澤田瞳子のレビュー一覧

  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    澤田さんの作品は、やっぱり面白い。この作品も、以前本屋の店頭で見たことはあったけど、何か堅そうでスルーしていたんだけど、読んでみたら、全然そんなことはなくて、続編が読みたい!

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    2022年12月05日
  • 火定

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    一気に読み終わりました。
    いやぁ、もう、言葉を失ってしまうほど激動の物語。
    人のなんと脆く強く温かいのでしょうか。
    コロナ渦の今だから、なお響いたのかもしれません。
    人の弱さ強さも生死も、全てが紙一重。
    この積み重ね、犠牲や痛みの上に今の我々があると痛感し感謝の念。
    医療従事する全ての方へ感謝。

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    2022年12月04日
  • 時代小説アンソロジー てしごと

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    ネタバレ

     このアンソロジーに出てくる女性は皆、己の仕事に誇りをもつ人ばかり。

     女のくせに、女だからという心無い言葉に打ち据えられても、負けずに自分の生きる道を開いていく姿が魅力的です。

     とくにあさのあつこさんの『おもみいたします』が好きですね。私もそろそろ整体か、リンパマッサージに行きたい。
    身体ボロボロです(´;ω;`)ウゥゥ

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    2022年11月19日
  • 火定

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    コロナで闘う現代、もっともっと前の流行病のあった時代のお話。
    目に見えない敵を相手に人は優しくも愚かで弱い。

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    2022年10月12日
  • 恋ふらむ鳥は

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    政と戦。歴史的中心人物:天智天皇や天武天皇の側であまり語られることない活躍した人達の苦悩や葛藤、命懸けの活躍を、額田王が自身の行動力で鍛えられていく洞察力で語られるストーリー。壬申の乱闘う人達の必死さ恐れ怯えや絶望などなど表や裏や内心いろんなことが見事に想像でき、引き込まれました。
    貴族の歌人とは優雅に過ごしていたんだろうという印象をガラッとかわった。軍勢の士気を高め一団にするためにとか、後世にあせることなく変わる事なく伝わるからこそ歌、意味を深く理解することは真実により近いのかもしれない。万葉集にも興味がわく。澤田瞳子さんの作品に登場する必死に働く女性にはいつも惚れてしまってます。 

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    2022年10月13日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    登場人物の名前など、描かれている時代柄、読みにくさはあったが、とても引き込まれる内容だった。「大仏も誰かが作ったものなのだ」という、あたり前の事実と、無理やり動員されてきて大仏造立に携わるうちに、次第に心が変化していく人たちの姿と、働き、食べ、いずれ老いていく「生きる」ということと。余韻の残る作品だった。

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    2022年09月22日
  • 落花

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    “時代モノ”ということになる本作である。平安時代、10世紀頃を背景とした物語で、なかなかに興味深い。
    本作の主要視点人物のモデルとなっているのは寛朝(“かんちょう”または“かんじょう”)(916-998)という僧である。この人物に関しては、平将門(903-940)が引き起こしたという騒乱を鎮めるべく、京から上総国へ海路で不動明王像を運び込み、祈祷を行った人物とも伝わる。序に、祈祷を終えた寛朝が帰京しようとした際、不動明王像が動かなかったことからそのまま寺を開くということにしたのだという。それが、かの成田山新勝寺の起こりとされている。
    その成田山新勝寺の起りに関する謂れに着想を得た可能性も在るような気がするが、本作の寛朝は東国へ下り、平将門の一件で情勢が揺らぐ中で活動をするということになる。
    本作の物語は、寛朝が旅に出て関東に至ったというような辺りから起こる。
    本作の寛朝は仁和寺の僧で、梵唄(ぼんばい)と呼ばれた仏教声楽を得意とし、その研究をしている。
    因みに仁和寺は真言宗の流れを汲む寺として現在も活動中で大変に知られた場所である。この仁和寺の宗派である真言宗等で伝えている「声明」というモノが在る。この「声明」は録音を収めたCDも散見し、CDを入手して音を聴くことも出来るのだが、本作の作中に登場する梵唄(ぼんばい)をイメージ出来る。各種の経典等に節を付けて歌うように朗唱するのである。CDで録音を聴いたことが在るが、なかなかに独特で一寸面白い。
    本作の寛朝は、梵唄(ぼんばい)を含めて、漢詩に節を付けて詠む朗詠や、催馬楽のような俗謡等「歌うこと」全般を得意とし、研究しており、加えて各種楽器の演奏や取扱の知識も有するという人物だ。
    寛朝は仁和寺に縁が深い宇多法皇が祖父である。父の敦実親王は如何いう訳か寛朝に冷淡という一面も在り、そんな中で寛朝は梵唄等に打ち込むようになる。
    そんな中、出家して日が浅かった頃に聴いた素晴らしい歌声を持つ楽人が常陸国に在るという話しを聞き付け、その楽人に教えを乞うべく会いに行くことを思い立った。
    そして寛朝は父の下人でもあった千歳等を伴って、目指す常陸国の手前である武蔵国に辿り着くのだが、そこで平将門に出くわすのだった。
    物語は寛朝や千歳を主要視点人物として展開して行く。都の価値観と、それと隔たった東国の価値観、各々の価値観の中での人生を思うというような側面、追い求める芸術を巡る思索が展開する。更に平将門の事件を巡る動き、色々な人達の欲望のようなことに絡め捕られる真っ正直な平将門と、その様を見詰める寛朝という様子、そして一連の様々な出来事の“決着”というような感じだ。
    10世紀という一寸遠い過去の世界の、何やらファンタジーめいた雰囲気も在る物語であると思ったのだが、他方で「異なる価値観の狭間で?」というようなことや「路を追い求めること?」というような「時代を問わずに人が出くわすかもしれない主題」を強く問いかけているような感もした。
    平将門を取上げるというような小説等は過去に在ったかもしれないが、本作は類例が思い当たらない新鮮な感じだ。結局、「如何いう訳かやって来た、高貴な身分とされる文化人」ということになる寛朝が“語り部”であるというのが「誰も思い付かないような斬新さ」ということになっているのかもしれない。が、それが奇異でも何でもない。余韻が深い物語になっている。広く御薦めしたい作品だ。

