澤田瞳子のレビュー一覧

  • のち更に咲く

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    流行りに(自分が)乗っかったというところもあるが、あまり読まないタイプの本ではったが、それなりに楽しめた。大きな秘密を抱えた兄妹はこの後も淡々と生きていくのであろうか。

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    2024年08月03日
  • 若冲

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    面白かった
    あとがきで、若冲に妻がいたことは史実ではなく澤田さんの脚色であることを知った
    小説家、おそるべし!

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    2024年07月30日
  • のち更に咲く

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    いやあ、読ませる読ませる。ページを捲る手が止まらない、夜更かししてまで読んだ本に久しぶりに出合えた。
    食わず嫌いでなんとなく手に取ってこなかった古代歴史もの。光る君へにハマったので、面白そうだなと思って読んでみたら面白いのなんの!

    ミステリ要素あり、アクション要素ありでハラハラドキドキしながら読み進めた。

    罪人の家族を持つ主人公とその兄の複雑な思いがよく描かれている。

    藤原の一族の関係がすっと頭に入ってこれたのは、ドラマのおかげかな。

    この著者の他の作品も読んでみたい。

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    2024年07月30日
  • 星落ちて、なお

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    ネタバレ

    タイトルが素敵。
    星=父が亡くなってもなお亡霊の様に父に取り憑かれている主人公の葛藤。
    血の繋がった家族じゃなくても目の前に物凄い才能を持った人がいたら、それは劣等感を抱いてしまうけど、それが血の繋がった家族であれば余計に逃れられないし、苦しいだろう。
    でも絵を描くことへの喜びに気づいて、自分の使命を自覚して進んでいく。そして星が落ちてもなおその星の輝きを後世に伝えようと決意する。
    主人公の正直で真面目で責任感の強い性格も読んでいて心地良かったし、素敵な物語であった。

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    2024年07月28日
  • 月ぞ流るる

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    ネタバレ

    赤染衛門が見つめた宮中の姿。

    夫を亡くした朝児は慶円に頼まれて頼賢の学問を見ることとなった。頼賢は不義の子であり、引き取って育ててくれていた原子の仇を娍子とみなして真実を明らかにする時を待っていた。再び女房として姸子のところに上がった朝児も犯人探しのために情報を集めることに協力する。火事が頻発する内裏、病に苦しむ帝に攘夷を迫る道長、疎まれる姸子、道長に近付き帝の側で真実を探そうとする頼賢……赤染衛門こと朝児はそのすべてをつぶさに見ていた。

    最後に三条帝が詠んだ百人一首の歌で涙がこぼれた。悲劇の帝、それでも帝を慕う人はいる。しかし世の流れには逆らえず。絶望を詠んだ帝に必死で寄り添う姸子。雲と

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    2024年07月21日
  • 月ぞ流るる

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    物語のほぼラスト、三条帝と妍子のやり取り(悲しいけど、一種の雪解けと捉えました)では、思わず涙が出そうになりました。
    憎い藤原道長の娘である故に、愛せない、愛せないが、憎み切ることもできないという帝の苦悩を痛切に感じました。

    三条天皇の百人一首の歌と物語が見事に絡まっており、筆者の想像力に脱帽です。

    日本史の中で、戦国時代や幕末に比べると、小説として取り上げられることが少ないと思われる平安時代ですが、なかなかドラマティックで、興味深い人物や出来事が多い時代だと思いました。

    著者の他の作品も読んでみたいです。

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    2024年07月11日
  • 星落ちて、なお

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    「星おちて、なお」澤田瞳子
    一冊にぎゅっと、女絵師の人生、日本絵画の歴史、明治から大正にかけての日本の歴史がつまっている。

    明治22年から大正13年にかけ、河鍋暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)の半生が描かれる。

    不世出の絵師といわれた河鍋暁斎。
    どんなものでも、想像力と画力で自由自在に描きあげ、見る人を喜ばし驚愕させた天才。

    おとよは、父である前に師匠であった暁斎を超えられない無力さを感じ、絵師であるゆえの苦難に直面するたびに、絵師の家に生まれた自分の人生を「獄だ。」と恨む。

    終始、静かだけれど力強い文章で、絵師として生きる苦労、作品を生み出す苦悩、時流に取り残され流派最後の1人として悩みもが

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    2024年06月17日
  • 月ぞ流るる

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    赤染衛門と叡山の僧頼賢を中心に宮城の悲喜を描いた物語です。栄華を誇り貪欲に求める藤原道長と対立する帝、その諍いの影で悲しむ人々の話に心を打たれました。最後に病に侵される帝と道長の娘として疎まれ続けた妃が睦み合う姿は涙無くして読むことはできませんでした。感動の作品です。

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    2024年06月02日
  • のち更に咲く

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    歴史物は読み終えたことがなかった。何度かチャレンジしたが、結構早くに挫折してきた。
    大河は見てないが、併せて見たかったなとおもう。
    当時って、身分の縛りが意外と緩かったのかしら…最後に倫子の部屋に乗り込み、プライベートなことを暴く際どい質問をしてしまえる兄妹にとても驚いた。

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    2024年05月30日
  • のち更に咲く

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    いいタイミングで読めた!
    そして私の推量はことごとく外れていった。それでも面白い、平安貴族のロマンの香りプンプンするミステリー作品。

