伊与原新のレビュー一覧

  • ブルーネス

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    終始潮の香りがする物語だった。真剣に物事に向き合う人ほど落ち込み、傷つき、足踏みし、時には後退するものなんだってこと。それでも誠実に逃げずにいれば、いつかは少しずつでも前に進んでいくんだってこと、を教えられた気がする。
    伊与原さんの世界は、高校生の頃の物理の世界に憧れていた自分に引き戻してくれる。科学がどんなに血の通った、心動かすものかを思い出させてくれる。

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    2025年02月01日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    宮沢賢治に対するオマージュ的作品。東京から深澤が転校してきて、花巻農芸高校に地学部が立ち上がる。八月に巡検( 学術研究のための実地調査)を企画していると七海が学校にこなくなる。七海になにがあったのか、深澤は何を隠しているのか。七海の幼馴染の壮多の視点で語られてゆく青春ミステリ。文学と地学の融合、そしてファンタジー。めがね橋を渡る釜石線に銀河鉄道を重ね合わせ七海の姿を無意識に探しているシーンは特にそういう描写がないにも関わらず頭の中に想起された。そして七海が描きかけの絵の空の色「青」の解釈が印象的でした。

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    2025年01月29日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    NHKドラマ宙わたる教室に影響を受けて他の伊与原新さんの作品を読みたくて何冊かまとめて購入しました。
    その中でも1番好みの作品です。
    宮沢賢治の世界観、青春ストーリーとが上手く掛け合っていて、岩手へ旅したい!と思わせる作品でした。
    Audibleにもあるので、ながら聞きもおすすめです。

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    2025年01月07日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    出だしの掴みと章の変わり目の場面の変化があるから全然飽きない。旅する後半なんか最初に工程出してるからわかるのがどんな作用するのかな〜と思ったけども上手ですね。そして最後の謎解きの数々がまた入ってくるし、答えが出た感じが凄くする。深澤は全く悪くないし、七夏の謎解きかなと思ったら壮太の事だったとか、2人は子供の頃出会い繋がっている所が良いです。何より土台に宮沢賢治の銀河鉄道の夜を置くのがワクワクする。地学でも文学でも天体観測でも宮沢賢治が探せるという、地元でも知らない世界、4回も書き換えられた事実も斬新な。

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    2024年11月05日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    再読。伊与原新さんらしい科学の蘊蓄満載。癖あり探偵のライトミステリ。事件の真相の陰にドラマ性がありとても好みの作品でした。続編希望です。

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    2023年07月21日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    太陽の黒点フレアが強まり、電波を使う機器が時々使用できなくなる日が多くなった世界。新宿でふと見上げると、空にはオーロラがかかっていた。地磁気が弱まってきていたのである。地球の地磁気がゼロになっていく世界で、宇宙天気を専門とするサイエンスライター浅田柊の周りでは、妊婦達が姿を消していった…。

    背表紙タイトル買い。これは絶対にSF読みはスルーできないタイトルである。そして、中身もなかなかに濃い。

    地球物理学を専門としていたという作者の専門をいかんなく発揮した一冊である。地磁気が無くなっていくという、普段当たり前のものがなくなり、それに伴うパニックとパニックに乗じた混乱。ちょうど2011年の福島

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    2022年12月02日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    『いい信念は合理的だから、手強い。ダメな信念は非合理的だから、やっぱり手強い』―『Phase Ⅱ 白と黒』

    地磁気の逆転について学んだのは何時の頃だったか。当時の高校地学で学んだ記憶はないが、学部移行して入った学科に古地磁気を研究している助教授が居たのでやはり大学に入ってからか。少々古臭い話だが、その先生の所属していた講座はプレートテクトニクスを認めないことで有名だった学派の流れを汲む教室であったのだが、その中で古地磁気の研究をするというのは異質であっただろう。学部生向けの論文購読を担当していたその先生は、当時は目新しかった隕石衝突による中生代から新生代への移行(あるいはKT境界問題)につい

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    2022年03月06日
  • ルカの方舟

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    鉱物のことも宇宙のこともわからない私もおいてきぼりにされることもなく読み進められました。
    研究者って本当に好きな仕事を出来て羨ましく思っていたのですが、けっこう大変な仕事なんですね そして悲しかった。

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    2021年10月30日
  • コンタミ 科学汚染

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    「ニセ科学への道は善意で舗装されている」と言われているように、最初は悪意のある人がつくったものでも、それを善と信じる人々が熱狂して広めてしまう。

