伊与原新のレビュー一覧

  • 翠雨の人

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    猿橋勝子さんのフィクション。第五福竜丸やビキニ島の原水爆実験のくだりはとても悲しくて死の灰、広島原爆の黒い雨と辛すぎる歴史に分析でこんなに素晴らしい業績をもった人がいたことに感動した。ひたむきに実験に取り組み続ける姿勢は男女の垣根も越えるものかと。奈良岡さんが物語を支えるとても重要な立ち位置のひとだったね。

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    2025年11月06日
  • リケジョ!

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    博士課程の学生とお金持ちのお嬢様が登場人物の謎解きストーリー
    個人的には可もなく不可もなくという印象

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    2025年11月04日
  • 藍を継ぐ海

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    短編集。著者は若い人なのかなと思いながら読んで、あとがきで女性なのかなと思ったら、自分より年上の男性だった。
    地質学者と陶芸家の話、オオカミの話、原爆投下後の資料収集、隕石、ウミガメの話。
    わかりやすい感動話でないことで不思議な読後感だった。
    著者は東大の地球惑星科学博士とのこと。すごい経歴。
    でもそれでテーマも雰囲気もたしかに理系!と納得したのでした。

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    2025年11月03日
  • オオルリ流星群

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    まだ自分は社会に出てすらいないので登場人物達の悩みに共感することはできなかったが、なんとなく想像はできる。きっとここまで続けてきた仕事に疑問を持ち始める段階というのがあるのだろう。45歳は人生の分岐点の一つなのかもしれないと思った。天文台ははじめはみんな同情から始まったもの。しかし、作業をするにつれて高校の時に感じていた必死さのようなものに気づき自分のために天文台を作るようになった。それによって抱えている悩みが解決するわけではないが、前に進むことはできているのではないかと思った。読後感がとても良くて、心が温まるような感じがした。45歳になったらまた読みたいなと思った。

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    2025年11月01日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    オーディブルで聴きました。岩手の人は皆、宮沢賢治のことを宮沢賢治先生と呼ぶのだろうか。そしてどれくらいの人が彼の作品をどれくらい読んでいるのか調査してほしい。他の県に比べてやたらと多そう。

    「銀河鉄道の父」を読んでいたので、賢治先生をまるで聖人のように話す高校生に、あなたたち、賢治先生がどれだけしょうもない面を持っていたか(ほぼしょうもない面だらけ)知っていますか?と聞きたい。知ってます、その上で、いや、それだから先生が好きなのです、という人もたくさんいそう。

    それはそれとして、このお話は、青春謳歌小説ど真ん中過ぎて、ちょっと引いてしまった。皆、それぞれに夢中になれるものを持っていて、いい

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    2025年10月30日
  • 翠雨の人

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    「月まで三キロ」「八月の銀の雪」、そして著者の名を広く知らしめた「宙わたる教室」。

    伊与原新さんの直木賞受賞後第一作は、実在の科学者を描くという、伝記とフィクションを融合させた著者らしい作品です。

    今年のノーベル生理学・医学賞を受賞された坂口志文氏。その妻である教子氏もまた研究者であり、今回の受賞研究も二人三脚で成し遂げられたと会見で語られていました。未だ女性研究者の立ち位置が厳しい現状に残念な思いを抱いていた私にとって、この作品は一筋の光のように感じられました。

    猿橋勝子という女性科学者が、被爆国である日本人の立場から、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定に

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    2025年10月28日
  • 翠雨の人

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    6冊目の伊与原新さん。

    戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代に科学の道を志した猿橋勝子さん。私は存じ上げなかったのですが、実在の人物である猿橋さんの生涯を描いたフィクションです。

    猿橋さんは戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげたそうです。

    この水爆実験で「死の灰」を浴びた漁船「第五福竜丸」って、現在東京夢の島に保存展示されているんですよね。実は私の亡くなった伯父が、この船の保存運動に関わっていたので、展示館がオープンした時(調べたら1976年でした!)と、数年前にも娘たちに平和につ

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    2025年10月25日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    読みやすい短編集。
    作者が地球惑星科学を専攻しているため、地学関係の内容が多く見受けられた。月や地球関連の話はスケールが大きく、幻想的な気分になった。
    一番好きなお話は「エイリアンの食堂」です!

