ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
菅原道真が、大宰府に流されて五カ月。京からの左遷に怒り泣き喚いていた道真も、身分をやつして博多津に出かけ、唐物の目利きをする愉しみを覚えた。そんなある日、京から唐物使の役人が来た。昨年朝廷に献上された品に不審な点があったため内偵中という。調べの間、道真は館に閉じ込めとなり……。大宰府を欺いた悪党を炙りだすため、大学者の才を惜しみなく発揮する左遷男の活躍を描いたユーモラスな歴史小説。『泣くな道真』に続くシリーズ第2作。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
1~2件目 / 2件
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
太宰府に下った菅原道真。悲嘆にくれ、都の人々を怨む日常かと思いきや、この作品の道真は手に負えないおじさんでありながらも、逞しくも気儘に暮らしている。大変良い。
道真に振り回される葛根と温厚で何を考えているのか分からない伯父の葛絋。小野篁の息子と孫ということだがこの2人の話も読んでみたいと思ってしまうぐらいのめり込んでしまう話ばかりだった。
"人はな、畢竟、他者を救うことも助けることもできはせぬ。人を救うのはただ一つ、己自身のみじゃ。" "知識や学んだことは、たとえどんな境涯にあったとて、誰にも奪われぬ自分だけのものじゃ。" 続編の方が好きかもしれない!太宰府に流された菅原道真が、太宰府で起こ...続きを読むる事件を人知れず解決するシリーズ第二弾。 身分を偽り唐物の目利きとして博多に出入りする菅原道真だけでも面白いのだが、ここに帝の調度品を巡るいざこざが関わってくる。 本当に正しいことはとはなんなのだろうか。人のために何かをするということは、時に誰かを欺くことにもなる。それでも、人を救うとはなんなのか。 "(このお人は結局、人が好きでいらっしゃるのだ) " 保積のこの台詞が本作の菅原道真という人を表していた。 そして、書が好きな小野家の御曹司といえば、やはり彼の幼少期のことでしたか。彼の将来もすぐに気づいたけれど、元服した後の名前を考えるシーンがよかったな。人生は続く。
前作に引き続き道真を一人の人間として描いてゆく中で、左遷直後の理不尽さへの怒りから帝との信頼関係が幻想だったと気付いた後の心境変化、官位など関係なく純粋に自分の才能を評価してくれる人々との交流など、まさに唯一無二の道真作品だと思います。 福岡に住んでいた時にもちろん天満宮は参拝しましたが、太宰府庁跡...続きを読むにも行っておくべきだった。。。
朝廷での政争に敗れ、太宰府に流された菅原道真を描く、第2弾。 第1弾からだいぶ間が空いているので、この本を読むに当たって前作を再読しました。 そうしたら、最初に読んだ時よりもずっと面白かった。ありがとう、第2弾! この第2弾では、大宰大弐・小野葛絃(おのの くずお)の甥であり、その仕事の補佐に当た...続きを読むる大宰少弐・小野葛根(おのの くずね)の目を通して描かれる。 葛根は早くに親を亡くし、自分と妹を親代わりになって育て、後見にもなってくれた葛絃を父とも慕い、心から敬愛している。 葛絃が仕事をしやすいように気を配り、葛絃の立場を守るのが自分の使命と思っているが、顔も四角四面なら頭の中も四角四面、真面目すぎるが故の猪突猛進というか・・・ とにかくやりすぎてしまった。 ・・・いや、良い子なんですよ! 人や、何かを恨(うら)んで恨んで、苦しくて仕方がない時、どう生きるか。どうやって報復するか。 結局、己の心を救えるのは、己の心の持ちようだと言う道真。 恨みの心を宥めるには、まず恨む相手に対しての執着や期待を捨てることだろう。 大宰府への左遷を恨んで京都の貴族に祟ったと言われた道真だが、この道真なら、もうそんなことはしないだろうと思われる。 大宰府に下ることで、京にいては見られないものを見て、得られない体験をした。 文房四宝に詳しいという己の特技を生かすことも知った。 流謫地にあっても己の才を生かし、人と交わり、人間らしく、心の赴くままに生きる道真。 雷神とも恐れられた道真の恨みを、この小説を書くことによって作者が浄化したような気さえする。 後の小野道風・阿紀と、道真の娘・紅姫もかわいい。
