澤田瞳子のレビュー一覧

  • 孤城 春たり

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    ネタバレ

    政は変わっても、変わらないものがある。

    山田方谷を中心に幕末の備中松山藩の人々の姿を描く。激しく変わる世の中に義を求め続けた人たちの物語。

    すべての人が学問を治めて、勤勉に、実直に、義のために生きていければいいがそれは理想にすぎない。どれだけ学んでも、移り変わる世のエネルギーには流される。でも、だからこそ、自分のできることをして、自分の信じるものを大切にして、生きていく。たとえ、間違いを犯しても。

    ほとんどが知らないか、名前しか知らない人だったけど、読み切った今は皆の生き様に深く感じ入っている。思うようにはいかないからこそ、その場のベストを尽くさなくては。それにしても、七五三太が登場する

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    2025年10月08日
  • 恋ふらむ鳥は

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    飛鳥時代を取り上げる小説は、歴史小説群の全体からみれば少数派であろう。また、近畿以外に生まれ暮らす人にとっては、この時代の説明に登場する地名なども馴染みがなく取りつきにくいので、今後、わが国において関東圏で育つ人の割合がますます増えたり、文化芸術の発信の東京偏重が一層露骨になれば、この時代に興味を惹かれる人は、さらに少なくなるであろうことを憂えたい。
    1400年近くも前の時代だから、史実として知られていること、登場する個々人の人となりを知るてがかりは、後代に比べ圧倒的に少ない。かつて、黒岩重吾や井上靖は、豊かな想像力で、史料の少なさを逆に小説としての豊潤さを作りこむための武器として、読者の心に

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    2025年09月21日
  • 恋ふらむ鳥は

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    史実だけを元に描くには遠い昔過ぎ、浪漫に満ち溢れすぎている。
    人が残す生きた証は、遺伝子だけではない。

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    2025年09月16日
  • ふたり女房 京都鷹ヶ峰御薬園日録

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    母親の澤田ふじ子さんの小説に似てきた。公事宿シリーズのような推理や高瀬舟シリーズのような人情噺で京都が舞台。
    この本の主人公は父親が、修行のために娘(真葛)を友人に預けて行方不明になっている。預け先で良くしてもらい、女性としては珍しく医師の修行も行っているし、預け先の家業の御薬園も良く手伝い漢方薬に詳しい。
    6つの章となっているが、医薬の知識で各事件の匂いを嗅ぎ取って未然に防ごうと努力する。ただ結果として悲惨さがちょっとだけ軽減した事件が多い。大量毒殺事件で救えたのは数名。孤児が殺人事件を起こした後にできることは情状酌量での減刑。表題の「ふたり女房」では重婚の元夫婦、現夫婦はあれで皆幸せになれ

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    2025年09月11日
  • 星落ちて、なお

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    画鬼の娘として生まれた河鍋とよの生涯を描いた作品。たくさんの苦悩があったんだなあというのと、それでも気丈に生きた姿に感銘を受けました。

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    2025年08月29日
  • 月ぞ流るる

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    ネタバレ

    昨年、大河ドラマの光る君へを観ていたおかげで、とても楽しく読めた。観ていなかったら絶対に手に取らなかった本。

    たくさんの登場人物がいたが、大河ドラマで出てきた人物ばかりだったため、俳優さんたちのお顔が浮かんできたおかげで無事に読み終えられた。

    頼賢が追った過去の事件の真相が明るみに出るまでは、少し読むのに時間がかかったが、そのころには登場人物に感情移入してその後は一気に読んだ。

    ラストシーン、三条天皇と妍子の月見のシーンで、心にも・・の歌が出てきた時には感動した。そしてその返歌が、タイトルの伏線回収であることも。

    最後、頼賢が椿を集めたところはイマイチなぜだか分からなかった。

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    2025年08月22日
  • 星落ちて、なお

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    巨星 河鍋暁斎の娘として一人の絵師として明治大正の激動の時代を生き抜いた とよ(暁翠)の一代記。

