大倉崇裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鋭利な推理力で犯人に迫る福家警部補の描写がクール! コロンボ、古畑の流れを汲む倒叙ミステリーの秀作。
倒叙ミステリー独特の面白さがたくさん詰め込まれていて面白いっ
少しのほころびから導く推理、犯人とのヒリヒリした駆け引き、とどめの論証と根拠。いやーたまりません。
ただ本書にどこまで求めるかは難しいですね。倒叙ミステリーの骨子はホントに素晴らしいのですが、お話としてはシンプルです。
殺人事件としての倫理感、人間の業などの描写は少なめです。また主人公のキャラクターづけも良くできていますが、コロンボ、古畑と比較してしまうと、若干人としてのセクシーさが足らないかな。
とはいえ気軽に読めるミステリ -
Posted by ブクログ
犯行現場から物語が始まり、読者は犯人が誰かわかっている形式の小説。
そこから捜査一課の女刑事が調査し犯人を追い詰めていく内容。
どんでん返しも伏線もなく、ただただ淡々と進んでいく短編の推理小説。事件は推理小説の王道の計画的な殺人事件。
犯人視点から始まるので、自分はついついこの形式の推理小説は、犯人を応援してしまう。
そして犯人側に心情的に肩入れして読んでいるのに、おいつめていく探偵側の刑事の魅力がよくわからなく、おいつめられた犯人はそこまで決定的な証拠と言えないのにあっさり認める……となるとあまり面白く読めなかった。
ただ、実際に計画殺人が起これば決定的な証拠がいつもある方がおかしいし、いく -
Posted by ブクログ
〈警視庁いきもの係〉シリーズ第六作。
今回はシリーズ初の海外編、舞台はラオス。
発端はいきもの係の事務担当・田丸弘子の失踪。須藤は失踪直前の弘子との会話からヒントを得て、「象」と「ラオス」に辿り着く。
人違いで拐われたらしき弘子を探しにラオスにやって来た須藤と薄のいきもの係コンビ。現地の案内人と共に捜査を開始するが、行方を知っていそうな人物が会う直前に殺されたり、何故か象使い体験をすることになったり。
今回は「死神刑事」の儀藤や「福家警部補」シリーズの福家が登場したり、大倉作品ファンとしては嬉しいサービスがあった。
須藤と薄のトンチンカンなやり取りは更にエスカレートしていて個人的には辟易 -
Posted by ブクログ
「警視庁いきもの係シリーズ」第6弾はシリーズ2作目の長編。
この作品のため作者自らラオスに赴いて取材したというだけあって、ゾウ使いのライセンス取得シーンはリアリティに溢れている。
ただ、その部分の描写があまりにも微に入り細を穿つものだからか、途中でちょっと事件が中だるみ気味なのが残念。
敵に囲まれて一瞬の油断も許されない中での薄の例のボケかましにイライラ。
まあ、それもひっくるめてのシリーズだから仕方ないんだけどね〜
それでも終盤で事件が解決を見るあたりはゾクゾクする展開で、まさかのどんでん返し。
「死神シリーズ」の儀藤警部補がシリーズの枠を超えて協力したり、「福家警部補シリーズ」の福家警