伊与原新のレビュー一覧

  • 宙わたる教室

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    オポチュニティの轍の話は心に残るエピソードだった。
    頑張っていることをあきらめることはつらいことだが、いろんな状況で学んだり働いたりしている。どこかで自分の頑張れること、心を傾けて努力できることはしあわせなことだよね。

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    2025年10月22日
  • 宙わたる教室

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    最近また読書に向き合う時間が増えた。
    読書ってやっぱり人の気持ち、心の動きがハッキリわかって、自分のことじゃないけど擬似体験させてくれる。気持ちを代弁してくれる、気持ちを教えてくれる、そんな時間が読書の1番素敵なところと思わせてくれた一冊。

    生徒それぞれの成長や、見守る藤竹先生の眼差しが心地よい読後感を与えてくれました。

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    2025年10月22日
  • 翠雨の人

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    今年も猿橋さんが創設した猿橋賞が女性化学者に贈られたそうです。

    自分の研究だけでなく、自分と同じ道を歩く女性を育てようとした猿橋勝子、
    その生涯を主軸に書かれたフィクション小説です。
    巻末の膨大な参考資料をみると本当の話がほとんどではないかと想像できます。
    今までの伊与原さんのテイストとは違いますが
    分かりやすい文章で興味深く読みました。
    特に1954年の第五福竜丸事件をきっかけに核実験による大気・海洋の放射能汚染を追究。
    核兵器廃絶を訴える姿勢に感銘を受けました。

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    2025年10月22日
  • ブルーネス

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    伊与原作品で初の長編を読みました。
    短編小説の静かな世界と異なり、この作品は東日本大震災で何も出来ず、歯がゆさや悔しさを抱いた地震研究者たちが、立ち上がり新たな方法で地震に立ち向かう話で、思わず引き込まれました。

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    2025年10月20日
  • 藍を継ぐ海

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    とても頭の悪い感想だけど、これは頭の良い人が書いた本だ…というのが第一の感想で、読後に著者について検索してみたら、東大卒・博士号取得・専攻は地球惑星物理学…と出てきたので、やはり、と思った。
    5篇の短篇集なのだけど、総じて「研究者視点」で書かれている印象。理系の小説という感じ(またしても頭の悪い感想。笑)

    余談だけど去年だったかNHKで放送していた「宙わたる教室」がこの方の原作だと知って、おぉ!と思った。このドラマ観ていたから。そしてまたしても納得。地学×ドラマで面白かったから。

    小説に話を戻すと、表題作はウミガメの産卵に1人の少女の孤独を絡めた切なくて爽やかでウミガメの生態も知れるという

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    2025年10月18日
  • 翠雨の人

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    初めて存在を知った人。
    こんなふうに科学に貢献した女性がいたのか。
    どんな分野でも、後進の女性のために
    先頭を走った人がいるんだなあ。
    それでも、まだまだ女性の扱いが軽い日本だけれど。

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    2025年10月18日
  • 藍を継ぐ海

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    自然科学を知る取っ掛かりに文系人間にもやさしく門戸を開いてくれる作品。
    星隕つ駅逓がなんだか人間臭さが出ていて一番印象に残った。

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    2025年10月18日
  • 翠雨の人

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    放射線被曝の研究に勤しんだ、猿橋勝子さんの物語で、研究に対する真摯な姿勢や、時代風景に抗って女性として活躍する強さみたいなものを感じられて良き作品だったなと思います。

    本作は、戦後理系学者として活躍した猿橋勝子さんの生涯を描いた作品。女性は家庭に嫁ぐものという世代間の中で、科学者としてプライドをもって取り組む姿に、同じ理系科学者として勇気をもらえたような気がしました。

    科学というと専門用語が多く読みづらいイメージがありますがストーリーの筋が分かりやすく書けれているため、理系の知識がなくても読みやすいように感じました。

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    2025年10月17日
  • 藍を継ぐ海

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    夢化けの島
    萩焼の土を求めて

    狼犬ダイアリー
    日本オオカミ!?

    祈りの破片
    謎の家

    星隕つ駅逓
    隕石と郵便局

    藍を継ぐ海
    ウミガメ、お守り

    5話のオムニバス
    どれも良かった

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    2025年10月16日
  • オオルリ流星群

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    タペストリーを作った、のような大きな出来事があるわけでもなく、部活も勉強も大して頑張っていなかったのに、なぜか学生時代の夏を毎年思い出す。
    青春時代は美化されるよな〜と思っていたけれど、青春だから思い出すのではなく、昔のことだから思い出すのだ。
    いつか今が十分な青い春であることをきっと思い出すんだろうな。

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    2025年10月15日
  • 宙わたる教室

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    年齢も性別もバックグラウンドもバラバラの定時制高校の生徒が一丸となって、実験を繰り返し、その成果を学術イベントで発表するまでのストーリー。研究成果を司る発想力や実装力は、学歴や経験とは相関しない部分もある。その中で、発想力や実装力をドライブさせるエネルギー源は熱量。
    何もない弱者がその熱量で実績豊富な他校と競争する。
    スタートアップ感のある小説だった。