    とよにとって絵を描くということは父や兄とのつながり、そしてそのつながりへの屈託を再認識する作業だった。
    父のようになれるわけもなく、兄のような才もなく、さりとて絵から離れることもできず…

    しかし終盤 以前 暁斎の弟子であった
    清兵衛の「─この世を喜ぶ術をたった一つでも知っていれば、どんな苦しみも哀しみも帳消しにできる。生きるってのはきっと、そんなものなんじゃないでしょうか」「─とよさんもまたその年まで絵を続けているのは、そこに少しなりとも喜びがあったためではないですか。暁斎先生や周三郎さんへの

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    2025年08月15日
  • 孤鷹の天 下〈新装版〉

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    202506/上・下まとめて。これがデビュー作だなんてすごすぎる!とても面白くとても胸が痛む物語。実在人物・創作上人物、とにかくたくさんの登場人物がでてくるけどそれぞれの個性や魅力が伝わるキャラ描写も秀逸。読んでて一部キャラは里中満智子先生の「女帝の手記」(阿倍がヒロインの歴史漫画)で脳内再生された。

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    2025年08月13日
  • 孤鷹の天 上〈新装版〉

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    202506/上・下まとめて。これがデビュー作だなんてすごすぎる!とても面白くとても胸が痛む物語。実在人物・創作上人物、とにかくたくさんの登場人物がでてくるけどそれぞれの個性や魅力が伝わるキャラ描写も秀逸。読んでて一部キャラは里中満智子先生の「女帝の手記」(阿倍がヒロインの歴史漫画)で脳内再生された。

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    2025年08月13日
  • 火定

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    天平時代の奈良を襲う天然痘の猛威を、主に悲田院や施薬院で働く下級武士や庶民を通して描いている。食欲が無くなる程のグロテスクな状態を淡々と乾いた文章で表しているので何とか読み終えた。パンデミックの中で、人間の持つ二面性やエゴ、集団心理など考えさせられた。
    読み終えた後で気がついたが、今作品は2017年上梓されたものらしい。その後の世界を襲ったコロナの極限状況を彷彿させると言うか、そのままを予言しているかの様。そう言う意味でも凄い作品だった。

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    2025年08月12日
  • 赫夜

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    大きな災害の中で、どう生きていくのか、もがいて足掻いて生きていく様が、強く描かれている感じがしました。
    人は、変わらない生活を望みがちですが、それでも日々変わっていっているもので、それに向き合って生きているんだなと、改めて思いました。
    田村麻呂と阿弖流為は、他の本で読んだ時に、とてもカッコ良かったので楽しみにしていました。今回の二人も素敵でした。
    時代の流れの中で、捨てなければならないもの、掴み取るもの、正しいかどうかでもなく、自分が選んだ道を行く思いで、歴史は動いているんだなと思いました。

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    2025年08月10日
  • 月人壮士

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    ネタバレ

    〈螺旋プロジェクト〉の一冊。

    〈螺旋プロジェクト〉とは
    「共通のルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家=朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画である。
    ルール1 「海族」vs.「山族」の対立を描く
    ルール2 共通のキャラクターを登場させる
    ルール3 共通シーンや象徴モチーフを出す
    (中央公論新社HPより)

    これは、読む人を相当選ぶ小説だと思います。
    何しろまだまだ分からないことの多い奈良時代の、聖武天皇の死について、です。
    聖武天皇と言えば、仏教に深く

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    2025年08月07日
  • 京都の歩き方―歴史小説家50の視点―(新潮選書)

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    必ずしも京都に限った話だけではない歴史中心のエッセイ。週刊誌連載時の「歴史のしっぽ 古都の歩き方」の方がふさわしいのではないか。まあ京都関係が多いし「京都」とつけるだけで売れ行きが違うのかもしれないが。
    ところで澤田瞳子さんは「歴史小説家」なのだろうか?確かに大学で歴史を学んでいるし、そこらの時代小説作家とはレベルが違うとは思うが、作品はかなりフィクションが入っていると思う。もちろんちゃんとした歴史的知識がバックにあるので土台はしっかりしている。ただ内容的には時代小説の範疇だと思うのだが。

