大倉崇裕のレビュー一覧
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「挨拶」に続く第二集。
犯人が最初に示される倒叙形式そのままに、四編が収録されています。
点数は3点だけど、気持ちは3.5かな。「情」を感じる部分が所々に見受けられたので、パズル的な要素は少ないながらも最後まで楽しく読む事が出来ました。
前作同様、犯行を完璧に仕上げる犯人はいません。どこかしらにミスがあり、そこを主人公に掬われてしまうわけですけど、今回は犯人自身のミスが多かったように思います。
収録された四編ともパズル要素が少なく、主人公と一緒に頭を使って読むというものではありません。そういう意味では、「この犯行、主人公はどうやって犯人に迫るのだろう?」という面白みは少ないかな。
それ -
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2013年に刊行された「怪獣文藝」の続編として、怪獣と怪獣が跋扈する世界をこよなく愛する映像作家(監督)と小説家による持ち前のセンスを生かして書き上げた怪獣短編小説で構成したアンソロジー集の第二弾。
前作が怪異な世界観をメインテーマに据えて構成したミステリー、ホラー色の強い怪奇小説作品集としての仕上がりは≪怪獣小説≫を期待した読者の評価が二分した結果を踏まえ、今回はより具体的に怪獣の暴れまわる事件に焦点を当てたビジュアル的なストーリー展開の作品で構成されている。映像でストーリーを読ませる映画監督による文章表現と、文章を用いてビジュアルをイメージさせる小説家の双方が「怪獣」をテーマにした競作は≪ -
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大学に入学早々、廃部の危機に瀕したオチケン(落語研究会)に入部させられた越智健一。「越智健一でオチケンかぁ。よくできてるよねぇ。ウフフ」――落語にはまったく無関心だった越智だが、名前だけを理由に無理やり入部。強烈な個性の先輩二人に振り回され、授業もまともに出られない。あげくはサークル間の部室争奪をめぐる陰謀に巻き込まれることになり……。
本書は落語にちなんだミステリーも多数発表してきた著者が、大学のオチケンを舞台にユーモアと落語のウンチク満載で描く連作中編ミステリー。付録の「落語ってミステリー!?」では、著者独特の解説による「落語への招待」が綴られており、落語初心者でも安心して手に取れる。