澤田瞳子のレビュー一覧

  • 秋萩の散る

    Posted by ブクログ

    初めての澤田作品。これが澤田瞳子かという衝撃。一気にファンになってしまった。当時の地名や呼び名を使いながらも、会話や地の文の説明は分かりやすく、何より当時の風景を想起させる巧みな情景描写が物語を唯一無二のものにしている。

    本作は聖武・孝謙天皇の時代を描いた5編の短編集。特に2作目の「南海の桃李」がお気に入り。吉備真備と高橋牛養の友情、そして当然だけどあまり意識していない未だ日本の領土でなかった島々をどう統治していったのかの端緒とその難しさが出ている。

    0
    2019年12月04日
  • 若冲

    Posted by ブクログ

    澤田先生は人の恨みが昇華される過程を描くのが本当に巧み。ラストシーンの弁蔵に胸が詰まった。動植綵絵。。。観に行けばよかった。。。

    0
    2018年12月10日
  • 夢も定かに

    Posted by ブクログ

    歴史の表舞台に立つ人たちの話ではないけど、ちゃんと実在のモデルがいるところが、単なる物語(作り話)に思えなくてワクワクした。奈良時代って、平安時代よりも帝や妃との距離が近いのかな?

    0
    2018年09月02日
  • 若冲

    Posted by ブクログ

    奇矯な絵で人々を魅了した伊藤若冲。
    取憑かれた様に彼を作画にのめり込ませるのは、贖罪の思いなのだろうか。
    彼を憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵に描かせるものは激しい憎悪である。
    若冲は弁蔵に追われ、弁蔵は若冲を追い、さながら光と影のように、または撚り合わさった縄のように存在する、二人の絵師と、作品たち。
    知らぬ間に、お互いがなくてはならない存在となっていったのではないか。
    長い相克の末に、理解に似た境地に至ったのではないか。
    影から見つめる、若冲の妹・志乃の視点だが、兄に寄り添い、弁蔵を慕い、「見届ける者」として確かな存在感がある。
    若冲を失った弁蔵の慟哭は悲しいが、二人の絵師の長い愛憎を浄化

    0
    2018年02月01日
  • 日輪の賦

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古代日本史の本というのをあまり読んでないので、他の作品とは比較できないが、この本は面白かった。戦のシーンはほとんど出てこない政争劇なのだが、適度に緊張感があり登場人物たちの描写も分かりやすくて、ボリュームやテーマの割に読みやすい。

    持統天皇以前まで、天皇ではなく大王(おおきみ)であったこと。そしてその時代まで日本ではなく倭であったこと。
    聖徳太子が小野妹子に託した文書が有名すぎて、その影響が大きいのだが、中央集権制という意味で日本が真に国家の体制を整えたのは、大宝律令が出来て以降だということが良く理解できる小説。

    国家の基盤となる法律があってこその法治国家、そしてその国家には有能な官僚がつ

    0
    2017年09月19日
  • 夢も定かに

    Posted by ブクログ

    奈良時代、しかも聖武天皇の時代を描こうと思えば、藤原四兄弟と長屋王との権力争いや彼が大仏建立に至った気持ちの小説になるのだろう、ふ・つ・うは!

    だが、この作品で描かれているのは宮中で働く菜女と呼ばれる女性たちである。幾分、ライトノベルズのように描かれているのが不満だが、そこにあるのは現代の働く女性にも通じる結婚、仕事、同僚への不満や嫉妬だ。

    権力争いをする男たちの向こう側で女性もまた同じように戦っている。それは現代でも奈良時代でも変わらない。

    読み終えて思う、女はいつも戦い続けてるんだなぁ。でも負けてもへこたれないから、女って強い!

    0
    2016年10月30日
  • 赫夜

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    富士山噴火。
    記録が残されなければ何があったのかは分からない。
    賤民、良民。
    生きるとは。

    0
    2026年05月16日
  • 月ぞ流るる

    Posted by ブクログ

    藤原道長が強大な権力を持っていた時代。
    あくまでも天皇による親政を目指す三条天皇との対立。
    その板挟みとなって苦悩する道長の娘である中宮妍子。

    妍子つきの女房として宮仕えをしていた赤染衛門(朝児)から見た華やかであるはずの平安貴族の世界は、悲しいものだった。
    「この時代の事実を書き残そう」栄花物語を書こうと思い立つきっかけとなった。

    それにしても、ちょっと前に読んだ「道長ものがたり」やNHK大河の「光る君へ」とは、道長の描かれ方が全く違う。ものすごく嫌な奴になってる。

    0
    2026年05月16日
  • 春かずら

    Posted by ブクログ

    時代小説が今、楽しい
    なぜだろう…たぶん…人っていつの時もあまり変わらない、って思えたり、暮らしって同じなんだな、って思えたり…古の人達とどこか繋がっている感覚が面白いのかもしれない

    ****************

    仇討ちという使命を帯びて国許を離れ12年もの間、仇を探し回った清史郎だが、いざ故郷に帰ってみるとそこに待っていた「真実」とは…

    仇の子供達、昔の想い人、旧友、恩師…
    共に過ごした時間が様々な色を成して清史郎を包み込む…秘め事が明かされる…果たして清史郎の答えは?