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    2025年07月24日
  • 孤城 春たり

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     幕末の備中松山藩士・山田方谷は、優れた教育者であり、本書は彼を中心に描かれた小説。方谷を恨む熊田恰、大人としてどのような振る舞いをするべきか示した菓子屋の平次、お家再興の為、勉学の道を諦め婿をとるお繁、政に関心のない塩田虎尾、義父の方谷から家督を譲られた耕造。
     当方歴史小説ビギナーで、幕末の動乱は理解できていない部分も実は少々あるが、方谷の教えは心に響くものがあった。自分の心のままに振る舞うことより自分の心に恥じない行動。山田方谷についてかかれた小説、また読んでみたいな。

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    2025年07月21日
  • 赫夜

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    ネタバレ

    澤田瞳子さんの歴史小説は歴史の流れをなぞるように物語が進んでいく。(まだ2冊目だけど汗)

    延暦19年(西暦800年)富士山噴火。
    焼石・焼灰、全てを灰色に染めてしまう降灰は横走に住む人々を襲う。
    被災した人達を、降灰の被害にあいながらも岡野牧(朝廷に馬を献上するための牧場)の人達は受け入れる。

    被災地に公的支援はなく復興に追われる中、1度ならず2度目の噴火。
    心折れ生きる希望を失いそうになる中での、征夷大将軍坂上田村麻呂の東北征伐のための馬や馬具等の納入要請。
    「富士山、噴火。それでも人は、生き続けねばならぬだ。」の言葉がつらい。

    時代背景や社会制度、当時の言葉も頻繁に出てくるので調べな

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    2025年07月14日
  • しらゆきの果て

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    短編集。
    色んな時代で面白かった!
    ほぼ、時代しか分からないものも、ぐいぐい読んでしまう。
    澤田さんの本の魅力。

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    2025年06月23日
  • 京都の歩き方―歴史小説家50の視点―(新潮選書)

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     今日の京都の天気は、
    くもり 一時 雨
     降水確率は50%
     最高気温は摂氏33度
     最低気温は25度。
     湿度は60%~70%台後半。
    梅雨入り以降、
    夏至を迎えてさらに暑くて
    ジメジメした日が続きます。

    でも、、、、
     京都は良い♡
      良いものは良い♡

    そんな京都の歩き方を
    京都府生まれ、同志社大学大学院出身の
    歴史小説家 澤田瞳子さんが教えてくださいます。

     澤田さんは、「はじめに」で、こう語ります。
    「京都のあり方と歴史を知らずしてこの地を味わうことは、歴史や文化の表層をただ軽く撫でるだけの行為に過ぎない。
    「京都に生まれ育ったわたしから見ても、京都という土地は日々新しい顔を

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    2025年06月22日
  • 星落ちて、なお

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    一般人よりは才能もあり努力もできる人物が、女性であること、そして才能があるからこそ自他の才能の位階もわかること、この2点で暗いものを腹に抱えてそれでも生きる、という話だった。

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    2025年06月20日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    "人はな、畢竟、他者を救うことも助けることもできはせぬ。人を救うのはただ一つ、己自身のみじゃ。"

    "知識や学んだことは、たとえどんな境涯にあったとて、誰にも奪われぬ自分だけのものじゃ。"

    続編の方が好きかもしれない!太宰府に流された菅原道真が、太宰府で起こる事件を人知れず解決するシリーズ第二弾。
    身分を偽り唐物の目利きとして博多に出入りする菅原道真だけでも面白いのだが、ここに帝の調度品を巡るいざこざが関わってくる。
    本当に正しいことはとはなんなのだろうか。人のために何かをするということは、時に誰かを欺くことにもなる。それでも、人を救うとはなんなのか。

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    2025年06月16日
  • 赫夜

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    好きな内容だった。
    災害によって起こったことばかりに目が行きがちであるが、その災害の影響で住みにくくなったり、苦労が増える。また、人の思いや考えも変わることを改めて感じた。

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    2025年06月15日