【感想・ネタバレ】福家警部補の報告のレビュー

あらすじ

天才的技倆を持った漫画家と彼女を潰しにかかる出版社の辣腕営業部長、もとは同人誌で合作していた二人が不幸な結末を迎える「禁断の筋書」、ヤクザが仲間割れのあげく相討ちしたように偽装された殺害現場に佇んでいた栗山比奈が目撃証言を拒む理由とは……「少女の沈黙」、車椅子の妻をいたわる夫、息子なきあと一見穏やかな日々を過ごしている老夫婦が悪党どもを爆弾で吹き飛ばし、官憲の捕縛を逃れて痛快なメッセージをよこす「女神の微笑」、以上3編を収録。『福家警部補の挨拶』『福家警部補の再訪』に続く、倒叙形式の本格ミステリ第3集。/解説=森谷明子

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Posted by ブクログ

福家警部補シリーズ第三弾。
どうしても下の名前を明かすつもりはないらしい。
今回は3本立てで、一編が長め。
犯行の動機・理由がそれぞれ方向性が違って、別の味わい。
「倒叙ミステリ」なので、犯行そのものは最初に見せられるけれど、それにまつわるストーリーは、徐々に明かされていく形になる。

二編目の、組が解散したヤクザの話が良かった。
想像もつかない世界だが、ヤクザから堅気になるというのは大変なことらしい。
特に若者は、多分家庭に事情などあり、居場所が無くなって行き着く先の一つが暴力団だったのだろう。
若いから、ヤクザ気質は根元まで染み込み、なかなか消えない。
カタギになっても、周りは前科者を見るような色眼鏡である。
彼らの行く先を先代から託された菅原は、その使命を達成するまでは捕まるわけにはいかないと思う。
任侠、だなあ・・・

『禁断の筋書(プロット)』
元は漫画同人誌を一緒に出し「大手」だった二人、河出みどりと三浦真理子。
河出だけが大手出版社にスカウトされ、人気漫画家になる。
真理子はみどりに復習するために出版社に入り、潰しにかかるが・・・

『少女の沈黙』
先代の意向で解散した「栗山組」
解散に反対だった先代の次男・栗山次郎が、嫡子の栗山邦孝の娘を誘拐し、元構成員を動かそうとする。
菅原さんは・・・刑務所でも模範囚になるんじゃないかな。

『女神の微笑(ほほえみ)』
意外な幕引き。
法の目をかいくぐった悪人に制裁を。
それを痛快に思うこともあるけれど、それは相手が到底手が出せない巨悪とかで、別の方法で手を回して、みたいな場合かなあ・・・個人的に。
細かい個人の事件に仕返し代行して殺して終わりとか、なんだかこの老女は鼻につく。

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

文庫化されてから、ずいぶんと遅ればせながら、福家警部補の3冊目です。
「禁断の筋書(プロット)」「少女の沈黙」「女神の微笑(ほほえみ)」と、長めの短編3編が収録。

倒叙物って、犯人への共感が大きくなるほど、そして探偵の実力がすごければすごいほど、探偵を鬱陶しく感じるんですね。
これまでの2冊では、そんなことあまり思わへんかったけど、「禁断の筋書(プロット)」と「少女の沈黙」を読んで、はじめてそんな風に思いました。

それから、これまで、その鋭い観察力と推理力、犯人の追い込み方に比して、どこか抜けてるとさえいえる普段の言動の数々は、福家警部補自身が周囲を油断させたり、距離を詰めるために、意識してやってる(演じてると言い換えてもいいかな)のではと思ってたんですけど…
今回、読んでるうちに、「もしかして、これは意識してやってるんではなく、呼吸と同様、普通に素でこういう言動なのでは」と考えると、それはそれで、改めて福家警部補にそら恐ろしささえ感じましたね。
オビにある「福家警部補は今日も無敵です!」に大きく大きく頷いてしまうのでした。

最後の一遍、「女神の微笑」は、これまでのシリーズの他の作品とは一線を画す趣で、今後に一つ楽しみができた感じがします。

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2019年02月03日

Posted by ブクログ

福家警部補は好きな探偵役の5本の指に入る人物です。しかしこのシリーズは倒叙型のスタイルなので、福家警部補自身の描写は少ないのですね。犯人側もしくは事件の関係者から見た福家警部補の姿が描かれるだけです。おっとりしているようなとぼけているような様子からズバズバと犯人を切り崩していく姿は痛快にしてかっこいいのですが、今作では福家警部補の怖さが際立ちました。もしや天然ボケやら容姿への無頓着さもわざとなのではないかとさえ思わされました。
もう勘弁してあげてと読んでいるこちらが音を上げそうになる容赦のなさは、どこからくるものなのか。「職務ですから」と答えそうな気もするのですが、そこも気になるところ。しかしその真相よりも、話ごとに出て来るマニアック(オタク的)趣味の発露やあらゆることに動じない姿を楽しむことにしましょう。

