伊与原新のレビュー一覧
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ネタバレ伊予原新の旧作をさかのぼって読んでおこうと思い手に取った1冊。デビュー作とあってぎこちなさや荒っぽさも感じてしまうが。
そうか、伊予原新の最初の作品は、アクションハードボイルド小説やってんなぁ、今の作風である理系知識展開系の芽も見受けられるが、主人公や主要登場人物のほとんどは、肉体系かチンピラか文系。唯一地震学者が今の作品に出てきそうなタイプ。
大型地震で壊滅的な打撃を受けた東京臨海副都心を舞台に、経済的にも国際的地位を失いつつある日本と腐敗した政治、出生届を出せないまま無国籍となった在日外国人たちなどの問題を描いた小説なのだが、この作品が東日本大震災前に書かれていることに驚く…とはいえ、 -
Posted by ブクログ
★天気は誰もえこひいきしない
【感想】
・これはかなり楽しめました。たぶんキャラが好み。
【内容】
・わりと科学の要素が強い科学ミステリ。
・夏生のとこにきた依頼を蝶子が解く。
・所在のわかっている人を探す。
・雷を探す。
・ヤバそうな荷物を運ばされる。
・誘拐されたバイオリンを探す。
・花見の場所取りを依頼された。
▼簡単なメモ
【井出】依頼人。雷を探してほしい。八十には届いていなさそうな老紳士。以前犬探しの以来をしてきた佐久間さんの紹介で夏生のとこに来た。
【江藤佑真】「標準木の恋人」さんの曾孫。
【エルオスの竪琴】風によって鳴る音を楽しむ楽器だったらしい。一度聴いてみたい。
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Posted by ブクログ
タイトルを見て、あーあれね、とピンと来る人は生命科学に知見のある方でしょう。
実験の話ではなく、世の中に蔓延る”疑似科学”のメタファーとして使っているようです。
ミステリータッチの謎解きといえば謎解き風で、主人公の二人のうち大学院生と准教授もキャラが立っているし、准教授の心のライバルであり、憧れ・理想の女性であるヒロインも、設定や背景が深堀されており、生命科学系の研究に関係している方でも充分リアリティを感じるのではないでしょうか。
疑似科学やウソ・デマにたいして科学者サイドが目くじら立てても、手を変え品を変え、世間に絶えず湧き出てくる理由が人の不安や善意につけこんで商売する輩がいるのと、それを