澤田瞳子のレビュー一覧

  • 火定

    Posted by ブクログ

    友人に「絶対に好きだと思う」とオススメされた本。

    めちゃくちゃおもしろかった!
     
    天平の時代
    栄華を極めた藤原四兄弟をもおののかせ、
    都の京都をはじめ、日本国中を揺るがせた天然痘
    その病と闘った医師、
    疫病の恐ろしさから混乱する人々
    さらにその恐怖に乗じて国内を騒がそうとする人々

    死に至る病に対面した時、不条理な死に取りつかれた時、愛する人を成すすべもなく奪われた時、人はその死に何を思うのか?そして病気から救えなかった人々への医師たちの葛藤と思い…

    コロナ禍で混乱する現代にも通じる作品
    今だからこそ読みたい作品!!

    天然痘を恐れ隠遁生活を送る比羅夫の
    「お気を付けくだされよ。疫病の流

    0
    2020年05月13日
  • 秋萩の散る

    Posted by ブクログ

    初めての澤田作品。これが澤田瞳子かという衝撃。一気にファンになってしまった。当時の地名や呼び名を使いながらも、会話や地の文の説明は分かりやすく、何より当時の風景を想起させる巧みな情景描写が物語を唯一無二のものにしている。

    本作は聖武・孝謙天皇の時代を描いた5編の短編集。特に2作目の「南海の桃李」がお気に入り。吉備真備と高橋牛養の友情、そして当然だけどあまり意識していない未だ日本の領土でなかった島々をどう統治していったのかの端緒とその難しさが出ている。

    0
    2019年12月04日
  • 若冲

    Posted by ブクログ

    澤田先生は人の恨みが昇華される過程を描くのが本当に巧み。ラストシーンの弁蔵に胸が詰まった。動植綵絵。。。観に行けばよかった。。。

    0
    2018年12月10日
  • 夢も定かに

    Posted by ブクログ

    歴史の表舞台に立つ人たちの話ではないけど、ちゃんと実在のモデルがいるところが、単なる物語(作り話)に思えなくてワクワクした。奈良時代って、平安時代よりも帝や妃との距離が近いのかな?

    0
    2018年09月02日
  • 若冲

    Posted by ブクログ

    奇矯な絵で人々を魅了した伊藤若冲。
    取憑かれた様に彼を作画にのめり込ませるのは、贖罪の思いなのだろうか。
    彼を憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵に描かせるものは激しい憎悪である。
    若冲は弁蔵に追われ、弁蔵は若冲を追い、さながら光と影のように、または撚り合わさった縄のように存在する、二人の絵師と、作品たち。
    知らぬ間に、お互いがなくてはならない存在となっていったのではないか。
    長い相克の末に、理解に似た境地に至ったのではないか。
    影から見つめる、若冲の妹・志乃の視点だが、兄に寄り添い、弁蔵を慕い、「見届ける者」として確かな存在感がある。
    若冲を失った弁蔵の慟哭は悲しいが、二人の絵師の長い愛憎を浄化

    0
    2018年02月01日
  • 日輪の賦

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古代日本史の本というのをあまり読んでないので、他の作品とは比較できないが、この本は面白かった。戦のシーンはほとんど出てこない政争劇なのだが、適度に緊張感があり登場人物たちの描写も分かりやすくて、ボリュームやテーマの割に読みやすい。

    持統天皇以前まで、天皇ではなく大王(おおきみ)であったこと。そしてその時代まで日本ではなく倭であったこと。
    聖徳太子が小野妹子に託した文書が有名すぎて、その影響が大きいのだが、中央集権制という意味で日本が真に国家の体制を整えたのは、大宝律令が出来て以降だということが良く理解できる小説。

    国家の基盤となる法律があってこその法治国家、そしてその国家には有能な官僚がつ

    0
    2017年09月19日
  • 夢も定かに

    Posted by ブクログ

    奈良時代、しかも聖武天皇の時代を描こうと思えば、藤原四兄弟と長屋王との権力争いや彼が大仏建立に至った気持ちの小説になるのだろう、ふ・つ・うは!

    だが、この作品で描かれているのは宮中で働く菜女と呼ばれる女性たちである。幾分、ライトノベルズのように描かれているのが不満だが、そこにあるのは現代の働く女性にも通じる結婚、仕事、同僚への不満や嫉妬だ。

    権力争いをする男たちの向こう側で女性もまた同じように戦っている。それは現代でも奈良時代でも変わらない。

    読み終えて思う、女はいつも戦い続けてるんだなぁ。でも負けてもへこたれないから、女って強い!

    0
    2016年10月30日
  • 星落ちて、なお

    Posted by ブクログ

    2021年上半期直木賞受賞作
    江戸から大正時代にかけての時代物
    主人公の河鍋暁翠は実在の人物で画家

    時代物=人情物という先入観は
    読み進む度に『業』やな、『業』ってなんだに変わる

    暁翠の父、暁斎は画鬼と呼ばれた狂の人で名人
    子供も弟子もみなどこかしら狂人。
    飛び抜けた才能もない暁翠はその『業』の中で生きていく…。ながらく父親の亡霊と戦っていたが、最後の清兵衛の台詞"人は結局、喜ぶためにこの世に生まれてくるんじゃないですかね"に苦悩や憎しみではなく、眩しく澄みきった煌めきを見つける

    0
    2026年07月05日
  • 春かずら

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ラストまでつながる構成が緻密
    ただ、主人公の父を殺した仇は切腹していたのだから、仇が残した遺書だけを隠せば、主人公は12年間も相手の存在しない敵討ちに無駄な年月を過ごさなくてよかったのではないか。
    文体が美しい