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2017年01月23日

Posted by ブクログ

倒叙ミステリ短編集の第3弾
短編集、とは書いたものの、収録作品は短編2つに中編1つの計3作です

みどころは犯人たちの描く人間模様、たまりません

もちろん倒叙ミステリとして、探偵役の福家警部補が犯人を追い詰めていく……といった本筋があってこそではあります
でも、決定的な証拠を突き付けて事件解決!といったシーンがメインの面白さではないなぁと
そこに至るまでの犯人たちの描写、これこそがこの巻の面白ポイントでした

お気に入りは冒頭で書いたところの中編にあたる『少女の沈黙』
犯人である元ヤクザ菅原がとても魅力的
あまり任侠物の作品に触れずに生きてきましたが、これは素直にかっこいい人だなと思えました

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2025年10月31日

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コロンボの日本版といった感じ。
犯人は読者に明示されていて、謎解き役の福家警部補が閃き観察眼から証拠を固めてゆく。
福家警部補はコロンボと違い、ヨレヨレのコートを着ているわけでなく小柄、童顔で縁無しの丸メガネを掛けた警察官には見えない女性。
1話目はかつて一緒に同人誌を出していた出版社営業部長を殺害した漫画家のお話。
2話目は解散した暴力団の元ナンバー2が解散を不服とし誘拐事件を起こした元組長の次男を殺害するお話。
3話目は息子を交通事故で無くし自身もその事故で車椅子での移動を余儀なくされた母親とその夫が行う悪人刈りのお話。
2話、3話の犯人は福家警部補に追い詰められながらも警部補のキャラクターを好ましく思っている感じが伝わり楽しく読ませていただきました。

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2025年01月16日

Posted by ブクログ

3作品を収録。こらまでとは違った展開の作品があったからか、短編よりも犯人の心情がより細かく描かれているせいか、シリーズ既刊2冊とは少し雰囲気の異なる印象だった。
とくに「少女の沈黙」は印象深い。仁義を重んじるヤクザ。現実世界とは乖離した、任侠映画のような古くさい美徳が、不思議と犯人を魅力的に見せてしまう。

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2025年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 大倉崇裕さんの『福家警部補』シリーズ第3作。今回も動機の面で興味深い3編が揃っている。倒叙ミステリは犯人のキャラが立ってこそ面白い。

 「禁断の筋書(プロット)」。漫画家として成功したみどりの前に、かつての同人誌仲間である真理子が、出版社の営業部長として立ちはだかる。みどりは、生殺与奪を握る真理子を殺害した。同情する面はあるが、もちろん殺してよいわけではない。

 「少女の沈黙」。先代組長の意思に従い組を解散し、元組員の就職先確保に奔走する菅原。情に篤いようで、元ヤクザらしく手段を選ばない冷酷さも持ち合わせる。元ヤクザとはいえ四課が絡んでくるが、淡々と応じる福家警部補。

 「女神の微笑」。銀行強盗計画を決行直前の3人組が、車内で爆殺された。作り話とはいえ被害者に同情はしないが、犯罪者だから殺してよいわけではない。何だかこのシリーズにそぐわない派手な犯行と、犯人像という気がするが…。

 倒叙ミステリには、犯人側と捜査側の根競べという面があり、福家警部補シリーズも真犯人の根負けを待つという展開が多かったが、今回の3編に関しては、最後の最後に詰めの証拠を突きつける、というパターンになっている。

 とはいえ、それらの証拠は偶然の要素が強く、白を切り通そうと思えば切り通せたのでは? という気がしないでもない。かといって、明確すぎる証拠では興醒めすしてしまう。倒叙ミステリとしての匙加減の難しさも感じた。

 通常のミステリに対し、倒叙ミステリは作家としても難易度が高い。おそらく、トリック物よりも。前例が多くはない故に、挑む作家も多くはないのだろう。失礼ながら、メジャーな存在ではない福家警部補シリーズの、末永い存続を祈る。

 それにしても、「女神の微笑」のオチはどうよ。さすがに、福家警部補もはらわたが煮えくり返っているのでは。続きはあるのだろうか。

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2024年03月24日

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福家警部補シリーズ第三弾。3編を収録。少女の沈黙では、ヤクザ者の悲哀が描かれており、犯人を応援したくなった。今回も冴え渡った福家警部補の推理。犯人がジタバタしないのがいいと思ってたら、後藤夫婦は逃亡ですか。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

初めて大倉崇裕さんの本を読んだが
とても面白かった!
犯人が犯行を行うこところから物語が始まるので犯人がわかってて読み進める。
どんどん読み進めたくなる本だった。
このシリーズ全部読みたい!

