらのトラブルや想いを抱えている登場人物たちを描いている。
    非常に読後感が良く、心地良い1冊。
    これは作家さんの個性であるが、科学的な視点からスパイスが加わっている。これを良しと取るか、煩わしいと取るかでも評価が分かれそうな作品。

    綺麗な空気感を感じます。僕は非常に好きでした。
    特に、月まで三キロ、アンモナイトの探し方、エイリアンの食堂 は刺さりました。

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    2025年09月05日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    『八月の銀の雪』は、人生に行き詰まった人たちが、偶然の出会いによって救われていく物語。

    地球の内側、クジラの生態、珪藻アートなど。自然科学の不思議で美しい世界に触れることは、人生を少しだけ豊かにしてくれます。

    一つ一つかたちの異なる珪藻ガラスの美しさ。クジラたちが高い知能で何を思考しているのか。ハトの帰巣本能は数百キロ先に放しても返ってくる。

    それらはとても新鮮で、読者の私も登場人物たちと同じく、感心したり、感動したり、新しい知見を得られて楽しい読書でした。

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    2025年09月04日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    人生うまく回る時期もあれば、何かのきっかけでつまづいて暗転してしまうこともある。そんなときに一筋の光を見つけて前向きに進んで行けるよう、そっと背中を押してくれるような短編集だと感じました。
    どの物語も地学や天文学の要素が織り込まれていて、特に表題作『月まで三キロ』の中で地球と月の関係を親子関係に例える表現が印象的です。
    全部で7編ある物語の中では、ミステリアスな女性「プレアさん」と父娘の交流を描いた『エイリアンの食堂』が特にお気に入り。
    壮大な宇宙の歴史と亡き母(妻)の存在を「水素」という科学的なもので結びつけるクライマックスに、不思議なあたたかさを感じて胸がジーンとしました。

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    2025年09月03日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    家族の再生や、若者の気づきをテーマにした短編集。読みやすく、面白い。
    著者は地球惑星科学の専門家とのことだが、地学や物理学の内容が、自然に物語に溶け込んでいる。

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    2025年12月07日
  • ブルーネス

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    久々の、心躍る小説。難しいことはわからないけれど、最後のクライマックスシーンは涙が出てきてしまった。

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    2025年09月01日
  • ブルーネス

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    人と科学の結晶。
    津波に命を、財産を、生活を奪われた人たちが立ち上がる物語。間違いを認めるのは勇気がいります。認めた上で同じ場所に居続けるのももっと勇気がいります。
    その勇気を見せてもらいました。やらなければいけないことはできるできないではなく、やるしかない。
    数多の困難にめげずに立ち向かっていくチームの心の強さと、なりより繋がっていく人の輪に感動しました。

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    2025年08月31日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    月まで3キロ、星六花、アンモナイトの探し方、天王寺、エイリアンの食堂、山を刻む 以上6つの短編からなる物語。
    月まで3キロでは、元地学教師のタクシードライバーと仕事も家族ともうまく行かなくなった自殺志願者のやりとり
    星六花は、気象庁で働く男性と三十代後半の女性の叶わぬ恋のお話
    アンモナイトの探し方は、元博物館の館長と母の実家に訪れた小学生とのお話
    天王寺ハイエイタスは、叔父である元プロのブルース・ギタリストと京大卒で地球温暖化の研究をする兄とかまぼこ屋さんを継ぐ流れに乗った弟のお話
    エイリアンの食堂は、素粒子の研究で高エネルギー加速器研究機構で働く女性研究員と、食堂を営む男性とその娘のお話

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    2025年08月31日
  • オオルリ流星群

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    夏の終わりに星空関係の小説を中心に読んでいる。
    この小説は青春の美しさと儚さを描いていて、歌で例えるとミセスのライラックのようだと思った。

    また、流星電波観測というのがあるのを初めて知り、気になったのですぐに流星エコー音を聞いてみた。鐘鈴のような凛とした美しい音色だった。
    今年のジャコビ二流星群(りゅう座流星群)は10/6あたりから観測出来るそうだが、月明かりが強く観測には向いていないそうだ。なので電波観測にて楽しむのもいいなと思った。

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    2025年08月30日
  • ブルーネス

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    震災をきっかけに自らの仕事を信じられなくなった地震学者が才能と情熱に溢れる仲間と出会い、あるシステムの開発へと向かう。
    実際のシステムをモデルにしていて取材も細かく、地震や地質の分野を知るきっかけにもなるが、スポ根的な熱い話なので爽やかな読み味を求めている人にはおすすめ。

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    2025年08月09日
  • オオルリ流星群

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    青春の一コマ
    誰もが持っている思い出
    それは大きなことばかりでなく
    ほんの些細なことかもしれない

