澤田瞳子のレビュー一覧

  • 泣くな道真 大宰府の詩

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     太宰府へと貶遷された菅原道真の活躍を描く痛快歴史ロマン。シリーズ1作目。4章および終章からなる。再読。

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     澤田瞳子さんには珍しくコミカルで軽めの作品ですが、その分すべての主要人物が生き生きと描かれていました。

     まずは「うたたね殿」・龍野保積。出世の先が見えた中年地方官僚です。
     このトボけた味の狂言回しが道真の心情を刺激し、生きる意欲を引き出していきます。彼のみが実在の人物ではなさそうですが、あとのキャスティングが見事でした。
     
     主人公の菅原道真からして、真面目で堅い学者肌とは打って変わり喜怒哀楽の激しいガンコじじいに、小野恬子はこれがあの小町か

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    2023年01月08日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    澤田さんの作品は、やっぱり面白い。この作品も、以前本屋の店頭で見たことはあったけど、何か堅そうでスルーしていたんだけど、読んでみたら、全然そんなことはなくて、続編が読みたい!

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    2022年12月05日
  • 火定

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    一気に読み終わりました。
    いやぁ、もう、言葉を失ってしまうほど激動の物語。
    人のなんと脆く強く温かいのでしょうか。
    コロナ渦の今だから、なお響いたのかもしれません。
    人の弱さ強さも生死も、全てが紙一重。
    この積み重ね、犠牲や痛みの上に今の我々があると痛感し感謝の念。
    医療従事する全ての方へ感謝。

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    2022年12月04日
  • 時代小説アンソロジー てしごと

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    ネタバレ

     このアンソロジーに出てくる女性は皆、己の仕事に誇りをもつ人ばかり。

     女のくせに、女だからという心無い言葉に打ち据えられても、負けずに自分の生きる道を開いていく姿が魅力的です。

     とくにあさのあつこさんの『おもみいたします』が好きですね。私もそろそろ整体か、リンパマッサージに行きたい。
    身体ボロボロです(´;ω;`)ウゥゥ

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    2022年11月19日
  • 火定

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    コロナで闘う現代、もっともっと前の流行病のあった時代のお話。
    目に見えない敵を相手に人は優しくも愚かで弱い。

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    2022年10月12日
  • 恋ふらむ鳥は

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    政と戦。歴史的中心人物:天智天皇や天武天皇の側であまり語られることない活躍した人達の苦悩や葛藤、命懸けの活躍を、額田王が自身の行動力で鍛えられていく洞察力で語られるストーリー。壬申の乱闘う人達の必死さ恐れ怯えや絶望などなど表や裏や内心いろんなことが見事に想像でき、引き込まれました。
    貴族の歌人とは優雅に過ごしていたんだろうという印象をガラッとかわった。軍勢の士気を高め一団にするためにとか、後世にあせることなく変わる事なく伝わるからこそ歌、意味を深く理解することは真実により近いのかもしれない。万葉集にも興味がわく。澤田瞳子さんの作品に登場する必死に働く女性にはいつも惚れてしまってます。 

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    2022年10月13日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    登場人物の名前など、描かれている時代柄、読みにくさはあったが、とても引き込まれる内容だった。「大仏も誰かが作ったものなのだ」という、あたり前の事実と、無理やり動員されてきて大仏造立に携わるうちに、次第に心が変化していく人たちの姿と、働き、食べ、いずれ老いていく「生きる」ということと。余韻の残る作品だった。

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    2022年09月22日
  • 落花

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    “時代モノ”ということになる本作である。平安時代、10世紀頃を背景とした物語で、なかなかに興味深い。
    本作の主要視点人物のモデルとなっているのは寛朝(“かんちょう”または“かんじょう”)(916-998)という僧である。この人物に関しては、平将門(903-940)が引き起こしたという騒乱を鎮めるべく、京から上総国へ海路で不動明王像を運び込み、祈祷を行った人物とも伝わる。序に、祈祷を終えた寛朝が帰京しようとした際、不動明王像が動かなかったことからそのまま寺を開くということにしたのだという。それが、かの成田山新勝寺の起こりとされている。
    その成田山新勝寺の起りに関する謂れに着想を得た可能性も在るよ

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    2022年09月03日
  • 若冲

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    近代や現代の絵画なら当たり前なのだけれど「自分の内面に向き合い、描く」という行動はこの時代に真に評価されたのだろうか。そう、著書のスタートは若冲の絵に対する疑問からきていると感じる。実は私自身もそうだったので。美しく惹かれ魅力的でありながら、何かどこかに恐ろしさや禍々しさを感じてしまう尋常でない何か。
    その謎と向き合い、若冲絵画の謎に迫れた素晴らしい作品だと感じた。
    特に終章の最後の数ページは圧巻。
    もう一度若冲を見に行かなくては。

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    2022年08月10日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    コロナ禍になってから、東大寺の大仏殿には定点カメラがおかれ24時間毎日配信されている。軽い気持ちで見始めた配信だが、朝に夕に、法要や鐘の音に祈るにつれて当時この大仏を作った人々に想いを馳せるようになった。そんな人達の苦労と、辛い日々の中での小さな幸せである三食の飯をテーマとした本。故郷から連れてこられ、暑さ寒さで辛い中に、事故と隣り合わせの肉体労働。その中で美味しいご飯を食べさせてくれることがどんなに助けになっただろう。彼らのおかげで今疫病に苦しむ私達が大仏様に救われている。

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    2022年05月03日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    読み終えて、太宰府での菅原道真その地で親しまれていた姿の想像を膨らます。やはり拝みに行くのは太宰府天満宮だな。「人は置かれた場所で生きねばならない。哀しみに沈み、悲嘆にくれるのもそれはそれで一つの生き方。さりながらただ我が身を嘆き、他人を恨んでも、そこからもたらされるものは何もなかろう」p198
    小野しずこ(小野小町)に惚れた!

