伊与原新のレビュー一覧
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自然が残る日本のあちこちが舞台。
こちらも伊与原さんならではの科学のワンポイントが入った短編5編。
「夢化けの島」
山口県の月島で、萩焼の土「見島土」を探す。
「狼犬ダイアリー」
奈良県の山奥・東吉野村でのオオカミ騒ぎ。
「祈りの破片」
長崎県長与町の空き家で、大量のガラクタコレクションを発見。
「星隕つ駅逓」
北海道遠軽町で隕石を探す。
「藍を継ぐ海」
徳島県阿須町はウミガメの産卵地。アカウミガメを孵そうとする少女。
火山が作った島とかアイヌの言葉が地名の由来とか、それぞれの土地に想いを馳せつつ読めました。
どれも実際にもありそうだな…と思わせる内容で、静かな余韻もよかったなぁ。 -
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定時制高校に通う人物たちがある教師を中心に織りなす学生生活の短編集。
学園ものとはいえ、舞台は定時制高校。
そこに通う人は様々で、心に傷を負ったり、勉学についていけなかったり、時代のせいで学校に通えなかったり。
それぞれの人が年齢も性別も背景もバラバラながら、全日制の高校生とは違う生き苦しさとやるせなさを抱えながら学校生活を送っていた。
そんな生徒の前にある理科教師が現れた。
彼は日中は大学で研究者をやる傍ら、夜は定時制高校で理科と数学を教えていた。
彼は教科を教える以外にもやりたいことがあった。
それは定時制高校に科学部を作ること。
難しい人間関係や周囲との能力差に疲れ果てた人でも、自然が -
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静かな人間ドラマの短編集です。
物語の奥にある“理系出身の作者ならではのエッセンス”が、じわりと効いてきます。
これがね、作品全体の透明感と説得力を底から支えていると思います。
登場人物たちは、特別な能力を持っているわけでもないし、劇的な事件が起こるわけでもない。むしろ、誰もが日常の中で抱えている小さな痛みや、言葉にしづらい後悔、そしてほんのわずかな希望を抱えて生きている。
伊予原さんは、その“人の心の揺れ”を、丁寧に拾い上げています。
だから詠み手は、気づけば登場人物の感情の軌道を、まるで自分のことのように追いかけてしまう。
特に印象的なのは、物語の構造そのものが“理系的な美しさ” -
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ネタバレドラマ版大好きすぎたから読んだ。
原作の一部をドラマ化したのだと思ってたら丸々映像化だったうえにオリジナル要素追加されててびつくり。なんならNASAで実験に参加してほしいってオファーされたあと続きあると思ってたからなかったのはちょっと残念だった。でもそのくらいが丁度いいのかもしれない。でも続き読みたい。
ドラマでも話してたかどうか覚えてないけど終盤も終盤で柳田君が学校辞めないよな?って聞いたのに対して藤竹先生が「人生はいつも窓のない部屋にいるようなもの。そこには常にいくつもの扉があって、その先がどこにつながっているかは開けてみるまでわからない。その繰り返しだ」みたいに返したのが良かった。その -
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伊与原さんの小説には地学の分野が登場する。いろいろな人生の悩みや事情を抱えた登場人物達が、自然科学の真理に触れることによって、日頃の悩みから解放され、生きるヒントを得る展開である。今回もきっと、科学のパワーで人生が変わる奇跡のストーリーなのだろうと期待し、手に取った。特に今回は都心の繁華街にある定時制高校が舞台であり、さぞかし多種多様な登場人物による、波乱万丈な人生が交錯して化学反応が生まれるのだろうと期待が高まった。
地学の知識が必要なハードルの高さは無く、頭の良い悪い関係無しに、純粋に興味をそそられるものばかり。身近に存在する自然現象だから、興味さえ持てば誰であれ門戸を開いてくれる身近な学 -
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地震・津波に屈しない科学者たちの熱い思い
東日本大震災をきっかけに「津波監視システム」の運用の実現するために動き出す物語。
東日本大震災が来る予知ができなかった悔しさ。
その思いが遠ざかる(ある種の諦め)上層部のもどかしさが、物語には滲み出ていた印象があった。
準平が天木にいった「津波から人々を守るために、やれることがある」は非常に刺さった箇所。
地震は予知はできないから諦めるのではなく、「事前に防ぐ」事はできる。
数多ある地震のデータベースは、地層・断層から見えてくること、そして歴史を辿れば周期ごとが見えてくる。
地震は未知であり、地震が引き金とある津波だって未知。そんな未知なるものか