澤田瞳子のレビュー一覧

  • 能楽ものがたり 稚児桜

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    お能の曲目を下敷きにした8話短編集。
    能とは全く別物になっているが、これはこれでおもしろい。元話より人間の欲望が前面に出ていて、ゾッとする。
    お能の幽玄さや哀れ、幻想的な感じを言葉だけで表現するのは不可能かもしれない。だからこそ意欲的な挑戦作。

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    2020年06月27日
  • 夢も定かに

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    ネタバレ

    少女たちのお仕事青春小説かと思っていたが、内容はもうちょっと大人だった。
    地方豪族の娘は郷里においては名家のご令嬢でも、中央に出てくれば田舎娘。
    畿内豪族の娘との格差もあり、女性が職を持つといってもひとりで生きていくことは難しい。

    若子は妹の代わりに急遽出仕が決まり、何の覚悟もろくな準備もないまま出てきたために仕事にも慣れずどこかふわふわしている。
    それが現実を知ることにより自分の生きる道を見つける。

    能力も高く男性に交じって仕事をしたいと思う笠女も、いざ男性官僚の能力を超えられると知られれば女だからとはじかれる。

    恋愛に奔放な春世はそうしなければ生きていけなかった。
    誘いを断っても受け

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    2020年05月23日
  • 火定

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    奈良時代の疫病を題材にした小説。読みやすいけれど、サクサクと話がすすみすぎるかな。その後などもう少し掘り下げてほしかったところもあり。

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    2020年04月27日
  • 能楽ものがたり 稚児桜

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    能の曲目のストーリーをもとにした8編。
    やま巡り─山姥
    小狐の剣─小鍛冶
    稚児桜─花月
    鮎─国栖
    猟師とその妻─善知鳥
    大臣の娘─雲雀山
    秋の扇─班女
    照日の鏡─葵上

    んんー。澤田さんは長編のほうが好き。
    短編だと、やや消化不良を起こすかな。

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    2020年03月29日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    国家プロジェクトの蔭に物語
    東大寺造仏所炊屋私記の人物
    は生き生きと描かれて物語と
    して完成している
    奈良時代って面白いっす!

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    2019年07月31日
  • 夢も定かに

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    表紙は苅田ほんとは違いますが、作品のイメージをうまく表しています
    田舎豪族の娘が宮中で生きていくさまですが、気分はクララ白書(氷室冴子)みたいに、若い女子の本音あふれる展開が面白いのですが・・・ラストが唐突すぎるなあ
    あと二話くらいあった方が・・・続編あるかな?

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    2019年07月17日
  • 日輪の賦

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    持統天皇が大宝律令を制定するが、その際の既得権益を持っていた豪族との争いを描いた話である。

    なぜ律令がいるか、それは、中央集権国家を目指すためで、百済のような亡国にならないよう、国力をあげるためだった。また、その中には、日本という言葉が記され、これまでの、倭国という、蔑まれた国名ではダメだという、日本人の強い思いがひめられていた。

    法律がなければ、人びとは、己の欲の欲するままに行動し、国は乱れ、まとまらず、国力は落ちる。律令で天皇すらもその元にあるという、おもいだったとこの小説ではいう。天皇という言葉も大宝律令で出てきて、それまでの天皇の呼称 大王から変わるが、この、大宝律令の制定は、これ

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    2019年06月02日
  • 若冲

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    京都錦高倉の青物問屋の旦那にうまれながら、旦那らしいことは一切せず、絵を描くことのみに生涯を費やした伊藤若冲のはなし。

    若冲の描く絵は、奇抜で、若冲が京者でなかったら受け入れられなかったであろうと言われている。本書をよむと、若冲の絵があたかも目の前に出てくるようで、流石に、直木賞候補ともなった著者の力量に頷かされる。

    今度、若冲展があれば、見に行きたいが、320分以上待たされることだろう。同時代に絵師として生きた、円山応挙や与謝蕪村などの絵とともに見てみたい気がする。

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    2019年05月19日
  • 日輪の賦

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    大宝律令の完成に挑む人達の物語。持統天皇がかっこいい。「日本」「天皇」の誕生が関わっていて今読む本としてとてもタイムリー。女性天皇もいいやんかと。

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    2019年04月12日
  • 師走の扶持 京都鷹ヶ峰御薬園日録

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    京都にある藤林御薬園の懸人、元岡真葛
    薬草を育て採集し。
    こころから薬師を愛する主人公が
    であったちょっとした事件を解決する。

    あまりにもおせっかいでは?!という気もするけれど
    お話しだからこれはこれでアリか(笑)

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    2019年01月30日
  • 日輪の賦

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    律と令。勉強してきたつもりでもその意味を全くわかっていなかった。。。めちゃくちゃ面白かったけど、もう少し登場人物に感情移入したかった。個々のシーンでは目頭が熱くなるところもあったけど、という意味で星3つ

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    2018年11月25日
  • 満つる月の如し 仏師・定朝

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    平安時代を題材にした歴史小説を読んだのは初めて。仏像や和歌に対する深い知識がなければこれだけの中身の小説は書けないだろう。優雅さと猥雑さで混沌とした平安時代の情景を味わいながら読んだ。

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    2018年10月09日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

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    京都の1年間を地元目線で書いたエッセイ。
    特に有名な寺社も、有名になったお店も出ているわけではなく、昔から、市民がお買い物で使っていたお店や、場所が書かれている。
    要は、市民の日常エッセイ。

    でも、東京都民からしたら、それも良さそうに映るし、憧れを持ってしまう。
    それがダメですか?
    別にテレビドラマに感化されたわけでも、ガイドブックに触発されたわけでもない。
    その土地が好きなだけ。
    だって東京にはないものなんだもん。
    憧れるんだもん、仕方ないじゃん。
    と、思う部分があった(^^;

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    2017年08月05日
  • ふたり女房 京都鷹ヶ峰御薬園日録

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    201602/個々のエピはわりとやるせないけど、あっさり締められてて、そういう作風の作者さんなのかな。周囲の登場人物達は、特別アクがあるわけじゃなくてもそれぞれキャラ立ってるのに、主人公の性格がまだ中途半端なような。彼女の生い立ちや立場がそうさせているのかも。今後の挑戦に向けて思いを新たにするとこで終わるので、次作にも期待。

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    2016年02月13日