【感想・ネタバレ】リケジョ!のレビュー

あらすじ

貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕ってくる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!

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Posted by ブクログ

単行本『プチ・プロフェスール』の文庫版になります。(文庫化にあたり、『リケジョ!』に改題されました。)

伊与原新さんの8冊目に『ブルーネス』を先に手に取りましたが、疲れと眠気に勝てず(涙)、後から入手した連作短編集になっているこちらを先に読むことにしました。
貧乏学生の律と小学生の理緒が事件を解決していくんですが、周囲のキャラクターも面白くて、テンポも良く、ユーモもあって、そこに伊予原さんの理系の知識と謎掛けも盛り込まれていて、切なさもありながら、最後まで楽しく読み終えました。またまた好きな作品が増えました〜(*´︶`*)

裏書きより、
「貧乏大学生で人見知りの律は、留学費用を稼ぐため、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。だがこの生徒、いまどき珍しい理科大好き小学生。律を「教授」と呼び、慕ってくる。そこへ降りかかる奇妙な事件の数々……「教授、科学の力で解決しましょう!」
引き気味の律と、あくまで前向きな理緒。いつしか2人に、不思議なコンビネーションが生まれて…
無類に楽しい、理科乙女ミステリシリーズ誕生!」

本書に何度も登場するジョージ・ガモフの『不思議の国のトムキンス』(本筋のキーにもなっています。ネタバレ内緒ですね)も気になってしまいますね〜(*´ω`*)

(ひだまりトマトさん、とても面白かったです♪既にひだまりトマトさんが読まれているガモフの本も気になります。まだまだ先になるかもしれませんが、読んでみたいです(*´ω`*)。愉しい一冊をありがとうございました。)

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2025年09月29日

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正しいかどうかは人によるとして、葛藤を乗り越えようとする意思の美しさと、未来のあることの素晴らしさよ。

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2025年05月26日

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理系大学院生の女性が留学のための資金を貯めるため、理系かぶれの小学生の女の子の家庭教師をするお話し
連作短編理系ミステリと言うことで、ガリレオシリーズっぽいものを感じる

最後のお話しが一番いい
それまでにちょっと感じていた違和感が読み進めていくうちに晴れていく感じ
伏線と気付かない程のささやかな違和感が序盤からあって
「あ~、こーゆーキャラなんだね」と解釈していたけど、実は理由があったという構造はとても大好きだ

この本は元々「プチ・プロフェスール」という題名の単行本を文庫化する際に改題したもののよう
よりによって何で「リケジョ!」なんて俗な題にしたのかね?
全部読んだら断然「プチ・プロフェスール」という題名の方が何十にも意味を持たせてあるのでしっくりくる

ま、でももし「プチ・プロフェスール」という題だったら僕は手に取らなかったかもしれないので、何とも不思議なものですね

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2016年02月27日

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物理が全く分からないと、ついていけないところもありますが、楽しく拝読させていただきました。生物系や化学系のリケジョの話も読んでみたいです。物理苦手な方も是非読んでみてください

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2014年03月02日

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 10年程前にリケジョなる言葉がちらほら聞こえてきたが、その頃に刊行された作品。旬の時期に読んでいたかった。捻くれた少年が猫殺しの犯人と疑われる話が面白かった。文系人間にとっては感心してしまう雑学が満載で、それだけでも結構楽しめる。キャラクターがしっかり作られているので、鼻につくような言動もなく好感が持てたのも高ポイント。難しくてついていけないテーマも正直あったが、ほとんどが興味を持てる日常の謎を解説してくれている。殺人事件の動機が陳腐過ぎる点だけが残念。

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2025年04月21日

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素直に、楽しいストーリーで、理科の説明もわかりやすくて、好き。
最近海外の裏切りのひどいドラマばかり観てたせいか、心が洗われる気がした。よい。

