澤田瞳子のレビュー一覧

  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    菅原道真が太宰府に左遷されたあとの物語。
    家柄に合わぬ出世(右大臣)をした道真は、貴族からの反発され左遷されるに至った。京への未練と恨みで塞ぎ込んでいた道真のもとに来たのは、「うたたね殿」こと保積と、美貌の歌人小野括子。
    道真の人生って、すごくドラマチックだったんだな。
    私は歴史ドラマとか全然見ないんだけど、もし道真が主人公のドラマや映画があったら見てみたい!どうやらまだ大河ドラマにもなっていない模様。こんなに有名人なのに、映像化しにくい人なのかなぁ。

    物語序盤、文句ばかり言っている道真にちょっとイライラしたけど、括子が道真の能力(美術や文献への知識が豊富で目利きができる)に気付いて、唐品を

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    2023年06月22日
  • 駆け入りの寺

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    いつもながら澤田瞳子さんの作品は一筋縄では行かない。最初は、ほんわかとした人情物かと思って読んでいたら、なかなかどうして、人間の業の様なものが浮き出て来て、それでいて、最後は清々しい気持ちになる。やっぱり凄い。

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    2023年06月19日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    天神様 学問の神様 祟り神!
    道真さまの太宰府でのくらしが書かれています
    太宰府の問題の解決方法は頭のいい人は 考えてることが違うなぁ~とおもいました そして、そこそこたのしそうに暮らしている様子は、イメージが違って面白かったです。

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    2023年06月15日
  • 若冲

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    母親のふじ子さんの各種シリーズで馴染みの京都が舞台。
    内容は直木賞受賞の「星落ちて・」と同様に暗く、10年ぐらいの間隔の進め方。ただ対象が若冲ということもあり、先日も美術館に見に行くぐらい関心があるので、興味深く読ませて貰った。
    あの作品も、この作品も亡き妻に対する悔恨と恨みに想う義弟への対抗で描いたことに深い哀しみを見た。
    ということだったが、巻末の上田秀人さんの解説によれば、結婚したという事実は確認されていない。作者の想像で書けるのが歴史小説との事。感動は作者の力量という事なのだが、解説を読んだことが良かったのか悪かったのか?

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    2023年06月04日
  • 天神さんが晴れなら

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    歴史小説家・澤田瞳子さんのエッセイ集。
    テーマごとにまとめられているので、年代は前後して収められているが、どこを取っても、澤田さんの真摯で研究熱心、それでいて、飾らないお人柄が表れていて好感が持てる。
    直木賞を受賞して有名になった後も、何者でもない自分でいたい、世の中を正しく公平に見たいという姿勢を崩さない。
    能楽を習い、美しい言葉を愛する。
    美術館や博物館の中でも、歴史の中に日々分け入って物語を探している旅人でもある。

    以下、見出し
    『京都に暮らす』
    『日々の糧』
    『まだ見ぬ空を追いかけて』
    『出会いの時』
    『きらめきへの誘い』
    『歴史の旅へ』
    『ただ、書く』

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    2023年05月20日
  • 火定

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    現代の医療は昔と比べて素晴らしく進歩しているが、感染症にたいする恐怖は今も昔も同じ。目に見えない敵に為す術もない

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    2023年05月18日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    道真シリーズ第二弾。一作目よりも読みやすかったかも。
    心のひだの奥があばかれ、さらけ出された感じ。

    小野の息子が書道に傾倒して……もしやあの人?!っていう展開も良かった。

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    2023年03月29日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    流謫の身である菅原道真の”その後”を描く、第二弾。
    この巻では太宰少弐である小野葛根の眼から、献上されるべき唐物のすり替え事件の顛末が描かれる。

    序盤で丁寧に状況や人間関係を描いていくのは、澤田さんのいつものやりかた。
    読者にとってはありがたい一方、人によっては、もうちょっとテンポよく!と思う人もいるかも。
    でも、本作は物語上必要な内容がしっかり描かれている。
    必要があってそれだけの紙数が費やされるのだということが、読者にもよくわかる。
    しかも最後も駆け込みで終わっていくのではなく(他の作品ではその気味があるものも、残念ながらあるが)、しっかり満足感が味わえ、なおかつ少ししっとりした終わり方

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    2023年03月19日
  • 風雲 戦国アンソロジー

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    それぞれの作家特有の語り口で、戦国時代の様々な時期や場所で生きてきた人物の姿が描かれており、とても読み応えがあった。

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    2023年03月14日
  • 火定

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    知り合いから勧められて読み始めたが一気読みしました。奈良時代の天然痘のパンデミック…
    今の時代にあまりにもリンクし過ぎて戦慄を感じざるおえない…
    医師の使命感…市井の人々…色々な思いやそれぞれの行動が交錯して一級の時代小説に仕上がっている。かなり読み応えがありました。

