大倉崇裕のレビュー一覧
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中野に行くと災難に巻き込まれる。中野を避ければいいのに何故か呼ばれてしまう、という災難記というべきシリーズ物。いつも事件に巻き込まれてしまうお人よし探偵という設定がよかった。主人公が安直にスーパーマンにしなかったので作品がほんわかとした温かいテイストになっている。どこにでもいるちょっと運動不足の大学生だけに、感情移入がしやすい。ちゃんと伏線が光る内容になっており、この作者ならではの擽り付のあとがきも印象的。それにしても時効当日に銀行強盗に巻き込まれる犯人って・・・すごくご都合主義な感じがしなくもなかったが、それを上回るストーリーだった。
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無法地帯のオタクぶりにほれぼれの大倉作品、あげいん!
いやもう、なんでしょうこのドタバタぶり。
こういった、巻き込まれ型の結果犯罪者集団ものって、
面白いけど正直、やや出尽くした感はいなめない。
伊坂幸太郎の「陽気なギャング」シリーズの賢さには一歩も二歩も及ばず、
かといって垣根涼介の「ヒートアイランド」のようなかっこよさはまるで皆無。
出てくるメンバーはイマイチのおたくだし(やっぱりねー)、
喧嘩も強くなくあまり頭脳もいけてない。
だからキレはないけど、なんだか可愛くいとおしい。
がんばれ!って気にはならないけどなははは、にやり。
そんな感じの読後感。
すんげー勧める、ってことはないけどね、
でも、例えば待ち合わせに、あるいはお風呂につかりながら、さくさくさっぱり、
そんなシチュエーションならおっけーと思います。 -
Posted by ブクログ
落語専門誌の編集部員を主人公にした連作ミステリ短編集。巧いですな。よどみなくスラスラと読ませる文章です。落語とミステリは相性もいいですしね。でも物足りなさも感じるんです。推理の筋道が飛躍しすぎているようにも感じるんですよ。探偵役の考え方に共感し得ない部分がある為でしょうかね。それとも落語という「芸」に対しての価値観や考え方の違いなのか。でも、この作家の他の作品も読んでみたくなったのも正直なところ。結局は面白かったということかね。創元推理のお得意の「日常の謎」系かと思えば、するりと血なまぐさい話をもってくるところなんかも、油断ならない感じで面白いですしね。
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GODZILLAシリーズの完結編です。
怪獣同士の大決戦を期待して読み始めましたが、思っていた以上に重たく、かなり人間側の感情に寄った物語でした。
ハルオがずっと抱えてきたゴジラへの憎しみですが、ここまで来ると「倒すこと」が目的ではなく、もう生きる理由そのものになっていて、その執着が少しずつ自分自身を壊していくように見えました。
ギドラも単なるラスボスではなく、人間の絶望や弱さを利用する存在として描かれていて、不気味さのほうが強く残ります。
ゴジラ作品として見ると派手な戦闘はかなり少なく、思想的なやり取りも多いため、正直もっと怪獣同士のぶつかり合いを見たかったという物足りなさもありました。
それでも最後まで読むと、これはゴジラを倒す話ではなく、「憎しみを手放せるのか」という物語だったのだと感じました。
ハルオの最後の選択には賛否が分かれると思いますが、簡単に割り切れないからこそ、読み終えた後もしばらく考えてしまう一冊でした。 -
Posted by ブクログ
最初の一行は共通で、あとの展開が作者によって異なる、メフィストリーダーズクラブのショートショート企画の第七弾。「検索結果はありません」の一文で始まる24の短編集。
この一文で始まるので、あるはずのものがない、という内容が多め。そのためか、「小説版の世にも奇妙な物語短編集」のような内容が多く、楽しめた。
少々、落ちがわかりにくかったものがあったのはやや残念。
(ちなみに、短編集なので、ボリューム不足云々言うのはお門違いだと思ってる)
特に面白かったのは、風森章羽「検索の怪物」、金子玲介「お前のためのハンバーグ」、梨「被り拒否強火担なんで自衛でブロックします」、時農(著)阿井幸作(訳)「変容」、麻根重次「ロスト・マム」。
次回作『引き出しの奥に何かがある』を楽しみにしよう。