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

福家警部補三作目。

ちょっと長めの短編集。
漫画家の話、ヤクザの話に、犯人に逃げられた話。
漫画家の話では福家警部補のオタクっぷり全開で面白かったが、
ヤクザの話は犯人の男らしい感じが良かったかな。

ちらりちらりと、見えそうで見えない福家警部補の過去が気になる。
ヤクザの若頭や、仲間の警部補と何があったのだろう。
いや、それよりも、福家警部補が捜査で出会う目撃者や証言者たちの人生を
ほんの少し変えていくのが気になる、というか楽しい。

しかし、財布を忘れたり、部下の携帯電話をバッグに入れてしまったり、
警察手帳を食堂のトレイにのせて返してしまったり、
ボケ具合が増してないだろうか?

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2020年12月01日

Posted by ブクログ

シリーズ第3弾。

「禁断の筋書(プロット)」
衝動的な犯行にしては上手く偽装したなという程度では、福家警部補の目は誤魔化せないよなあと、ニヤニヤしながら読んでしまった。

「少女の沈黙」
元組員の男も福家警部補の足元には遠く及ぼないという清々しささえ感じてしまう攻防戦と結末。

「女神の微笑」
藤喜子。好敵手現るって感じ。

犯人当てだけがミステリーの醍醐味じゃない。ということが胸に沁みいる作品。

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2020年11月22日

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福家警部補がいつの間にか普通に質問をするだけで容疑者にプレッシャーを与えられる凄腕感を醸し出すようになっていた。
「少女の沈黙」では容疑者の心情を理解しつつも刑事として真実を追求するハードボイルドな雰囲気がとても良かったなぁ。

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2020年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読だったみたい。全部内容を知っていた話だった。第1話は多分ドラマでもやっていたのを見た気がする。第2話の元ヤクザさんは気の毒すぎるね。本人はあれで満足なのかもしれないけど…。殺された人たちはホントに社会の害悪だしねぇ。守った元組員たちがちゃんと生きて行ってくれるといいね。3話目の夫婦はまた出てくるのかな?

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2020年01月22日

Posted by ブクログ

福家警部補が活躍する『倒叙ミステリ』の傑作、第3弾。
今回は、中短編3編のシリーズもの。

かつては元同人誌仲間で、今は雑誌社の営業部長に力を握られる漫画家。
先代組長の遺言により、組解散後も組員の面倒を見る元幹部。
決行直前の銀行強盗計画を知り、それを阻止するエンジニア夫婦。

それぞれ味のあるストーリーで、どれも興味深い内容になっています。

倒叙ミステリゆえ、犯人は最初から分かっていますが、なぜ福家警部補が、そこに至ったのかが読みどころ。
至る所に伏線があり、振り返って『なるほど』と、うなずかされます。
次回作にも期待。

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2019年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〇 総合評価 ★★★★☆
 童顔で小柄な福家警部補が活躍する倒叙ミステリのシリーズ第3弾。第1弾はそこそこ面白かったが,第2段で,話の展開,倒叙としての犯人の追い詰め方に不満があるとして厳しい評価をしていた。しかし,第3弾はうって変わってどの作品もなかなかの完成度を誇る。
 倒叙ミステリは,よほどうまく書かないと意外性はない。形として刑事(探偵)対犯人の構造になるので,主人公と犯人役のキャラクターが大きなポイントとなる。福家警部補は「コロンボ」や「古畑任三郎」に比べるとやや個性がないと思っていたが,シリーズを重ねることで,女性であったり,小柄で童顔といった特徴以外に,さまざまな分野に造詣が深く,特にサブカルチャーに造詣が深いオタクで,事務処理能力や整理整頓はともかく,犯罪捜査については極めて有能。暴力団からも恐れられているとかなり個性が出てきた。この作品では犯人約が,漫画家,元暴力団幹部,元会社経営者の技術者(法の目を潜り抜けた犯罪者を殺害している)といった前作に比べ魅力的な設定になっている。これらの犯人対福家警部補という構造はなかなか面白い。福家が犯人のめぼしを付けるポイント,犯人の追い詰め方もいい感じに描かれている。このシリーズの逆転は,最後,犯人に犯行を認めさせるポイント。この部分が今まで弱かった。この作品でも,ブローチを使った罠,ダイヤにより凶器に傷があったこと,車のウインドウの故障により指紋が残っていたこと…まぁ,及第点ギリギリといった感じ。最後の部分だけでなく,主人公と犯人の魅力,話運びの上手さで読ませるという仕上がりになっている。心に残るような作品ではないが,さらっと読む分には不満の無いデキ。★4としておきたい。

