澤田瞳子のレビュー一覧

  • 孤城 春たり

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    ネタバレ

    澤田瞳子の小説『孤城春たり』は、備中松山藩の財政改革を成し遂げた山田方谷を軸に、各章で異なる人物の視点から描かれる群像劇。各章の内容は以下の通り。

    第一章「落葉」
    主人公は山田方谷に反発し、彼を討とうと画策する剣術指南役の熊田恰(あたか)。方谷を「君側の奸」と見なし、その改革を認められない恰が、方谷の真意と周囲の反応に触れる中で、自身の考えを改めていく過程が描かれている。
    第二章「柚の花香る」
    菓子商の跡取りだったが店が潰れ、孤児となった少年・玉秀が主人公。寺に引き取られた玉秀が、山田方谷との出会いを経て、困難な状況の中でも希望を見出し、成長していく姿が描かれている。
    第三章「飛燕」
    山田方

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    2025年05月25日
  • 京都の歩き方―歴史小説家50の視点―(新潮選書)

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    「(心の)故郷は遠きにありて思ふもの」
    私の、京都に対しての想いはそんな感じ。京都への憧れは十歳くらいにはじまったと思うが、旅行したのは修学旅行を含めて10回に届くかどうかというところである。(きっかけは、夏休みに家族で大阪万博(1970年)に行ってきたというお金持ちの友達が、ついでに京都に寄って観光して来たという写真を大量に見せてくれたことによる)
    近年の、外国人旅行者の混雑を見るにつけては、もう一生、京都に行くことはないだろうと思ってしまう。
    でも、本当に京都に憧れている。
    そんな私に、居ながらにして京都旅をさせてくれる本書である。

    澤田瞳子さんの、歴史の研究者であり、小説家であり、京都

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    2025年05月07日
  • 吼えろ道真 大宰府の詩

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    前作に引き続き道真を一人の人間として描いてゆく中で、左遷直後の理不尽さへの怒りから帝との信頼関係が幻想だったと気付いた後の心境変化、官位など関係なく純粋に自分の才能を評価してくれる人々との交流など、まさに唯一無二の道真作品だと思います。
    福岡に住んでいた時にもちろん天満宮は参拝しましたが、太宰府庁跡にも行っておくべきだった。。。

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    2025年05月06日
  • 孤城 春たり

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    備中松山藩の立て直しをした山田方谷のことを、本人の語りではなく、回りの人たちの関わりから描きだすお話。第一章で熊田恰という剣の達人が方谷を斬ろうとする場面から始まる。熊田は結局、方谷の信奉者となり、物語のクライマックスでも重要な役となった。時代は海外の船が日本に来るようになり、明治へ移ろうとする頃。
    日本史オンチなのでゆっくり読み進めたが、一つ一つのエピソードは人間ドラマのように描かれていたので、全く知らない藩の話だったけど、楽しんで読み進められた。
    難易度高めで、一般的にも知られていない人たちの話なので高校以上向け。

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    2025年04月14日
  • 赫夜

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    今ある現実は あたりまえじゃない
    改めて 強く感じました。
    人の思いはずっと残るのかなぁ…
    たくさんの人に読んでほしい
    と 思います。
    初版の販売される赫夜全冊にサインされていて サインをみて 嬉しかったです。

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    2025年04月12日
  • 月人壮士

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    奈良時代 聖武天皇の御代
    自らの血統に苦悶する首天皇
    今際の際に残した最後のご遺詔は何なのか?
    各章で語られる別の人々の視点で語られる生涯で明らかになるお姿が、ラストシーンで集約される

    この時代の小説を全然読んで来なかったので案の定苦戦しましたが、いい作品だった

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    2025年04月12日
  • 漆花ひとつ

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    「うーむ」と唸るしかない!さすが、澤田瞳子さんの作品は、平安時代後期という、あまり描かれない、描かれても、源平の争いがほとんどの時代における庶民の話という、普通だったら面白そうもないことを、これ程面白くしてしまう。今更ながら、凄い。

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    2025年03月13日
  • 月ぞ流るる

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    『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)と訳ありの比叡山の御坊さんとの関わり。『光る君へ』での赤染衛門(凰稀 かなめさん)がとても魅力的で、他の配役も大河バージョンでサクサク読み進められました。

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    2025年03月10日
  • 月人壮士

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    漢字が読めないのと人物相関の理解がおっつかんくて読むの苦戦したけど、文体は読みやすく最期まで読み切って、切なさに評価上がりました。

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    2025年02月27日
  • 灯台を読む

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    作家さん達が全国18か所の灯台を巡り、紹介する紀行文。島国である日本人は古くから海と共生してきたが、現在のような西洋式灯台が建設されたのは明治維新以降になってからだという。風の吹きすさぶ岬の突端でポツンと立ちながら必死に灯を届ける様子は、孤高であり浪漫を掻きたてられる。
    近代日本の文化遺産として、灯台が見直されつつあり、各地域では新たな観光資源となっている。各地に旅行に行く際に、灯台へふらりと寄ってみるのも楽しそうだ。私の地元の灯台も紹介されていたので、まずはそこから訪問したい。
    また、どの作家さんも『喜びも悲しみも幾年月』という映画について言及されていた。近代日本を支えた誇りある灯台守という

