伊与原新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。岩手の人は皆、宮沢賢治のことを宮沢賢治先生と呼ぶのだろうか。そしてどれくらいの人が彼の作品をどれくらい読んでいるのか調査してほしい。他の県に比べてやたらと多そう。
「銀河鉄道の父」を読んでいたので、賢治先生をまるで聖人のように話す高校生に、あなたたち、賢治先生がどれだけしょうもない面を持っていたか(ほぼしょうもない面だらけ)知っていますか?と聞きたい。知ってます、その上で、いや、それだから先生が好きなのです、という人もたくさんいそう。
それはそれとして、このお話は、青春謳歌小説ど真ん中過ぎて、ちょっと引いてしまった。皆、それぞれに夢中になれるものを持っていて、いい子たちで、それぞれに悩みも抱えていて、それでも友人を思いやって⋯って。。先生でさえいい人。理想郷か。羨ましい。
偶然にも程があると思えることも多々あるけれど、いいお話だった。 -
Posted by ブクログ
なんかバタバタしていて一冊読み終えるのにえらく時間が掛かってしまった。
宮沢賢治が教鞭をとった学校を思わす花巻農芸高校に通う2年生の壮多と幼馴染の同級生・七夏。ある日、東京から転校生の深澤がやってきたことで、これまでの日常が変わりだす。
以前から七夏のことを知っているような深澤、急に学校に来なくなった七夏、心配する壮多に不自然な対応をする七夏の母、話の途中から挟まれだした謎の日記、そうした曰くありげな展開に、壮多も深澤も参加することになった地学部の活動が絡まる。
ミステリーっぽい話に賢治ゆかりの地を巡る旅とは面白そうな題材だったが、私には少し消化不良。
ここに挙げられた「イーハトーブ」や「銀河鉄道の夜」に関する考察は物語にもよく馴染んでいたと思えるが、9年前に一回こっきり「銀河鉄道の夜」を読んだだけの私にはいささかヘビー。
皆さんのレビューにも『「銀河鉄道の夜」は先に読んでおいた方が良い』と書かれているものがあったが、確かに記憶に新しかったり少し引っ掛かりを覚えていたりしたならば、もっと楽しめたような気がして、ちょっと残念。(勉強にはなりました)
それでも、後半の巡検の行程は結構興味深く読めた。
3人の高校生はと言えば、いちいち突っかかる壮多にはちょっとイライラ、七夏の行動や結論もあまりスッキリせず、読み終えてしまえば深澤の思いも回りくどかった気がして、最後はなんだが強引かも。
地学部の部長・三井寺や後輩の文緒が良い人柄で、芳本先生や文緒の父、旅の途中の井川さんも含めて、周りの人たちにお話の雰囲気としてはだいぶと救われた感じ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレテンポよく読み進めていける軽快な小説で、自然科学系の蘊蓄も読めて面白いと思う。ただ、環の設定があまりしっくり来ず、エリート正規研究員というよりはバイトにしか見えない描き方だったり、箕作の描き方がファンタジー的で、あまり感情移入ができない。
推理小説としても、「謎」の手がかりがあまり事前には描かれておらず、「精巧に組み立てられたパズルや手がかりを論理的に解きほぐして納得!」というものではなく、「描かれていなかった背景が謎解きの時に明らかになってくる」というものなので、推理小説としての謎解きの楽しさや爽快感はあまり得られない。なので楽しく軽快に読めるのは確かなのだが、あともう一歩という感じになってしまい星3つ。これは自分が年取ったせいもあるのかもしれない。