伊与原新のレビュー一覧
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「宙わたる教室」の続編。
先が気になって一気に読んだ。
東新宿高校定時制に編入した佐那、以前、この高校にあった科学部を再開したくて色々模索する。
その中で、同じクラスのみちると知り合い、1年生の翔太を勧誘し、休学していた理も加えて科学部を再開する。そしてペットボトルロケットを飛ばすことになる。
今回も色々な背景の生徒が集まり、OB、OGも登場する。
以前、科学部を作った藤竹先生は出てこない、いや、正体を現していないだけで、佐那達をしっかりサポートしている。
卒業生の柳田岳人が気になっいたが、大学生になっていて、大学院にまで行くことになっていて、何だかとっても嬉しくなった。彼の努力が報われていることがとっても嬉しかった。
どんな環境でも、人間努力次第だ。
大人の、社会の嫌な面もちょっと垣間見えた。
しかし勇気と希望をもらえる話だった。
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ネタバレ猿橋勝子さんの伝記を元に書かれたフィクション。
女性科学者の先駆けとして有名だが、実はこれを読むまで業績を知らず、物理学なのかと思っていた。女学校を卒業して一度は就職したが、4年後の昭和16年に出来たばかりの帝国女子専門学校に入り、雨が好きだった事から気象研究の実習に行かされ、そこで生涯の師と仰ぐ三宅泰雄と出会う。
この学者の名前も知らなかったのだが、まだまだ女性の地位が低かったこの時代にまったく女性差別をしない平等主義の三宅先生と出会えて、勝子は運が良かった。
勝子は真面目で努力家だった、というエピソードが満載の小説だが、敗戦に米ソの対立など大変な時代に生きていた。平塚らいてうが同時代に生きていて、期待されていたとかすごい。
原爆や水爆実験による放射能の影響を調べるため分析方法を考えるところからスタートする。化学をやる人は地道なんだなぁと感心してしまった。また、科学者というのは、ずっと先のことを想像?予測できなければいけないと思った。それを伝える努力も。
勝子は、忙しい中、後進のために道を作る努力もした。その一端が猿橋賞という事。
それにしても、水爆実験が世界の環境に対してどれほど危険か理解した後、実験禁止にしたアメリカの行動は立派だったと思う。
この作者が小説にしなければ猿橋勝子の存在も知らなかった若い人にぜひ読んでもらいたい。
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初めて読む著者さんです。
統一されたテーマはあるもののそれぞれの短編に繋がりはないので、好きな順番で読むことが出来ます。
『祈りの破片』が圧倒的に一番良かったです。
被曝資料を収集し続けた男と、生き残った神父の話。
著者さんのあとがきで、広島平和記念資料館の初代館長の活動に着想を得たお話だと知りました。
他のお話は、個人的に主人公にあまり感情移入出来ない・好きになれない部分もちらほらありました。
でも、「何かを継ぐ・繋ぐ」というテーマで展開される優しい話は、自然と涙が出ることもあり心に響きました。
また違う著作も読んでみたいと思います。 -
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【偶然が導いた、1ミリのチリが放つ輝きと
「幸せの青い鳥」】
先日、ペルセウス座流星群の夜に偶然見上げた一筋の流れ星。✨
その光が私を『オオルリ流星群』という素敵な物語へと導いてくれました。✨
流星群を観たあと、「この星の本体はどこにいるのだろう」と好奇心で調べた天文学の事実。
冥王星の付近にある本体が残した、わずか1mmほどの塵が、地球から100kmの近さで一瞬だけ激しく光り輝いていること。✨
その仕組みを知ってワクワクしながら本を開いたら、まさにその事実がそのまま描かれていて、ゾクゾクと鳥肌が立ちました。
流星が残した過去の光が現代で輝くように、17歳の夏の一瞬の光が、45歳になった登場人物たちの心に
今もなお輝き続けている。✨
著者の『青の果て』は『銀河鉄道の夜』をモチーフにした物語を描いている。
今作にも宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の、あの切なくも美しい星巡りを感じさせます。星や宇宙を背景に大切な友の死、誰かのために心を砕き、「ほんとうの幸い」とは何かを模索する姿が重なりました。
誰もが強く輝いたり、時には弱々しく光ったりする。お互いの人生を横切り、時には影を落とし合いながらも、最終的にはひとつの星座へと繋がっていく。星食(エクリプス)のように陰っていた時間があったからこそ、再び出会った時の光はどこまでも眩しく、愛おしい。✨
そして、オオルリが導いてくれた繋がりは、今も私の心のなかで輝いている。
来年もペルセウス座流星群を見てこの物語に思いを馳せたい。私にとって特別な1冊になりました。 -
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宮沢賢治ゆかりの地となる岩手県花巻市を起点として、壮多、北斗、七夏はそれぞれのイーハトーブ探しの夏を過ごす。
この作品を読むにあたり、宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』を読まれていると、作品の深みは増しそうですね♪(私は幼い時に読んだっきりで、もう忘れました(^_^;))
勝手な予告編です。
幼なじみの壮多(そうた)と七夏(なのか)が通う花巻の高校に、東京からの転校生、深澤北斗(ふかざわほくと)がやってくる。
深澤がやってきてから七夏の様子がおかしくなったと疑う壮多は、深澤の転校の理由を探ろうと少しずつ距離を詰めていく。
壮多と七夏、そして北斗がそれぞれに思うレールを敷いた夏休みは、宮沢賢治のゆかりの地で一つの軌跡となり、つながっていく。
夜空に舞う星々たちは、彼らの行く末を、どのような気持ちで見守っているだろうか。
個人的な感想です。
岩手県を知らない方、宮沢賢治を知らない方でもワクワクさせる冒険譚のような作品でした。
中盤まで宮沢賢治にまつわる謎が多く、『銀河鉄道の夜』を知らないと苦しいのかなと思っていましたが、後半の展開はミステリーっぽさを感じる伏線回収であったので、なんかミステリーツアーを体験した読後感です♪ -
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読書備忘録1012号。
★★★★。
日本を代表する女性地球科学者猿橋勝子さんの伝記フィクションストーリー。
すごい人です。ほんとに凄い。
なので★4つ。3.5でもイイかも。最終的に奈良岡さん効果で4つ。
だってストーリーは基本、事実に即した伝記ですから盛り上がりという意味ではね・・・。
勝子さんのストーリーはWikiに聞いてください。
ほぼこの作品のことが書かれています。
なので備忘録不要!楽だぁ。
ただですね。地球科学者猿橋勝子を生み出したエピソードだけは備忘しておかねば。
①地球科学者猿橋勝子が生まれたのは偶然であり必然!
