大倉崇裕のレビュー一覧

  • 琴乃木山荘の不思議事件簿

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    山岳ミステリを数多く著している大倉さんだが、今作はそこに日常の謎を組み込ませている。であるからいつもの山岳ミステリよりは明るい作風になっている。
    山で起こる不思議な出来事の真相に、山小屋のアルバイトの主人公が挑む連作短編集であるが、謎解きに山の知識が必要だったりして、ミステリとしての満足度はイマイチだった。

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    2018年07月06日
  • 小鳥を愛した容疑者

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    銃撃を受けて負傷した警視庁捜査一課の鬼警部補・須藤友三は、リハビリも兼ねて、容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課“動植物管理係”に配属された。そこでコンビを組むことになったのが、新米巡査の薄圭子。人間よりも動物を愛する薄巡査は、現場に残されたペットから、次々と名推理を披露する。

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    2018年06月17日
  • 警官倶楽部

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    二人の制服警官が悪徳宗教団体の裏金運搬車を襲撃した!だが、彼らは本物の警官ではなかった。鑑識、盗聴、銃撃など、本職顔負けの技を持つ警察愛好家サークルの一員だったのだ。ひたすらに警察と正義を愛する善良なオタクたちがなぜ強盗を!?さらに現金奪取直後、仲間の息子が誘拐されて…。

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    2018年06月07日
  • 福家警部補の再訪 福家警部補シリーズ2

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    しがない探偵から転身し上昇気流に乗った警備会社社長、一世一代の大芝居を自作自演する脚本家、天才肌の相棒と袂を分かち再出発を目論む漫才師、フィギュア造型力がもたらす禍福に翻弄される玩具企画会社社長ー犯人側から語られる犯行の経緯と実際。対するは、善意の第三者をして「あんなんに狙われたら、犯人もたまらんで」と言わしめる福家警部補。

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    2018年05月31日
  • 福家警部補の報告

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    今や生殺与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に干される漫画家、先代組長の遺志に従って我が身を顧みず元組員の行く末を才覚するヤクザ、銀行強盗計画を察知し決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦ー過去数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験は、殺人事件に際しても活かされる。福家警部補はどこに着眼して証拠を集めるのか。

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    2018年05月27日
  • 樹海警察

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    初任幹部科教育を終えて警部補になった柿崎の初の配属先は、なんと山梨県警上吉田署の樹海専門部署。刑事課につまはじきにされながらも警察官としての正義を曲げない堅物の柿崎と、癖のある部下たちが事件を解決する短編集。
    樹海専門部署という設定と、キャラの立った登場人物のやりとりが面白い。最終話の荒唐無稽さも樹海ならありかなという気になる。いきもの係みたいにドラマ化してほしい。

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    2018年05月05日
  • 樹海警察

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    山梨県警上吉田署地域課特別室という、地方の警察署、それも樹海の遺体処理を担当するという聞いたこともないような部署に異動させられた柿崎努。

    樹海の遺体処理が専門という、奇抜な舞台設定に興味を惹かれた。

    初級幹部科の教育を終え、警部補になったばかりの柿崎が、なぜ、そんな辺鄙な場所へ追いやられることになったのか、そして、エリートの道から外されたか、この作品からはわからなかったが、きっと続編であかされることだろう。

    柿崎という男の頭の固い、融通のきかない性格に、最初は、イヤミなヤツだと思ったが、その頭の固さは、まっとうな正義感と、警察官の誇りに裏打ちされたものだ。

    柿崎が吐く正論は、近頃は、誰

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    2018年02月10日
  • 福家警部補の報告

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    中編3編。
    毎度毎度、手帳を探すシーンや警察に見られないシーンがお約束のように出てくるが、だんだん鼻についてくる。キャラ付のためには必要なんでしょうが。
    この3編の中では少女の沈黙がいいかな。切ないね。
    一度くらい、福家警部補の裏をかいて、逃げおおせる人がいても面白いかな。

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    2018年01月31日
  • スーツアクター探偵の事件簿

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    スーツアクター、つまり、変身ヒーローや怪獣の着ぐるみに入って演じる役者のことだが、ヒーローではなく、怪獣のスーツアクターを目指す男とその相棒のストーリー。

    椛島は、怪獣ショーの撮影中に事故にまきこまれ、命を落としかける。そのトラウマで、スーツが着られなくなるのだが、スーツアクターをやめられない。

    彼は、自分を救ってくれた作業員の太田のたぐいまれな運動能力と体力に目を付け、彼とコンビを組んで、アクターの仕事をこなしていく。

    その中で、映画撮影の現場で起きるさまざまな謎に首を突っ込まざるをえなくなるのだ。

    太田を好きでいながら、その素質に嫉妬を抱く椛島の屈折した心が悲しく、切ない。

    椛島

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    2017年12月18日
  • やさしい死神 落語シリーズ3

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    短編集。短編集1作目よりグッと落語界隈を舞台にした話ばかりになって面白くなりました。落語ネタに何を選ぶかで、どういう路線の話を狙ってるのか見えちゃうところもありますが、どう料理するのかという視点で楽しめました。

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    2017年12月01日
  • 樹海警察

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    登場人物の果物をもじった名前が笑える。
    個々のキャラも面白かったが、最後の終わり方がちょっと残念。柿崎の天然ぶりを突き通した展開にして欲しかった。
    任期もまだ残っているみたいだし、シリーズ化するのか?

