大倉崇裕のレビュー一覧
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樋口真嗣『怪獣二十六号』(25年前に書いた)怪獣映画の企画書。建設技師や自衛隊員が協力して土木機械で怪獣に立ち向かったり、インテリ美人が出てくるあたり…、いや、表紙の「怪獣は常に人間にとって恐怖の存在でなくてはならない」とか「この映画は人間の前に怪獣が現われ、人間は自らの身を守る為に智慧と勇気で闘う、ただそれだけの映画」「我々がこだわりたいのは、「ただそれだけ」にする事なのです。」とか…うん、シン・ゴジラを思い出す。
大倉崇裕『怪獣チェイサー』怪獣対策が進んだ日本。ヒロインの怪獣省の怪獣予報官・岩戸正美は、封鎖区域で怪獣の動画を撮影する違法行為を行う「怪獣チェイサー」と予期せず協力することにな -
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北海道出張中の牧編集長から電話を受け、緑は単身杵槌村に赴く。ここで名跡の後継者を決める口演会が開かれるのである。ところが到着早々村は豪雨で孤立無縁となり、関係者一同の緊張はいやが上にも高まる。やがて後継者候補が一人ずつ見立て殺人の犠牲に…。
”見立て殺人”、”クローズドサークル”。
落語会が舞台だけども、そういう意味でなく本格テイストのミステリです。福家警部補シリーズの作家さん初の長編なのだとか。
福家警部補シリーズが好きで、その文体の読み易さから手に取った本シリーズ。こちらは、落語会が舞台となっているシリーズだそうで、不勉強な私はタイトルになっている”七度狐”が本当にある噺ということすら -
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不動産屋に入社した主人公は、難病に苦しむ前社長の遺児の世話係になるも、突然異動を命じられる。そこは現社長が遺児を追い落とそうと画策して新設したクレーム対応専門部署だった。途方に暮れる主人公の前に怪しい探偵が現れて…というのが粗筋。
この紹介文の後には「次々に押し付けられる難題を破天荒に解決するユーモアミステリー」とあるのですが、正にそんな感じです。
主人公の前に現れて力を貸してくれる探偵というのが、超人的と言いますか、作品でははっきりと書かれていませんけど、早い話が神様なんですね。遺児を見守る神様。
なので、開かない扉を無理矢理開けたり、セキュリティーのかかった情報をパソコンから引き出し -
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ネタバレ東京の中野区を舞台とし,お人よしの大学生「白戸修」が,さまざまな事件に巻き込まれる様子を描いた短編ミステリ。お人よしだが,意外にタフで,妙な正義感がある白戸修というキャラクターが気に入れば,楽しめる。個人的には,白戸修のキャラクターの造形は,おおむね気に入っているのだが「セイフティゾーン」で,芹沢の静止を振り切って,勝手に銀行強盗からの電話に出るなど,ときどきイライラさせる行動をするところがあった。
ミステリの出来としても,案外,よくできている。これは,ミステリとしての驚きがあるという期待がないからだと思う。軽いミステリとして,さくっと読めればいいと思って読んでいるので,意表を突くオチが用 -