大倉崇裕のレビュー一覧
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怪獣大好き男性作家陣の怪獣小説アンソロジー
「怪獣二六号」樋口真嗣
25年前の怪獣映画の企画書
ざっくり。さもありなんです。
「怪獣チェイサー」大倉崇裕
ゴジラ存在的世界観の日本。
怪獣先進国たる日本。
ちょっとそのままドラマになりそうな
カメラマンと怪獣省の女性の関係が素敵
怪獣省の大臣はきっとあの人。
「廃都の怪神」 山本弘
未開の奥地の原神となっていた怪獣。
少年は、原始的な戦い勝利した。
最近、こういう感じのファンタジーBLあるよね。
「ブリラが来た夜」梶尾真治
自分の母親が ウルトラの母的存在であったならその血脈は受け継がれるのではあるまいか。
怪獣来襲の夜は、家族の来歴を知る夜でもあった。
おもろかったです。
「黒い虹」太田忠司
謎の転校生(眉村卓)×時を駆ける少女×怪獣
「怪獣の夢」有栖川有栖
さすがというか、怪獣文藝とは、といった短編。貧しい子供時代から見続けた怪獣の夢。
現実が成功するにつれ、怪獣となった夢に転換する。ラストの意味深が好き。
先日読んだ 能の邯鄲を思い出す。
「孤独な怪獣」園子温
もし、あのトラブルが表面化した後の作品だとしたら人格を疑う。
アンソロジーが2015年刊行だから さすがにセクハラ流出前ですね。
これを小説と読むか私小説と読むか。
同意してるから良いのかな?
私は、何やっても自由だと思うけど
それを文藝とされたくはない。
「東京デスワーム」小中千昭
ものすごく昔、テレビのロードショーで
ワームがそこらじゅうから溢れてくる映画を観たことがある。水道の蛇口からもどこからも。おそらく、私が観た事がある映画の中で最恐だと思う。この小説のように怪獣並みのワームならまだ良い。小ぶりなのがいっぱいが 怖い。
で、もしかしたら蛭子様とかからのモチーフかなと思いました。
「聖獣戦記 白い影」 井上伸一郎
著者は初読。
雑誌編集者で、2007年に角川書店代表取締役社長、のち角川グループホールディングス代表取締役専務という経歴がまず目を引く。
しかも本作が小説執筆の初作品だというから驚く。
時代設定は鎌倉時代、文永の役・弘安の役。
いわゆる「神風」を、聖獣の存在として再解釈する構成がとても明快だ。
怪獣(聖獣)というフィクションを用いながら、
歴史の踏み込んでいく。
そしてラストのまとめ方が、
怪異譚としてだけでなく、時代小説としても少しドキッとする着地になっている。
あとがきは東雅夫氏。
発刊当時の怪獣映画事情が語られる中で、
宮部みゆき『荒神』にも触れられていた。
福島県内陸部を舞台にした元禄期の怪獣小説。
民話・歴史・怪異が溶け合ったこの作品は、
怪獣を愛する男性作家たちによる諸作品をも凌駕する名作だと思います。
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《ピーボは何だって、知っている。》p.62。
《あんた、ピーボがいないと、まるでダメなんだな》p.221。
〔Ⅰ〕ファシリティドッグのピーボとハンドラーの笠門は警察病院に勤務し患者たちの心を解しつつ、併設された特別病棟に入れられている囚人たちの秘め事を犬の癒し力を利用して聞き出し事件を再捜査する。そもそもそちらのほうが上司の須脇の狙いのようだが、笠門には忸怩たる思いもある。
〔Ⅱ〕第三話「犬が寄り添う」ては内外のライバル登場? 第四話「犬が見つける」はコロンボふう。
〔Ⅲ〕ピーボが信頼している総務部の動物好きの二人とかいうのは「いきもの係」の人かしら?