    ****************

    人間ドラマでもあり、謎解きでもある
    ミステリーとしても上質だと思う

    0
    2026年05月09日
  • 火定

    Posted by ブクログ

    初瞳子。直木賞候補作。時代小説をこれまで読んできて、漸くわかったことが——時代小説ほど、人の生き死にを描けるジャンルはないのだと。
    綱手、諸男の二人の医師。それに一刻も早くこの職場から逃げ出したい名代。この三名を通して、医師、医療とはなんたるかの「本質」を見た気がする。本当に良い作品であった。

    0
    2026年05月03日
  • 梧桐に眠る

    Posted by ブクログ

    久しぶりの澤田さんの本。
    とても面白かった。
    大きな事件の起こる隣で起こっていること。
    1人の人の生き様を描くのがうまい。

    0
    2026年03月31日
  • 赫夜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    延暦富士山噴火をベースにした歴史時代小説。

    富士山噴火の中で最も古く、記録もほとんどないものをモチーフに、坂上田村麻呂の陸奥征討を絡めるなんてすごい。
    同じ時代の二つの出来事を関係あるように描くのは自分の大好物です。
    噴火によって新たに開通させた箱根道も、陸奥征討も理由の一つにしているのもすごい。
    主人公は富士山ふもとの市井の人々なのだが、その被災状況は近年の御岳噴火などを想起させるほどリアルでありつつも災害小説にとどまっていないところもさすがです。

    0
    2026年03月20日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    京都人は八ツ橋を食べない、京都でも空襲はあった、等、今まで知っているつもりで知らなかった京都の側面を、長年京都で暮らしている澤田先生の視点で知ることができ、たのしかった。
    旅行した際に、紹介されていた「なか卯」は行ったことがあったので、膝を叩き、そういう裏背景があったのか! と驚いた。もっと澤田先生の京都エッセイが読みたくなった。表紙もかわいくてお気に入り。

    0
    2026年03月08日
  • 梧桐に眠る

    Posted by ブクログ

    この時代をこれだけ仔細に描いた物語も少ないので、それだけでも楽しめた。

    『弧鷹の天』を読んでいないので、どう繋がっていくのか読むのが楽しみだ。

    0
    2026年03月04日
  • のち更に咲く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    のち更に咲く

    澤田さんの著作を読むのは、月ぞ流るるに続き2作目です。

    大河ドラマ光る君へを視聴したおかげで読めるジャンルが増えたこと、非常に嬉しく思います。
    特に和泉式部が泉里香で脳内再生されて楽しかったです笑

    史実をよく知らず、私の知識は大河ドラマベースなのでどこまでが史実?となりますが、最後まで読み、倫子も道長も互いに、別に思い人がいたのね・・という感じでした。

    盗賊の首魁が死んだはずの兄だと聞いて、宮城に勤める女房である小紅が、盗賊の正体を追うというストーリー 。

    女房という立場でありながら勇敢に行動する小紅の姿に、本を読む手が止まりませんでした。

    袴垂の空蝉、高雄、御以子に

    0
    2026年03月03日
  • 火定

    Posted by ブクログ

    奈良時代に都で天然痘と戦った人々のお話。会話などが現代語になっているので読みやすく、場面もしっかり目に浮かんで、テレビドラマを見ているような感覚で読み進められました。描写はかなりリアルでした。

    0
    2026年03月02日
  • 龍華記

    Posted by ブクログ

    藤原氏の出でいずれは興福寺の院主になるはずが、父の失脚によりその座を失った範長を主人公に、平氏による南都焼き討ち、平氏の滅亡、南都の復興の様子を描いた作品。
    例に劣らず公家の歪んだ価値観と、人として僧としての本質を対照的に描きつつ、怨みごころは恨みを捨てるとこによってのみ消ゆるがメッセージでした。

    0
    2026年02月28日
  • 梧桐に眠る

    Posted by ブクログ

    平城京の都を舞台にした作品は初めてで、凄く面白かった!!
    普段、時代小説だと、江戸時代や幕末維新が背景のものを読む事が多いので、平城京時代の物語は新鮮で、舞台背景を少し知ることができました。
    主人公の袁晋卿が、唐の都である長安から日本にやって来る事になり、そこには遣唐使として日本から唐に渡っていた玄昉と吉備真備による企みがあり、それはどういう事なんだろう?晋卿は何に巻き込まれているんだろう?ということを頭に置きながら、奈良で過ごす日々を読み進める内に、その世界の中に没入していました。
    晋卿が日本に連れてこられ、更に唐に帰ることが許されない理由が判明し、大宰府に移る事になり、そこでの生活で、次第

    0
    2026年01月29日
  • 梧桐に眠る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    もう二度と家族にも会えず
    祖国にも帰れない

    というのは
    辛いかもしれない。


    タイトルは素敵だなと思った。
    タイトルの様に生きられるのなら
    良かったな

    と思う。

    0
    2026年01月23日
  • 若冲

    Posted by ブクログ

    ”星落ちて、なお”を読んでいたからか、「あーこれが澤田瞳子さんの小説か!」という色を味わえた作品。

    若冲は終生未婚だったと言われており、史実とは異なる点もある歴史小説ではあるが、読み応え十分。そして影の主役と言える弁蔵あってこその若冲であろう。このように人物を描けるのは、なかなかないと感じている。

    澤田瞳子さんの人物像の描き方に非常に興味が出てきたので、他の作品も読んでみます。

    0
    2026年01月10日