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    2024年05月26日
  • 月ぞ流るる

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    藤原道長と三条天皇が勢力争いをしている様子を、その周りにいる三条天皇の妻で道長の娘である姸子(けんし)やその女房、とくに学者家系に生まれた朝児(あさこ)とそのもとへ学習のためやってきた頼賢(らいけん)などの目から真実がどこにあるのかをあぶりだすような内容。頼賢の育ての親、原子(げんし)が謎の死をとげた真実はなにか、というところが説かれていくのが話の中核となっていくのだが、とくにそれにこだわらず、栄華を求めて生きることへの冷静な観察眼の方が主テーマのような話だった。つ・ま・り、全体を通して展開が平板で、一見してわからない445ページ(紙が薄いのか?)を読み切るのはなかなかに骨が折れました。でも、

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    2024年05月24日
  • 月ぞ流るる

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    重厚な世界観と、息づかいまで聞こえてきそうな丁寧な登場人物の描写が、平安の宮中の独特の雰囲気と、その中で起こる様々な出来事を彩っていて面白かった。

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    2024年05月19日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

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    京都ではお菓子の製造・販売業は、「お餅屋」「お饅屋」「お菓子屋」の三つ。関東でいうところの「団子屋」、フーテンの寅さんのおじさんの家・くるまやさんのようなお店は、こちらでは「お餅屋」に当たる。正しい京菓子屋さんは虎屋、川端道喜。一方各社寺の門前で参拝客相手に菓子を売る店 「お餅屋」「お饅屋」の走りとなる店 上御霊神社の唐板、上賀茂神社の焼餅に下鴨神社のみたらし団子、北野天満宮の長五郎餅と粟餅、伏見稲荷の味噌煎餅、黒谷金戒光明寺門前の八つ橋。
    街道筋の餅屋は双葉、中村軒など京都の周辺部の見られる。
    メモ 宮内庁御用邸の京都産牛乳 松原牛乳
    「比良八荒」3月28日 京都は寒い
    毎年3月26日、比良

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    2024年05月17日
  • のち更に咲く

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    今昔物語の盗賊袴垂に題を取った?平安絵巻。

    主人公小紅は藤原道長邸である土御門第に暮らす下臈で、物語の大半は土御門第を舞台に進む。

    道長四天王である藤原保昌を兄に持ち、袴垂であるとも言われた末兄保輔の死の謎に迫る。

    藤原摂関家を嫌う和泉式部など実在の人物と架空の人物を組み合わせ、黒幕が今ひとつだったり、強引な設定があったりもするが、史実の穴もうまく使いながらストーリーを編んでいる。

    道長の娘で一条天皇の中宮となった彰子の出産も絡め、宮廷内の日常や勢力争いなど、当時の様子が生きいきと描かれているのは古典に造詣の深い作者ならではか。

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    2024年05月14日
  • のち更に咲く

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    謎だらけの話でした。
    名前などの漢字の読み方が難しくなかなか入り込めませんでしたが読み進めるうちに目が離せなくなりました。抗っても逆らえない出来事が沢山ある中での真実の解明に、拍手を送りたいです。

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    2024年05月10日
  • のち更に咲く

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    平安、藤原道長の時代のミステリー。史実を交えながらの展開に、その手があったかと脱帽。紫式部は数行しか出て来ないのに大河ドラマにあやかってるのかな?全く違う作品です、期待以上です。声を大にして言いたい。

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    2024年05月08日
  • 月人壮士

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    時は天皇が在命中にもかかわらずコロコロ入れ替わり、女帝も普通に存在し、まさかの再任すらあったという奈良時代。皇族を山族、藤原氏を海族になぞらえ決して交わってはいけない二族の混血として皇位に就いてしまった聖武天皇の苦悩を、周囲の人への聞き取りという形で綴ったという凝った作品です。
    史実と言われている事柄すら信じられないこの時代のことを、ここまでの精度で創作した手腕がすごい。
    本作ではまだ下っ端扱いの弓削道鏡が、どちらの血も引かない天皇を目指してあの事件を起こしたのかも、という想像を掻き立てられます。

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    2024年05月07日
  • 火定

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    奈良時代の疫病大流行。単なる知識だけだったが、この物語のお陰でそこに生きる人々を想像することができた。
    現代よりもずっと未知のことが多い時代。疫病は計り知れないほどの恐怖だっただろう。何かにすがりたいのも当然。でも、そんな人間の姿は疫病と同じくらい怖い。

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    2024年05月03日
  • 名残の花(新潮文庫)

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    28年振りに維新後の東京変な戻って来た悪役界の超大物 鳥居耀蔵を通して、江戸時代の文化が失われていく町の様子を描いた作品。
    妖怪とまで言われながら徳川の世を守りたかった鳥居からすれば西洋風にかぶれた風潮が許せなく、また自分が弾圧してきた能や大衆娯楽がかたや凋落、かたや逞しく生き残っている様を見て複雑な心情のなかでの行動など、非常に上手く描かれている。
    この話は現代にも通じるところが多く、グローバルスタンダードとタイパ、コスパの波に負けず日本の伝統を残していきたいと思いました。

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    2024年05月03日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    朝廷での政争に敗れ、太宰府に流された菅原道真を描く、第2弾。
    第1弾からだいぶ間が空いているので、この本を読むに当たって前作を再読しました。
    そうしたら、最初に読んだ時よりもずっと面白かった。ありがとう、第2弾!

    この第2弾では、大宰大弐・小野葛絃(おのの くずお)の甥であり、その仕事の補佐に当たる大宰少弐・小野葛根(おのの くずね)の目を通して描かれる。
    葛根は早くに親を亡くし、自分と妹を親代わりになって育て、後見にもなってくれた葛絃を父とも慕い、心から敬愛している。
    葛絃が仕事をしやすいように気を配り、葛絃の立場を守るのが自分の使命と思っているが、顔も四角四面なら頭の中も四角四面、真面目

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    2024年04月19日