〇 禁断のプロット ★★★☆☆
 漫画家の河出みどりが,かつて一緒に漫画を描いていた友人であり,現在は敏腕編集者として自分を干そうとしている三浦真理子を風呂場での事故死に見せかけて,殺害する。福家警部補は河出みどりのファンだった。福家は,階下の住人が杖の音を聞かなかったこと,ふろ場の水の残り方から三浦真理子が倒れたときは風呂場の出入り口はしまっていたのに,発見時には開いていたと推理したことなどから,三浦真理子は殺害されたと考え,河出みどりを疑う。三浦真理子の靴やペンに指紋がないことなどから,普段から手袋をしている人を疑う。河出みどりは普段から手袋をしていた。ペンの置き方から右利きの人間がいたと推理する(三浦真理子は左利き)。福家は,河出みどりが殺害の後,指をケガしていて,普段と別の指で指紋認証をしていたことなどで,河出みどりをゆさぶる。最後は,細田理恵子と河出みどりの二人しか持っていないブローチを使って河出みどりに対し罠を仕掛け,決定的な証拠を得る。久しぶりに読んだ「福家警部補」シリーズの短編だったが,話運びが上手く,思いのほかたのしめた。相変わらず,最後の決め手となる部分が分かりづらいという欠点はあるが…。★3で。

〇 少女の沈黙 ★★★★☆
 元暴力団の幹部,菅原巽は,自分の姪を誘拐した元組長の息子である次郎を,かつての組の仲間で今はクスリを売っている金沢を利用し,チンピラの仲間割れに見せかけて殺害する。殺害現場を発見したのは交番のお巡りさん。福家は,殺害された次郎がジャケットを着ていたことから,目上の者と会おうとしていたのではないかと推理する。金沢は競馬でかなり設けており,誘拐の手伝いをする必要がない。誘拐された比奈という少女が一人でさらわれたとしか思えない状態でさらわれたことからも疑いを深める。窓に置かれたランタンにより,比奈の発見が早まったことから犯人は優しい人間だと推理し・・・菅原を疑う。ホームレスが金沢のハズレ馬券を車から盗んでいたことなどから,金沢と次郎の共犯関係を疑う。比奈に菅原の面通しをするが,比奈は菅原を庇って別人だという。その後,元暴力団員で菅原を慕う浜田という男が,自分が金沢と次郎を殺害したと自首してくる。菅原はかつてライバルだった飯森組の檜原の厚意で国外への逃亡を企てる。空港で福家は菅原と最後の対決。次郎と金沢を切ったドスには,ダイヤのような固いものでついた傷があった。その傷は菅原の指輪のダイヤでできた傷だった。この決め手で菅原は犯行を認める。これはなかなかの作品。犯人の人物像もいい。倒叙モノらしく福家が菅原を追い詰めていく小道具の切れもいいし,最後の決め手もスマート。★4で

〇 女神の微笑
 後藤秀治と喜子は,犯罪者を完全犯罪で殺害していた。今回は宝石店強盗未遂犯を爆殺する。福家は,レストランに不自然な予約があったこと,その影響で爆破の影響が少なかったことなどから,単なる誤爆ではなく,爆殺事件があったと考え,爆殺現場の近くにいた元技術者の後藤夫妻を疑う。福家は後藤の家に捜査に行き,後藤夫妻が三帆銀行の名を知らないはずなのに,その名を出したことで疑惑を深める。福家は後藤夫妻がよく行く公園での捜査,宝石店強盗未遂犯の仲間で爆弾を作る技術があると思われる安藤という男の知人の捜査などをする。福家は後藤夫妻についての調査を石松という刑事に依頼する。そして後藤夫妻がこれまでも法の目を潜り抜けた犯罪者を始末していた可能性があることを知る。その後の捜査により,後藤夫妻が宝石店強盗事件の話を公園で唇を読む方法により知っていたことに気付き,後藤夫妻に伝える。最後の決め手は指紋。犯行に使われた車
は窓が壊れており,完全に閉まらなかった。その部分に後藤秀治の指紋が残っていた。後藤夫婦は4課が連行するが,支援者の助けもあり,警察の手から逃亡する。福家のもとに「楽しかったわ。また会いましょう」というメールが来て終わり。これもなかなかの作品。決めてが指紋という点がやや不満だが,犯人,特に喜子が魅力的な犯人として描かれている。★4で。