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    2022年03月09日
  • 若冲

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    「若冲」 澤田瞳子 

    1.購読動機
    原田マハさんが好きです。
    理由は、馴染みがない絵画を、画家の人生を描写することで、身近なものにしてくれる作家さんだからです。
    同じ気持ちで、若冲を知りたいと思いました。

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    2.若冲。物語から。
    出自は、京都、大きな魚卸し問屋の長男です。
    元々から、商売よりも、絵を描くことに関心が高い人でした。

    絵を描く動機は、物語のなかで大きく三つに分かれます。
    ①奥さんが自殺する。
    ②贋作が出回る。
    ③義弟の子供を預かる。

    若冲は、①②③で描く動機が変わります。
    それは、同時に、絵の描写、色合い、筆致にも変化が現れます。

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    2022年03月06日
  • 龍華記

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    平安末期の南都焼き討ちを招いてしまった悪僧(わけあり)が主人公。その後、罪に戸惑い償いと真の救済を模索。
    壮絶で残酷のなか必死に生きる人々。その後を知りたくて夢中に読み進めてしまいます。
    NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(令和4年1月〜)と同じ頃の時代背景。

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    2022年02月05日
  • 火定

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    本の雑誌ベスト・歴史小説部門から。現パンデミックを見越したかのような内容。それもあって、元の物語の求心力が、自分の中で倍加されたみたいな感じ。たまたまだけどここ最近、奈良時代モノに触れる機会が多い、ってのもポイント。殆どキャラ付けもされないし、いわゆるちょい役なんだけど、子どもたちに与えられた運命が切なすぎる…。でも、タイトルだけ見ると、疫災じゃなくて火災の物語かと思っちゃう。読んだことないけど、”ペスト”もこんな感じの物語なのかな、とか想像しちゃった。

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    2022年02月02日
  • 夢も定かに

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    奈良の女官のお仕事小説でした。澤田瞳子さんの専門知識で練り上げられたシチュエーションがリアリティある。女性たち、可愛い。

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    2022年01月06日
  • 火定

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    今のコロナ禍を予知していたかのような小説。人は自分が理解できないものを恐れ、見えない敵を作り暴走する。作中の人名や役職など、最初は読み方が難しく戸惑うが、慣れてくると先が気になり、あっという間に読み進められた。病状や死骸の描写はかなりエグい表現だが、解説を読んで少し理解できたように思う。別の作品も読んでみたい。

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    2021年12月13日
  • 秋萩の散る

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    奈良時代の話。
    弱くも強くもある人の葛藤や心底が伺える。
    澤田瞳子さんは素晴らしい!
    この本を読んでからの「弧鷹の天」お薦めです!

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    2021年11月27日
  • 火定

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    奈良の平城京で起こったパンデミックの物語。
    新羅から帰ってきた使節の一人が発熱した。その後、亰では次々と病に倒れる者が続出する。発熱し、数日経つと一時的に熱が下がる。治ったかと思いきや、全身に豆粒のような発疹に覆われるのだった。
    本作は蜂田名代(はちだのなしろ)と猪名部諸男(いなべのもろお)という二人の人物の視点で物語が進んでゆく。

    名代は役人になれたものの施薬院勤務を命じられて不満を抱えている。諸男は宮廷で薬の調合の仕事をしていたが無実の罪を被せられ、この世の全てを恨んでいる。
    屈託を抱えた二人の前に、裳瘡(天然痘)という恐ろしい病が現れた。
    施薬院にいる名代は、裳瘡で苦しむ民を少しでも救

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    2021年10月14日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    食事とは生命維持だけでなく、人と人をつなぎ、仲間、仕事、社会を作り上げるもの。
    そして、仏とはあってなく、なくてある その意味が理解できた。
    物語の入りは、取っつきにくく読みきれるのか心配だったけど、15ページも進めば物語の世界にどっぷり入れる。

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    2021年09月25日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    なんだろう?
    この出演者が映像で浮かび動き出す感じの読書感覚。
    会話挿入のタイミングが優れている小説なんだろうな。

    菅原道真と小野小町。

    二人を軸に、色んな物語が描かれていて、なんとも微笑ましく、なんとも楽しげで、妙に人間ポイ。
    この人間ポイ、という点がスイスイと読み進ませてくれる。

    軽い気持ちで読み始めたのに、気が付くと、神様の菅原道真の目線なんて何処にもなく、「頑張れ、道真くん」、と応援したくなってくる。

    キャラ立ちしてシリーズ化すら可能な雰囲気たっぷりでした。

    一言でいうと、道真くんが好きになった。
    そして、良い味付けの小町さんもイイ。笑

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    2021年09月01日