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パスタを一本つまみ上げ、噛んでみる。まだ少し早い。水洗いしてボウルに入れておいたレタスに手を伸ばそうとしたとき、金属音と、それに続いて重いものが屋根を転がり落ちていく音が聞こえた。誠が屋根から落ちたのだ。もう少し待ってくれてもいいじゃないの、パスタが無駄になっちゃうわ。いつも間が悪いんだから――夫の“事故死”をめぐり、一見おっとりした妻の中本さゆりと福家警部補が熾烈な心理戦を繰り広げる「上品な魔女」ほか三編を収録。類稀な洞察力を駆使して容疑者たちと対峙する警察官名探偵の活躍を描き、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズに成長した〈福家警部補の事件簿〉第五集。/【目次】是枝哲の敗北/上品な魔女/安息の場所/東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き/解説=小出和代
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年04月11日
いつもながら、面白い。今回も期待を裏切らなかった。
特に『上品な魔女』は、描かれている登場人物の“異常さ”がぴか一。リアルにこんな人が居たら、怖いわ。
それと、『東京駅発6時00分のぞみ1号博多行き』は、今回の作品の中では一番短いですが、逆に言えば話が超スピーディ。福家の捜査能力というか、引きの...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月13日
ひさしぶりの福家警部補。ずっと読みたかった。3,4を飛ばして、つい最新を読んでしまった。倒叙式のこのシリーズは福家さんの登場シーンが見どころだ。すべての容疑者は彼女の風貌から、彼女を捜査一課の警官それも警部補とは思わない。今回も見事に細かいところからどんどん犯人の企みを崩していくのが気持ちいい。手に...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月22日
例年この時期になるとジェフリー・ディーバーのリンカーン・ライムシリーズの文庫が出るのに、今年はなし…ということで、はからずも、国産の警察ものミステリーを続けて読んでしまった。主人公のキャラクターも警察の描き方もだいぶ違って面白い。ミステリーなのに、なんだかホッとするところが良い。またドラマ化しないか...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月11日
待っていました文庫化。努力家で敏腕なのに貴重品を忘れがちな可愛さ溢れる警部補さん。鑑識の二岡くんとの関係性も
刑事コロンボを見てワクワクした者としては、作品を読むだけで同じ感覚を抱いていると勝手に推察している著者に親近感を覚える。古畑任三郎でも採用された、犯行を先に見せる手法も未だに飽きず。今回...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月30日
今回は『是枝哲の敗北』『上品な魔女』とも
どちらかというと自己中心的で冷酷な犯人。
それだけに福家警部補に突かれる
穴がどこにあるのかワクワクしたわ〜。
あと『上品な魔女』の犯行は
「夫に殺されかけた妻が逆に
その手口で夫を殺す」ってやつなんだけど
早々に被害者退場した「夫」の
モノローグからはじ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月21日
大倉崇裕さんの『一日署長』の感想に、『福家警部補』シリーズを読んでみようと書いたが、シリーズ第5作が文庫化されているのを見かけて手に取ってみた。帯には、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズとある。
『福家警部補』シリーズが、倒叙物、いわゆる『刑事コロンボ』型・『古畑任三郎』型のミステリであるこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月12日
2023年文庫
刑事コロンボの系譜に連なる
倒叙形式の本格ミステリ
・是枝哲の敗北 医者の是枝哲が犯人
(2016) 製薬会社勤務のMR
(医療情報担当者)の郁美が
殺される
...続きを読む
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