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    2025年10月14日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    就活、家族、故郷…。向かうべき先や帰るべき場所を失ったとき、自分は戸惑い、立ち尽くしてしまうかも知れない。それでも、自分以外の他者と触れ合うことで、自分を形作る輪郭とその奥深くに眠る「核」を呼び起こし、再び前に踏み出すことができる。
    伊与原さんの作品は、そんな変化の激しい時代への科学がもたらす処方箋と言えるでしょう。
    どんな状況にあっても、前に踏み出す原動力は「自然の摂理を明らかにしたい」という好奇心。
    10億年も前から地球の中心に積もる、鉄の雪。自分の中にも芯があるとしたら、そこにも何か降り積もっているだろうか。少しずつでも、芯は大きくなっているだろうか。
    行先に迷ったとき、自らに問いかけた

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    2025年10月12日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    伊与原新さんのお話は
    なぜか心に
    スーッと染みてくる
    少しずつ少しずつ
    五つの短編
    ひとつひとつに
    すぐそこに溢れている
    日常がある
    本当の人々の心がある

    迷子の伝書鳩と
    ふるさとのレモンの箱
    心が揺れ動く
    誰もが抱く人生の
    悔いと、これから

    さまざまな思いを
    掘り起こしてくれる
    愛の詰まった文章に
    また、してやられた!

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    2025年10月12日
  • 翠雨の人

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    猿橋勝子さんの人生を知ることができました。科学者として、自分を信じ一途に未知の学問分野を切り拓く姿は、一人の女性の生き方として、尊敬すべきだと思います。

    戦時中の研究生活で“戦争のための研究はしたくない”という思い。彼女の研究への純粋さと意思の強さを感じさせるものでした。

    戦後、放射性物質の検出に携わり、核実験抑止につながる研究成果を後世に遺した道のりを、記憶に留めておきたいと思います。

    表紙の紫陽花が描かれた中での女性の絵は、猿橋勝子さんの美しい心がそのまま投影されていると感じます。

    マリー・キュリーに憧れて科学者になった猿橋勝子さん。彼女に憧れる若者が多く輩出されることを願います。

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    2025年10月12日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    伊与原新さんの科学エンターテイメントユーモアミステリーですね。
     池ノ端環は、ひょんなことから『国立自然史博物館』に職を得て、1ヶ月。まだ自分の職場をよく理解しているとは言えない。
     環の所属は、植物研究部の「多様性解析グループ」だ。だが環は、学生時代を含め、植物そのものを使って研究した経験がない。
     そもそも環は生物学を専攻していない。出身は理学部の情報科学科で、持ち合わせている知識は数学とプログラミングに偏っている。
     国立自然史博物館の植物研究部でDNAバーコーディングの技術開発チームを立ち上げることになり、計算機科学の専門家を一名募集があり、運良く採用された。コンピューターオタクで片付

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    2025年10月11日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    私たちの周りは科学で溢れている。でも、その詳細を気にしたこともなかった。伊与原氏の作品は科学に、宇宙に天候に興味を向けさせてくれるきっかけとなる。読み始めると止まらなく、そして優しい気持ちにさせてくれる。

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    2025年10月10日
  • ルカの方舟

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    伊与原新さんの科学サスペンスミステリーですね。
     実はこのミステリーは、江戸川乱歩賞に投稿して、惜しくも受賞を逃した作品を加筆訂正して、デビュー前から温めていた作品との事です。ですから、伊与原新さんの科学ミステリーの『原点』の作品ですね。

     「帝都工科大学アストロバイオロジー研究センター」のセンター長の笠見教授が、実験室で死亡した。
     どうやら有毒ガスを吸った為と思われるが、死因に不審な点がみられる。同時に同センターが、研究中の火星の隕石に「FFP(捏造・改ざん・盗用)」の疑いが有るとメールが、科学雑誌社と大学の関係者に送られてきていた?
     帝都工科大学の大学本部の研究公正委員会が開かれて、

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    2025年10月04日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    表紙に惹かれて買いました。科学についての話が節々にありましたが、友人や家族の暖かさも感じられる本で、とても温かい気持ちになりました。いつかまた読み直したいです!

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    2025年09月30日
  • オオルリ流星群

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    個人的にすごーーく好きだった。
    いろんな視点でいろんな話がすすむのはそこまで好きなわけではないんだけど、そのかたちだからこそ、それぞれの人の生き方とか価値観に触れられた気がする。みんなの気持ちが少しずつわかる気がしちゃうのも、ままならない現実もリアルにえがかれていたと思う。良い本読んだな〜って気持ちで本をとじられた。

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    2025年09月24日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    宮沢賢治の
    イーハトーヴは架空の理想郷に、郷里の岩手県をモチーフとしている

    更に銀河鉄道の夜をなぞるストーリー展開
    そして北上川(イギリス海岸)、岩手山や雫石駅など風景など重ね合わせるとより感情移入します。

    鹿踊り部の存在など、知る事、没入度が上がり
    日記とラストシーンは銀河鉄道の夜とリンクして感動の涙!

    岩手で宮沢賢治の聖地巡礼や鹿踊りを見たくなる
    是非読む前に銀河鉄道でを予習して下さい

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    2025年09月23日