伊与原新のレビュー一覧

  • ルカの方舟

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    地球惑星科学の知識とアカデミアを取り巻く環境を明瞭に描写しながらも伏線が紛れ込んでおり、読み進める度に物語の進行に意外性を感じることができる。巧妙なトリックの数々を駆使するミステリも良いが、読者に高度な情報を与えつつ奥行きのある物語を味わえる物語も良いなと感じた。

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    2025年06月28日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    無さそうだけど有りそうな、有りそうだけど無さそうな博物館の裏庭を散策したような気分になれる不思議な物語。数々の事件を通して、環が箕作の有能なパートナーに成長を遂げるどころが面白かった。
    個々の事件の中では、藍を継ぐ海の中でも取り上げていた、ニホンオオカミについての話と、異人類たちの子守唄が特に好きです。前者は、ニホンオオカミの特徴としての送りオオカミと狼犬の話題が再び(あくまでも読んだ順です。)取り上げられています。もしかしたら伊与原さんの、箕作先生たちに任せるなんてもったいない、自身のライフワークにしようなんて考えているのかな。また異人類たちの子守唄は、デニソワ人という初めて聞く人類の先祖が

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    2025年06月09日
  • リケジョ!

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    正しいかどうかは人によるとして、葛藤を乗り越えようとする意思の美しさと、未来のあることの素晴らしさよ。

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    2025年05月26日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

    QM

    購入済み

    幻想的な表紙に惹かれて購入。どのお話も科学チックで面白かった。きっとその専門か少し詳しい人じゃないと完全に理解できないような深いところまで描写されてて、作者の頭の良さというか、探求心というか、そういうものをすごく感じた。1話目のダメコンビニ店員だと思われていたベトナムの留学生が実は大学院で地震の研究をしてたというギャップと、そして第一話の主人公がちゃんと自分の進むべき道を再確認できたような結末が一番お気に入り。地球の中心に降る雪、なんてロマンチックな表現なんだろう。

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    2025年05月12日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    再読。伊与原新さんらしい科学の蘊蓄満載。癖あり探偵のライトミステリ。事件の真相の陰にドラマ性がありとても好みの作品でした。続編希望です。

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    2023年07月21日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    太陽の黒点フレアが強まり、電波を使う機器が時々使用できなくなる日が多くなった世界。新宿でふと見上げると、空にはオーロラがかかっていた。地磁気が弱まってきていたのである。地球の地磁気がゼロになっていく世界で、宇宙天気を専門とするサイエンスライター浅田柊の周りでは、妊婦達が姿を消していった…。

    背表紙タイトル買い。これは絶対にSF読みはスルーできないタイトルである。そして、中身もなかなかに濃い。

    地球物理学を専門としていたという作者の専門をいかんなく発揮した一冊である。地磁気が無くなっていくという、普段当たり前のものがなくなり、それに伴うパニックとパニックに乗じた混乱。ちょうど2011年の福島

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    2022年12月02日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    『いい信念は合理的だから、手強い。ダメな信念は非合理的だから、やっぱり手強い』―『Phase Ⅱ 白と黒』

    地磁気の逆転について学んだのは何時の頃だったか。当時の高校地学で学んだ記憶はないが、学部移行して入った学科に古地磁気を研究している助教授が居たのでやはり大学に入ってからか。少々古臭い話だが、その先生の所属していた講座はプレートテクトニクスを認めないことで有名だった学派の流れを汲む教室であったのだが、その中で古地磁気の研究をするというのは異質であっただろう。学部生向けの論文購読を担当していたその先生は、当時は目新しかった隕石衝突による中生代から新生代への移行(あるいはKT境界問題)につい

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    2022年03月08日
  • ルカの方舟

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    鉱物のことも宇宙のこともわからない私もおいてきぼりにされることもなく読み進められました。
    研究者って本当に好きな仕事を出来て羨ましく思っていたのですが、けっこう大変な仕事なんですね そして悲しかった。

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    2021年10月30日
  • コンタミ 科学汚染

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    「ニセ科学への道は善意で舗装されている」と言われているように、最初は悪意のある人がつくったものでも、それを善と信じる人々が熱狂して広めてしまう。

    善意や正義を盾にして人を攻撃する人も、この理論によるもの。

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    2021年05月26日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    破天荒な気象予報士菜村蝶子と幼馴染の冴えない探偵右田夏生がひも解くミステリー。蝶子の人物造形が無茶苦茶面白い。大学院を出て、民間の気象予報会社に勤める蝶子は、いやいやながらテレビ放送のお天気お姉さんになる。ところが、ぶっきらぼうで歯に衣を着せない喋りぶりや、最後のバタフライ効果張りのとんでもない御神託などで、視聴者の人気が大爆発。そのままのつんけんした乗りで夏生に言いたい放題。夏生が持ち込む5つの謎を二人で解いていくのだが、気象のことが謎を解く手掛かりになるのだ。最後の「標本木の恋人」はなかなか感動的だ。いいねえ。ソメイヨシノは、コマツオトメとオオシマザクラの交配によって生まれたという可能性が

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    2020年03月09日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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     地球物理学の本としてとても面白かった。多くの新知識を得られたのがうれしい、という小説読後の感想とはちょっと違う感じを持った。
     今まで全く興味のなかった分野で、なぜ本書を読もうと思ったのかは不明。しかし読んだらおもろかった。小説としてのストーリーの印象がかなり薄いくらいに、地磁気やらフレアだのと言った専門用語にひかれた。