当初勝子は東京女子医専の吉岡彌生に憧れてここを受験するんですね。だけど面接で吉岡にきつい言葉をかけられて、合格したけど蹴った!結果として創立直後の帝国女子理専に入学する。結果、世界に名だたる猿橋勝子が生まれた訳ですね!
吉岡と猿橋という強い個性がぶつかったことで奇跡が生まれたということですわ。
②気象研の三宅泰雄がすべて
未熟な勝子にすべて任せた三宅の存在のでかさ。これが全てです。
物語の後半ドクターフォルサムとの一騎打ち!これはページをめくる手が止まらない熱盛エピ!本来なら三宅でしょう!渡米するのは。それを勝子に一任したんです。この胆力。凄まじいばかりです。
③家族の支えもすべて
父の邦治、母のくの、兄の英一。
家族の支えは随一です。当時の女性の幸せは結婚です。結婚して欲しかったでしょう!両親としては。それでも勝子の好きにしなさいと。涙ですよ。
そして、唯一?のフィクション登場人物。
中央気象台気象研に後輩として入ってくる関西人の奈良岡隆文はいい味出しています。伊予原さんは単なる伝記ではなくフィクションストーリーとして奈良岡を使って面白くしましたね!
プロローグの墓参りとエピローグの孫娘ストーリーは奈良岡で始めて奈良岡で終わらせました。
以上 -
Posted by ブクログ
号泣してしまったーーーーーーー、、笑
人間は興味や探究心に心駆られる生き物であると感じました。
東新宿高等学校定時制課程という定時制ならではのストーリーと東京大学で地球惑星物理学を専攻し博士号までとった作者が描く僕も体験したことのない「宇宙」に心踊らされすぎて、感情の波が凄まじい作品でした。
発達性ディスレクシアとして読み書きが苦手なのは自分が努力してなかったせいだと過去を諦めてた柳田岳人。
勉強についていけない半ば諦めかけながら店を切り盛りしてくれている家族の応援が苦しくなっているフィリピンと日本人のハーフの越川アンジェラ。
起立性調節障害を抱え保健室登校を続けているSF小説が大好きな名取佳純。
中学を卒業してから「集団就職」という時代に生き、高校に行きたいという夢を描きながらも働くしかなかった長嶺章造。
てんでバラバラな境遇をもつ彼らが、なぜ定時制高校に通うのか、一筋縄にはいかない現状を
理科教師として赴任した藤竹が「科学部」に導き、
火星のクレーター実験を学会に発表するという驚きの目標を目指して彼らが奮闘する物語。
青い夕焼けみてみたいなぁ、、、笑
惑星って面白いなぁ。。
彼らの轍はもう1本ではない、続きのコズミックガールという作品も楽しみにみます! -
Posted by ブクログ
高校の文化祭で仲間たちと必死になって準備した。あの頃の仲間とまた集まって何か一所懸命やってみたい。でもそういう気持ちはあってもなかなかそんなことはできない。多くの人が持っていそうな気持ちを掬い上げてくれるような大人の青春小説というところ。
この小説は実際にあった小型望遠鏡による観測と成果に感銘を受けてことがきっかけとなったとか。しかし学術的な展開だけになりすぎず、登場人物が様々な人生の悩みを抱えながらも前に進もうとする姿を描きながら、人間と科学の繋がりみたいなことも教えてくれる。こういうところがこの作家のいいところだなぁと思って、次の作品も読みたくなる。
地球惑星科学を専門としてきた作者が書くストーリーで天体観測にまつわる話はもちろん専門家の知識によって組み立てられているけど、コミュニティFMとか野鳥観察とか、少し毛色の異なる理科系話も面白いし、限られた人々の夢が地域の人たちの応援を集めていくような展開も楽しかった。実際にそうなっていなくてもそうあって欲しいと思わせる話だ。
この作品の翌年に宙わたる教室が書かれたが、こちらは序章とも言うべき作品なのかもしれない。