伊与原新のレビュー一覧

  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    作家が伊与原新、軌跡は宮沢賢治、石好きな人にも。

    宮沢賢治の物語に出てくる場所を巡りながら、高校生が地質巡検を行いイーハトーブを探す。
    登場人物は、地学部の部長・3年生の三井寺、2年生の壮多、転校生の深澤、壮多の幼馴染の七夏、など。
    それぞれが、銀河鉄道の旅をしたジョバンニとカンパネルラの生きた証に迫っていく。いつか見つけられるんだろう、夕暮れから夜の空色にかわる瞬間の色、薤露青(かいろせい)が。

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    2026年03月04日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    壮多を中心とした花巻農芸高校の高校生たちの、ひと夏の青春小説であり、宮沢賢治ゆかりの地を巡るロードノベルでもあった。伊予原さんの作品らしく、地学や天文学の知識も使いつつ、「銀河鉄道」を軸に宮沢賢治の作品群についても調査された情報を駆使して描かれていた。こんな解説付きの宮沢賢治本が読みたいっ!

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    2025年12月30日
  • オオルリ流星群

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    舞台は神奈川県秦野市。同市に暮らす薬局店主の久志と中学校教師の千佳、司法試験に挑戦中の修は、人生の折り返し地点である45歳を迎えた同級生。天文学者として国立天文台に勤務していた、同じく同級生の彗子がその職を辞して、ここ秦野で個人天文台を建設する――その計画を知るところから、物語は動き出す。

    彼らは27年前、高校3年生のときに「文化祭でオオルリの巨大タペストリーを作成する」という目的のもと集った、6人組のうちの4人だ。この場にいないのは、仕事で心を患い自宅に引きこもっている和也と、タペストリー計画の発起人でありながら途中で離脱し、その翌年の夏に不慮の事故でこの世を去った恵介だ。

    自分の人生に

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    2025年12月30日
  • オオルリ流星群

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    4.1

    大人ってみんなが力を合わせれば、すごいことを成し遂げることができる力をもっているんだなと思いました。
    同じ場所で育った人がそれぞれの道を歩み、色々な経験をして、誰一人同じ人はいない。
    でも、誰一人同じ道がないからこそ、いざ力を合わせたら誰かの夢を実現することもできる。

    今の社会はどうだろう、私も含めて大人は力を合わせることができているだろうか、
    他人の批判ばかりして揚げ足取りばかりしていないだろうかと考えてしまいました。

    読むと友達に会いたくなりました。相手も忙しいと思い連絡するのを躊躇っていましたが、久しぶりに連絡をしてみようと思わせてくれるそんな作品でした。面白かった。

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    2025年12月27日
  • 翠雨の人

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    実在する女性科学者の先駆、猿橋勝子さんの生涯を描いた作品。
    あとがきに記されていたように、本作は一部架空の出来事や人物が含まれるフィクションらしい。
    けれど、実在する事案を扱った物語は、巻末の膨大な参考文献からも、ノンフィクションのように錯覚してしまった。

    日本が戦争モードに突入していく時代。
    女性が高学歴であることが疎まれ、学問を志すことが叶わなかった当時、好きな学問で社会的地位を得て自立することの重要性を悟り、その道を貫いた猿橋勝子という女性。

    猿橋勝子さんの生い立ちから、科学への信念、科学者としての誇りや責任、女性の生き方にいたるまで、本当に学びが多い作品だった。

    理系分野なので苦

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    2025年12月23日
  • オオルリ流星群

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    想定内と想定外な事実が発覚するお話。今の自分と本当の同世代な男女混合同級生仲間の青春話。私にはこんな風に思い出せる出来事あったかな。…とても大きな出来事が起こるから、このメンバーは絆が強いという一面もあると思う。そして、「地元に残っている」というのも大きいかな。「こんなはずじゃなかった」ばかりな人たちがひと夏久しぶりに何かに打ち込む。いいな。きっと、ここからもこの人たちは普通に自然につながっていくんだろうな。

