伊与原新のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大人が青春を始めるのは難しい。
使える時間は限られ、気力体力の衰え、そして人との距離感にも慎重になる。
現実では特に人間関係がボトルネックとなりそうだが、作中のようにいざ気の置けない仲間が集まると、青春は若者も真っ青な速度で動き始めるのかもしれない。
金銭面の問題や制約にぶち当たっても、大人なら知識と経験で乗り越えられる。
課題を一つ一つクリアしていく描写が、あまりにも楽しそうでならなかった。
本作には過去の青春にまつわる謎もある。
蓋を開けるとあまりに壮絶な内容で、個人的に受け止め切れない部分もあったが、久志がポジティブに捉えているのは、そういう考え方もあるのかと目から鱗だった。
-
Posted by ブクログ
自然や科学を題材にしながら、青春時代の思い出と45歳になった登場人物たちのリアルな現在が丁寧に描かれており、さらにミステリ要素も加わって最後まで一気に読み進めた。
物語の結末だけで終わるのではなく、その先も続いていくであろう現実との向き合い方まで描かれていたことが特に印象に残った。過去の出来事は変えられないが、その経験をどう受け止め、これからの人生に生かしていくかは自分次第なのだと感じた。どれだけ時間が過ぎても、人とのつながりや青春時代に得たものは決してなくならない。過去を大切にしながらも前を向いて生きることの意味を考えさせられる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
小説はフィクションだけど、モデルがあったことをあとがきで知って驚いた。
最初はなかなか入り込めなかったが、途中から面白くなってきた。
実験の様子が詳細に書かれているが、カチカチ文系脳の私にはありありとは思い浮かばない。ドラマを見ていれば、もっと具体的にわかったんだろうな。
でも面白かったし、ちょっと胸が熱くなった。
心に残ったのは、『第三章 オポチュニティの轍』。養護教諭の佐久間の言葉が重かった。
『星を継ぐもの』、『火星の人』も読みたくなった。
そういえば、小学生の時一年間だけ、科学クラブに在籍していた。
カエルとイカの解剖。(なぜイカw)豆腐作り。葉から葉脈を取り出したことなどは覚えてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ40代のままならない現実
少しミステリアスで成績優秀だった同級生が天文台を作るために故郷に帰ってきた。継いだ家業がイマイチな久志、それなりの現実を送っている千佳の二人をメインに限られた予算の中、DIYで天文台を作ることになる。
高校時代の空き缶タペストリー制作とシンクロして、それぞれが過去の自分と向き合うことにもなり、いまひとつ煌めいていない現実と折り合いをつけようともがいている。
やっぱり若いときになにかやっておくというのは大切だなぁと伊与原先生と同年代の私も思います、向き不向きはありますが。多少がんばっていたことはあったけど、多少不登校気味でもあったので人と力を合わせてなにかを成し遂