■ファシリティドッグと特別病棟についての簡単な単語集
【五十嵐いずみ】総務課資料編纂室の職員。丸眼鏡。少女コマンドーではない。彼女も笠門と同じく元看護師。
【浦幕誠】警部補。笠門を鑑識から追い出した男。
【笠門達也/かさかど・たつや】警視庁総務部総務課所属。巡査部長。ピーボの相方。看護師だったが退職して警察官になった。だいたいみんな、ピーボの方を見て笠門は見ていない。
【柴田】特別病棟の看護師長。
【須脇文/すわき・かざる】警視庁総務部総務課課長。警視正。本人の経歴はエリートにしては平凡だが、組織改革や新部署の立ち上げでは成果を上げている。動植物管理係とか、無罪事案の再捜査とか、樹海専門対策班とか、資料編纂室とか。
【特別病棟】囚人たちが療養している病院。警戒厳重。ピーボの仕事のひとつにここの囚人たちの証言を汲み出すというものがある。
【能美馬明/のうみま・あきら】マトリのおえらいさん。
【畠中】小児科病棟の看護師長。
【浜尾】特別病棟の警官。
【ピーボ】ゴールデンレトリバー。警察病院のファシリティドッグ。もともと「ピーポ」という名だったが、子どもたちには言いにくいようで「ピーボ」になった。《彼には何でも判るのだ。》p.9
【ファシリティドッグ】病院に常駐し、動物介在療法にも参加する、スタッフの一員。ハンドラーになるためには看護師としての勤務経験が必要。
【堀隆太郎】関東一円で九人を殺した死刑囚。
【ポルタ】資料編纂室のパソコン。ブラウン管に、つながっているが、中身は最新式らしい。「シュィィィィィン」と鳴く。
【モリオウ号】笠門が鑑識にいた頃の相棒犬。 -
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ネタバレ第一話は、琴乃木山荘の窓から見えた奇妙な光が話の中心。
人魂のようなその光は、幽霊ではないかと周囲をざわつかせる。
何が原因で光が生じたのか、その背後にある真相が探られる。
第二話は、雪に閉ざされた離れの部屋で男性が倒れているのが見つかる。
周囲には足跡がなく、完全な密室状態。
どうやってこの状況が生まれたのか、謎が解き明かされる。
第三話は、登山者が駐車場に停めた車が、戻ってきたときには別の場所に移動していたという事件。
車は施錠されており、誰がどうやって動かしたのかが問われる。
第四話は、登山道の指導標が3年連続で動かされているという不可解な出来事。
誰が何のためにそんなことをしているのか、その意図と方法が明らかになる。
第五話は、7年前に失踪した男性が突然、琴乃木山荘の従業員として現れる。
失踪の経緯と彼の再登場に隠された秘密が紐解かれる。
この短編集は、山の静けさや厳しさを感じさせる舞台設定が、ミステリーの雰囲気を一層引き立てている。
各話とも、日常の中の小さな違和感から始まり、論理的な推理で解決に至る展開が面白い。
山岳ミステリーが好きな人や、軽快で読みやすい短編を楽しみたい人に薦めたい一冊だ。 -
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ネタバレ怪獣映画の撮影現場を舞台に、スーツアクターの凸凹コンビが事件を解決するミステリー小説。
主人公の椛島雄一郎は、怪獣専門のスーツアクターを目指すも、事故のトラウマで着ぐるみに入れなくなった青年。
相棒の太田太一は、天然ボケだが天性の演技力を持つ新人。
ひょんなことからコンビを組んだ二人が、映画撮影所で次々と起こる不可解な事件に挑む。
物語はオムニバス形式で、撮影現場でのトラブルや謎を解決していく。
たとえば、怪獣スーツの破損、スタッフの不審な行動、撮影中の事故など、特撮業界ならではの設定を背景に、椛島が体力と度胸で真相を追う。
ミステリー要素は軽めで、特撮映画の裏側やスーツアクターの苦労、情熱を描くことに重点が置かれている。
椛島の挫折と成長、太田との友情、そして業界の現実と夢が交錯しながら、コミカルかつハードボイルドなタッチで物語が進む。 -
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「怪獣殺人捜査 殲滅特区の静寂」が面白かったので、その解説に、この作者さんが『着実にこちら方面でも、実績を残している』と書かれていた二冊の内からこの本を注文してみた。
ガソリンスタンドで働く沓沢はタイヤの配達を命じられ山を越えた隣町へ向かったが、そこで彼が目にしたのは破壊された集落の光景だった…、というところから展開するお話。
見えない何かが襲ってくるホラー調の出だし。光の粒が無数の触手になって、謎の女が登場してからは触手の親玉のテリトリーからの脱出劇。スピーディーな展開でズンズン読める。
秘密結社やマッドサイエンティストっぽい爺さん、女性の体のラインがくっきり浮かび上がるボディースーツやBLOOD ARMのいかがわしさなど、B級感満載で、でも、嫌いじゃないですよ、こういうの。
国民には秘匿された怪獣撃退という設定なので、閉じた世界で話が終始し、言うほどスケールの大きさを感じられないことと、最後の闘いがちょっと緊迫感にかけるところが減点。