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自然史博物館で働くことになった女性新人分類学者・池之端環。植物標本の整理を命じられ、未整理の標本や資料が大量に詰め込まれた旧館「赤煉瓦」に足を踏み入れた環が出会ったのは、そこに棲みつくファントムこと変人博物学者の箕作類。「どんなものも絶対に捨ててはならない」が口癖の箕作と、片付け魔の環のでこぼこコンビが、博物館で起こるさまざまな事件の解決に動き出す!
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Posted by ブクログ
国立科学博物館には特別展ごとに足を運んでいる。今年の夏は福井の恐竜博物館に行って、化石発掘体験をして、化石クリーニングを見学した。私自身詳しいわけではないけれど、「専門家」に憧れがあるから読んでいて楽しかった。 剥製や鉱物、化石、「昆虫展」で見た標本、「氷河期展」で知ったデニソワ人のことが出てきた。...続きを読むそういうのは単純にうれしい。 オオカミを見に動物園に行こうと思った。 もう一回読もうかな。
博物館が好きなので裏側等知れてうれしかったり、新しい知識が増えて楽しい作品だった!宮沢賢治の鉱物について、ナス科の植物について、オオカミのお話、昆虫館の行方、どの事件もおもしろくてあっという間に読んでしまった。読書することでさらにもっと他に興味が湧くことって良いなぁ思う、大好き。
無さそうだけど有りそうな、有りそうだけど無さそうな博物館の裏庭を散策したような気分になれる不思議な物語。数々の事件を通して、環が箕作の有能なパートナーに成長を遂げるどころが面白かった。 個々の事件の中では、藍を継ぐ海の中でも取り上げていた、ニホンオオカミについての話と、異人類たちの子守唄が特に好きで...続きを読むす。前者は、ニホンオオカミの特徴としての送りオオカミと狼犬の話題が再び(あくまでも読んだ順です。)取り上げられています。もしかしたら伊与原さんの、箕作先生たちに任せるなんてもったいない、自身のライフワークにしようなんて考えているのかな。また異人類たちの子守唄は、デニソワ人という初めて聞く人類の先祖が出てくる話。面白かったので、人類の進化に関する本を読み始めました。
再読。伊与原新さんらしい科学の蘊蓄満載。癖あり探偵のライトミステリ。事件の真相の陰にドラマ性がありとても好みの作品でした。続編希望です。
お仕事ミステリの中には職業がただの背景になってしまったり、キャラクターの色づけだけでミステリ部分に何ら関与しないものも多いが、これは博物館だからこそのキャラクターと物語とミステリとなっている。 蘊蓄ミステリとしても面白い。キャラクター小説としても面白い。博物館という空間の魅力も面白い。
伊与原さんの作品を読むと自分の日々の世界からは離れているものの、人との関わりの不思議さを感じることができてホットします。 この作品は、仮想「国立科学博物館」が舞台になっているのは明らかで、あの場所の入ることができない場所に、どのようなものが収められているのか、そこで働き、日々研究にいそしむ人たちがど...続きを読むんな日々を過ごしているのかを体験できるのが何より楽しい作品です。 全部で6話からなり、一話ごとに完結するので、連作かと思いますが、最終話を読むと、すべてはここへ向かっていたのだと気づきます。 博物館の人たちって何やっているんだろう!?と不思議に思っている方に特にお勧めです。
伊与原新さんの科学エンターテイメントユーモアミステリーですね。 池ノ端環は、ひょんなことから『国立自然史博物館』に職を得て、1ヶ月。まだ自分の職場をよく理解しているとは言えない。 環の所属は、植物研究部の「多様性解析グループ」だ。だが環は、学生時代を含め、植物そのものを使って研究した経験がない。...続きを読む そもそも環は生物学を専攻していない。出身は理学部の情報科学科で、持ち合わせている知識は数学とプログラミングに偏っている。 国立自然史博物館の植物研究部でDNAバーコーディングの技術開発チームを立ち上げることになり、計算機科学の専門家を一名募集があり、運良く採用された。コンピューターオタクで片付け魔の環の博物館勤務が始まる。 そんな環が、「旧標本収蔵庫」別名「赤煉瓦」の標本整理を依頼される。 その「赤煉瓦」には、変人博物学者の箕作類、別名「ファントム」がなぜか住み着いている。 出会った瞬間から、箕作に『「どんなものも絶対に捨ててはならない」ーーこれは博物館の第一原則だ』と言われてしまう。 そんな環と箕作が、なぜか協力して博物館で起きる謎を解明していく事に……………? contents 呪いのルビーと鉱物少年 ベリドンナの沈黙 送りオオカミと剥製師 マラケシュから来た化石売り 死神に愛された甲虫 異人類たちの子守唄 伊与原新さんの科学知識も凄いですが、博物学まで及ぶとは脱帽しました。そもそも科学の分野は広いですから、テーマは限りないですが、専門分野以外の取材は大変かな? 調べて整理分類するのは、お得意でしょうが、それを滑らかな文章にしてミステリーを組み立てるのは、伊与原新さんの素晴らしい筆力ですね。 まして、ユーモアと温かな人間模様が必ず底辺にありますから、読んで楽しく知的好奇心もくすぐられるが魅力です。 (この作品は、メメさんの本棚登録で興味を惹かれました。メメさん、ますます伊与原新さんにのめり込みました。ありがとうございます♪)
アカデミックな雰囲気が漂い、淡々としながらもどれも興味深い短編たちだった。 続きがあるような終わり方だったので、早く読みたい。
それぞれの謎解きも楽しかったけど ナス科魅入られている博士をベラドンナとか キノコマンやスパイダーマン レアメタルマンもいる みんな自分の分野に特化している変人ばかり 面白かったです
数学とプログラミングが専門分野の主人公環が、博物館に勤め始めるところから物語が始まる。 変わり者のファントムこと博物学者箕作との凸凹コンビが、博物館で起こるちょっとしたミステリーを解決していくのだが、それぞれの話に鉱物、植物、動物、化石、昆虫、地学、人類学とこれでもかと色んな知識を得られる物語が多い...続きを読むこと。参考文献をみ作家の勉強度合いが伝わり文庫本のこの薄さの割には情報量がうまく詰め込まれていて、nhk特集をポップなキャラクターを交えて読んでいる気分になりました。 特に最後の異人類たちの子守唄は、短いが壮大な話で、もちろんフィクション部分はあるが人類の起源のデニソワ人なる種が存在し、他種を受け入れて進化したのではないかと感慨深い話しであった。 全体的に環の稚拙さが気になるものの、素人目線からのツッコミは読者を置いていかない工夫だと目を潰れる範囲。 なんやかんや環と箕作の関係もちょっぴり匂わせつつもあるが、おまけ程度。
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博物館のファントム 箕作博士の事件簿
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