伊与原新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人が抱える悩みや後悔を地球科学と結びつけ希望を見い出していく、著者にしか描けない、大人の青春、そして再生の物語。
高校の文化祭で空き缶でできた大きなオオルリのタペストリーを作り上げた5人は、あれからすでに28年が経っていた。
久志は父親から継いだ店で薬剤師を、修は会社を辞め弁護士を目指し、千佳は中学校の理科教師を、和也は心の病で自宅から出られないでいる。
それぞれに家庭や仕事、今後の人生に悩みを抱えている。
ある日、タペストリー仲間で、現在は国立天文台で働いているはずの彗子が帰郷してきた。この町にとても大きなものを作るために28年ぶりに帰ってきたのだ。
そこから彼らのあの時のような青春が再び -
Posted by ブクログ
高校3年の夏休みに空き缶タペストリーを作ったかつての仲間。薬剤師の久志、教師の千佳、司法試験にチャレンジ中の修。彼らにはそれぞれ抱えるものがある。
天文台作りは、国立天文台を辞めた後に帰郷し、自らの手で天文台を作ろうとした彗子に協力する形で始まる。その活動は彗子が求めたからではない。天文台に何の関わりもなく、それまでは興味もなかったはずの彼らは、やりたいと言うだけの理由で天文台作りに取り組む。何かに打ち込むことの楽しさは、高校生の時と何も変わらない。
彗子が地元に戻った理由、いたはずのもう一人。若さ故と言ってしまうにはシビア過ぎる過去が明らかになり、彼らの関係に波紋を投げかけつつも、作業は続く -
Posted by ブクログ
東日本大震災後に津波監視システムの開発に取り組む人たちのお話。震災自体はもちろん実際に起きたことだけど、MEIなどの組織やそのあとの八丈島の地震は著者の創作だとか。
でもいわゆる「地震村」内部のいざこざなんかはリアリティがあった。 津波の被害をなくすという本来の目的そっちのけで組織内の力関係の維持を大事にする描写があったけど、こんなこと書いちゃって大丈夫なんかなと勝手に心配になった。
研究者といえばただ一心に自然現象に向き合っているイメージしてたから、こんな感じで政治的な難しさがあるのはちょっと意外。国民の命に直結するが故に大量の予算を投入させている研究開発が、本当にこんな状態なら、腹立たしい