伊与原新のレビュー一覧
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研究は孤独な営みで、誰も答えを知らない問いに1人で立ち向かっていくもの。
孤独を恐れず、地図も持たずに進んでいく勇気と信念が必要になる。
まして、本作の津波観測・予測システムの発起人である武智は、地震研究コミュニティのしがらみに嫌気がさして単独で研究を進めていく決意をしたことから、助成も得られない状況。
それでも、信念は貫き通して地道に賛同者を集め、未曾有の困難が立ちはだかっても都度工夫を重ね、プロジェクトの成功に近づけていく。
私自身も、どのような困難に遭遇しても簡単には諦めずに立ち向かっていけるような思いを持てるようなことを人生で一度は経験したいと思いました。 -
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ネタバレ投げ出し墓のバンディット
仁科律
留学で必要な百万円のため、馬淵理緒の家庭教師を引き受ける。戸川塾の中学生にリケジョとあだ名をつけられる。理緒に教授と呼ばれる。
馬淵理緒
小学四年生。リケジョになりたい。
戸川恭子
律のアルバイト先の主宰。ビッグママ。
恵人
理緒の運転手。二十歳そこそこ。
理緒の父親
仁科慎市。
トキノ
馬淵邸の住み込みの家政婦。霊感が強い。
木元康輔
戸川塾の四年生の中ではリーダー的な存在。
糸川
投げ出し墓で、足につまずいた。
鴨川
理緒の担任の先生。
リョータ
戸川塾の六年生。
木元健輔
康輔の兄。
恋するマクスウェル
律
理緒
谷本綾
懇談 -
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天体に関する大学院でコペンハーゲンに留学したい律は、個人塾のアルバイトをしながら生活費を稼ぐ。そんなある日、律のもとに驚くべき待遇のアルバイトが舞い込んだ。小学校4年の理緒の家に住み込んで、家庭教師を行うというものである。そんな中、塾でとある墓場に幽霊が出るとの噂を聞き、律と理緒は解決に乗り出す…。
理系、研究絡みの小説はハズレばかりの法則があるが、これは割と読める作品であった。というのも、作者のバックグラウンドである天体の話だけでなく、物理や化学、生物といった、理系全般に渡る作品になっていたからだろう。だいたいこういうタイトルの作品は、作者のバックグラウンドから出ることができずに、何故か数 -
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ネタバレ表紙の印象とは違って、しっかりした?ミステリー。
来年、コペンハーゲンに留学が決まった院生の律。
留学費用に悩んだ律に、お金持ちの令嬢、理緒の家庭教師の話が。
理緒は理科が大好きな小学生で、律を「教授」と呼んで次々と謎解きに律を誘う。
通称「投げ出し墓」に出没する足の幽霊の正体は。
大学の説明会にやってきた女子高生のストーカー事件。
近所で続く猫の不審死と怪しげな行動の少年。
大学の研究室で起きた殺人事件の犯人は。
律が幼い頃に病院で出逢った少女の秘密。
人と距離を置き、華やかな女子に疎外感を感じる律が、理緒や理緒の周りの人々との交流や、事件に巻き込まれて、だんだんと角がとれてくるのが温か -
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ネタバレ伊予原新の旧作をさかのぼって読んでおこうと思い手に取った1冊。デビュー作とあってぎこちなさや荒っぽさも感じてしまうが。
そうか、伊予原新の最初の作品は、アクションハードボイルド小説やってんなぁ、今の作風である理系知識展開系の芽も見受けられるが、主人公や主要登場人物のほとんどは、肉体系かチンピラか文系。唯一地震学者が今の作品に出てきそうなタイプ。
大型地震で壊滅的な打撃を受けた東京臨海副都心を舞台に、経済的にも国際的地位を失いつつある日本と腐敗した政治、出生届を出せないまま無国籍となった在日外国人たちなどの問題を描いた小説なのだが、この作品が東日本大震災前に書かれていることに驚く…とはいえ、