伊与原新のレビュー一覧

  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    弱った心に勇気を与えてくれるそんな優しい短編集。胃腸炎で寝込んでいた私に元気をくれた。
    地球の核、クジラの声、伝書鳩、珪藻アート、風、など自然の壮大なチカラに、癒され、励まされ、人生に迷っている背中を押される。
    わかりやすく自然科学について書かれているので、読みやすい。知らない事ばかりで勉強になった。地道に研究し続ける方々が居らっしゃるから、私達の今の暮らしがあるのだろう。尊敬の念を抱く。
    科学とヒューマンドラマをミックスした新しい文学。もっともっと知りたい気持ちになった。
    さぁ、そろそろおかゆでも食べるとするか。免疫力を上げてウイルスをやっつけよう。人間の持つ治癒力を信じよう。

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    2025年03月29日
  • ルカの方舟

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    面白かった。百地先生の飄々とした感じが良かった。研究者として身を立てていく事の大変さがよく分かった。

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    2025年03月17日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    宮沢賢治、再読したくなった。
    山にも登りたくなった。

    途中ハラハラしたが、最後にうまく収まって良かった。
    誰かが嫌なヤツにならなかったトコが良い。

    伊与原作品、イイですねー。

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    2025年03月15日
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)

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    五話の短編集。自然科学や生命から自分の生き方を顧みることで前向きになる。二話目「大事なのは、何かしてあげることじゃない。この子には何かが実るって、信じてあげること」この言葉は深く心に残る。

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    2025年03月09日
  • ブルーネス

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    研究は孤独な営みで、誰も答えを知らない問いに1人で立ち向かっていくもの。
    孤独を恐れず、地図も持たずに進んでいく勇気と信念が必要になる。

    まして、本作の津波観測・予測システムの発起人である武智は、地震研究コミュニティのしがらみに嫌気がさして単独で研究を進めていく決意をしたことから、助成も得られない状況。

    それでも、信念は貫き通して地道に賛同者を集め、未曾有の困難が立ちはだかっても都度工夫を重ね、プロジェクトの成功に近づけていく。

    私自身も、どのような困難に遭遇しても簡単には諦めずに立ち向かっていけるような思いを持てるようなことを人生で一度は経験したいと思いました。

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    2025年02月28日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    面白かった。

    元々好きな作家さんで直木賞受賞もあり、少し古い作品を読んでみた。

    最近の作品とちょっと違い、楽しく軽く読めるものだった。

    個人的には最近の作品の、科学と人間模様を絡めた感じの方が好きだが、この軽い感じから科学や読書の楽しさに入って来る人が増えると良いなと思った。

    科学の蘊蓄が詰まっているところは、変わらず興味をそそられた。

    あとがきに、作品に対して作者の真摯な姿勢があらわれていて好感を持った。

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    2025年02月22日
  • お台場アイランドベイビー

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    日本を壊滅寸前にした大震災から4年後。
    巽が少年と出会ったのはスーパーの前だった。
    店外に繋がれている犬の服を脱がせていて、買い物を終えて出てきた飼い主が警察を呼ぶと騒ぐ中、巽が「自分は警察だ」と名乗り出た。実は元警察なのだったが。
    少年が住むのは地震で壊滅し、封鎖されたお台場。
    少年と出会ったことで、巽は事件に巻き込まれていく。

    私が思っていたのは震災後を生きていく人々の生活の物語と思っていたが、違った。
    けれども壮大な物語には違いない。

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    2025年02月01日
  • リケジョ!

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    ネタバレ

    投げ出し墓のバンディット
    仁科律
    留学で必要な百万円のため、馬淵理緒の家庭教師を引き受ける。戸川塾の中学生にリケジョとあだ名をつけられる。理緒に教授と呼ばれる。

    馬淵理緒
    小学四年生。リケジョになりたい。

    戸川恭子
    律のアルバイト先の主宰。ビッグママ。

    恵人
    理緒の運転手。二十歳そこそこ。

    理緒の父親
    仁科慎市。

    トキノ
    馬淵邸の住み込みの家政婦。霊感が強い。

    木元康輔
    戸川塾の四年生の中ではリーダー的な存在。

    糸川
    投げ出し墓で、足につまずいた。

    鴨川
    理緒の担任の先生。

    リョータ
    戸川塾の六年生。

    木元健輔
    康輔の兄。


    恋するマクスウェル


    理緒

    谷本綾
    懇談

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    2024年12月25日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    宮沢賢治をテーマにした地学部。
    イーハトーブとはをもとめて夏休みに自転車でフィールドワークの旅に出る。
    終盤は動きが大きくなって、色々な点が繋がって面白くなるがそこまで辿り着くまではなかなか読み進められなかった。
    銀河鉄道の夜のきっかけになった場所に出会ったところはとても浪漫を感じた。
    難しいというのが正直な感想。

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    2024年11月25日
  • 梟のシエスタ

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    理系作家として今、評判の伊与原さんの作品だが、これは全然ニュアンスが違った。地方国立大の学長選の裏でのいろいろな出来事にフクロウ教授が暗躍。最後に見事にまとめられている。うまいとは思うけど、私が好きなテイストではなかった