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    2025年12月20日
  • オオルリ流星群

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    地形、天文学、建築、どれも難しすぎて読み終えるのにとても時間がかかりました。それでもすべては理解できていません。ただただ人間ドラマの展開が気になり、なんとか読み進めることができたという感じです。人間ドラマも流星群のようでした。

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    2025年12月20日
  • 翠雨の人

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    ネタバレ

    科学小説が多い伊与原新作品 4冊目
    今回は実在の女性科学者 猿橋勝子(さるはしかつこ)の史実ベースのフィクション小説

    まだ女性が「若くして嫁ぐことこそ女の幸せ」と言われていた大正時代。
    マリー・キュリーに憧れて科学を学ぶため 親を説き伏せ、できたばかりの日本初の女性のための理系専門学校に入学する。
    そして 出逢った生涯の師 三宅泰雄
    地球化学分野の先駆者で、中央気象台で大気の電場を研究している科学者だ
    そこで 何も知らない学生の勝子に一から研究の基礎を教え 科学者へと導いていく
    戦時中の科学者の想いとは違う 軍との関わり、そして 原爆・・・・
    小さい頃 (雨は何だろう?)と考えた 勝子が放射

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    2025年12月19日
  • 翠雨の人

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    最近まで、医学部入試で男女の合格ラインに差を付けていた事を考えれば、猿橋博士の凄さは、想像を絶するものです。

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    2025年12月19日
  • ルカの方舟

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    火星からの隕石に見つかった生命の痕跡。
    “ルカの末裔”からの偽装の告発。
    方舟形に加工された隕石。
    研究室と研究費。

    院卒の著者らしく、
    かなり専門的な部分に深くまで切り込んでいくミステリー。

    それぞれのテーマがどれも興味深い。

    作品としてはどのエピソードの結末もミステリー的で、
    個人的な好みとしてはもう少しエンタメ寄りが好きではある。

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    2025年12月12日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    伊与原新、短編集。

    就職活動がうまくいかない大学生・堀川。ひとり娘・果穂を育てるシングルマザー。元劇団員の派遣社員・正樹…

    生きることに辛さを抱えた人達。
    ひととのつながりから、考え方を変え、ちょっと前向きになっていく。

    堀川くんなんて、段ボールロボットの話を動画付きで、面接ですればいいのに。グエンの言うように。

    正樹もレモン農家、継ぐんだろうな。

    それぞれの話に繋がりはなく、どの話にも科学の話が違和感なく、盛り込まれている…
    どの科学の話もわかりやすくて、話を邪魔していない…

    短編って、物足りなさを感じるので、苦手だったが、伊与原新の短編はいい。



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    2025年11月30日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    嘘でしょー!という災害級の展開と、ミステリー要素があって、かなり読み応えがあるのだけど、地磁気極が伊与原新さんの科学者時代の研究テーマだったと知って、恐ろしくなっている。

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    2025年11月20日
  • オオルリ流星群

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    オッサンが読むとグッとくるけど…若い人が読んだらどんな気持ちになるのかな?…こんな素敵な出来事は高校生でなかったけどね(笑)…

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    2025年11月17日
  • オオルリ流星群

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    伊与原新さんのハートウォーミングストーリーですね。
    私設天文台をめぐる再生のドラマです。

     県立秦野西高校の三年生の夏に、オオルリのタペストリーを空缶で作った仲間が、四十五歳で集結する。
     きっかけは、国立天文台に勤務していたタペストリー仲間の山際慧子が、国立天文台を辞して秦野市に帰って来た事だ。友情を温めようと、同じくタペストリー仲間の伊東千佳と種村久志、勢多修の三人が慧子の歓迎会を開いた事から始まる。
     慧子は国立天文台の正規の職員ではなく、嘱託職員だったのが契約が切れて退職したと言う。しかし、自分のやり残した研究の為に、手作りの天文台を建てる計画を実行したいと言う。
     その話を聞いて、

