あらすじ
しがない探偵から転身し上昇気流に乗った警備会社社長、一世一代の大芝居を自作自演する脚本家、天才肌の相棒と袂を分かち再出発を目論む漫才師、フィギュア造型力がもたらす禍福に翻弄される玩具企画会社社長――犯人側から語られる犯行の経緯と実際。対するは、善意の第三者をして「あんなんに狙われたら、犯人もたまらんで」と言わしめる福家警部補。百戦不殆のシリーズ第2集。著者が刑事コロンボに寄せる熱い想いに溢れた、4編を収録。
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中毒性があります
1作目に続く短編集です。完全にはまってしまいました。読み終えるとすぐに次巻を読みたくなります。1作目のレビューでも書きましたが、福家警部補が犯人をしつこくしつこくしつこく追いつめて行く長編を是非読みたいです。
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倒叙シリーズ二作目。
コロンボや古畑任三郎と同じように、飄々としていてテンプレ化されている。
完全犯罪をしようと思ってもちょっとしたミスや計画ズレでわかってしまうんだなぁと感じた。
二作目(短編連作なので本としてだが)にして、再登板の協力者が出てきたり登場人物のキャラもしっかり立ってきて楽しく読めた。
Posted by ブクログ
最初に犯人視点で、物語が始まり、刑事役の主人公が、徐々に真相に迫る倒叙ミステリの第2弾。
とぼけたキャラクターの福家警部補が、いかに真相に近づいて行くか、が楽しめます。
今回は、警備会社社長、脚本家、漫才師、玩具企画会社社長など、個性的な面々。
刑事コロンボや古畑任三郎など、いかに犯人の思考プロセスに近づいて行くかが楽しめます。
犯人さえ気付かないわずかなほころびにも...
益々好調な福家警部補シリーズ、第2弾です。
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倒叙ミステリ短編集の第二弾
相変わらず謎の多い探偵役、福家警部補
お笑いや古い映画(しかもややマニアックな?)が好きで、徹夜もものともしない鬼の体力
などなど、徐々にその輪郭が明らかに
とはいえ、あいかわらず掴みどころのないキャラです
巻末解説によると、コロンボ役として心情描写は絶対にしない、という手法で制作しているようです
キャラクターは確立させつつも、芯の部分ではずっとミステリアスなまま
なるほど、面白い
Posted by ブクログ
福家警部補シリーズ第2弾!
倒叙モノで通すわけだから、極端なことをいえばワンパターンなのだけど、飽きずに読めるのは、犯人のバリエーションとそれに負けないマニアックぶりを垣間見せる福家のキャラクターも大きいと思う。
第2集の犯人は、元探偵で警備会社の社長、脚本家、漫才師、玩具企画会社社長。福家は経済誌を読み、ドラマや映画に詳しく、漫才が好きで、特撮ヒーロー番組もチェックしている。
楽しく読めた第2集。
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大倉崇裕さんの『福家警部補』シリーズ第2作。全4編中3編は、100pに満たない手頃な長さであり、その分切れ味が鋭い印象を受ける。
「マックス号事件」。強請られたから殺すという単純な動機と、航行中のクルーズ船内という現場。なぜか福家警部補が乗船していたのが、運の尽き。このシリーズには珍しい動かぬ証拠を突き付けられ、観念するしかない真犯人であった。
本作中唯一100p超えの「失われた灯」。売れっ子脚本家の一世一代の大勝負とは。これまた強請られたから殺すという単純な動機だが、偽装工作が凝りすぎていて脚本家らしいというか、最初から無理があるような。被害者の職業設定が、意外な形で真犯人の足元をすくう、とだけ書いておきましょう。
「相棒」。落ち目の漫才コンビの一方が、再出発を目論み相棒を殺害した。お笑いコンビの解散は現実にもよく聞くが…なぜ殺す??? いくら作り話とはいえ、福家警部補の追及がさっぱり頭に入ってこない1編。
「プロジェクトブルー」。フィギュア造形を手掛ける会社社長の、過去の秘密とは? 最後にまた強請られたから殺すパターンだが、マニアックなフィギュア造形の世界だけに、足が付いた理由もマニアックでしたとさ。
全4編、真犯人の職業設定や舞台など凝りに凝っており、贅沢なネタ揃いである。最初に切れ味が鋭い印象を受けると書いておいて、矛盾するかもしれないが、勿体ないネタの使い方という気もしないでもない。