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2018年08月12日

Posted by ブクログ

う~ん、面白いです。

福家警部補のキャラが、中々掴みにくいんですよねぇ。福家警部補のセリフは、頭の中では低めのだみ声っぽい感じなんですが、作品中で福家警部補が話すときに“鈴の音の様な”と言う形容が有るんで、だみ声では無いのかと思ったり、なんとも掴みにくい。なんでもお見通しだし、サブカルチャーから、マル暴の裏の世界まで、色々通じていたりと、なんとも不思議。

それでも、彼女の捜査能力は驚異的。それでも、今後も出てきそうな犯人も出現して、今後の続編に期待大です。

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2017年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このシリーズ好きです。でもこれが最後っぽい。

福家警部補のように、ぐうの音も言わせない証拠を丁寧な言葉で突きつけられると、犯人はさわやかに降参できそう。たぶんないけど、自分が逮捕されるようなことがあればこんな刑事さんに逮捕されたいです。

短編と長編の間の中編というのかな、読みやすいボリュームで大満足でした。できれば続編を。。。

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2017年01月19日

Posted by ブクログ

シリーズ3作目。
ここまでと同じクオリティに加え、主人子のキャラクターやがより深化していく様や、準レギュラー陣が肉付けされていく楽しみもあり、とてもよかった。
しかし、先にドラマで観てしまったこと、続編がしばらく出なそうなことと、内容に関係ない部分が気にくわなかった。
4-

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2017年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「禁断の筋書(プロット)」
仲良しのままでいれたら、こんなことにはって思う 同じものが好きで同じものを追いかけていてもいつか道は別れる
残された方が何が出来るかー編集の道に入った真理子は正しかったけど、復讐だけが目的になっちゃうと悲しい
色んなところから綻びは出る

「少女の沈黙」
これは殺される方が悪いーって言っちゃいけないけど、変われないと困ることがたくさんあって、立ち止まることがいいことにはならない。あと子どもに怖い思いさせちゃダメだし…この子は
守りたくなる少女の気持ちがわかっちゃいけないんだろうけど、色んな人が守ろうとしたものが彼の人柄なのかも 生きるの難しい

「女神の微笑み」
1番怖い犯人
そして、英雄になりやすい犯罪者
罪に問われなかった悪人に罰を
こうならないように、最初にちゃんと罪は暴かれて罰を受けなくちゃならん
最後が怖すぎる

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2016年 文庫
.禁断の筋書
  犯人は漫画家みどり
  営業部長で高校からの友人を殺害
  この友人がちょっと..意地悪すぎるので
  犯人に同情した
.少女の沈黙
  犯人は元ヤクザの菅原
  解散した組の親分の娘が誘拐され
  その誘拐犯等2人を殺害
  この殺された2人も
  余り可哀想には思わず..
菅原に逃げ延びてほしいと思った
こういう人情味厚いけれど
  人を殺す犯人を容赦なく
  追い詰める警部補
.女神の微笑
  爆弾犯の車椅子の犯人と夫
  仕事人の様な動機
  この話が一番面白かった
(犯人と警部補の対決が)
「また会いましょう」で終わったので
  この犯人は又でてくるのかも..

今回の話でわかったのが
福家警部補は..
手帳や物 小銭の管理 整理整頓が
  まず出来ないだろうということ
  ヤクザのNo.3にも
  一目置かれているということ
  恫喝等にもビクともしないところ
  お汁粉が好き

 
  

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

今回は3つの事件を収録。
ほんと…コロンボさんと一緒で
犯人に感情移入して読んでいると
福家警部補の行動にイラッとするわ( ̄▽ ̄)

組を解散したヤクザの若頭が
手下を守るためにとった行動の話では
犯人を追い詰めつつも
どこか温かみが感じられたり
単純に正義を振りかざすだけでは
ないようなところも。

