あらすじ
警察官時代に起きた悲劇的な事件の記憶から逃れるかのように、毎年夏の間だけ山小屋でアルバイトをする五木健司。「辞職しなければ、いい刑事になった」と惜しまれる五木はある時、名頃という男を救助したことから、殺人事件に巻き込まれてしまう。名頃が恋人・裕恵を殺し、自分も死んでしまったというのだ。事件現場となった群馬県・長沢山を訪れ、そのまま山小屋へと入ることでその事件を忘れようとした五木の元に、裕恵の手帳と、裕恵の父からの「すまなかった」というメッセージが届けられる。1週間の約束で山を下り、東京へと戻った五木は、1枚の山の写真を手掛かりに、5年前に起きた事件へとたどり着くが……。複数の事件が絡み合い、幾重にも張り巡らされた罠に気づき、事件の真相へとたどり着いた後に、五木が見たものは……。拭い去れない過去にとらわれ続けてきた五木に、救いはあるのか――。本格ミステリの名手による、傑作山岳ミステリ!
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Posted by ブクログ
元警察官だった男が主人公
主人公が遭難者を助けた(主に発見)が、それからもろもろあり事件を追うことになる
登山の描写は良かったです
事件の経過は終盤前まではまぁよかったのですがそのあとがちょっといまいちでした
Posted by ブクログ
山の話なのか、と思ったら……。
自分が助けたばっかりに、などと単純な考えに落ち着かなくてよかったのでは。
自分が納得するまで調べる。何かに引っかかるというのは、そうではナイということなのかもしれない。
Posted by ブクログ
山登りミステリ。
山小屋バイトの主人公が遭難者を助けたが、後日この人物が殺人事件加害者の遺体となって発見されてしまう。主人公は真相を追うために奔走するのが大筋。
独特なのは、事件は下界なのでクローズドサークルでは無い。山小屋で働く仲間達、山登りの魅力がたっぷり込められていて山小屋に行きたくなる感じ。山モノといっても非常にテンポが良いのですらすら読めます。
少し人嫌いでスレ気味な主人公が最後は成長しているのが分かり後味も思った以上にさわやかでした。