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    2022年09月03日
  • 若冲

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    近代や現代の絵画なら当たり前なのだけれど「自分の内面に向き合い、描く」という行動はこの時代に真に評価されたのだろうか。そう、著書のスタートは若冲の絵に対する疑問からきていると感じる。実は私自身もそうだったので。美しく惹かれ魅力的でありながら、何かどこかに恐ろしさや禍々しさを感じてしまう尋常でない何か。
    その謎と向き合い、若冲絵画の謎に迫れた素晴らしい作品だと感じた。
    特に終章の最後の数ページは圧巻。
    もう一度若冲を見に行かなくては。

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    2022年08月10日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    コロナ禍になってから、東大寺の大仏殿には定点カメラがおかれ24時間毎日配信されている。軽い気持ちで見始めた配信だが、朝に夕に、法要や鐘の音に祈るにつれて当時この大仏を作った人々に想いを馳せるようになった。そんな人達の苦労と、辛い日々の中での小さな幸せである三食の飯をテーマとした本。故郷から連れてこられ、暑さ寒さで辛い中に、事故と隣り合わせの肉体労働。その中で美味しいご飯を食べさせてくれることがどんなに助けになっただろう。彼らのおかげで今疫病に苦しむ私達が大仏様に救われている。

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    2022年05月03日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    読み終えて、太宰府での菅原道真その地で親しまれていた姿の想像を膨らます。やはり拝みに行くのは太宰府天満宮だな。「人は置かれた場所で生きねばならない。哀しみに沈み、悲嘆にくれるのもそれはそれで一つの生き方。さりながらただ我が身を嘆き、他人を恨んでも、そこからもたらされるものは何もなかろう」p198
    小野しずこ(小野小町)に惚れた!

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    2022年03月09日
  • 若冲

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    「若冲」 澤田瞳子 

    1.購読動機
    原田マハさんが好きです。
    理由は、馴染みがない絵画を、画家の人生を描写することで、身近なものにしてくれる作家さんだからです。
    同じ気持ちで、若冲を知りたいと思いました。

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    2.若冲。物語から。
    出自は、京都、大きな魚卸し問屋の長男です。
    元々から、商売よりも、絵を描くことに関心が高い人でした。

    絵を描く動機は、物語のなかで大きく三つに分かれます。
    ①奥さんが自殺する。
    ②贋作が出回る。
    ③義弟の子供を預かる。

    若冲は、①②③で描く動機が変わります。
    それは、同時に、絵の描写、色合い、筆致にも変化が現れます。

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    3.若冲の人生を省みて
    物語を通じて、描かれるのは、若冲が絵画に集中できた人生であったことです。

    描きたくても、描けない人も多くいたでしょう。
    なぜならば、画材は値段が張りますから、相応の生活基盤がなければ、継続することはできません。

    そうした意味で、多くの人の支えと理解があって、若冲の世界が生まれ、現代にまで残ったと考えると、こみあげるものがあります。

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    江戸時代にタイムスリップして、若冲とその周りの人々の息遣いに出会える、素敵な作品でした。

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    2022年03月06日
  • 龍華記

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    平安末期の南都焼き討ちを招いてしまった悪僧(わけあり)が主人公。その後、罪に戸惑い償いと真の救済を模索。
    壮絶で残酷のなか必死に生きる人々。その後を知りたくて夢中に読み進めてしまいます。
    NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(令和4年1月〜)と同じ頃の時代背景。

