大倉崇裕のレビュー一覧

  • 白戸修の事件簿

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    善良でお人好しな大学生の白戸修が、
    何故か様々な事件に巻き込まれるという短編集。
    カバーに「癒し系ミステリー」って書いてあったけど、
    確かにそんな感じだナァ。緊迫感のある場面も多々あるんだけど、
    全体を通じて非常にほのぼのしている印象。

    スリ、ステ看貼り、万引きなど、主に日常の軽犯罪を主題としている。
    シリアスだったり、時にコミカルだったりしながら、
    テンポよく話を進めていく中で、所々蘊蓄を織り交ぜていく感じは、
    「無法地帯」にも通じるスタイル。
    その辺りの手腕は、流石だなぁと思います。

    短編集ということもあり、気軽に楽しく読める一冊です。

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    2012年04月17日
  • 七度狐 落語シリーズ2

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    落語雑誌の編集者である牧・緑シリーズの長編。
    ある名人が、跡継ぎを決めるために開催しようとした一門会の準備中、後継候補者が次々に殺される。
    取材に来ていた緑が巻き込まれ、牧が遅れて駆けつけて事件を解決する。
    落語家が芸に命をかけているという前提に慣れていないと、いまいち理解できないかもしれないが、先に短編集を読んでいたので違和感なく楽しめた。
    人が簡単に殺されすぎだけど。

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    2012年03月31日
  • 三人目の幽霊 落語シリーズ1

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    落語専門誌の編集者が、落語界で起きた様々な事件を解決する話。
    状況が分かりにくい部分も多いが、全体的には読みやすく、話もまあまあよくまとまっているかな。

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    2012年02月06日
  • 白戸修の事件簿

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    白戸修というお人好しの大学生が、お人好しゆえに様々な事件に巻き込まれてしまう短編集。
    ライトなタッチですいすい読める。スリや万引きの手口などの情報が、鬱陶しくない程度に盛り込まれていて面白い。続編があるようなので、文庫化が楽しみ。

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    2012年01月23日
  • 七度狐 落語シリーズ2

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    落語専門誌の編集者を主人公としたミステリシリーズ第2弾にして、初の長編。閉ざされた山村、落語に見立てられた殺人、名跡の後継者争い、などなどある意味ベタな本格要素がたっぷり詰まっています。最近なかなかこの手のものにお目にかかれないので、喜んで楽しんで読みましたよ。使い古されたネタを新たに料理して出すのは、古典落語と本格ミステリの類似点であり、面白さなのでしょうね。
    前作からどうも探偵役の推理経路が飛躍し過ぎている感はあったのですが、今作は長編ともあって丁寧に伏線が張られていたので、そこは気になりませんでした。ただ探偵役お馴染みの変人ぶりの方向性が合わないなとは思いましたが。

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    2011年12月29日
  • オチケン!

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    落語に何の興味も関心もなかったのに、名前が『オチケン』だからというだけで強引に勧誘され、部室争奪の諍いから起きる事件の謎解きまで強制される主人公の越智健一。
    大学時代のサークル活動が懐かしくなる設定。最近落語への興味が再燃してきたので選んだ本だが、落語の面白さを垣間見るにはちょうど良かった。
    ストーリーの流れの中で、前後の説明がなく、疑問に思うこともあったが、作者のあとがきを読んで、意図したことだとわかり、評価が変わった。
    謎解きとしては、大いに斬新というわけではないが、それなりに楽しめた。

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    2011年12月02日
  • 白戸修の事件簿

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    中野に行くと災難に巻き込まれる。中野を避ければいいのに何故か呼ばれてしまう、という災難記というべきシリーズ物。いつも事件に巻き込まれてしまうお人よし探偵という設定がよかった。主人公が安直にスーパーマンにしなかったので作品がほんわかとした温かいテイストになっている。どこにでもいるちょっと運動不足の大学生だけに、感情移入がしやすい。ちゃんと伏線が光る内容になっており、この作者ならではの擽り付のあとがきも印象的。それにしても時効当日に銀行強盗に巻き込まれる犯人って・・・すごくご都合主義な感じがしなくもなかったが、それを上回るストーリーだった。

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    2011年06月02日
  • やさしい死神 落語シリーズ3

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    ネタバレ

     やはりこのシリーズは短編の方が面白かった。こう書いてしまうと申し訳ないが、長い怪談話よりも「子別れ」のような人情話のほうがミステリーと合うのではないか。洟を啜り上げたのは寒いから?買いに行ったタキシードは?と続きを想像したくなるエンディング、共通するのは弟子を見る師匠の温かい目。ストーリーのスパイスになり、忘れがたい印象を残す。次の題目は何だろう。少しお休みになっているこのシリーズ、楽しみだ。そこつ長屋で一度読んでみたい。

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    2011年05月13日
  • 警官倶楽部

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    無法地帯のオタクぶりにほれぼれの大倉作品、あげいん!