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    2025年10月22日
  • 宙わたる教室

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    ネタバレ

    後半から徐々に面白くなってきて正直びっくり。若者でなくとも、老若男女が一丸となって取り組む姿には胸を打たれた。
    最後の最後で、実在する定時制高校の科学部がモデルとなっていると知り更に興味を惹かれた。この作者の他の作品も読んでみたい。久しぶりにそう思える作品でした。
    前半部分は面白くないと思えてしまったため評価は3ですが。

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    2025年10月16日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    飛ばし飛ばしで途中で読むのをやめてしまった。
    私には残念だけど全く合わなかった。
    この本には悪いが他の作品を早く読もうと思った。

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    2025年10月15日
  • 宙わたる教室

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    定時制高校の部活が日本地球惑星科学連合大会「高校生によるポスター発表」で優秀賞を取るまでの物語。
    実話をもとにした、理系の筆者の知識を生かした学園ものだった。
    どんな境遇でも、親ガチャで外れても、躓いてもいつでもやり直しやチャンスがある社会であってほしいと思う。

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    2025年10月13日
  • コンタミ 科学汚染

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     コンタミが物語の核と思い込んでいたが、そういう意味付けのタイトルではなかった。疑似科学批判批判派なる集団も存在することなど、普段意識しないトピックに自分はどちら寄りなのか考えながら読んだ。大筋のストーリーがコンパクトだったので、もう少し起伏に富んだ展開でも良かったように思う。各章の冒頭に挟まれる手記を書いた人物はもちろん、そんな優しい結論に落ち着くのかとまるで予想外だった。苦手と敬遠してきた科学の世界に、どんどん興味が湧いてきている。

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    2025年10月13日
  • オオルリ流星群

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    高校生の輝かしい青春の思い出で止まったままの中年の大人達が再会して、あの頃の青春を取り戻すように何かに向けて動き出す物語が、年齢が何かを諦める理由にはならないんだと思った。

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    2025年10月03日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    物理や化学なんて社会に出たら何の役にも立たないだろうに、なぜ学ばなければならないのだろう、と学生時代は思ったものだ
    本書を読んで、気づかないだけで、自分の周りに当たり前のように科学が溢れていたことに気づかされた

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    2025年09月28日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    なんかバタバタしていて一冊読み終えるのにえらく時間が掛かってしまった。

    宮沢賢治が教鞭をとった学校を思わす花巻農芸高校に通う2年生の壮多と幼馴染の同級生・七夏。ある日、東京から転校生の深澤がやってきたことで、これまでの日常が変わりだす。
    以前から七夏のことを知っているような深澤、急に学校に来なくなった七夏、心配する壮多に不自然な対応をする七夏の母、話の途中から挟まれだした謎の日記、そうした曰くありげな展開に、壮多も深澤も参加することになった地学部の活動が絡まる。
    ミステリーっぽい話に賢治ゆかりの地を巡る旅とは面白そうな題材だったが、私には少し消化不良。

    ここに挙げられた「イーハトーブ」や「

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    2025年09月24日
  • 東大に名探偵はいない

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    泣きたくなるほどみじめな推理:市川憂人
    アスアサ五ジ ジシンアル:伊与原新
    東大生のウンコを見たいか?:新川帆立
    片面の恋:辻堂ゆめ
    いちおう東大です:結城真一郎
    テミスノ の逡巡:浅野皓生

    東大出身という共通項が作品に表れるのかどうか??
    舞台は東大なんだけど、言葉や雰囲気に共通するものがある気がする。
    もっとも先に 六人の東大出身作家 と言われてたらそう思うのも仕方ないか……

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    2025年09月10日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    ネタバレ

    テンポよく読み進めていける軽快な小説で、自然科学系の蘊蓄も読めて面白いと思う。ただ、環の設定があまりしっくり来ず、エリート正規研究員というよりはバイトにしか見えない描き方だったり、箕作の描き方がファンタジー的で、あまり感情移入ができない。
    推理小説としても、「謎」の手がかりがあまり事前には描かれておらず、「精巧に組み立てられたパズルや手がかりを論理的に解きほぐして納得!」というものではなく、「描かれていなかった背景が謎解きの時に明らかになってくる」というものなので、推理小説としての謎解きの楽しさや爽快感はあまり得られない。なので楽しく軽快に読めるのは確かなのだが、あともう一歩という感じになって

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    2025年09月08日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    どの短編も読みやすくて読後感も爽やかです。
    じっくり腰を据えて、というよりは気が向いたときにパラパラめくるのにいい一冊だと思いました。

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    2025年09月07日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    初めて読む作家さん。
    ブクトモのみなさんの本棚で見かけ、タイトルに惹かれて読みました。
    作者の理系の知識がどの作品にも散らばっていました。

    タイトルにもなっている「月まで三キロ」。
    スラスラ読めなかったのは、想像していたよりも暗い作品だったからか。
    途中で地図アプリで実在することを確認しました。

    1番よかったのは「エイリアンの食堂」です。
    食堂を営む父と、小学校の娘が「エイリアン」かもしれない人と出会います。
    「エイリアン」と父娘のやり取りもよいのですが、終わり方が好きです。
    また会えるといいね、でももう会えないんだろうな。

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    2025年09月07日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    専門的で難しい部分はあるけど、今まで知らなかった分野に触れることが出来るのが伊与原さんの作品だなと。こちらの作品も同じく。

    キャラも良いが、環の整理整頓はあまり他人にはやってほしくないかも笑 やっぱその人によって大切なものって違うし笑

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    2025年08月31日