    主人公たちの心の中に燻っているものが
    また、動き出す物語

    45歳という、なんとも中途半端な年齢
    生活に疲れ、すべてがうまくいかない
    ただ惰性で流されているのかもしれない日々
    あるきっかけから何かが変化した
    やり残したことがあった
    聞きたいことがあった
    今なら、今だからできることがある
    一念発起というほどのことでもなく
    なんとなくできることをしてみる
    気持ちがスッキリと晴れやかになる
    そんな、素敵な、心が軽くなる
    読書体験となった

    「45歳になった今の自分たちは『星食』のときを生きているような

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    2025年08月05日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    博物館が好きなので裏側等知れてうれしかったり、新しい知識が増えて楽しい作品だった!宮沢賢治の鉱物について、ナス科の植物について、オオカミのお話、昆虫館の行方、どの事件もおもしろくてあっという間に読んでしまった。読書することでさらにもっと他に興味が湧くことって良いなぁ思う、大好き。

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    2025年07月30日
  • オオルリ流星群

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    ワクワクした。そして切なくて涙が出た。
    彗子と恵介、完璧にみえた2人でも、やはり19歳では幼すぎたのだろう。
    「無知だと、常識にしばられるしかない。若い頃は、研究者として生きるには大学なり研究機関なりに所属しなきゃならないって、当たり前のように思い込んでた。今は、物事にはいろんなやり方があるってことを知ってる。」
    彗子の思いが感じ取れる1言。きっと、後悔で押しつぶされそうになるんだろうなと。

    天文台が完成したことで、みんなの一歩になったらいいな。

    切ないけど、前向きになれる本でした。

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    2025年08月01日
  • ブルーネス

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    伊予原さんの本領発揮の素晴らしい小説でした。エリートや大金持ちなどのスーパーマンがたくさん登場するのですが、彼らがみんな良い人だったり、深刻な問題が起きても全てうまく解決したり、最後には海上保安庁の船まで登場するなど、かなり無理筋とも思える展開なのに全然嫌味にならず熱く入り込めました。主人公や武智さんがとても響く言葉を言っていて、思わずメモも取りました。あれから14年以上過ぎても地震の話は避けたいと思っていたはずでしたが、この本には出合えてよかったです。今はトカラ列島が心配です。

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    2025年07月10日
  • ブルーネス

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    登場人物それぞれが過去の傷を負いながらも、未来への光をあきらめない姿にグッとくるものがありました。
    今はもちろん大切。でも、過去の失敗、挫折、絶望があってこそ、未来への挑戦と希望へ踏み出せる。
    ゛あきらめない゛私はこの言葉をこの本からもらった気がします。

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    2025年07月09日
  • ルカの方舟

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    地球惑星科学の知識とアカデミアを取り巻く環境を明瞭に描写しながらも伏線が紛れ込んでおり、読み進める度に物語の進行に意外性を感じることができる。巧妙なトリックの数々を駆使するミステリも良いが、読者に高度な情報を与えつつ奥行きのある物語を味わえる物語も良いなと感じた。

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    2025年06月28日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    無さそうだけど有りそうな、有りそうだけど無さそうな博物館の裏庭を散策したような気分になれる不思議な物語。数々の事件を通して、環が箕作の有能なパートナーに成長を遂げるどころが面白かった。
    個々の事件の中では、藍を継ぐ海の中でも取り上げていた、ニホンオオカミについての話と、異人類たちの子守唄が特に好きです。前者は、ニホンオオカミの特徴としての送りオオカミと狼犬の話題が再び(あくまでも読んだ順です。)取り上げられています。もしかしたら伊与原さんの、箕作先生たちに任せるなんてもったいない、自身のライフワークにしようなんて考えているのかな。また異人類たちの子守唄は、デニソワ人という初めて聞く人類の先祖が

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    2025年06月09日
  • リケジョ!

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    正しいかどうかは人によるとして、葛藤を乗り越えようとする意思の美しさと、未来のあることの素晴らしさよ。

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    2025年05月26日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    初めましての作家さんですが、ブグログ内では高評価の作品が多いようですね。
    まずは学園(!?)ものから。

    舞台は岩手県
    登場人物は花巻農芸高校、地学部の生徒たち
    彼らが宮沢賢治のゆかりの地(主に銀河鉄道の夜)を自転車で巡る旅に出る。
    その様子が描かれる中で、高校生ならではの心の揺れがとても良く伝わってきた。

    とにかく宮沢賢治の事が物凄く詳しく書かれていて、詳しく知らない私としては、そこは少しだらけて読んでしまったような。(申し訳ない)
    でも、地学部の鉱物採取のところはちょっぴり興味を持って読めました。
    いずれにしても、この2つのことに関しての情報量が多くて、とても良く調べられて書かれているの

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    2025年05月21日