    いやもう、なんでしょうこのドタバタぶり。
    こういった、巻き込まれ型の結果犯罪者集団ものって、
    面白いけど正直、やや出尽くした感はいなめない。

    伊坂幸太郎の「陽気なギャング」シリーズの賢さには一歩も二歩も及ばず、
    かといって垣根涼介の「ヒートアイランド」のようなかっこよさはまるで皆無。
    出てくるメンバーはイマイチのおたくだし(やっぱりねー)、
    喧嘩も強くなくあまり頭脳もいけてない。

    だからキレはないけど、なんだか可愛くいとおしい。
    がんばれ!って気にはならないけどなははは、にやり。
    そんな感じの読後感。

    すんげー勧める、ってことはな

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    2011年04月13日
  • 白戸修の事件簿

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    「お人よし探偵」と言われることになった「白戸修」シリーズ第一作です。

    あらすじは・・・特にないんですよねえ。中野にいくといつもロクな目にあわない白戸修くん。毎度毎度事件に巻き込まれるんですが、それが大体本人のお人よしゆえにというか・・・・いや、これはおもしろいわ。

    ひどい目にあいながらもひたすらに人のことを思う白戸くんに読んでいて非常に癒されます。癒し系ミステリ。
    連作短編形式で読みやすいのでご一読をおすすめいたします。

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    2010年11月09日
  • 白戸修の事件簿

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    第20回小説推理新人賞受賞作「ツール&ストール」を含む、お人よし探偵シリーズ集。


    受賞作のエピソードから「中野は鬼門」と認識している主人公。

    卒業試験から就職前日までに巻き込まれ過ぎでしょう!と軽くツッコんでみたり(笑)

    巻き込まれ限定・中野周辺で。。。一冊五編だもんなぁ。

    巻き込まれる内容は伏せますが、久々に共感を呼ぶキャラクターだわ。

    晴れて就職叶った我らが白戸クンのさらなる活躍?が見たぁい!

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    2010年06月23日
  • 白戸修の事件簿

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    サクッと読めて面白かった。白戸君の巻き込まれっぷりやお人好しなところが良い。続編を読みたいけど、出るのかな...。

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    2010年05月07日
  • 警官倶楽部

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    クライム・アクション。
    アマチュア警官達が様々な局面を乗り越えていく姿は圧巻。
    ハラハラ・ドキドキしながら何故か応援してしまう。

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    2010年03月25日
  • 白戸修の事件簿

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    一見どこにでもいるフツウの大学生が巻き込まれる事件簿。

    そう陰惨な事件は起こらないが、のんびりとした語り口と、
    主人公のお人好しなのんびりした感じ、の割には時に鋭く事件を解決する、
    その爽やかな語り口がスマート。

    ただのほのぼのではなく、スリのやり口や万引きGメンの詳細など、
    描かれるべきところはきちんと抑えてあるので説得力もある。

    安心しながらも読みごたえもあり、なかなかの良書。読んでよかった!

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    2010年03月22日
  • 白戸修の事件簿

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    続編が読みたくなる作品でした
    でも、翌日が入社式と言うので続編は無いのかな??
    しかも、高価なスーツで入社式に臨むみたいです(笑)

    主人公の白戸くんのお人よしさ加減が和みますね。
    1話目に出てきた女性がラストにも登場。

    読みやすいので小学校高学年位から読めそうな感じです。

    前回読んだ「福家警部補の挨拶」も同じ作家さんが書かれていますが
    こちらも丁寧で優しい文体なのでミステリ好きの中学生位から楽しんで読めそうです。

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    2010年01月17日
  • 七度狐 落語シリーズ2

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    落語とかけて本格ミステリととく。そのこころは?

    『季刊落語』の新米編集者・緑は、春華亭古秋一門会の取材を命じられ静岡の寒村を訪れる。その会は次代古秋を指名する一大イベントであったが、悪しくも大雨で村が孤立化。さらに後継者が次々と殺されていく事件に発展していく。名探偵の顔も持つ編集長・牧に電話で情報を伝えつつ、さらなる悲劇を防ごうと緑は奔走する。

    芸を極めようとする者が陥る狂気を、しっかり描いてたんじゃないかな。
    最後に詰め込みすぎ感があったのと、地の文があまり上手くないのが残念。(人物の配置がわからない描写が多かった)

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    2009年12月14日
  • 三人目の幽霊 落語シリーズ1

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    薀蓄に偏りすぎるきらいはあるし、動機に納得いかないところもあります。都合が第一の、閉じた人間関係に突っ込みも入れましたが、読みやすいは読みやすいです。「日常の謎」系だから圧倒的な悪人もいないし、嫌な気分になることもない。気楽に本を読みたい時にはいい作品だと思います。

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    2009年10月04日
  • 三人目の幽霊 落語シリーズ1

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    上方落語をベースにしたミステリ。落語をききたくなります。
    お気に入りなのでUSまでおともさせてきました。もう一度読んだけど、すっかり落ちの細かいところを忘れていて、再び楽しめました。いいなあこの本。

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    2009年10月07日
  • 三人目の幽霊 落語シリーズ1

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    落語専門誌の編集部員を主人公にした連作ミステリ短編集。巧いですな。よどみなくスラスラと読ませる文章です。落語とミステリは相性もいいですしね。でも物足りなさも感じるんです。推理の筋道が飛躍しすぎているようにも感じるんですよ。探偵役の考え方に共感し得ない部分がある為でしょうかね。それとも落語という「芸」に対しての価値観や考え方の違いなのか。でも、この作家の他の作品も読んでみたくなったのも正直なところ。結局は面白かったということかね。創元推理のお得意の「日常の謎」系かと思えば、するりと血なまぐさい話をもってくるところなんかも、油断ならない感じで面白いですしね。

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    2009年10月04日
  • 琴乃木山荘の不思議事件簿

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    ネタバレ

    バリエーションに富んでいて、飽きずに読めた。第一話から、主人公が下界に何か気掛かりなことを残していることが示唆されていて、それが7つの短編をゆるくつないでいたように思う。
    山荘という容疑者もやれることも限られた条件で、よくぞここまで色とりどりのストーリーを作り上げるものだなぁと思った。

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    2025年11月19日