あらすじ
安西おまえはなぜ死んだ? マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑落したのか。事故か、自殺か、それとも――三年前のある事故以来、山に背を向けてきた草庭は、好敵手であり親友でもあった安西の死の謎を解き明かすため、再び山と向き合うことを決意する。すべてが山へと繋がる、悲劇の鎖を断ち切るために――。「山岳ミステリを書くのは、私の目標でもあり願いでもあった」と語る気鋭が放つ、全編山の匂いに満ちた渾身の力作。未踏峰を夢見た男たちを描いて静かな感動を呼ぶ、著者の新境地にして新たな代表作登場!
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山岳ミステリー。
大学の山岳部仲間の死は事故か事件か・・・その真相を探るお話。
3年程山から離れていた男が再び山に惹きつけられていく様子が丁寧に表現されております。
専門的な道具や言い方等難しい部分も多いですが厳しい冬山を十分イメージできる一冊。
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大学山岳部で主将だった安西浩樹と副将だった草庭正義の物語。大倉崇裕氏の「聖域」、2008年刊行、2011文庫化の山岳ミステリーです。カムチャランガ(7048m)という未踏峰に挑戦する前に、恋人が亡くなった塩尻岳(2800m)で滑落した安西・・・。なぜ落ちた?安西の滑落は、事故か、自殺か、あるいは殺人か? 滑落が信じられない草庭は、真実を求めて突き進む!
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桜庭一樹の書評本から。
山とミステリー。
ちょうど良いバランスに、素晴らしいドンデン返し。
友人はなぜ山で命を落としたのか。を解いていく話。
主人公がやたらと手が早く、おまけに仕事も中途半端でそこが難点。
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山岳ミステリ。なかなかしっかり重めのミステリでした。ストーリー自体は興味がわかない部分もあったけれど、山にまつわる描写など引き込まれるところもありました。
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筆者・大倉崇裕氏は、福家警部補、死神さん、樹海警察など個性的な警察モノを書いているが、本作は山岳ミステリー。冬山の描写はあるが、いわゆる山岳モノほどではない。山を舞台にした殺人事件を描いた推理小説。真犯人がわかってもスッキリ簡単は無く、何か虚しい終わり方だった。
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山岳ミステリということで、華麗な論理のアクロバットとはいかないが、一発宙返りは決めてくれる。とは言え物語の展開はゴツゴツで、ミステリプロパーの読者より冒険小説などの愛好家に好まれそうではある。
Posted by ブクログ
なまじ山登りをしたことがある分だけ、架空の山の塩尻岳が気になって仕方がない。どうしてもあのあたりか…?と架空なのにイメージしてしまいそれが違和感。
本当の山を出してもいい気がするが、山小屋が出てくる以上、それは無理か…。
ラストのどんでん返しは面白いんだけど、なんかインパクトに欠ける。
伏線が読み解けなかったのか、少なすぎたのか…?
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大学の山岳部仲間だった安西が塩尻岳で滑落事故を起こし行方不明になってしまいます。主人公は「なぜ難易度が高くない山で落ちてしまったのか」疑問に思い、真相を解明すべく山登りすることを決意します。
序盤は2時間サスペンスのようなベタな展開ですが、真相が徐々に分かり始めるにつれぐいぐい惹き込まれました。
最後は意外なオチでしたが、伏線の量や張り方がイマイチなせいでインパクトが弱くなってしまった気がしました。
Posted by ブクログ
ある事故を境に山から離れ日々を過ごしていた
主人公だが、かつての友の誘いで複雑な思いを
抱えつつも3年振りに山へと戻る。
数日後、その友が山で遭難したとの知らせが入る。
彼は無事なのか、これは果たして事故なのか。
事故にまつわる疑問を解きながら、己にかけた
戒めも解いていく、山岳ミステリ&成長物語。
個人的に、割と硬派なミステリを読んだのが
久しぶりだったのもあってか、読み切るのに
ややエネルギーを消耗した。
大倉崇裕作品という事で漠然と抱いていた
印象と違う雰囲気だったからかも知れない。
事件の真相(というか動機)については、
若干もやもやするものの、ストーリー構成は
良かったと思う。
でも出来れば主人公の主観や状況証拠ではなく
がっちり証明されて欲しかったなぁ。
※途中で“証拠がないからダメ”って会話を
主人公たちがしていたのに、結局ないのかよ!
という不満。
その辺のコトを鑑みるに、どっちかというと
ミステリ風味で青春スパイスをきかせた山岳小説
・・・として読んだら納得なんじゃないかな。