このシリーズの評論によく挙げられる『刑事コロンボ』シリーズをちゃんと見たことがないのだが、ヨレヨレのコート姿というコロンボの印象は強烈だ。内面は描かないとしても、福家警部補にも見た目のインパクトがあればなあ。
シリーズを逆に読んでいるから、こんな勝手な考えが浮かぶのかもしれないが、自分は思う。もっと認知されてほしいシリーズだ。
Posted by ブクログ
福家警部補シリーズ第二弾。豪華客船に紛れ込んでしまい、そのまま事件を解決。拉致監禁の被害者を演じる犯人を暴く。漫才コンビ間で起こった殺人事件を解決。玩具企画会社社長の陰謀を暴く。4編を収録。犯人が悪あがきしないのも、刑事コロンボと同様。
Posted by ブクログ
小柄な女性刑事・福家警部補のシリーズ第二弾。
ここまで読んで、福家警部補の下の名前が出てこない。
下の名前のイメージや色がつくことを避けるためだろうか。
何日も寝なくて大丈夫だし眠くもならない。
その仕事量たるや相当のものだと思われるが、疲れも知らない。
映画やドラマ、演芸にも詳しいようで、頭の中には相当なデータが入っていると思われる。
酒はいくら飲んでも酔わない。
サイボーグ?(笑)
しかし、時折見せる人情あり、聞き込みをされた人はなぜか彼女を気に入ってしまう。
同時に「警察に恩を売っておきたい人たち」をうまく使って調査をしたりする。
再登場するキャラクターも出てきて、シリーズものを読む楽しさが加わった。
『マックス号事件』
豪華フェリーの中で起きた殺人。
福家が乗り込んでいた理由が笑えるというか。
拳銃がそこから出てきた、というの、刑事コロンボであった気がするのも嬉しい。
『失われた灯火』
人気脚本家が描いた完全犯罪のシナリオ。
さすが脚本家だけあって、犯行の流れが淀みなく、アリバイ作りもドラマになっている。
しかし、被害者たちはシナリオを演じる裏で、私生活を持っている。
彼ら本人ではないと知らないことも多く、完全犯罪はそういうところから綻びるのだ。
『相棒』
一度大ブレイクするも、落ち目となった中年の漫才コンビ。
部屋に入って、それを見たら、あっ!と思いますよね。
哀しい余韻の残る犯罪。
『プロジェクトブルー』
有名な玩具企画会社の社長は、自身も優れた造形能力を持つ。
フィギュアに対する愛も並々ならない。
被害者が数ヶ月かけて調べたことを福家がわずか1日で突き止めたことに戦慄する容疑者だが・・・
その莫大な調査は犯行の背景や動機を推理し、犯人はこの人物で間違いないと確信させるのだが、本人がしらを切り通す限り、逮捕に至らないのが歯がゆい。
しかし意外なところから決め手が飛び出す、というのが面白いところ。
「それは、どういうことです?」と、目をぱちくりさせる福家がかわいい。
Posted by ブクログ
シリーズ第2弾。
「マックス号事件」
福家警部補の登場シーンが、福家警部補っぽさ全開で好き。
「失われた灯」
緻密で完璧に近いと思われた狂言誘拐アリバイも結局、役者選びや、「そもそも人を見る目がなかったのね、この脚本家」と感じてしまう面白さが最高。
「相棒」
哀惜漂う1作。
「プロジェクトブルー」
殺人の代償に得た未完成のブルーを思うと切ない。犯人の絶望が伝わってくるかのよう。
四編ともページをめくる手を止めたくなくなる面白さ。
Posted by ブクログ
福家警部補二作目。
あー、そういえばコロンボ警部でも客船に乗ってた話があったなー。
福家警部補と違って密航者ではなかったけど。
奥さんと一緒に乗っていると言っていたから、
いつか奥さんが登場するのではないかと心待ちにして見ていたのに、
結局登場しないまま下船していたっけ。
コロンボ警部と古畑任三郎を同列に語るのは心苦しいが、
明石家さんまが水差しと花瓶を間違えた弁護士役をやってたなー。
ちらちらとそんなことが頭をよぎりながら、
福家警部補にも慣れてきたのか、前作よりちょっと楽しめてきた。
ところところで、誰かを勇気づけたり、小悪党をやっつけたり。
それにしても、徹夜で捜査を続けて、
映画オタクでフィギュア好きで、演芸場にオールナイトで漫才を見に行って、
いつ寝てるんだろう福家警部補は。
Posted by ブクログ
犯人は最初からわかっており、福家警部補が事件を解いてゆき、最後には犯人を追いつめるという、倒叙形式の本格ミステリ。
普通ミステリーは犯人が誰かわからず、誰だろうと思いながら読んでいき、時には意外な人物が犯人だったりして面白いのだが、本作品は犯人がわかっているのに、ドキドキして面白いのはすごい。
また、必ず犯人がもう言い訳できないような状況に追い詰められるので、結末が勧善懲悪で小気味よい。
シリーズの『福家警部補の挨拶』もいつか読んでみたい。