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2024年06月28日

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ネタバレ

大きな教授の律(理系大学院生)と小さな教授の理緒(小学生)、2人の「リケジョ」のバディもの。

墓地でカツアゲをする中学生、電波を送るストーカー、野良猫事件、大学内の殺人事件、をカガク的な立場から解決していく。電波を送るとか、気持ち悪かった・・。

ハンダゴテ、FMラジオの電波、ペットボトルのロケット、色覚の話、虹が見える条件など、興味深いエピソードもあって良かった。

個人的には主人公の理緒とビッグママ、ロケットをつくる才田くんのキャラが良いな、と思いました。あとは理緒の家の運転手の恵人。
特に才田くんは、理屈っぽい感じですが、自分の興味にまっすぐなところが良いなと思いました。そこは理緒と同じですね。
恵人と律のささやかなふれ合いの描写も良かった。これからこの2人はどうなるんだろ?って気になった。
あと、理緒の家の住み込みのトキノさんは、理緒のことを「いとはん」と呼んでいましたが、なんでかな?とずっと気になっていました。結局、その理由の描写はなく、今もちょっとモヤモヤしてます(笑)。

最後の章の「四○二号室のプロスフェール」はとても良かった。律が理緒の家庭教師になったいきさつがステキなストーリーで描かれていました。そんな接点があったから、律は家庭教師になったんですねぇ。ご都合主義的ではありますが。

律は、無事に留学に行けることになったのは良かったけど、理緒は寂しそうでした。出会いと別れですね。

この「リケジョ!」のストーリーには、「星の王子さま」と「不思議の国のトムキンス」という本が重要な存在。「星の王子さま」は読んだことがあるのですが、「不思議の国のトムキンス」は知りません。どんな本なのか、とても気になりました。

ハンダゴテを握りしめた理緒は誰よりも勇敢なヒーロー。そしてその理緒を見守る律。2人ともカッコいい「リケジョ」でした。

律が留学から帰ってきて、理緒が成長して本当の意味でのリケジョになったくらいのタイミングでの続編が読みたいな、と思いました。

伊予原作品は初めて読みましたが、面白かったです。別の作品も読んでみようと思いました。

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2024年06月07日

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そそるね!
理系脳の俺からすれば、フレーズから痺れたわー
物語の回収作業もバッチリで余韻の残る感じでクールでした。

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2023年10月11日

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科学は全く詳しくないため少し難しく感じた部分もあったが、個々のキャラクターが魅力的で最後の手紙でグッと惹き付けられた。

科学で日常の謎を解決!のイメージで読み始めたが
人と人との繋がりもあって良かった。
コペンハーゲンから帰ってきた話も読んでみたい。

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2023年04月06日

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★「そう、挑戦です! わたしたちリケジョへの!」(p.35)