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    2018年06月23日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    蝶子さんと主人公の遠慮のない関係は見ていて安心する。天気予報を見るのが少しだけ楽しみになるミステリー。

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    2016年04月05日
  • 梟のシエスタ

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    これはまさに伊与原新ならではの大学を舞台とし作品。大学職員とか教員はあるあるって思ってそう。高校時代の友人の某国立大教授がこの作品で出てくるエピソードとほぼ同じことをぼやいていた。

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    2015年09月04日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    小説新潮で読んだこのシリーズがきっかけで伊与原作品を読むようになりました。全部読んだことあるけど、また読んでも面白かった。

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    2015年08月23日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    辛いことがあっても、人間には、もう一歩前に進む力がある、と感じさせてくれるお話がたくさんあった。それが明るい一歩じゃなくても、勇気を出して小さな一歩を踏み出すこと、それがまた次の一歩につながるし、人生はその繰り返しなんだなと思った。

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    2026年08月16日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    宮沢賢治ゆかりの地となる岩手県花巻市を起点として、壮多、北斗、七夏はそれぞれのイーハトーブ探しの夏を過ごす。

    この作品を読むにあたり、宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』を読まれていると、作品の深みは増しそうですね♪(私は幼い時に読んだっきりで、もう忘れました(^_^;))

    勝手な予告編です。

    幼なじみの壮多(そうた)と七夏(なのか)が通う花巻の高校に、東京からの転校生、深澤北斗(ふかざわほくと)がやってくる。

    深澤がやってきてから七夏の様子がおかしくなったと疑う壮多は、深澤の転校の理由を探ろうと少しずつ距離を詰めていく。

    壮多と七夏、そして北斗がそれぞれに思うレールを敷いた夏休みは、宮

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    2026年08月15日
  • 翠雨の人

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    読書備忘録1012号。
    ★★★★。

    日本を代表する女性地球科学者猿橋勝子さんの伝記フィクションストーリー。
    すごい人です。ほんとに凄い。
    なので★4つ。3.5でもイイかも。最終的に奈良岡さん効果で4つ。
    だってストーリーは基本、事実に即した伝記ですから盛り上がりという意味ではね・・・。
    勝子さんのストーリーはWikiに聞いてください。
    ほぼこの作品のことが書かれています。

    なので備忘録不要!楽だぁ。
    ただですね。地球科学者猿橋勝子を生み出したエピソードだけは備忘しておかねば。

    ①地球科学者猿橋勝子が生まれたのは偶然であり必然!
    当初勝子は東京女子医専の吉岡彌生に憧れてここを受験するんです

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    2026年08月13日
  • オオルリ流星群

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    高校の文化祭で仲間たちと必死になって準備した。あの頃の仲間とまた集まって何か一所懸命やってみたい。でもそういう気持ちはあってもなかなかそんなことはできない。多くの人が持っていそうな気持ちを掬い上げてくれるような大人の青春小説というところ。
    この小説は実際にあった小型望遠鏡による観測と成果に感銘を受けてことがきっかけとなったとか。しかし学術的な展開だけになりすぎず、登場人物が様々な人生の悩みを抱えながらも前に進もうとする姿を描きながら、人間と科学の繋がりみたいなことも教えてくれる。こういうところがこの作家のいいところだなぁと思って、次の作品も読みたくなる。
    地球惑星科学を専門としてきた作者が書く

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    2026年08月12日
  • 翠雨の人

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    【科学の暴走と、命を守った科学の物語】

    小手鞠るい  『わたしが戦場にいる』
    村田喜代子  『新古事記』
    平井美津子  『原爆孤児』
    そして本書を読み継いで点と点が線で結ばれたように改めて歴史は地続きで繋がっているのだと感じた。

    『新古事記』でオッペンハイマー率いる錚々たる科学者たちによるマンハッタン計画の近視眼的な暴走が、広島・長崎で原爆孤児を、ビキニ環礁の悲劇を生んだ。
    彼らは「放射能の闇」を甘く誤認していたのだ。

    この放射能の闇に「科学の遠視眼」で立ち向かったのが、『翠雨の人』猿橋勝子さんだ。
    物語の後半、アメリカのフォルサム博士との実験勝負は手に汗握る白熱もの!
    「負けるな!頑張

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    2026年08月12日
  • 翠雨の人

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    猿橋勝子さんの物語
    まったくその分野がわからないまま、読みました
    まだまだ男尊女卑時代に、戦争や戦後の中で研究を進め、女性科学者の地位向上のために力を尽くされた方だと、初めて知りました
    当時は二十歳ぐらいで見合いをし、結婚して家庭に入ると言う親や周りの考えの中でも
    一生続けられる仕事を持ちたいと考える勝子
    心から情熱を注げる職業に就きたい…
    そんな中、吉田彌生医師にして東京女子医学専門学校の創設者の記事を読み憧れを抱くが、そのことを親には言い出せず生命保険会社へ就職する…
    と、科学者になるまでは迷いや不安などが所々に見え隠れします
    『雨とはなんだろう。なぜ降るのだろう』
    幼い頃の不思議を科学を

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    2026年08月11日