澤田瞳子のレビュー一覧

  • 名こそ惜しめよ 歴史小説アンソロジー

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    内容(ブックデータベースより)

    戦乱、陰謀、そして悲恋。鎌倉殿の時代を鮮やかに描きあげる競作集!

    源氏の栄枯盛衰と、北条政子の恋が交錯する(朝井まかて「恋ぞ荒ぶる」)。憂いを帯びた姫に、帝の仕掛けた戯れとは(諸田玲子「人も愛し」)。さる女性から壁絵の依頼を受け、画師の人生が動き出す(澤田瞳子「さくり姫」)。闘うことを運命づけられた坂東武者和田一門の最期を描く(武川佑「誰が悪」)。頼朝亡き後、政子は苛烈なる政戦に挑んだ(葉室麟「女人入眼」)。鎌倉を舞台に、野望、陰謀、そして恋を描いた歴史小説アンソロジー。

    令和8年1月8日~11日

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    2026年01月11日
  • 師走の扶持 京都鷹ヶ峰御薬園日録

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    京都鷹ヶ峰の藤林御薬園の養女、元岡真葛の物語。

    第1話 師の小野蘭山と上房総三州の薬草採取に行ってきた。京都に帰る日を前に、小石川の薬草園に。そこでお婆さんが倒れたので解放したのだが、元気になってから、痙攣して倒れた。

    第2話 真葛は尾張の宮の渡しまで来ていたが、梅毒病みの女性を見つける。夫はお前にうつされたのだと大変冷たく、医師にもかかるのを禁じているという。

    第3話 真葛と師のもとを辞した喜太郎は瀬田まで帰り来ていたところ、真葛を甥っ子が迎えに来てくれていた。一方で喜太郎には出迎えがなくて落ち込む。孫が来てくれていたとわかるのだが、その親でなくて落ち込む。が、喜太郎の娘夫婦はそのころ

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    2025年12月30日
  • 火定

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    ネタバレ

    澤田瞳子は聖武天皇の時代が好きなのかしら。
    この本もまた、天平の世の庶民の暮らしを描くものだった。

    奈良の都を突如襲った不思議な病。
    高熱を発し、一度熱が下がった後に全身に疱瘡が広がり、亡くなる人達が次々と発生。
    治療法もわからないなか、全身全霊を賭けて患者を診て世話をする施薬院の人々。

    施薬院というのは、光明皇后の声で作られた令外官(りょうげのかん)。
    つまり私設の病院であり、主人公である名代は、出世から外されたその処遇に不満を持ち、そのうち施薬院から逃げ出すことを考えている。

    しかし、あっという間に都中に広まった業病を見て、寝る間も惜しんで患者の世話をする人たちを見て、名代は徐々に医

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    2025年12月28日
  • 火定

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    厚い…重そう….読めるかな…
    が第一印象。
    でも、読み始めたら止まらなくなりました。
    コロナを経験した時代に読むと、すごく、すごく、重く、深く感じることがありますね。

    「人間、死ねばそれまでだ、と思っていた。だからこそ、せめて生きているうちに、自分たちは何か為すべきことを見つけねばならぬのだと考えていた。しかしながら病に侵され、無惨な死に遂げた人々の記憶は、後の世に語り継がれ、やがてまた別の人々の命を救う。ならば死とは、ただの終わりではない。むしろ死があればこそなお、この世の人々は次なる生を得るのではないか。」

    「ようやく分かった。医者とは、病を癒し、ただ死の淵から引き戻すだけの仕事ではな

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    2025年12月24日
  • 恋ふらむ鳥は

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    額田王を主人公とする歴史物語。宝王女の官人であり、宝王女の息子大海人皇子の妻でもあったが、十市皇女を出産後に離縁している。
    葛城皇子とも結婚していると世に名高いが、今回の作品では、葛城皇子に仕える忠義の人として描かれている。中臣鎌足、息子の定恵、葛城皇子の異父兄の漢皇子などがよく描かれている。

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    2025年11月29日
  • 名こそ惜しめよ 歴史小説アンソロジー

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    鎌倉初期のアンソロジー

    恋ぞ荒ぶる 朝井まかて 北条義時
    人も愛し 諸田玲子 後鳥羽上皇の大姫への愛
    さくり姫 澤田瞳子 一条能保室(頼朝妹)の話
    誰が悪 武川佑 和田騒動の和田義盛
    女人入眼 葉室麟 北条政子

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    2025年11月26日
  • 腐れ梅

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    春をひさぐ綾児は、隣に住む阿鳥から、菅原道真公を祀らないかと持ちかけられる。菅原道真公が亡くなって30年余り。そろそろ人々は菅原道真公のことを忘れようとしている。菅原道真公を祀り始めてしばらくして、嫡孫の文時がやってきた。祖父を祀るのは自分にとってもいいことだと思い、この企みにのることとする。

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    2025年11月26日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

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    ずっと京都で暮らしている澤田瞳子さんのエッセイ集。冬からはじまり、春、夏、秋と季節を一巡する。博識でいらっしゃるので、読んでいて楽しい。特に歴史は専門でいらっしゃり、造詣が深い。
    通し矢、京都の言い回し、京都の通り名、古本市、和服について、祇園祭、皇室御用達の牛乳屋、西陣に空襲があったこと、大文字焼き、重陽の節句、学生バイト、近代西洋建築、大根炊きにかぼちゃ煮。
    楽しく日々の暮らしを重ねる様が素晴らしい。