実に面白かった。後半、物語にのめりこんで、朝の通勤、一駅乗り過ごしてしまった。(笑) 延喜の年号改元の詔の中で、自らのことを謀反人と表現され、そのことに猛り狂った道真が、唐物を、目利きしながら、次第に静かな目に世の中を見るようになる。それと併せて、中央から来た官人が、大宰府の政庁で唐物を密かに...続きを読むとりえて、京に送っていた犯人を捕縛しにやってくる。 そのことに対して、小野葛根などの大宰府政庁の官人たちが大宰府を守ろうとする物語と言えばいいのかな。 最後に、道真が、人が生きようとすると必ずぶつかり合う、何処かで折り合いをつけていかないけないと語り場面はなんだか心にしみる。 考えたら、道真公は、2年程しか大宰府にはいない。残された時間はわずかなのだなあ。
道真シリーズ第二弾。一作目よりも読みやすかったかも。 心のひだの奥があばかれ、さらけ出された感じ。 小野の息子が書道に傾倒して……もしやあの人?!っていう展開も良かった。
流謫の身である菅原道真の”その後”を描く、第二弾。 この巻では太宰少弐である小野葛根の眼から、献上されるべき唐物のすり替え事件の顛末が描かれる。 序盤で丁寧に状況や人間関係を描いていくのは、澤田さんのいつものやりかた。 読者にとってはありがたい一方、人によっては、もうちょっとテンポよく!と思う人も...続きを読むいるかも。 でも、本作は物語上必要な内容がしっかり描かれている。 必要があってそれだけの紙数が費やされるのだということが、読者にもよくわかる。 しかも最後も駆け込みで終わっていくのではなく(他の作品ではその気味があるものも、残念ながらあるが)、しっかり満足感が味わえ、なおかつ少ししっとりした終わり方でよかった。 俊蔭という人物が出てくる。 (つい、宇津保の彼を思い出す。) 唐物史として都から使わされる一本気な官吏である。 この人物の「忠義」と、道真の潰えた「忠義」、そして葛根の叔父への「恩義」が対比されている。 読者としてはいろいろと考えさせられるところだ。 のちの東風となる小野葛絃の次男阿紀と、道真の娘紅姫などかわいらしいカップル(?)も登場した。 続編が書かれるなら、また会いたい子たちだった。
さすが澤田さん、ユーモラスな中に人間くさい道真公(神的凄さも)が描かれていて、いろんな意味で感心した。
「泣くな道真」の続編。道真が太宰府に流されて5ヶ月。唐物の目利きという愉しみを覚えて落ち着いてきたかと思っていたら、延喜への改元の詔を読んで、あろうことか天皇の正式文書を怒りに任せて破り捨てて仕舞う。道真今日も元気です。 集英社「いきなり文庫」シリーズ。元はWEB連載だったらしい。前回は、キチンと...続きを読む描かれることがなかった太宰府が舞台と新鮮だった。今回はあまり目新しさがなかった。前回は、お世話係に抜擢された保積という小役人の目を通した道真だった。今回は、太宰小弐の小野葛根の目を通した道真だ。面倒を起こさぬよう、叔父の太宰大弐小野葛絃(くずお)に迷惑がかからぬようのみ気を配る管理職役人の目を通して描かれる。道真も「吼えた」のは最初だけで、推理も前回ほどの「鋭さ」がなくて少しガッカリ。 歴史書では、あと一年と数ヶ月で道真は太宰府配流の地で失意のまま亡くなることになっている。あと2-3冊は作れそうだ。その時に向かって、どのように道真が活躍するのか、最後まで見たくなった。 今日からちょっと旅に出ます。少しの間レビューお休みします。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
大宰府の詩
新刊情報をお知らせします。
澤田瞳子
フォロー機能について
「集英社文庫」の最新刊一覧へ
「歴史・時代」無料一覧へ
「歴史・時代」ランキングの一覧へ
梧桐に眠る
秋萩の散る
赫夜
駆け入りの寺
火定
輝山
京都の歩き方―歴史小説家50の視点―(新潮選書)
「澤田瞳子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲吼えろ道真 大宰府の詩 ページトップヘ