大倉崇裕のレビュー一覧
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「逃げ得は許さない」という信念のもと、冤罪事件の真犯人を突き止めるべく再捜査する警部補・儀藤堅忍。仲間の警官からは「死神」と疎まれる彼が相棒に選ぶのは当時の事件関係者。再捜査の結果明らかになる事件の真相とは。短編4編。
相変わらず儀藤はヒーローらしからぬ存在。どことなく喪黒福造を思わせる雰囲気でまさに死神。
それでも、捜査に関しては鋭く、真っ当で、再捜査の過程で同時に相棒たちがそれぞれの軛から解放され、再生していくというのもいい。
おまけに最後に残される儀藤から相棒への手土産も死神らしくてなかなか良い。
でもまあ、展開にもそろそろ飽きてきたかな〜。何故儀藤が死神になったのか?とかシリーズ全 -
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「樹海警察」の続編。前作は2017年出版だが物語上は数ヵ月後の設定になっている。
キャリア警察官だが『融通がきかず出世街道から転げ落ちた』柿崎努警部補、もともとは優秀な捜査員だった『厄介な部下』の栗柄巡査と桃園巡査の三名が所属する山梨県警上吉田警察署特別室。
富士の樹海で見つかる遺体処理専門部署のはずが、刑事事件に発展していく。
暗記は得意だが想像を働かせることは苦手で人の言葉を額面通りに受け止める、正直過ぎるポンコツ警察官・柿崎。
最初は彼をバカにしてからかっていた栗柄と桃園だったが次第に三人の連携やコミュニケーションも出来てきたように見える。
前作以降、更に悪化した刑事課との関係だが、 -
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「警視庁いきもの係」シリーズ第6弾ですね。
ユーモアアクションミステリーとして評価しました。
相変わらずドラマ仕立てのドタバタドンパチが好きなところが隠せない物語ですね。
薄の攻撃能力が遺憾無く発揮させる作品に成って、止め役の須藤までやたら攻撃的に成っていました。ちょっとはめを外しすぎかな。
と、言うわけで今回は番外編と言えるでしょう。事務官の田丸弘子が何者かに拉致された。須藤は真相を解明すべく捜査を開始する。事件は予期せぬ展開に成り、象の牙の密輸事件に発展する。そして薄と共にラオスに飛ぶ。ラオスだからドンパチして良い訳は無いが、大暴れさせてしまうのが大倉流かな。
中盤で象使いの免許を取得する -
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『刑事コロンボ』を敬愛する作者が、恐らく満を持して発表したと思われる、倒叙ミステリの短編集です。
小柄で童顔、地味なスーツを着用したその見た目は、まるで就職活動中の女子大生のよう。
およそ刑事らしからぬ印象を受ける、そんな福家警部補ですが、披露される推理は鋭利で些細な綻びも見逃しません。
先行作品のコロンボや古畑任三郎のような、強烈な個性は感じないかもしれませんが、ある意味犯人が主役と言える倒叙ミステリでは、その存在感は遺憾なく発揮されているのではないでしょうか。
ミステリは好きだけど、最初から犯人が分かってる倒叙ものはちょっと…と思われてるミステリ好きの方々にも、機会があれば読んでもら