伊与原新のレビュー一覧
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本作は以前からタイトルだけは知っていたが、読んだことはなく。
ネトフリで、NHKドラマを見かけて、観てみたら、ものすごく面白くて感動した。
これは、原作も読んでみたい!と、手に取ったのがこの本。
原作とドラマは、少し違っていたが、やはり感動する小説だった。
自分は、家庭の事情で合格をしたのに大学に行かれなかった。
代わりに、働きながら大学の通信教育部で大卒資格をとった。
昼間の普通の大学生には「通信教育部なんて」と、馬鹿にされながらスクーリングに通ったなー。
この本を読みながら、そんな昔のことを思い出した。
通信教育部にも、さまざまな年齢の方がいた。
この定時制のように。
学ぶことはいつでも -
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様々な背景と事情の中で定時制高校に通う人たちが、教師の導きで科学部の一員となり、教室で「火星のクレーター」を再現する実験にぶつかっていく物語。
とてもいいお話だった。
昔々、高校生の頃、私が通っていた学校にも定時制の課程があり、2年生の時には同じ教室を使っていた。
ある朝、黒板に「ちゃんと掃除をするように!」みたいなことが書いてあり、ほとんど掃除のようなことをしていなかった私たちは教室がきれいだったのは定時制の人たちが掃除していたお陰だったことに気づかされ、それからはしっかり掃除をして帰るようになったのだった。
そこから私たち全日制と定時制の人たちとの黒板を介した交流が始まって……みたいな佳 -
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読み終えて、いちばん強く感じたこと。
人は、人との出会いでしか変われない。そんな気がしました。
舞台は、新宿にある都立高校の定時制。それぞれに事情を抱えた生徒たちが科学部に集まり、「火星のクレーター」を再現する実験に挑む物語です。
理系科目がずっと苦手だった自分には、読み始める前、正直なところ身構えがありました。けれど読み進めるうちに、それは科学の話である以上に、人と人との物語だと気づかされていきました。
不器用にぶつかり合いながらも、少しずつ前を向いていく登場人物たち。その姿を追ううちに、こちらまで静かに背中を押されているような感覚になりました。
学ぶということが、人をこれほどまでに -
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猿橋賞、の猿橋勝子さんの物語。
賞の名は聞いたことがあるけれど、猿橋勝子さんのフルネームも人生も何も知らなかった。読み終えた今、何故今まで何も知らなかったのかと不思議になるほど偉大なことを成し遂げた化学者である。
ただ目の前の仕事に苦労を厭わずひたむきに取り組む姿は、ある意味、世界の中のひとつの歯車のようだなと思う。一人で完結しない生き方で、世界全体を一歩進めるために生きてらっしゃったのだなと。いや、ただの歯車として働くうちに、一歩を進めていたということか。地道に集めたデータで立ち向かっていく姿に心から感動する。
他方、科学は公平かといえば、主義によって絶対的な結果がねじ曲げられることもあ -
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伊与原新さんの猿橋勝子さんの評伝小説ですね。
評伝としたのは、フィクションでありながら、猿橋勝子博士の史実に基づいて書かれているからです。
何より、日本の女性科学者として、初の博士となり、「日本婦人科学者の会」の創立者の一人として、女性科学者の地位と育成に尽力された足跡を描かれた素晴らしい小説です。
題名で、気象予報士の話だと思っていましたが、そうではなく、気象庁の初の女性研究員となり、師匠の三宅泰雄と共に、放射能の環境への影響の研究で世界的に認められ、気象庁の初の女性職員になり、数々の功績を残された日本の誇る女性科学者の物語でした。
伊与原新さんの、読み易い軽妙でいて、真実を伝えて行こ -
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自然が残る日本のあちこちが舞台。
こちらも伊与原さんならではの科学のワンポイントが入った短編5編。
「夢化けの島」
山口県の月島で、萩焼の土「見島土」を探す。
「狼犬ダイアリー」
奈良県の山奥・東吉野村でのオオカミ騒ぎ。
「祈りの破片」
長崎県長与町の空き家で、大量のガラクタコレクションを発見。
「星隕つ駅逓」
北海道遠軽町で隕石を探す。
「藍を継ぐ海」
徳島県阿須町はウミガメの産卵地。アカウミガメを孵そうとする少女。
火山が作った島とかアイヌの言葉が地名の由来とか、それぞれの土地に想いを馳せつつ読めました。
どれも実際にもありそうだな…と思わせる内容で、静かな余韻もよかったなぁ。