Posted by ブクログ
福家警部補の世間ずれした行動が、単に捜査上で浮かんだ疑問を解決することしか考えていない結果なのか、または自らの外見の平凡さを逆手に取った狡猾な手段なのか判断に迷う。それくらい細かい着眼点、聞き込みの巧みさ、証拠を繋ぎ合わせる頭脳が優秀です。
ややもするとキャラクター重視のライトミステリーの仲間に見えますが、実は往年の正統派名探偵に勝るとも劣らない切れ味の作品だと思います。
Posted by ブクログ
倒叙形式の連作短編。第二段。
文庫化を待った二作目、しかしどちらかといえば初作のほうが好きか。
コロンボスタイルをやるなら、ミステリとしての完成度が求められるが、各編いずれも及第点以上だと思う。
特に、同形式の他者作品と比した時に、結末の鋭さ・端的さが際立ってよい。
「相棒」が一番好きか。
4-
Posted by ブクログ
福家警部補シリーズの第2作目。
前作と変わらず上手なプロット展開で楽しく読めました。完全犯罪をしたと思っている犯人を徐々に追い詰める福家さん。この人にあたった犯人は…御愁傷様(笑)
完璧な証拠というより、少しずつ心理的に追い詰め最後は犯人の感情に訴えて終わる感じが自分は好きです。
Posted by ブクログ
倒叙ものの推理小説だとスパッとぶった斬るような結末が魅力的である。本作もそうした倒叙ものの流れを汲んでいる。
各話、犯人のキャラクターが実に面白い。彼らに共通しているのが「殺人をせざるを得ない状況」に陥ってしまう事だ。
対する福家警部補は警察官(それも刑事)に見えないと言われながら懐に潜り込んで真相に迫っていく。ハッキリ言うとマンネリなのだが、様式美的に楽しさがあるから読んでいて飽きない。一作目はそこまで面白いとは思えなかったが、こちらはなかなかに楽しめた。
Posted by ブクログ
福家警部補の倒叙ミステリーシリーズ、二作目。
漫才にヒーローモノに、福家さんの趣味の多さに驚き。
ところで、コロンボや古畑しかり、倒叙ミステリーの探偵役って、抜けてる人というのが定番なのかな。城塚翡翠ちゃんもだし。犯人が油断するから?
Posted by ブクログ
4編収録の倒叙形式本格ミステリー第2巻。どこか頼りない感じがしながら、不思議と人を安心させてしまう福家警部補。今回もパワー全開で、見事に犯人を窮地に追い込みます❗
彼女のプライベートな部分も垣間見れて、次回作も読みたくなる肩のこらないミステリーです♫
個人的には、『失われた灯』と『プロジェクトブルー』が好みです♫
Posted by ブクログ
人気脚本家の藤堂は
脅迫者の骨董商を殺害するため
まずは自分のアリバイを確保するシナリオをえがく。
それは「ストーカー気味のファンに演技をさせ
自分が誘拐されたように装う」というもの。
誘拐犯役を演じた彼を
脱出時の正当防衛にみせかけて殺し
骨董商の放火殺人のほうは無関係…になるはずだった。
その事件の担当である福家警部補が
藤堂の前に現れるまでは。
(『失われた灯』)
1巻が面白かったので続きも買ってみました。
漫才師コンビの片割れが解消話のもつれで
相方を殺害した哀しい結末の『相棒』
玩具メーカーの社長が過去を葬るために
造形作家を事故に見せかけて殺す
『プロジェクト・ブルー』など4つの事件が描かれます。
倒叙ものだから
犯人と一緒に犯行を体験してるはずなのに
現場に残したうっかりミスを
福家警部補に指摘されてびっくり。
その瞬間は犯人の方に感情移入しますわ(笑)
Posted by ブクログ
2013年7月文庫
・マックス号事件
・失われた灯
・相棒
・プロジェクトブルー
の4つの話
倒叙形式のミステリー
福家警部補シリーズ2冊目
シリーズ2冊目なので
福家警部補に対する
信頼感がだいぶ増していて
余計面白かった
どの犯人も切れ者で
その上をいく福家警部補
追い詰められた犯人全員が
潔いいところも
(言い訳したり
ごねたり襲いかかってきたりしないところ)
気持ち良くて良かった
解説に主人公である刑事が
「何を思い何を感じるのかは
一切書かない
視点はその刑事を傍から
見ている第三者のものにする
こうして生まれたのが福家警部補です」
とありここが
自分が面白いと感じるところだな
と思った
Posted by ブクログ
「相棒」は何となくドラマを覚えてるぐらいだから、やっぱり良かったんだな。
ものすごく切ないけど。
福家さんはやっぱり右京さんだな。
でも、右京さんみたいに周りが敵だらけじゃなくて、すんなり捜査できちゃうのがちょっと物足りない。
もうちょっと邪魔されつつ、それでも飄々と捜査する感じだといいんだけどな。