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    2022年02月05日
  • 火定

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    本の雑誌ベスト・歴史小説部門から。現パンデミックを見越したかのような内容。それもあって、元の物語の求心力が、自分の中で倍加されたみたいな感じ。たまたまだけどここ最近、奈良時代モノに触れる機会が多い、ってのもポイント。殆どキャラ付けもされないし、いわゆるちょい役なんだけど、子どもたちに与えられた運命が切なすぎる…。でも、タイトルだけ見ると、疫災じゃなくて火災の物語かと思っちゃう。読んだことないけど、”ペスト”もこんな感じの物語なのかな、とか想像しちゃった。

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    2022年02月02日
  • 夢も定かに

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    奈良の女官のお仕事小説でした。澤田瞳子さんの専門知識で練り上げられたシチュエーションがリアリティある。女性たち、可愛い。

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    2022年01月06日
  • 火定

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    今のコロナ禍を予知していたかのような小説。人は自分が理解できないものを恐れ、見えない敵を作り暴走する。作中の人名や役職など、最初は読み方が難しく戸惑うが、慣れてくると先が気になり、あっという間に読み進められた。病状や死骸の描写はかなりエグい表現だが、解説を読んで少し理解できたように思う。別の作品も読んでみたい。

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    2021年12月13日
  • 秋萩の散る

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    奈良時代の話。
    弱くも強くもある人の葛藤や心底が伺える。
    澤田瞳子さんは素晴らしい!
    この本を読んでからの「弧鷹の天」お薦めです!

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    2021年11月27日
  • 火定

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    奈良の平城京で起こったパンデミックの物語。
    新羅から帰ってきた使節の一人が発熱した。その後、亰では次々と病に倒れる者が続出する。発熱し、数日経つと一時的に熱が下がる。治ったかと思いきや、全身に豆粒のような発疹に覆われるのだった。
    本作は蜂田名代(はちだのなしろ)と猪名部諸男(いなべのもろお)という二人の人物の視点で物語が進んでゆく。

    名代は役人になれたものの施薬院勤務を命じられて不満を抱えている。諸男は宮廷で薬の調合の仕事をしていたが無実の罪を被せられ、この世の全てを恨んでいる。
    屈託を抱えた二人の前に、裳瘡(天然痘)という恐ろしい病が現れた。
    施薬院にいる名代は、裳瘡で苦しむ民を少しでも救おうと奮闘する人たちと、内心反発を抱きながらも共に戦う。諸男は、獄中で知り合った者達と怪しげなまじない札を売り始める。

    1980年にやっと根絶宣言がされた天然痘。その猛威は身体だけでなく心までも蝕む。熱や発疹に苦しみながら死んでゆく人、まれに助かったとしても、発疹の痕が残り絶望する人。病の恐ろしさに詐欺まがいのものを信じる人、デマに踊らされ暴徒化する人。そんな人間の醜さを、名代と諸男二人の視点から残酷なほどに描かれている。

    本作ではとにかく人が死に、遺体が腐る。その描写も容赦なくされている。グロと言ってしまえばそれまでだが、少し前まで元気に過ごしていた人たちが、病であっという間に命を奪われ、腐った骸となって蝿がたかる様は人の命はなんと儚いものなのかと泣けた。

    これは千年以上前の天平時代の物語である。現代は医療技術やその他いろいろな技術発展により、当時より生活はかなり良くなったけど、人間の根源は基本的にあまり変わっていないと思う。
    感染症に脅かされている今だからこそ読んでおきたい一冊。

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    2021年10月14日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    食事とは生命維持だけでなく、人と人をつなぎ、仲間、仕事、社会を作り上げるもの。
    そして、仏とはあってなく、なくてある その意味が理解できた。
    物語の入りは、取っつきにくく読みきれるのか心配だったけど、15ページも進めば物語の世界にどっぷり入れる。

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    2021年09月25日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    なんだろう?
    この出演者が映像で浮かび動き出す感じの読書感覚。
    会話挿入のタイミングが優れている小説なんだろうな。

    菅原道真と小野小町。

    二人を軸に、色んな物語が描かれていて、なんとも微笑ましく、なんとも楽しげで、妙に人間ポイ。
    この人間ポイ、という点がスイスイと読み進ませてくれる。

    軽い気持ちで読み始めたのに、気が付くと、神様の菅原道真の目線なんて何処にもなく、「頑張れ、道真くん」、と応援したくなってくる。

    キャラ立ちしてシリーズ化すら可能な雰囲気たっぷりでした。

    一言でいうと、道真くんが好きになった。
    そして、良い味付けの小町さんもイイ。笑

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    2021年09月01日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    うおー!「この設定、誰が喜ぶ?」=「この設定、誰しもが喜ぶ、楽しい!」にする力のある作家さんだ!出会えて良かった!!

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    2021年08月25日