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    2024年11月24日
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿

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    短編6作
    初めて伊予原作品に触れた
    歴史を考え、小学校や中学校で学んだことを思い出した
    悪いことをした
    でも‥ということもあった
    自分なら、どうしただろう

    あとがきで歴史事実とそうでないことをしっかりと記載してあることに感銘した

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    2024年10月29日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    宮沢賢治に関して地学の面で調査するといったのが主な話だが、宮沢賢治を全く知らないので専門的知識過ぎて入り込めなかった。
    宮沢賢治好きは興奮して読めるかも。

    人間ドラマ的には面白かったけど、主人公の深澤くんに対するあたりが強くてそこは嫌悪感。

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    2024年07月28日
  • ブルーネス

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    06月-07。3.5点。
    津波予測システムに取り組む、研究者たちの物語。震災03年後、いろんなはみ出し者たちが集まり、斬新なシステムを作っていく。

    成功するだろうな、と予想していたが、手に汗握った。

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    2024年06月17日
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    不愛想で破天荒なお天気キャスター蝶子と貧乏私立探偵夏生の幼馴染コンビが天候に絡んだ謎を追う日常ミステリー短編集。

    日常ミステリーとして必要な要素はきちんと準備されているがそれ以上ではないという感じ。キャラクター造形もこなれてなくて、シリーズ化するならこれからのお楽しみかなぁ。

    気象学や生物学の造詣が深いところはさすが伊予原新作品だと思った。伊予原新にはこの部分を求めているってとこもあるので、☆の数のわりに満足してます。

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    2024年05月15日
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)

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    伊与原新の2作目。『月まで三キロ』のシャープさは感じなかった。
    悪い人は一切出てこないいま風のやさしい高校生の話だった。
    読書して気分が悪くなるのは望まないが、いいひとだらけの作品にも不満を感じてしまうのは勝手すぎるのか。
    いままで知らなかった格言「絶望とは愚者の結論である(ベンジャミン・ディズレーリ)」が耳に残った。

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    2024年02月04日
  • リケジョ!

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    天体に関する大学院でコペンハーゲンに留学したい律は、個人塾のアルバイトをしながら生活費を稼ぐ。そんなある日、律のもとに驚くべき待遇のアルバイトが舞い込んだ。小学校4年の理緒の家に住み込んで、家庭教師を行うというものである。そんな中、塾でとある墓場に幽霊が出るとの噂を聞き、律と理緒は解決に乗り出す…。

    理系、研究絡みの小説はハズレばかりの法則があるが、これは割と読める作品であった。というのも、作者のバックグラウンドである天体の話だけでなく、物理や化学、生物といった、理系全般に渡る作品になっていたからだろう。だいたいこういうタイトルの作品は、作者のバックグラウンドから出ることができずに、何故か数

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    2024年05月22日
  • 梟のシエスタ

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    ネタバレ

    一見昼行燈なグータラ教授、袋井が大学内の派閥抗争に暗躍する。踊っているのは誰で踊らされているのは誰だ?

    伊予原新の大学物ということで手に取ったが…俺が読みたいのはこれじゃない感、決して面白くないわけではないのだが…。

    勝手な思い込みを裏切られたと思い込むのは、完全に読者のワガママと分かっているのだが、そうじゃなくてもっと学究の徒でちょいオタクテイストなの読みたいっす俺。

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    2023年10月28日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    ネタバレ

    伊予原新を期待して読んだら、ちょっと残念だったが、これは過去作でしかも結構初期の小説なので、覚醒する前と考えれば妥当な出来かなぁと。

    パニックSF…というと、妙な方向に期待してしまう(マイケルクライトンとか)し、三体とか読んでしまっていると、地軸反転くらいなんぼのもんやねんと思ってしまうし、不利な状況もあって、乗り切れないとこもあるんかなぁ。

    とはいえ、今の伊代原小説の片りんは伺えるのと「科学者にとって科学はプロセスだが、一般人にとって科学は結果だ」という言葉など、得心の言葉や状況もちょいちょい出てきてそれは良かった。

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    2022年10月30日
  • リケジョ!

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    ネタバレ

    表紙の印象とは違って、しっかりした?ミステリー。
    来年、コペンハーゲンに留学が決まった院生の律。
    留学費用に悩んだ律に、お金持ちの令嬢、理緒の家庭教師の話が。
    理緒は理科が大好きな小学生で、律を「教授」と呼んで次々と謎解きに律を誘う。

    通称「投げ出し墓」に出没する足の幽霊の正体は。
    大学の説明会にやってきた女子高生のストーカー事件。
    近所で続く猫の不審死と怪しげな行動の少年。
    大学の研究室で起きた殺人事件の犯人は。
    律が幼い頃に病院で出逢った少女の秘密。

    人と距離を置き、華やかな女子に疎外感を感じる律が、理緒や理緒の周りの人々との交流や、事件に巻き込まれて、だんだんと角がとれてくるのが温か

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    2022年07月30日
  • 梟のシエスタ

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    最近この人の本ばかり読んでるけど、ちょっといつもとテイストの違う本だった。それでも最後に向かってのフクロウの解決シーンはやっぱりドキドキして面白かった。

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    2022年04月25日