Posted by ブクログ
しがない探偵から転身し上昇気流に乗った警備会社社長、一世一代の大芝居を自作自演する脚本家、天才肌の相棒と袂を分かち再出発を目論む漫才師、フィギュア造型力がもたらす禍福に翻弄される玩具企画会社社長ー犯人側から語られる犯行の経緯と実際。対するは、善意の第三者をして「あんなんに狙われたら、犯人もたまらんで」と言わしめる福家警部補。
Posted by ブクログ
面白いです。
ですがもう一歩、足りない感じがしてしまいます。
せっかく倒叙なのだから、中~長編にしてもっと深く描写してもらえたら・・・って思ってしまいました。
多分前作の時にも同じようなこと書いてた気がするなー(^^;;;
ごめんなさい、コロンボファン、倒叙ファンなので、期待が大きい分たぶん厳しめになっちゃってますね。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
しがない探偵から転身し上昇気流に乗った警備会社社長、一世一代の大芝居を自作自演する脚本家、天才肌の相棒と袂を分かち再出発を目論む漫才師、フィギュア造型力がもたらす禍福に翻弄される玩具企画会社社長―犯人側から語られる犯行の経緯と実際。対するは、善意の第三者をして「あんなんに狙われたら、犯人もたまらんで」と言わしめる福家警部補。百戦不殆のシリーズ第二集。
Posted by ブクログ
相変わらず福家警部補の魅力が足りない感じ。何だろう、冷徹しすぎるところなんだろうか?
本当の警察の捜査はこんな感じなんだろうなと。別に福家警部補が特段優れている、という風に見えないのが難点なのかな。あと出てくる犯人が間抜けぞろいと言うところも、イマイチ魅力的ではないところか。
今後は、犯人との行き詰る攻防がみられるといいような気がする。
それはそれとして今作の中では「相棒」がいいなと思う。
Posted by ブクログ
「挨拶」に続く第二集。
犯人が最初に示される倒叙形式そのままに、四編が収録されています。
点数は3点だけど、気持ちは3.5かな。「情」を感じる部分が所々に見受けられたので、パズル的な要素は少ないながらも最後まで楽しく読む事が出来ました。
前作同様、犯行を完璧に仕上げる犯人はいません。どこかしらにミスがあり、そこを主人公に掬われてしまうわけですけど、今回は犯人自身のミスが多かったように思います。
収録された四編ともパズル要素が少なく、主人公と一緒に頭を使って読むというものではありません。そういう意味では、「この犯行、主人公はどうやって犯人に迫るのだろう?」という面白みは少ないかな。
それでも、前作より面白いと感じたのは「情」なのかな。
前作では謎めいていた主人公、福家警部補の趣味が今回は色々と書かれていたり、犯人たちの思いというかー確かに今の立場を守るためという自分勝手な理由だけどー単に証拠を集めて言い逃れできないようにするだけではなくて、犯人側の心情が前作以上に描かれているように感じるんですね。
個人的には収録されているお話「相棒」が好きです。
被害者が加害者をゆすったりしているわけではなく、ほんのちょっとしたすれ違いの末に…だから。
そんなわけで、推理小説という枠を外しても面白い作品だと思いますし、それぞれが短編なので活字に慣れていない方にも読みやすいので、是非、お薦めです。
もちろん、この第二集から読んでも問題ありません。その後で第一集を読んでもいいですね。第一集に収録された杜氏の話は第二集に通じているかもしれません。
とはいえ。
これまでは「福家警部補は今日も無敵です!」と本のオビに書かれた通りなので、苦戦するような相手の登場を期待したいところではあります。第三集も楽しみです。
Posted by ブクログ
刑事コロンボでおなじみの倒叙スタイル、つまり先に犯人が犯行を犯すシーンがあり、その後探偵役がその犯罪のトリックを暴いて真犯人を突き止めるというパターンの小説。
コロンボ以外で言うなら、古畑任三郎と同じ。
古畑が週一のテレビドラマで量産されたが故に質にばらつきがあったのに対し、質的には一定のレベルを保てていて、なるほどという展開になっている。
でも、もうちょっとパンチが欲しいかなぁ。
Posted by ブクログ
一作目では、スムーズに事件現場に入るシーンも
見受けられましたが、本作では、
必ず警察官以外の職業と必ず間違えられるように
なりました。
福家警部補のキャラは確立したようですね。
今回は、少し趣向の変わったものもあります。
一本目に収録の「マックス号事件」です。
都合よく、小説のように・・・って小説ですが、
警察官が乗り組んでいるんですねぇ(笑)