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

08月-03。3.5点。
福家警部補シリーズ。短編2編、中編1編。
中編は、解散した暴力団の話で容疑者がなかなか
の「漢」。ラストは老人が容疑者、またいつか出てきそう。
追い詰め方がなかなか面白い。いきもの係とは違うアプローチだが、興味深い。

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2021年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毎回のやり取りにちょっと飽き飽きしていた前作だったが、
今作は福家警部補のキレっぷりが光って面白かった。威圧感なども出てきて存在感が増している。
最後はこの先も読みたくなる文章で締められており、次も早く読みたい。

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2020年11月04日

Posted by ブクログ

福家警部補シリーズ第3弾。
3話からなる短編集。

小柄で目立たない福家警部補がサクサク事件を解決していきます。
古畑任三郎形式で一匹オオカミの福家警部補が犯人を追い詰めていくのですが、とにかく頭が良く誰にも屈服しない様子等読んでいて楽しいです。

本作最後のお話では犯人も天才肌であり、そんな犯人との対決では楽しそうな一面もあったので、また次回作が楽しみになりました。

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2020年07月04日

Posted by ブクログ

コロンボや古畑任三郎の女性版ですね。
刑事らしくない刑事。
シリーズ3作目。
5作全部読みました。
シリーズはまだまだ続くのかな。

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2019年11月02日

Posted by ブクログ

シリーズ3。中編3編。福家警部補のキャラがより一層立っている。それに伴って「あの作品」へのオマージュ度も高い。3つとも解決編があっさりしていたのが少し残念。特に一番長い2編目はあっけなかった。3編目の最後は今後に続くものを感じさせる。

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2019年09月28日

Posted by ブクログ

今や生殺与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に干される漫画家、先代組長の遺志に従って我が身を顧みず元組員の行く末を才覚するヤクザ、銀行強盗計画を察知し決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦ー過去数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験は、殺人事件に際しても活かされる。福家警部補はどこに着眼して証拠を集めるのか。

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2018年05月27日

Posted by ブクログ

中編3編。
毎度毎度、手帳を探すシーンや警察に見られないシーンがお約束のように出てくるが、だんだん鼻についてくる。キャラ付のためには必要なんでしょうが。
この3編の中では少女の沈黙がいいかな。切ないね。
一度くらい、福家警部補の裏をかいて、逃げおおせる人がいても面白いかな。

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2018年01月31日

Posted by ブクログ

「再訪」に続く第三集。

今回収録されている三作品は全て中編ということもあり、前回より少し読み応えがあります。

”元同人仲間に干される漫画家”、”先代組長の遺志を重んじる元ヤクザ”、”法に変わって犯罪者に鉄槌を下すエンジニア”。程度の差こそあれ、それぞれに手を汚す理由があり、読んでいると切なくもなってきます。

パズル要素は少なめで、どちらかというと人間ドラマに主眼を置いているのですが、福家警部補の飄々とした様子を思い浮かべながら読むと面白い作品です。

収録されている作品のうち、個人的には”少女の沈黙”が好きです。

この物語は、元ヤクザが、元組員に誘拐された2代目の娘を救うために行動します。完全犯罪を目論むというものでもなく、偽装といってもそれほど強くはないのですが、それがかえって潔く映り、ミステリとは違う面白さがあるんですね。ヤクザ相手に一歩も引かない福家警部補の振る舞いも良いですね。

一方で、”女神の微笑み”というお話の結末はちょっと、腕を組んでしまいます。

巻末の解説には、警部補のライバル登場、というような書き方がされているのですが、何というか自分の中で物語が解決しないんですよね。
ライバルといっても、福家警部補の裏をかいて逃れたというわけじゃないですし。

また、全体的に犯人を追い込むのが少し雑かな、という印象も受けました。
それだけ犯人側の工作が甘いということなんでしょうけど、ミステリですし、もう少し手順を踏んでもいいのかな、と。

とはいえ、今回も面白い作品でした。
前回より少し長いので、これまで短編を読んできた方にとっては変化があって良いのではないでしょうか。

オススメです。

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2017年11月11日

Posted by ブクログ

じつに面白かった!収録作品は「禁断の筋書」「少女の沈黙」「女神の微笑」。とくに「少女の沈黙」は中編ともいえる長さ。福家の追求から逃れる犯人との知的格闘はいっきに読ませます。また本作はヤクザモノとしても面白いです。最後の「女神の微笑」ではライバルともいえる人物が登場。次作以降どう絡んでくるのか気になります。いずれにせよ「楽しかったわ。また会いましょう」

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2017年01月26日

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