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    2017年11月14日
  • 福家警部補の報告

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    「再訪」に続く第三集。

    今回収録されている三作品は全て中編ということもあり、前回より少し読み応えがあります。

    ”元同人仲間に干される漫画家”、”先代組長の遺志を重んじる元ヤクザ”、”法に変わって犯罪者に鉄槌を下すエンジニア”。程度の差こそあれ、それぞれに手を汚す理由があり、読んでいると切なくもなってきます。

    パズル要素は少なめで、どちらかというと人間ドラマに主眼を置いているのですが、福家警部補の飄々とした様子を思い浮かべながら読むと面白い作品です。

    収録されている作品のうち、個人的には”少女の沈黙”が好きです。

    この物語は、元ヤクザが、元組員に誘拐された2代目の娘を救うために行動しま

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    2017年11月11日
  • 三人目の幽霊 落語シリーズ1

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    短編集。それぞれ落語どっぷりの作もあれば、表面撫でただけのモノもあり、どっぷりばかりを期待してると肩すかしかも。「三鶯荘奇談」なんかは、かなりサスペンスで追走劇なんかも盛り込んでて落語とはまったく切り離して面白かった。

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    2017年11月06日
  • 蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係

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    蜂が関わる事件が連続。その真相は?

    面白かった~長編もいいですね!
    蜂は下手に逃げるとやばいのは分かっているがつい逃げてしまうのが人情。怖い。

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    2017年10月09日
  • ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係

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    ネタバレ

    面白い。のだけど、面白いのは事件のほうではなくて、動物の雑学とか二人の漫才のような掛け合いのほう笑。あと1冊続編が出てるようなので、文庫待ちしますか。

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    2017年09月14日
  • 福家警部補の再訪 福家警部補シリーズ2

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    面白いです。
    ですがもう一歩、足りない感じがしてしまいます。

    せっかく倒叙なのだから、中~長編にしてもっと深く描写してもらえたら・・・って思ってしまいました。

    多分前作の時にも同じようなこと書いてた気がするなー(^^;;;

    ごめんなさい、コロンボファン、倒叙ファンなので、期待が大きい分たぶん厳しめになっちゃってますね。

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    2017年05月08日
  • スーツアクター探偵の事件簿

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    スーツアクターとは怪獣やヒーロー、怪人などの着ぐるみ、スーツに入って演技する人のこと。初めて知った言葉である。
    スーツアクターを目指すも事故のトラウマで着ぐるみに入れなくなった樺島は、天才的な演技力を持ちながら自覚のない天然ボケの太田のマネージャーのような形で撮影現場に出入りすることになり、そこで起こるさまざまな事件に関わる羽目に…
    監督、アクター、マニアなどそれぞれ一癖ある人々揃いで、でもみんな怪獣映画を愛する情熱は人一倍。
    ミステリ的な謎は小粒だが、それよりも着ぐるみの中の人目線の話なのでお仕事小説として面白かった。

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    2017年04月10日
  • 七度狐 落語シリーズ2

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    内容(「BOOK」データベースより)

    静岡に行ってくれないかな―北海道出張中の牧編集長から電話を受け、緑は単身杵槌村へ取材に赴く。ここで名跡の後継者を決める口演会が開かれるのである。ところが到着早々村は豪雨で孤立無援になり、関係者一同の緊張はいやが上にも高まる。やがて後継者候補が一人ずつ見立て殺人の犠牲に…。あらゆる事象が真相に奉仕する全き本格のテイスト、著者初長編の傑作ミステリ。

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    2017年02月24日
  • やさしい死神 落語シリーズ3

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    内容(「BOOK」データベースより)

    死神にやられたとの言葉に首をひねる表題作を皮切りに、先行きを危ぶまれていた噺家二人が急に上達する「無口な噺家」、元名物編集長の安楽椅子探偵譚「幻の婚礼」、牧&緑コンビ定番の張りこみで決する「へそを曲げた噺家」、『幻の女』ばりに翻弄される「紙切り騒動」の五編を収める。編集長に頼ってばかりはいられない、間宮緑探偵孤軍奮闘の巻も微笑ましい、好評シリーズ第三弾。

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    2017年02月24日
  • 福家警部補の報告

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    じつに面白かった!収録作品は「禁断の筋書」「少女の沈黙」「女神の微笑」。とくに「少女の沈黙」は中編ともいえる長さ。福家の追求から逃れる犯人との知的格闘はいっきに読ませます。また本作はヤクザモノとしても面白いです。最後の「女神の微笑」ではライバルともいえる人物が登場。次作以降どう絡んでくるのか気になります。いずれにせよ「楽しかったわ。また会いましょう」

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    2017年01月26日