あらすじ
福島県北部に位置する単独峰、嶺雲岳。
この山を十二年ぶりに訪れた深江信二郎は、亡き親友である植村の妻真弓と、遺児佳子の母娘の姿を見た。
一方、無頼の男たちを束ねる遠藤達也も入山し、謎の中国人組織と銃撃戦を開始した。
深江と母娘は、その争いに巻き込まれてしまう。山が血で染まっていく……。
彼らの正体は? そして、深江と母娘の過去の因縁とは?
気鋭が山岳アクション小説に新境地を拓いた!
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Posted by ブクログ
東北の山を舞台に繰り広げられる死闘。
出だしから死者続出。
山を舞台にしているハードボイルド作。
これまで読んできた著者の山岳小説とはちょっと違う作品ですが、読みだしたら止まらなかった。
ぜひ、同じ主人公でのシリーズ化を望みたい。
Posted by ブクログ
解説にもかかれているとおり、山岳版ダイハードのような作品。ですが爆発とかそういった派手なエフェクトはなくて、深く静かに男たちが格闘する。そんなややストイックな山岳アクションです。
ハリウッド映画だと、主人公がやたらに強すぎたり、撃たれても5分後には何もなかったように動いてるとか、そんな不自然さがありますが、この小説ではダメージの描写もリアルです(それでも強いけど)。
比較的優しい系のミステリーを書く印象があった作者ですが、意外な一面を見せられた感じです。
Posted by ブクログ
闘う男たちを描いたハードな山岳冒険小説。山岳冒険小説と言えば、笹本稜平や樋口明雄、谷甲州といった名手がいるが、彼らの作品に全く引けを取らない作品に仕上がっている。
福島県北部の嶺雲岳を訪れた主人公の深江は謎の男たちに襲撃れる。何とか生き延びた深江は男たちに闘いを挑む。主人公の深江が異常に強く、最初は戸惑いを覚えるのだが、その理由は後々、明らかになる。そして、深江の過去と男たちの正体が明らかになるにつれ、俄然、物語は面白くなる。それぞれの闘う理由…深江の亡き親友の妻と娘の運命は…
ストーリーは明らかに異なるのだが、主人公を取り巻く設定が谷口ジローの『捜索者』に似ている。
解説は樋口明雄というから、これまた面白い。