【感想】
・続編希望。このキャラクタたちとはまた会いたいものです。

【一行目】
 やっぱり六等分だろう。

【内容】
・幽霊と量子力学。
・地球外知的生命体とFM放送。
・チェシャ猫と偽薬。
・星の王子さまと赤い月。

▼簡単なメモ

【浅尾朋香/あさお・ともか】律の高校時代の同級生。特に親しくはなかったが大学に残っているうちに交流が増えた。理緒にプリズムをプレゼントしてくれた。認知科学で「幻視」を研究テーマにしている。
【いじめ】《解決に必要なのは、同情じゃなくてノウハウだ。》p.19
【エクル】九歳の律が北海道の大学に入院したときやはり入院していた十六歳の女性。『星の王子さま』を原文と日本語訳交互に音読していた。普通の日本人らしい。
【飼いならす】《――いい? 律ちゃん。飼いならすの。悲しくて寂しくてどうしようもない気持ちがあっても、毎日ちょっとずつ近くに寄っていって、飼いならすの。そしたら、いつかきっと、そんな気持ちとも仲よくなれる――》p.282
【科学】律いわく《科学っていうのは、態度のことなんだよ!》p.53。科学の側から見たらそうかな。門外漢から見たら…手法かな? 理緒いわく《わたしは、知りたい! だから――》p.53。《科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところだからね》p.314
【金田】戸川塾に通う高校生。金髪ピアス。
【木元康輔/きもと・こうすけ】戸川塾に通っている生徒。四年生のリーダー格。どうやら理緒にいやがらせをしてるようだ。
【黒瀬】オープンキャンパスで見物に来た理緒に「SETI@home」のことを教えてくれた。自称電波オタク。
【恵人/けいと】馬淵家のアルバイト運転手。本職はガラス職人見習い。美形。時間にルーズ。
【才田】水橋小の六年生。笑う猫の死体が投げ込まれた家の人から疑われている。「水橋大砲クラブ」の部員。
【笹本拓海/ささもと・たくみ】浅尾朋香の恋人。同棲していたが殺人事件の容疑者扱いされた後同棲を解消した。
【視覚】自分の見ているものと他者の見ているものはほんとうに同じかどうか? 自分が見ているものを自分はすべて知覚しているのかどうか? 結局のところよくわからないわけで。個人的には右の目と左の目では若干色合いが異なるのに気づいたときから、自分の見ている色と他者の見ている色がほんとうに同じように感じられているのかどうかわからなくなった。うっかりするとぼくご赤と思ってあるものが他の人には緑に見えることもあるのかも? とか。
【シュレーディンガーの猫】たとえが秀逸すぎて本質がつかめてないと思う。言葉としては理解しているけど。
【田川】律と同期で有機化学専攻。
【舘】水橋小の養護教諭。松野が頼りにしている。
【谷本綾/たにもと・あや】盗聴されているかもしれない高校二年生女子。
【遠山】朋香のとこの講師。
【戸川恭子】戸川塾を主宰している女性。どっしりと重心が低い。愛称は「ビッグママ」。中卒だがアメリカの大学を出た。
【戸川塾】律と理緒が出会った。授業はなく生徒が自学自習できるよう工夫された教材プリントに取り組む。受験戦争とは無縁。落ちこぼれをつくらない、学ぶことの楽しさを伝えること、ひいては子どもの選択肢を広げていくことが目的のようだ。
【トキノ】馬淵家の住み込みの家政婦さん。理緒のことを「いとはん」と呼ぶ。霊感ばあさんらしい。律とは考え方がまったく異なるので苦手にしている。
【投げ出し墓】馬淵家の近所の墓地。脚が出てきてつまずくんだとか。糸川くんがつまずいた。
【仁科真実子/にしな・まみこ】律の母
【仁科律】→律
【仁科律の父】料亭で板前をやっていたが律を北海道の病院に入院させるためそちらの食堂に移った。
【沼田静子/ぬまた・しずこ】目が不自由な初老の女性。遠山の研究の被験者をしている。理緒のことを「琥珀色のお嬢ちゃん」と言った。音に色を感じる共感覚者だとか。いろいろあって、視覚、聴覚、味覚、触覚などが独立していないそうだ。
【念のために】《理緒の「念のため」はときに律の思考の盲点を突くことがある。》p.86
【博士号】《理系研究者の世界では、それが運転免許みたいなものだから》p.8
【ハンダごて】温度調節機能付き。理緒のムテキアイテム。理系というより工学系やんか。
【久光修平/ひしみつ・しゅうへい】遠山の研究の被験者のひとりだったが今はやめている。沼田の友人。六十代の精悍で禿頭の男性。
【福澤】浅尾朋香の後輩。MP3プレイヤーを盗まれたらしい。声がデカい。
【不思議の国のトムキンス】ガモフの一般向け科学啓蒙書。理緒のバイブル。律の子どもの頃の人生を変えた一冊。律のは父親が『不思議の国のアリス』と間違って買ってきた。もっとも、アリスのほうも科学的センスをそこはかとなく感じるんやけど。
【プチ・プランス】律のクオーツ腕時計は星の王子さまモチーフらしい。たぶんアニメの? 安物だが当たりで、年に五秒しか狂わない。
【松野】水橋小の教師。才田くんのクラスの副担任。律よりも若い。
【馬淵理緒】→理緒
【理緒】馬淵理緒。小学生のリケジョ。リケジョとしてままだ未熟だが柔軟な発想と究明心と行動力を持っている。
【理緒の父】ワンマン経営者で人の話を聞かない。いまフランスにいる。
【律】仁科律。語り手。理論物理学専攻の大学院生。それで名字が仁科で、ニールス・ボーア研究所に行ける(かも)ってのはなかなか。アパートではコケを飼っている。喫緊に百万円用意しなければならない。