    0
    2026年07月03日
  • 京都折々暮し

    Posted by ブクログ

    この本、一番最初のエッセイのタイトル「天神さんが晴れなら」を見て、あれっ?と思った。よく見たら、「この作品は2023年4月に徳間書店より刊行された『天神さんが晴れなら』を改題しました」と但し書きがあった。
    その本なら読んだけれど、せっかくなので文庫版も読んでみることにしました。
    新しい発見だらけでした。いや、忘れていただけか・・・
    再読って素敵だな。

    興味深かったところを少し。※印は、私の感想です。
    ・都会とは平らなものだと思っていたのに、東京に行って驚いた。「都会なのに坂がある」「道がまっすぐではない」
    ・観光シーズンが来ると、京都市民は天気や行事をチェックし、今日はどこに近づくと苦労する

    0
    2026年06月30日
  • 春かずら

    Posted by ブクログ

    主人公・多賀清史郎は、父・織部が斬られてから十二年間、仇を求めて諸国を巡ります。しかし手掛かりは得られないまま、病死した母を弔うため故郷へ戻ります。
    そこで出会ったのは、父の仇・渡辺幸太夫の息子・隼人でした。正体を隠したまま剣術を教えるうちに、清史郎は隼人を「仇の息子」ではなく、一人の少年として見つめるようになります。

    読み始めは仇討ちの物語だと思っていました。しかし、この作品が描いているのはそうではありませんでした。

    父が斬られた理由を知ったとき、私は「本当に命を奪うほどのことだったのだろうか」と疑問を抱きました。また、藩の事情によって真実を知らされず、12年間も放浪することになった清史

    0
    2026年06月28日
  • 火定

    Posted by ブクログ

    史実をベースにした感染症(天然痘)パンデミックの小説。
    感染症に抗う術のない恐怖が伝わってくる。あらためて医療の発展に感謝。描写がキツイので読み進めるのにはパワーが必要。

    0
    2026年06月27日
  • 金波銀波

    Posted by ブクログ

    海に生きる人間の死生観が通底している本。陸に生きる自分のほのかなそれに対する憧れに対して、かけられる言葉にうならされる。人物が皆魅力的で惹き込まれた。

    0
    2026年06月24日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

    Posted by ブクログ

    京都生まれの京都育ち、母も時代小説家ということで、謂わば京都文化を文章化することについては文句なしの存在である澤田瞳子さん。
    期待通りガイドブックには載っていない生の京都が活き活きと描かれています。
    京都で過ごした学生時代を思い出すと共に、定年後に再度ゆっくり味わってみたいと思いました。

    0
    2026年06月17日
  • 星落ちて、なお

    Posted by ブクログ

    「画鬼」と呼ばれた天才画家 河鍋暁斎の娘として、
    必死に絵に向きあった
    女絵師・暁翠の一生。

    直木賞受賞作。
    コンプレックスにまみれながら、亡き父の作品に
    囚われ続けた彼女の人生は、はたして幸せだったのだろうか

    0
    2026年06月02日
  • 赫夜

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    富士山噴火。
    記録が残されなければ何があったのかは分からない。
    賤民、良民。
    生きるとは。

    0
    2026年05月16日
  • 月ぞ流るる

    Posted by ブクログ

    藤原道長が強大な権力を持っていた時代。
    あくまでも天皇による親政を目指す三条天皇との対立。
    その板挟みとなって苦悩する道長の娘である中宮妍子。

    妍子つきの女房として宮仕えをしていた赤染衛門(朝児)から見た華やかであるはずの平安貴族の世界は、悲しいものだった。
    「この時代の事実を書き残そう」栄花物語を書こうと思い立つきっかけとなった。

    それにしても、ちょっと前に読んだ「道長ものがたり」やNHK大河の「光る君へ」とは、道長の描かれ方が全く違う。ものすごく嫌な奴になってる。

    0
    2026年05月16日
  • 春かずら

    Posted by ブクログ

    時代小説が今、楽しい
    なぜだろう…たぶん…人っていつの時もあまり変わらない、って思えたり、暮らしって同じなんだな、って思えたり…古の人達とどこか繋がっている感覚が面白いのかもしれない

    ****************

    仇討ちという使命を帯びて国許を離れ12年もの間、仇を探し回った清史郎だが、いざ故郷に帰ってみるとそこに待っていた「真実」とは…

    仇の子供達、昔の想い人、旧友、恩師…
    共に過ごした時間が様々な色を成して清史郎を包み込む…秘め事が明かされる…果たして清史郎の答えは?


    ****************

    人間ドラマでもあり、謎解きでもある
    ミステリーとしても上質だと思う

    0
    2026年05月09日
  • 火定

    Posted by ブクログ

    初瞳子。直木賞候補作。時代小説をこれまで読んできて、漸くわかったことが——時代小説ほど、人の生き死にを描けるジャンルはないのだと。
    綱手、諸男の二人の医師。それに一刻も早くこの職場から逃げ出したい名代。この三名を通して、医師、医療とはなんたるかの「本質」を見た気がする。本当に良い作品であった。

    0
    2026年05月03日
  • 梧桐に眠る

    Posted by ブクログ

    久しぶりの澤田さんの本。
    とても面白かった。
    大きな事件の起こる隣で起こっていること。
    1人の人の生き様を描くのがうまい。

    0
    2026年03月31日