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    2023年03月05日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    伯父と甥の立ち位置が変わる(伯父を守ろうとしていた葛根自身の変化でもある)ところが凄いと思った。ボーッと立っているだけと思われた門衛が、意外な働きをしていたり、「人は見かけによらない」が沢山あった。

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    2023年03月03日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    ネタバレ

    菅原道真の人間らしい良いところも悪いところも含めて、やっぱり人間だものという感じで面白い。今回の帝への御物のすり替えの捜査に道真の目利きとしての能力が遺憾なく発揮されミステリーとしての面白さもあって楽しめる。
    前作は小野小町、今作では小野道風と有名どころが登場するのも気が利いている。

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    2023年02月16日
  • 月人壮士

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    ネタバレ

    難しかったけど面白かった。
    海と山の戦いが、こういう表現もあるのかと思った。
    夕暮れの話とか、共通認識になってるシーンが分かりにくくて、どのシーン!?と何度かページペラペラしてみたけど、あまり分からなかった(⁠+⁠_⁠+⁠)
    登場人物たちがこのお話のあとに辿った運命を思うと切なくなった。

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    2023年02月15日
  • 月人壮士

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    奈良時代を舞台にした話で、学生の時に習った名前を久しぶりに思い出しながら、聖武天皇という人にすごく興味が湧く作品だった。
    螺旋プロジェクトでは4作目だが、聖武天皇という1人の人物の中で海と山を対立させているのは面白かった。
    改めて歴史の勉強をしたいと思った。

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    2023年02月13日
  • 風雲 戦国アンソロジー

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    人が何かを悟って成長するって、良いよなぁっと思わせてくれた「又左の首取り」。松永久秀を描いた「生滅の流儀」(今村翔吾)。特に良かった。

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    2023年02月01日
  • 恋ふらむ鳥は

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    額田王の大海人の下を去ってからの澤田氏流伝記。
    百済を助けるための船出から白村江の敗戦、近江への遷都、壬申の乱と歴史をなぞり、節目に額田王の歌を配して効果的だ。彼女の宮人としての矜持がお仕事小説的な雰囲気で、中大兄皇子に認められたい気持ちが恋のようだ。頑張っているのはわかるが、今ひとつ好きになれなかった。
    だが、もう一人主人公というなら漢王子で、その自由気儘で芯の通った性格、心の奥に優しさを秘めた生涯に感動している。

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    2023年01月27日
  • 恋ふらむ鳥は

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    天智(葛城)、弘文(大友)、天武(大海人)、持統(讚良)の4代の権力闘争の渦中にいた額田王の半生を描いた物語。万葉集の十二首の長歌・短歌と日本書紀の「天皇、初め鏡王の女額田姫王を娶りて、十市皇女を生む」の記載以外史料のない額田王をジグソーのように歴史の隙間に嵌め込み新たな魅力を生み出すとともに「春すぎて夏來にけらし…」を詠んだ持統天皇の不穏な配置が物語をより興味深く演出している。

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    2023年01月26日
  • 月人壮士

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    ネタバレ

    螺旋プロジェクト第2弾。

    この「月人荘士」も最初は苦戦しました。人名・地名と役職名が難しかった。ので、フリガナが書いてある所まで、何回も戻ってっていうのをやって。苦戦でした。

    でも、この「月人荘士」の世界観になじめると案外読めるようになって。また、おもしろく感じれるようになりました。

    主人公は首(おびと)天皇(聖武天皇)。ただ、物語はこの首が崩御されたところから始まります。この首のご遺詔を探し求め、その過程で主人公の首の人間像に迫る、っていう形で進んでいきます。インタビュー形式で物語が進んでいくんですが、新鮮な感じがしました。

    螺旋プロジェクトのテーマには「超越的な存在」の出現がありま

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    2023年01月28日
  • 月人壮士

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    プロジェクトの他の作品とはちょっと違った感じで、海族と山族も抽象的に例え話みたいな感じでしか出てこない。その分、対立する感じに無理矢理感がなくて良かったと思う。
    奈良時代、聖武天皇と言われても、無学な自分にはちょっと難しく、新しい名前が出る度に調べて読んだ。
    今更すごく勉強になった。

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    2023年01月09日
  • 月人壮士

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    同プロジェクト他作品と違って「海族の人」と「山族の人」間の対立ではなく、その両方の血を引く聖武天皇の内面の葛藤を対立として描いているのが面白かった!

    周囲の人々による首様(聖武天皇)語りを聞く形式で話が進んでいって、最後にやっと聖武天皇目線でその内心が少しだけ描かれるんだけど、それがもうしんどくて…。

    このプロジェクト、各作家さんが対立というものをどのように捉えてどのように描くのか、その違いがとっても面白いな〜。

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    2023年01月08日