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2022年03月10日

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科学をロマンチックに語るのが上手だなと思う。
聞き慣れない科学的な言葉での会話が続く場面に共感のしにくさというか非現実感が現れてくる。けれども、純粋でいて、かつ、ヘンテコな人たちの微笑ましさを感じることのできる作品だなとも思う。

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2021年11月18日

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ネタバレ

天涯孤独な理系女子大学生の主人公。フランスに留学するために必要な数百万円を貯めるために、お金持ちのお嬢様(リケジョ志望)の小学生の家庭教師をやる。

・猫の毒殺事件
・警備員殺人事件
・ストーカー電波事件

など、数々の事件を理系の力を使って解決。
最後は、ミステリー定番の自分の秘密に隠された謎を解いてフィナーレ。

理系物語要素と、ミステリー要素がいい感じに混ざり合っており、またキャラも立ってるので読みやすかった。

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2021年06月03日

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ネタバレ

人見知りで理系大学院研究生女子の主人公と彼女が家庭教師として教えている生徒理緒のコンビが理系にちなむ?日常の謎を解くミステリー連作集。
謎解きそのものはお手軽ミステリーだが、謎解きに関わる蘊蓄が少々手ごわい理系知識。ガモフが愛読書だったり、シュレディンガーの定理が「基礎」知識だったり、お手軽ミステリーを嗜もうとする文系娯楽小説好きにはハードル高すぎ(笑

と言っても、その辺は読み流して一切問題無し。ちゃんと人間味も溢れてるし、恋愛要素や人情やらもしっかり楽しめるし、特に最終篇は理系の人が主人公の人情噺です故ご安心を。

本筋と関係ないのだが、タイトルもうちょっとなんか可愛げあるのにして欲しかったなぁ。「プチ・プロフェスールの事件簿」あたりでどうだろうか?

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2021年03月03日

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題名と表紙デザインからは予想できませんでしたが、意外にも心温まる良い話でした。カガク的に証明の出来る巡り合わせ…偶然とか運命ではない人為的な心のこもった出会い。素敵な話でした。

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2020年12月28日

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意外と謎解き要素が強く科学的な目線でアプローチしていくのが面白かったです。
不思議な現象を神様の仕業と言ってしまうのもロマンチックですが疑問を持ち突き詰めて見えた世界はさぞ輝いて見えるのでしょうね。

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2015年07月01日

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博士課程の学生とお金持ちのお嬢様が登場人物の謎解きストーリー
個人的には可もなく不可もなくという印象

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2025年11月04日

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大学院生と小学生のリケジョが科学の知識で身近の事件を解明して行く物語。
期待した程の面白さはなかったが、科学の勉強になった。

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2025年08月07日

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理系大学院生と家庭教師の生徒(ともに女子)を中心に、ささやかな日常の「事件」を、科学の用語を出しつつも結局は現場・現物と人間的機転で解決していくストーリー。