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    2025年11月16日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    伊与原新さんのハートウォーミングストーリーですね。短編集です。
     生活に疲れ、生きる事の難しさを抱えている登場人物の出逢いと人間模様を、科学を交差させて描く再生のドラマです。
     伊与原新さんは、科学を思考する人達に、科学を描くことの可能性を、この本でも証明されています。
     曰く「科学者にはロマンチストが多い」と言われますが、まさに科学は謎解きと奥の深い人間模様がありますね。

          目次

       八月の銀の雪
       海へ還る日
       アルノーと檸檬
       玻璃を拾う
       十万年の西風
     
     表紙装画と表題が違いますね。装画は「海へ還る日」を表しています。
     「月まで三キロ」から伊与原新

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    2025年11月13日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    伊与原新さんの小説は好きなのですが、こちらは私がこれまで読んできた物と少し雰囲気が違って新鮮でした。

    天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生が依頼された数々の謎を解き明かしていくストーリーなのですが、蝶子のキャラクターがぶっ飛んでいて笑えました。こんな気象予報士さんをテレビに出したらダメでしょ〜て思うけど小説の中では面白い。

    探偵右田夏生との力関係も一目瞭然。

    伊与原さんは、毎回科学の事を分かりやすく書いてくださるのですが、今回の気象に関してはちょっと難しかったです。それでもテンポ良く謎を解き明かしていくストーリー展開は楽しめました。また未読の本を見つけたら読ん

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    2025年11月10日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    伊与原さんの作品を読むと自分の日々の世界からは離れているものの、人との関わりの不思議さを感じることができてホットします。
    この作品は、仮想「国立科学博物館」が舞台になっているのは明らかで、あの場所の入ることができない場所に、どのようなものが収められているのか、そこで働き、日々研究にいそしむ人たちがどんな日々を過ごしているのかを体験できるのが何より楽しい作品です。
    全部で6話からなり、一話ごとに完結するので、連作かと思いますが、最終話を読むと、すべてはここへ向かっていたのだと気づきます。
    博物館の人たちって何やっているんだろう!?と不思議に思っている方に特にお勧めです。

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    2025年11月03日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    伊与原新さんの学園青春ドラマですね。
    宮沢賢治のオマージュ作品でもあります。
    もちろん、伊与原新さんですから、科学も絡んで物語を面白くしてくれています。
     宮沢賢治が教鞭をとった花巻農学校を前身とする「岩手県立花巻農業高等学校」をモデルとする「花巻農芸高校」が舞台になります。ですから、随所に宮沢賢治の話が盛り込まれて物語は構成されています。

     二年生の壮多と七夏の教室に深澤北斗が転校してくる。そして、ひょんな事から宮沢賢治の作品のイギリス海岸のモデルになった場所を案内することになった。
     目的地に行くと、三年生の三井寺と出会った。三井寺は化石の発掘をしていたのだが、実は地学部という部活を立ち

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    2025年11月01日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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     花巻の高校生たちが立ち上げた地学部。
     主人公の江口壮多を含めたメンバーは夏休みを利用し宮沢賢治のイーハトーブを求めて巡検の旅に出る。
     訳ありの転校生深澤の悲しい過去や七夏の思い。
     「銀河鉄道の夜」になぞらえた深くて神秘的な作品だった。「銀河鉄道の夜」に異稿があるとは今まで知らずにいたので、ぜひ読んでみたい。
     日の入りから夜へ向かう空の青の深さの描写には心惹かれた。

     宮沢賢治をここまで惹きつけるような作品を描ける伊与原さんは、現代の宮沢賢治に匹敵するのではないだろうか。

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    2025年10月31日
  • ブルーネス

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    伊与原作品で初の長編を読みました。
    短編小説の静かな世界と異なり、この作品は東日本大震災で何も出来ず、歯がゆさや悔しさを抱いた地震研究者たちが、立ち上がり新たな方法で地震に立ち向かう話で、思わず引き込まれました。

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    2025年10月20日