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    2025年11月25日
  • 漆花ひとつ

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    短編集。平清盛の出世の時期と重なる時代運び。

    1話目 平忠盛の父親が打ったはずの源義親の偽物が2人も現れる
    2話目 典薬寮の女医者が主人公。寵を失った中宮と皇后の話
    3話目 遠藤盛遠(文覚)出家譚
    4話目 平治の乱は誰の画策で起きたのか
    5話目 琵琶桂流の仄聞記

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    2025年11月09日
  • 日輪の賦

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    讃良女帝の一代記。藤原京を築き、律令を仕立て上げ、高市皇子にあとを譲ろうとするも先に亡くなられたために、孫の珂瑠皇子への譲位を成し遂げ、完全なる中央集権国家けの礎を完成させる。

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    2025年11月02日
  • 駆け入りの寺

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    後水尾天皇第八皇女の緋宮光子さまは落飾して元瑤となり、霊元天皇第十皇女である元秀と、林丘寺で暮らしていた。その付人たちの物語。
    林丘寺は現在、修学院離宮の中離宮と呼ばれる場所にあり、現在は離宮として管理されている。事前申込みをしておけば、内部の観覧は許されており、80分ほどで巡ることができる。
    中離宮は特に徳川秀忠第五女が後水尾天皇の中宮として過ごした御殿を移築してあり、天下の三棚といわれる霞の棚まであるほどの豪奢な御殿。そこで繰り広げられるのんびりとした風景がよい。

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    2025年10月13日
  • 火定

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    時は天平。
    藤原四兄弟をはじめ、寧楽の人々を死に至らしめた、天然痘が蔓延。

    感染を食い止めようと、寝食を忘れ、治療に当たる医師たち。

    噂に翻弄され、怪しげなお札を買い求める民。

    混乱に乗じて、偽物のお札を高値で売りつける輩。

    「天平のパンデミック」を舞台に、人間の業を見事に描いた作品。

    見応えのある一冊だった。

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    2025年10月12日
  • 夢も定かに

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    聖武帝の時代。長屋王事件前夜の平城京を舞台に、3人の采女たちを中心に紡ぎ出される日常を描いている。
    解説によれば、それぞれモデルがいるらしい。粟国造若子をモデルとした若子、飯高君笠目をイメージした笠女、そして藤原麻呂の子を産み、安貴王に愛され万葉集にも歌が残る因幡八上采女。

    この小説の舞台の後、安宿媛の産んだ基王子が亡くなり、長屋王が国家転覆を諮ったとして邸宅を囲まれ、妻の吉備内親王とともに自殺。またこの事件を主導した藤原四兄弟は天然痘で次々と世を去る。
    それらの前哨戦としての藤原家と長屋王の諍いや、井上内親王の伊勢下向などが描かれており、緊張感を持って終始読み進めることができた。
    長屋王が

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    2025年10月06日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    太宰府に左遷されてしまった道真は、当初悲嘆にくれてやけっぱちな生活を送っていたものの、輸入されてくる唐物などの目利きを通して、元気に逞しく生き抜いていく。

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    2025年10月04日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    東大寺造仏所の炊屋を中心とした、仏を作る仕丁たちの日常のお話。昼間の生活を描いているので、寝る場所などについては言及がない。出てくるご飯がみんな美味しそう。疲れきった仕丁たちに癒しを与えてくれる。神仏は人を助けはしない。生きている人だけが人を救う。そんな物語。

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    2025年10月01日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    太宰府に下った菅原道真。悲嘆にくれ、都の人々を怨む日常かと思いきや、この作品の道真は手に負えないおじさんでありながらも、逞しくも気儘に暮らしている。大変良い。

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    2025年09月30日
  • 孤城 春たり

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    地元の「山陽新聞」に連載された山田方谷の物語。
    人の生き方の深さを感じさせられた一作だった。

    棺を蓋いて事定まる。
    変わり続ける世であればこそ、人は変わらぬ日々を送らねば。

    いい言葉を知った。

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    2025年07月21日
  • しらゆきの果て

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    時代時代に生きた絵師の短編集。直木賞作品「星落ちて、なお」でも素晴らしかった作品たちの表現に想像力がかき立てられる。「輝ける絵巻」の白河院が作った源氏絵巻、目にしたいものだ。

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    2025年07月12日
  • 夢も定かに

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    "しかしこの華やかな後宮のただ中で、夢も定かに見られぬ身だからこそなお、自分たちは各々の生き方を全うするため、足掻き続けずにはおられぬ。いつか、夢を掴むその時まで。"

    奈良時代。聖武天皇の頃。平城宮に仕える采女たちの物語。
    メインの登場人物は3人。それぞれモデルとなった実在の采女がいる。
    采女、という音の響きでは想像がなかなかつかないが、彼女たちはバリバリの官僚である。
    明日はどうなるかわからない。それは奈良時代の後宮でも変わらない。
    信念を変えず、しかし時に変化させながら生き抜いてやる。自分を守れるのは自分だけなのだからという、女性官僚たちの物語。

    そして、ラストは長

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    2025年07月06日
  • 火定

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    面白かった。
    コロナ終息後に読んだので、余計に今の現代と重なるところを感じた。
    疫病が蔓延して救いを求めるのに、札にすがり、いわれなき原因をつくり責め立てる。

    人はみないずれ死に、土に還る。
    どれだけ悶えてもあと百年もすれば、それを知る人もいなくなる。
    今、この時を必死に生きる。

    やりきれなさから、人を恨んだり間違ったことをしてしまうこともあるが、人の為に尽くせることってすごいなと思った。

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    2025年06月28日