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2025年07月06日

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ネタバレ

投げ出し墓のバンディット
仁科律
留学で必要な百万円のため、馬淵理緒の家庭教師を引き受ける。戸川塾の中学生にリケジョとあだ名をつけられる。理緒に教授と呼ばれる。

馬淵理緒
小学四年生。リケジョになりたい。

戸川恭子
律のアルバイト先の主宰。ビッグママ。

恵人
理緒の運転手。二十歳そこそこ。

理緒の父親
仁科慎市。

トキノ
馬淵邸の住み込みの家政婦。霊感が強い。

木元康輔
戸川塾の四年生の中ではリーダー的な存在。

糸川
投げ出し墓で、足につまずいた。

鴨川
理緒の担任の先生。

リョータ
戸川塾の六年生。

木元健輔
康輔の兄。


恋するマクスウェル


理緒

谷本綾
懇談会に来た女子高校生。

黒瀬
天文学を専攻している修士課程の大学院生。

白倉
坊主頭。黒瀬と同じサークルのメンバー。

拓真
綾の幼なじみ。

恵人
ガラス職人の見習い。


チェシャ猫マーダーケース
大江
歯を剝いて笑うノラ猫の死体が庭に投げ込まれていた。

松野
梅庭小学校の教師。

才田
六年生。あだ名は博士。

金田
戸川塾の生徒だった。小学校レベルの計算もできず、アルファベットもろくに書けなかったが、工業高校に合格した。


水橋小学校で養護教諭をしている。

副部長
才田のクラブのメンバー。


虹のソノリティ
浅尾朋香
理緒にプリズムをプレゼントした。律の高校の同級生。

坂田
五十代の警備員。電気コードで首を絞められて殺された。

遠山
講師。

沼田静子
遠山の被験者をしている。

笹本拓海
朋香の恋人。警備員の遺体を発見した。

久光修平
被験者。

福澤
音楽プレーヤーを盗まれたと騒いでいた学生。

矢野
朋香の隣の鎌田研究室に所属する大学院生。


四〇二号室のプロフェスール
エクル
当時十六歳。

高村
移植コーディネーター。

馬淵綃子
理緒の母。

仁科真実子
律の母。

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2024年12月25日

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天体に関する大学院でコペンハーゲンに留学したい律は、個人塾のアルバイトをしながら生活費を稼ぐ。そんなある日、律のもとに驚くべき待遇のアルバイトが舞い込んだ。小学校4年の理緒の家に住み込んで、家庭教師を行うというものである。そんな中、塾でとある墓場に幽霊が出るとの噂を聞き、律と理緒は解決に乗り出す…。

理系、研究絡みの小説はハズレばかりの法則があるが、これは割と読める作品であった。というのも、作者のバックグラウンドである天体の話だけでなく、物理や化学、生物といった、理系全般に渡る作品になっていたからだろう。だいたいこういうタイトルの作品は、作者のバックグラウンドから出ることができずに、何故か数学だけ、なんて言う話になりがちだ。

短編4篇?5篇だっけ?
というのは、各作品の印象の薄さが原因となっている。それぞれの作品はがんばって最初に思いつくトリックを打ち崩すようにトリックを考えてはいるものの、犯人等の人選びに難が多い。その人を犯人にしないほうがいいんじゃない?とか、その程度で殺す?など。

また、盛り上がり部分のメリハリが少ないため、その解決で良いの?と思わせるものも少なくないし、最後は読者は皆途中で読めているのに、ダラダラと告白の手紙で引っ張ったのは、何だったんだろう?

印象に残ったのはチシャ猫の話で、その他は事件をあまり考えなくて良いし、考えすぎると薄っぺらく感じてしまうものだ。

でもまあ、理系モノにしては面白かった。ただ、タイトルは「リケジョ何とか」くらいの8文字くらいにしてほしかったな。

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙の印象とは違って、しっかりした?ミステリー。
来年、コペンハーゲンに留学が決まった院生の律。
留学費用に悩んだ律に、お金持ちの令嬢、理緒の家庭教師の話が。
理緒は理科が大好きな小学生で、律を「教授」と呼んで次々と謎解きに律を誘う。

通称「投げ出し墓」に出没する足の幽霊の正体は。
大学の説明会にやってきた女子高生のストーカー事件。
近所で続く猫の不審死と怪しげな行動の少年。
大学の研究室で起きた殺人事件の犯人は。
律が幼い頃に病院で出逢った少女の秘密。