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    2025年02月11日
  • 赫夜

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    平安時代の賤民を主人公にした小説というのが私には目新しかった。
    自分にとってあまり聞きなれない言葉遣いも、小説に趣を添えていて好もしく感じた。
    これでもかというくらいの苦難。人間の弱さ、愚かさ、狡さ。そういった中でも生き残った者たちの営みは連綿と続いて行く様子が描かれている。
    予測不可能な自然災害というのは決して他人事ではないし、人間の願いや祈りや努力や思いなど通じないどうしようもなさというのも古今東西あるだろう。善悪や好悪とは別次元で、それぞれの立場で現実の問題や変化を受け入れて生きていくしかない、それが人生。そうやって人間は生きてきたしこれからもそうしていくのだろう。

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    2025年01月26日
  • 孤城 春たり

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    見開きの登場人物の多さにのけぞったが、1話ずつ、時代が流れて行くので、いっぺんに登場することはなくひと安心。
    幕末に学問を元に人々を導いた方谷、彼に惹かれた人々が自分の人生を見つめ直し、より正しく生きていこうとする姿が爽やかに描かれる。
    これまで知らなかったか、実在の人物のようだ。実話かと思うと、ますます方谷の偉大さが伝わってくる。

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    2025年01月23日
  • 赫夜

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    2度の富士山の噴火という大災害ににみまわれながらも、懸命に生きる牧や郷の人々の姿に浸ってはいられなかった。
    困難な上に困難が押し寄せても、そこには良民も賤民も関係なく、生き続けなければいけない。「生き続けなければいけない」この言葉が凄く胸に響きました。
    主人公である鷹取の、牧に来てから心持ちが変化していく様子もとても興味深いものでした。
    小説の中に没頭できて面白かったです。

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    2025年01月20日
  • 孤城 春たり

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    城郭見学で初めて備中松山城を訪れたのは50年前。それ以来何度も訪れていて好きな城郭の一つ。それで読み始めたが幕末にこんな悲しい結末を迎えたんだなぁ。

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    2025年01月14日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    朝廷での権利争いに敗れて太宰府に配流され、その怨みを宥めるために天神さんとして祀られた、というエピソードは有名な菅原道真を生身の人間として取り上げた作品。
    当時の記録からして性格や日常生活に関する資料なんて殆ど残ってないはずなので、数少ない史実をベースにここまで面白い物語に仕上げたのは流石です。
    諸説ある小野小町を意外なキーパーソンとして登場させているもの面白い。次作も期待。

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    2025年01月09日
  • 孤城 春たり

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    備中松山藩の幕末期の顛末を描く。
    知より剣を尊ぶ熊田恰は山田方谷を付け狙っていたが、大石や三島の諫言で方谷に準じていく。

    幕末の顛末を知る読者には備中松山藩の行く末がわかっているだけに、藩主板倉勝静が徳川幕府へ恭順していた故の顛末には悲しむべきものがあった。
    時代小説ではあまり書かれてこなかった備中松山藩を取り上げた本作は、幕末期の歴史観に新たな一面が加わわり興味深かった。

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    2025年01月06日
  • 夢も定かに

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     奈良時代の宮仕えの采女、若子・笠女・春江を軸とした青春小説。十代の女の子が主人公とは言え、話は政治に情欲と生々しく実に古代らしく良い。三人それぞれキャラは立っているものの、あまり感情移入できず、小説の評価としてはまずまず。心情描写はしっかりしているが、事件に重点を置いているからか、事の重大さに比して軽い。これが当時のリアルなのかもしれないが。
     各短編の中で群を抜いて好きなのが「藤影の猫」。最近よく落語をきくが、まさに落語の人情噺のような温まる落ち。不遇をかこつ采女のささやかな抵抗といたずら。籠の鳥と自身の境遇を重ねる表現に心を掴まれる。皇女目線では敵にあたる藤原房前にも人の心と流儀があり、

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    2024年12月30日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    あー好き。温かい読後感。菅原道真…あまりに存在が遠すぎて、実在した普通の人間なのだと考えたこともなかった。会話して、泣いて笑って、同じ人間であることが強く感じられて、あー最後まで、読めてよかった。
    …というのも、語彙が難しすぎて、スマホが手放せなかった。平安時代はあまり興味がなかったけれど、やっぱり澤田瞳子さん、いいわー(^^)

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    2024年12月12日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    登場人物がみな、生き生きしていました。亡くなっていく人も臨終の瞬間まで生き生きしていました。と、なんとも矛盾した言い方ですが、その場での役割をしっかりと果たして、この話の中でなくてはならない存在感を放ち、亡くなっていきました。人だけではなく、書画までが登場人物として人格と存在感を持って訴えかけてきました。
    とはいうものの、決して重苦しいものではなく、だからと言って軽々しくなく、激しい一陣の雷雨のように過ぎていきます。
    ヒロイン、道真と同時代の人であったのか、とつくづく思った次第です。彼女は彼女で有名ですが、なんというか、時代から浮き立った存在。六歌仙の中でも一人、時代から浮いているような感覚だ

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    2024年12月06日
  • 赫夜

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    馴染みのない時代の話なのだけど読めちゃうのがすごいんだよなー。さすがです。全冊サイン入りの試みもすごい。

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    2024年11月23日