無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
最近詩吟を始め、菅原道真が左遷された際に詠んだ詩を吟じるにあたって、道真の人となりが知れる本を探していました。
すると、ドンピシャ。左遷後の様子を書いたこちらの小説に辿り着きました。
詩吟に関しては、左遷されたあとも醍醐天皇を想って余香に浸る・・・そんな様子が詩から見て取れ、とても重く悲しい道真を想像。
ですが、こちらの小説を読み、たしかに左遷の事実に打ちのめされてはいるものの、『喜怒哀楽を露わにする雷神』と例えられるほど、怒って泣いて、笑って企んで・・・。ジェットコースターのような日常が描かれていてなんともコミカルな道真。
勝手に救われた気持ちになりました。
お節介を焼いてくれる小野恬子(小野篁の孫と説明があるまで小野小町だと気づかなかった)や、世話役に任命された龍野保積など、周囲との関わり合いによって徐々に活力を取り戻す姿にとても親しみが持てました。
道真も人間だったんだなぁ。
京に居たときには、本当の人の暮らしや貧しさを感じ取ることができなかった(隠された事実もあれど)と気づき、「私はなんのために・・・」と嘆く姿が印象的。
決して自分の才に傲慢にならず、人の世を良くしようと努めた政治家で、人の世を見たまま表現しようとした歌人だったのかなと想像しました。
人ひとりの生き方を変えられぬ者に、大いなる国を動かせるはずがない。
そう思うと、道真の存在がたくさんの影響を及ぼしたわけであって、左遷という辛い事実も少し報われる気がします。
どこで、どう生きるのか。自分の才をどう生かすのか。
すべては自分次第で、出会い次第で、人生捨てたもんじゃないなと思わせてくれる素敵な物語でした。
Posted by ブクログ
「知恵の神様」或いは「3大怨霊」として言わずと知れた菅公こと菅原道真。怖そうな人物のわりに表紙のイラストがとてもかわいらしく、思わず手にした1冊。
彼は中流貴族でありながら、自らの才能により文章博士・右大臣にまで昇進したものの、藤原氏の妬みにあい、大宰府に流された。当初、この宿命を恨み続けていた菅公であったが、あるきっかけから、全く無関係であった菅公と恬子(小町)と穂積のトライアングルが動き出し、朝廷を欺き、意趣返しを成功なるか?
豪華絢爛なる貴族社会を描きつつも、視点はいつも名もなき民衆の側にある澤田歴史文学。爽快感の残る作品である。
Posted by ブクログ
太宰府へと貶遷された菅原道真の活躍を描く痛快歴史ロマン。シリーズ1作目。4章および終章からなる。再読。
* * * * *
澤田瞳子さんには珍しくコミカルで軽めの作品ですが、その分すべての主要人物が生き生きと描かれていました。
まずは「うたたね殿」・龍野保積。出世の先が見えた中年地方官僚です。
このトボけた味の狂言回しが道真の心情を刺激し、生きる意欲を引き出していきます。彼のみが実在の人物ではなさそうですが、あとのキャスティングが見事でした。
主人公の菅原道真からして、真面目で堅い学者肌とは打って変わり喜怒哀楽の激しいガンコじじいに、小野恬子はこれがあの小町かと思うほどおきゃんでサバサバした女性に、それぞれ描かれています。実に思いきったイメージ変更だと思いました。
なのに、読んでいて少しも不自然さがなくむしろ好もしく感じてしまうほどです。
他にも、大宰大弐の小野葛絃やその甥の葛根も十分過ぎるほどの存在感を放っていました。(名前だけ登場の道風兄弟の活躍も見たかった)
再読だったのですが、前回読みとれなかった部分に気づけた分、面白さは初読を上回りました。さり気なく雷を絡めたラストの場面もよくできていてニクイほどです。
まったく澤田さんの豊富な知識と作品構築の緻密さにはほとほと感心するばかりです。
Posted by ブクログ
なんだろう?
この出演者が映像で浮かび動き出す感じの読書感覚。
会話挿入のタイミングが優れている小説なんだろうな。
菅原道真と小野小町。
二人を軸に、色んな物語が描かれていて、なんとも微笑ましく、なんとも楽しげで、妙に人間ポイ。
この人間ポイ、という点がスイスイと読み進ませてくれる。
軽い気持ちで読み始めたのに、気が付くと、神様の菅原道真の目線なんて何処にもなく、「頑張れ、道真くん」、と応援したくなってくる。
キャラ立ちしてシリーズ化すら可能な雰囲気たっぷりでした。
一言でいうと、道真くんが好きになった。
そして、良い味付けの小町さんもイイ。笑
Posted by ブクログ
ブク友さんの本棚から、こっそり盗み見て
面白そうと思い手に取った。
物語は大宰府に左遷されたところから始まる。
正直最初は聞き慣れない官職名と登場人物名が
読みづらく「やっちまったかぁ……」と思いながらも
読み進めると、あまりにも不憫な道真の待遇に
「泣くなー!道真!!」と叫びたいし全力で応援したくなる。
そりゃぁそうだよ!現代でいうと副総理クラスからいきなり県知事クラスにされちゃうんだから。
しかも給料なし!現代なら完全にアウトだよ。
唐物商での道真はまさに水を得た魚、能力の片鱗が少しずつ見えてきて面白さがぐんぐんと加速。
そして、物語は佳境へ。悲しい事件を乗り越え、道真の能力全解放。(文ストみたいな異能力ではない)
各章ごとに違った道真の姿が垣間見れ親しみが湧いてくる。こんな道真だったら怨霊にならなかっただろうなと思いつつも、彼をハメた藤原時平に早く仕返ししてほしい自分がいる。
脳内は、もはやデモ状態
「やったれ、やったれ、倍返しやーー!!」
と大盛り上がり。
読後、無性に太宰府天満宮へまた行きたくなってきた。
御朱印貰い忘れたし、ご飯美味しかったなぁ。
次は福岡で世界遺産や史跡巡りも兼ねて、いつか必ず、もう一度道真に会いにいこう。
コミカルで笑えるのに歴史の裏側を覗く面白さも十二分に楽しめる一冊。
次巻のタイトルは『吼えろ道真』吼えるのか?
何があった道真!続きが楽しみだ。
Posted by ブクログ
右大臣の位にまで上り詰めた天才文人政治家、菅原道真が太宰府に流されてきた。鬱屈し怒り狂う道真はだんだんと異国の文化の混じる太宰府にて生き生きと己の役割を見つけていくというストーリー。
太宰府に左遷されて初めて本当に民はどのように生きているのか、苦しんでいるのかを目にする。自分が今までやっていたことはなんだったのかと自問自答するシーンが好きだった。
"どんな教養も、飢えや貧困の前には一粒の麦ほどの価値もない。薄汚れた画幅を名品と判じられたところで、病み衰えた男一人、救えはしないのだ。"
有名な書画や陶器を鑑定しながら、朝廷にしっぺ返しも喰らわせる道真。恬子さんの視点が鮮やかで好きだし、途中からわかっていたけれど正体が分かるシーンも穏やかで好きだ。
結局、自分の目で現実を見ないとわからないことはたくさんある。その上で自分が育んできた才能を活かすこともできるという話なのだなと思う。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。