人と距離を置き、華やかな女子に疎外感を感じる律が、理緒や理緒の周りの人々との交流や、事件に巻き込まれて、だんだんと角がとれてくるのが温かい。
理緒が繰り返し言う「リケジョだからね!」最初は皮肉まじりに苦笑していたのに、だんだんと胸を張っていくような。
理系あるあるなのかも、というカタカナの難しい説明もあるけれど、言い伝えの昔話、アリス、オズの魔法使い、星の王子さまに絡めて進むので、読みやすく楽しい。

「悲しくて寂しくてどうしようもないきもちがあっても、毎日ちょっとずつ近くに寄っていって、飼いならすの。そしたら、いつかきっと、そんな気持ちとも仲よくなれる」

「遠く離れていても、会えなくても、話せなくても、科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところだからね」

「リケジョを磨いときなよ!」

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2022年07月30日

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「なんか引っかかる…→化学の豆知識を披露して事件解決」というパターンの繰り返しで、推理の過程の面白さをあんまり感じませんでした。種明かしをする場面が来たら面白いのですが、主人公が考えたり調べたりしている所はまどろっこしいだけで面白くなかったです。
主人公はただ化学知識を淡々と披露しているだけなのに、子ども・高齢者・若い男性など出会う人々みんなから溺愛されているのも謎で、女性版やれやれ系ハーレム主人公という感じが苦手でした。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

「リケジョ」という題より単行本のときの「プチ・プロフェスール」という題のほうがいい。「プチ・プランス」(星の王子さま)だからね。物理学を専攻する大学院生の律と小学生の理緒が身の回りに起こる事件を解決する連続短編。二人が物理学の話をするうちに、ふっと律の頭に真相が浮かぶのだ。最後の短編は、律の小さい頃の謎を解決するちょっと感動的なお話だ。普通に考えると律は無茶苦茶頭いいというか、推理力ありすぎかな。設定も無理っぽいところもあるけど、まあいいか。

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2019年12月07日

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留学に必要なお金が欲しい主人公に、三か月で百万の
バイトが持ちかけられる。

犯罪系かとおもいきや、ごく普通(?)でした。
最後まで行くと、そんな繋がりが…という
長年の謎が解けました、に。

幽霊、無線、チェシャ猫、五感、主人公の過去。
おまけのように、雇い主の娘の運転手とも
良好そうな関係が見えてきます。

全ては化学で解決できる。
それにすがっている気もしますが、しがみつけるものが
あるのはいい事だと思います。
とはいえ、子供さん毎度あれを持ちまわっているのは
結構重くないですか??w

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2019年02月26日

Posted by ブクログ

タイトル通りの内容なのですが、理系女子たちのアクが弱くてパンチ不足かな。
物理学的ネタの出し方は優し過ぎず複雑過ぎずと適度なバランス感覚だと思いますが、そんなところも含めて女性向けの作品だと思いました。

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2015年09月28日

Posted by ブクログ

日常の謎系列の短編集ですが、登場人物の科学好きなところがとてもほほえましいですね。
事件の深刻さはまちまちですが、登場人物の明るさに救われることが多かった気がします。
全体のオチがちょっと唐突でご都合主義な感じもしましたが、全体の雰囲気を壊すものでもないのでよしとしましょう。

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2015年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

留学費用を稼ぐためお金持ちの娘・理緒の家庭教師を引き受けた律。奇妙な事件に巻き込まれては科学の知識で解決していく。理系が苦手な私には律の説明が「??」の部分もあったけどまあまあ面白かった。最後に明かされる家庭教師依頼の本当の理由、そこまでの伏線が上手い。

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2015年05月08日

Posted by ブクログ

【収録作品】投げ出し墓のバンディット/恋するマクスウェル/チェシャ猫マーダーケース/虹のソノリティ/四〇二号室のプロフェスール

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2015年01月14日

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