    善意や正義を盾にして人を攻撃する人も、この理論によるもの。

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    2021年05月26日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    破天荒な気象予報士菜村蝶子と幼馴染の冴えない探偵右田夏生がひも解くミステリー。蝶子の人物造形が無茶苦茶面白い。大学院を出て、民間の気象予報会社に勤める蝶子は、いやいやながらテレビ放送のお天気お姉さんになる。ところが、ぶっきらぼうで歯に衣を着せない喋りぶりや、最後のバタフライ効果張りのとんでもない御神託などで、視聴者の人気が大爆発。そのままのつんけんした乗りで夏生に言いたい放題。夏生が持ち込む5つの謎を二人で解いていくのだが、気象のことが謎を解く手掛かりになるのだ。最後の「標本木の恋人」はなかなか感動的だ。いいねえ。ソメイヨシノは、コマツオトメとオオシマザクラの交配によって生まれたという可能性が

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    2020年03月09日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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     地球物理学の本としてとても面白かった。多くの新知識を得られたのがうれしい、という小説読後の感想とはちょっと違う感じを持った。
     今まで全く興味のなかった分野で、なぜ本書を読もうと思ったのかは不明。しかし読んだらおもろかった。小説としてのストーリーの印象がかなり薄いくらいに、地磁気やらフレアだのと言った専門用語にひかれた。

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    2018年06月23日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    蝶子さんと主人公の遠慮のない関係は見ていて安心する。天気予報を見るのが少しだけ楽しみになるミステリー。

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    2016年04月05日
  • リケジョ!

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    理系大学院生の女性が留学のための資金を貯めるため、理系かぶれの小学生の女の子の家庭教師をするお話し
    連作短編理系ミステリと言うことで、ガリレオシリーズっぽいものを感じる

    最後のお話しが一番いい
    それまでにちょっと感じていた違和感が読み進めていくうちに晴れていく感じ
    伏線と気付かない程のささやかな違和感が序盤からあって
    「あ~、こーゆーキャラなんだね」と解釈していたけど、実は理由があったという構造はとても大好きだ

    この本は元々「プチ・プロフェスール」という題名の単行本を文庫化する際に改題したもののよう
    よりによって何で「リケジョ!」なんて俗な題にしたのかね?
    全部読んだら断然「プチ・プロフェ

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    2016年02月27日
  • 梟のシエスタ

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    これはまさに伊与原新ならではの大学を舞台とし作品。大学職員とか教員はあるあるって思ってそう。高校時代の友人の某国立大教授がこの作品で出てくるエピソードとほぼ同じことをぼやいていた。

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    2015年09月04日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    小説新潮で読んだこのシリーズがきっかけで伊与原作品を読むようになりました。全部読んだことあるけど、また読んでも面白かった。

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    2015年08月23日
  • リケジョ!

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    物理が全く分からないと、ついていけないところもありますが、楽しく拝読させていただきました。生物系や化学系のリケジョの話も読んでみたいです。物理苦手な方も是非読んでみてください

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    2014年03月02日
  • 宙わたる教室

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    いい話だった。
    学び続ける限り、人は若い。その通り。最近はどんなに時間を経ても、自分の成長を感じられなくなってきている。
    新たな挑戦、新たな自分とのたたかい、夢中になれる何かを、自分なりに見つけたい、そう思う作品だった。

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    2026年02月08日
  • 藍を継ぐ海

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    科学知識は無くても楽しめるが、読んでいていろいろ検索してみたくなった。
    狼犬ダイアリー、藍を継ぐ海の2編が好き。
    どの話も、ちょっと前向きな気持ちになれるラストでよい。
    短編5編だが、それぞれ雰囲気が違うので、読み応えもある。
    単行本化にあたり、いくつか改題しているよう。
    直木賞。
    少し余裕のある時にじっくり再読して楽しみたい。

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    2026年02月04日
  • 宙わたる教室

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    ドラマがおもしろかったので、原作が気になり読みました。ドラマもあたたかな気持ちになるいい作品だったけど、原作も期待を裏切らないすてきな小説でした。読みやすいし(物理の話はよくわからなかったりもしたけど)、素直に人というものに対して希望が持てる、人間っていいなあと思える作品でした。世の中、そんなに甘くないよと、私の暗い部分が囁いたりもするのではありますが…

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    2026年02月01日
  • 翠雨の人

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    猿橋勝子さんの生涯を軸にフィクションも混じえながら書き起こされた物語。

    戦前から戦後の渦中に第一線にいたからこそ、この物語を通して時代特有の影を感じる。(男女差別、戦争、欧米との摩擦)


    どんな時も真っ直ぐに、真面目に科学と向き合う姿勢に心打たれる。
    前に進むことを三宅先生や周囲の人達が後押ししてくれたからこそ、彼女もただひたすらに目の前の事象や自らの役割に向き合えたと感じる。

    後世も科学が人を幸福にするためだけに利用されることを願って止まない。

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    2026年01月31日